ダンピールは人間の女性から産み落とされた半ば生きているヴァンパイアの子であり、恐怖と悲劇の子である。ダンピールを妊娠する条件はしばしば問題となるが、命ある母はわずかしか子供の誕生を生き延びることがないため、ほとんど分かっていない。生き延びたものはその恐ろしい子供を捨て、口にすることをはばかることが多い。命ある女性がヴァンパイアと行為に及んだ結果という予測もあるし、妊娠した女性がヴァンパイアに噛みつかれたことによりその形をとったと主張するものもある。特に熱心な学者はダンピールは固有の種族だという位置付けにすら反駁し、代わりに不浄な接触により変質した人間と見なしている。実際、この仮説はダンピールは繁殖できず、彼らの子が人間(通常アンデッドの血脈を持つソーサラー)となるのは避けられないように見える点によって補強される。いずれにせよ、他の定命のクリーチャー同様に彼らは生き、そして死ぬ。しかしまるでエルフにも似て、彼らは信じられないほど長い時を生き続ける。
ダンピールが成長する何年もの期間には、困難と苦痛が満ちている。孤児として成長するものがほとんどで、その素晴らしい容貌と生まれながらの魅力にもかかわらず、彼らは偏見と疑念、恐怖と迫害の一生を過ごす。ダンピールの子供が持つ超自然的な力や陽光への過敏性という不吉に見える生態に直面した人間は、あからさまに毛嫌い、驚きから恐怖までの様々な反応を示す。最終的に、ダンピールは世界の中に自分の居場所を見つけるために、これらの困難に立ち向かうすべを学ばねばならなくなる。ほとんどのダンピールはアンデッドの出自から来る生来の邪悪性に屈服し、社会にとって恐ろしい不浄な存在へと変化していく。しかしその不浄な出自を拒絶し、彼らを産み落とした様々なクリーチャーを狩るべく、母の仇を取ることを誓うものもいる。
仮に持つとしてさえ、ダンピールは緊密な仲間をほとんど持たない。結局のところ、邪悪なダンピールの大多数は道具や食料として以上に仲間に関心を持つことはない。彼らが役に立つと思うものはその個人の長所によって評価され、種族は勘案されない。しかし彼らが愛着を覚えるものに対してさえ、ほとんどのダンピールは不機嫌で打ち解けることはない。彼らが受けた迫害が仲間に向けられる可能性を恐れている者もいれば、その一方で自らの血の渇きが自らを凌駕し、うかつにも友人に牙を剥くことを恐れる者もいる。いずれにせよ、ダンピールと手を結ぶというのはいつも不運な結末を迎えることになる。
身体的特徴:ダンピールは背が高くすらりとしてはっきりとした筋肉を備えており、この世のものならぬ美しさを備えた優雅な人間のように見える。髪や目、肌の色は気力を失った母のものに似ている。その多くは幽霊のように蒼白で、特に陽光の下では暗い顔にしばしば痣のような色をした肌を持つ。
多くのダンピールは理想的な状態の人間として通用するが、その特徴は否応なく目につき、不自然なほど優雅なしなやかさで行動する。全てのダンピールは長い犬歯を持つ。本当の牙ではないものの、その歯は血を吸うのに十分なほど鋭い。実際には肉体的な利益をほとんど得られないにも拘わらず、多くのものは血生臭い喜びに耽りたいという忌むべき欲望に晒される。
社会:ダンピールは種族独自の文化を持たず、自分たちが国や共同体にいるかさえ知らない。密やかに生まれ孤児として捨てられたり殺すために町の外れに置き去りにされることが多いため、彼らは追放者やのけ者として一人で生きる傾向がある。それぞれが文化的な信念や自分の育った地の教育を受け、その複雑な人生の流れを超えるさらなる哲学を受け入れる。様々な状況に適応する能力は、狩るものと獲物のどちらからもダンピールを社会的に隠してしまう。
珍しい例として、ダンピールは共通の問題を解決しようと、小さな集団や徒党を作るために集まることがある。そのような場合でさえ、そのような集団の思想は共通のダンピールの文化といったものではなく、参加者が影響を受けたものを反映する。
種族関係:ダンピールは悪の子孫であり、好意的に捉える種族はほとんどいない。彼らは似た祖先を持ち人間社会と距離を置く混血種族、とりわけティーフリングやハーフオークに親しみを持つ。人間は彼らを恐怖と憐憫の混ざった目で見るが、その感情が憎しみと暴力に変わることもしばしばだ。ドワーフ、エルフ、ハーフリングといった他の人型生物は単に彼らを避ける。同様に、ダンピールは生きているクリーチャーに根源的な嫌悪感を抱く。彼らの憎しみは嫉妬により根ざし失望により育てられたものだ。
属性と宗教:ほとんどのダンピールは血に内在する悪に圧倒される。彼らは通常ならざるクリーチャーであり、アンデッドの出自による不浄な影響のために、邪悪な見方を乗り越えるのは難しい。悪に染められた出自にもがく彼らは、中立な視点を超えて進むことはほとんどない。
冒険者:定期的な迫害が過ごしてさまよう日々の生活の多くで向けられるため、ほとんどのダンピールは必然的に冒険者の生活に流れていく。邪悪なダンピールはその秘密主義を守り、大衆のリンチから逃れるために移動を続ける。その一方で、復讐の道を行くものは忌み嫌う父を探して自らを危険にさらす。その理由に拘わらず、ほとんどのダンピールは定住よりも流浪の旅の方がただ住みよいと感じる。正式な訓練を受けたわけではないが、この素晴らしい旅人の多くはファイターやローグになる。
ほとんど例外なく、魔法に傾倒するものは死霊術の領域を探求する。しかしダンピールの錬金術師は強迫観念に駆られてその肉体の変化を知ろうとする。狩りの呼び声を感じるものはしばしばインクィジターになる。
名前:文化がなく統一された伝統を持たないダンピールは、人間の好みと同じように様々な名前を持つ。多くのダンピールは母の姓を受け継ぐが、彼らの生まれた町や地域を姓とするものもいるし、意義深い出来事を姓に使うものもいる。
+2【敏捷力】、+2【魅力】、-2【耐久力】:ダンピールは素早く魅力的だが、生まれ持ったアンデッドとの繋がりは生命の力を弱めている。
ダンピール:ダンピールは(ダンピール)の副種別を持つ人型生物である。
中型:ダンピールは中型クリーチャーであり、サイズによるボーナスもペナルティも受けない。
普通の移動速度:ダンピールは30フィートの基本移動速度を持つ。
巧妙/Manipulative:〈知覚〉と〈はったり〉判定に+2の種族ボーナス。
アンデッドの抵抗/Undead Resistance:ダンピールは病気と[精神作用]効果に対するセーヴィング・スローに+2の種族ボーナスを得る。
光に過敏:ダンピールは明るい太陽光の下やデイライト呪文の範囲内では目が眩んだ状態になる。
負のエネルギーへの親和性:ダンピールは生きているクリーチャーではあるが、あたかもアンデッドであるかのように正のエネルギーによって傷つき、負のエネルギーによって癒される。
擬似呪文能力:ダンピールは1日3回擬似呪文能力としてディテクト・アンデッドを使用することができる。この能力の術者レベルはダンピールのクラス・レベルに等しい。
レベル吸収に対する抵抗(変則)/Resist Level Drain:ダンピールは生命力吸収の効果から何らペナルティを被らないが、負のレベルがヒット・ダイス以上になった場合は死亡する。24時間後、ダンピールが被った全ての負のレベルは追加でセーヴィング・スローを行う必要なく取り除かれる。
言語:ダンピールはプレイ開始時に共通語の会話能力を持っている。高い【知力】を持つダンピールは望みの言語を選択することができる(ただしドルイド語のような秘密の言語を除く)。
既存のダンピールの種族特性の代わりに以下の種族特性を選択してもよい。この新しいオプションのいずれかを選択する前に、君のGMに相談をすること。
太陽に祝福されしもの/Dayborn:少数の幸運なダンピールは聖職者の祝福の中、太陽の下に生まれる。そしてその血は他のダンピールよりも、アンデッドの血脈からの恩恵が弱まっている。このようなダンピールは光に過敏の種族特性を失う。この種族特性は擬似呪文能力の種族特性の代わりに取得できる。
鋭き犬歯/Fangs:時折、ダンピールは父親から長い犬歯を継承することがある。ダンピールは組みつきの戦技を行う時はいつでも、噛みつき攻撃を使用しているかのように敵を噛むことができる。これは1d3ポイントのダメージを与える。標準アクションとして、ダンピールは縛られていたり無防備状態、麻痺状態、あるいは同種の自分自身を守ることができないクリーチャーを噛むことができる。この種族特性は擬似呪文能力の種族特性を置き換える。
吸血鬼との共感:ダンピールはしばしば元となった人型生物と密接な関係や心を通わせるのが不得手である。これらのダンピールはまるでスピーク・ウィズ・アニマルズ(術者レベルはダンピールのヒット・ダイスの1/2と等しい)の影響下にあるかのようにウルフ、バット、ラットと意思疎通をする能力を得る。さらに、ダンピールはそれらの動物たちに対する〈交渉〉判定に+2の種族ボーナスを得る。ダンピールが意思疎通を開始する際、動物たちの態度は中立的から開始される。この種族特性は巧妙の種族特性を置き換える。
以下のオプションは記載の適性クラスを有するダンピールに適用可能であり、特に断りのない限り、ボーナスは適性クラスの特典を選択するたびに適用される。
アルケミスト:アルケミストの変異薬の持続時間に10分を加える。
クレリック:アンデッドに影響を与えるために使用するエネルギー放出特技の術者レベルに+1を加える。
ファイター:瀕死状態における容態安定化ロールに+2のボーナスを得る。
インクィジター:人型生物の“士気をくじく”際に行う〈威圧〉判定に+1/2のボーナスを得る。
ローグ:薄暗い照明のもと、または暗闇での〈隠密〉および〈知覚〉判定に+1/2のボーナスを得る。
オラクル:負のエネルギーのダメージを与える呪文に+1/2ポイントの負のエネルギー・ダメージを加える。
ウィザード:死霊術系統の呪文を発動する際、ウィザードの術者レベルに+1/4を加える。
操り方を知るものにとって、ダンピールの血は強力な魔法の構成要素になる。血術士は生物の血とアンデッドの体液の混じり合った、独特の体液の力を死霊術に注ぎ込む。その力は奇妙な秘術の技を増幅し、血術士は死霊術呪文にその独特の血を注ぎ込む有力な手法を見出すのだ。血術士は以下のクラス特徴を持つ。
血の注入(超常)/Blood Infusion:血術士が死霊術系統の呪文を発動する際、即行アクションとして自らのアンデッドに汚染された血を呪文に注入することを選択してもよい。レベルが増加することで、この注入による力や効果はより強力になる。血術士が血の注入を使用するたび、刃で自分を傷つけるか過去の傷のかさぶたを剥がすかして自分の血を一滴流す。このようにすると、血術士は1d4+注入された呪文のレベルに等しいダメージを受ける。血術士は血の注入の1種別のみを呪文に適用することができる。1レベルの時点で、血術士は以下のいずれかの効果を死霊術呪文に注入することができる。
集中の注入/Focused Infusion:この注入を使用すると、血術士は注入した死霊術呪文の難易度に+1を加える。
不調の注入/Sickening Infusion:この注入を使用すると、注入された死霊術呪文によってダメージを受けたクリーチャーは1ラウンドの間不調状態になる。
血の命令(超常)/Blood Command:5レベルの時点で、血術士はアニメイト・デッド呪文を発動する際、通常の術者レベルごとに4ヒット・ダイスまでではなく、術者レベルごとに5ヒット・ダイスまでのアンデッド・クリーチャーを制御することができる。また、血術士は以下の血の注入能力を得る。
命令の注入/Commanding Infusion:アニメイト・デッドにこの注入を使用することで、血術士はヒット・ダイス合計が術者レベルの2倍ではなく、術者レベルの3倍のアンデッドを作ることができる。
血の冒涜(超常)/Blood Desecration:10レベルの時点で、血術士は以下の血の注入を得る。
冒涜の注入/Desecrating Infusion:この注入を使用する際、血術士は自身かこの注入で修正された呪文の目標1体を中心としたディセクレイトの効果を及ぼすことを選択することができる(この選択は発動時に行う)。この効果はディセクレイトと同様に機能するが、血術士の術者レベルごとに1分間持続し、ディセクレイト効果を強化する祭壇や社などの恒久的な施設と相互作用を起こすこともない。この能力は10レベルのウィザードのボーナス特技と置き換える。
血の能力(超常)/Blood Ability:15レベルの時点で、血術士は命令の注入で修正された呪文で作られたアンデッド・クリーチャー1体を通して念視を行うことを選択できるようになる。このアンデッド・クリーチャーはアーケイン・アイ呪文を帯びているものとして扱う(術者レベルは血術士のウィザード・レベルに等しい)。この能力は15レベルのウィザードのボーナス特技と置き換える。
注入の完成(超常)/Perfect Infusion:20レベルの時点で、血術士は自らの血をダメージを受けることなく血の注入に使用することができるようになる。この能力は20レベルのウィザードのボーナス特技と置き換える。
自らの誕生した恐ろしい状況に愕然として罪の意識に苛まれ、同族殺しはその身体を流れる血を持つクリーチャーを根絶やしにすることに専念する。その人生は人間を獲物とする吸血種のモンスターを狩り殺戮することに注がれる。同族殺しは以下のクラス特徴を持つ。
審判(超常):1レベルの時点で、同族殺しは以下の審判を得る。
殺し屋の焼き印(超常)/Slayer's Brand:この審判を使用する際、同族殺しは正のエネルギーでアンデッド・クリーチャーに焼き印をつける能力を得る。そのためには、同族殺しはアンデッド・クリーチャーに対する近接接触攻撃に成功しなければならない。この攻撃は1d6+同族殺しの【魅力】修正値に等しい正のエネルギーによるダメージを与え、同族殺し独自の印がそのアンデッド・クリーチャーの肉体、骨、非実体形態の中さえも焼き付けられる。これ以降、同族殺しは焼き印をつけられたクリーチャーの存在を、ロケート・クリーチャー呪文(術者レベルは同族殺しのインクィジター・レベルの1/2に等しい)の目標であるかのように感じ取ることができるようになる。殺し屋の焼き印はアンデッド・クリーチャーが破壊されるか、同族殺しがこの能力を他のクリーチャーに使用するまで持続する。この能力は破壊の審判と置き換える。
上級焼き印(超常)/Greater Brand:1レベルの時点で、同族殺しは自らの殺し屋の焼き印の審判を、レベルを得る際に修正する方法を学ぶ。同族殺しがチームワーク特技を得る能力を得る際、その代わりに自らの殺し屋の焼き印の審判に以下の修正から1つを学ぶことができる。
焼き印光線/Branding Ray:殺し屋の焼き印は20フィートの有効距離を持つ遠隔接触攻撃として使用できるようになる。同族殺しはこの修正を複数回修得できる。修得するごとに、焼きごての有効距離が20フィートずつ増加する。
衰弱の焼き印/Debilitating Brand:殺し屋の焼き印の審判の影響を現在受けているクリーチャーは、つけられた焼き印の同族殺しに対する攻撃ロールに-2のペナルティを被る。
破壊の焼き印/Devastating Brand:同族殺しの攻撃が自らの殺し屋の焼き印をつけたクリーチャーを攻撃する際、19~20の出目でクリティカル可能状態となる。同族殺しが善属性ならば、焼き印をつけたクリーチャーへのクリティカル・ロールに+2の清浄ボーナスを得る。
二重焼き印/Dual Brand:同族殺しは同時に2体までのクリーチャーに焼き印をつけることができる。
聖なる焼き印/Holy Brand:同族殺しはアンデッドと同様に、(悪)の副種別を持つクリーチャーにも焼き印を使用することができる。
焼けつく焼き印/Searing Brand:同族殺しの殺し屋の焼き印はインクィジター・レベル5毎に追加で1d6ポイントのダメージを与える。殺し屋の焼き印が命中したクリーチャーが明るい光への脆弱性を持つ場合、殺し屋の焼き印のダメージ・ダイスはd8へと変更される。この変更を修得するには、同族殺しは少なくとも6レベルでなければならない。
銀の焼き印/Silver Brand:同族殺しはアンデッドと同様に、ライカンスロープや銀に対する脆弱性を持つクリーチャーにも焼き印を使用することができる。
同族殺しが上級焼き印を修得するたびに、この能力はそのレベルの時点のチームワーク特技を得る能力と置き換える。
アンデッド知覚(擬呪)/Undead Sense:2レベルの時点で、同族殺しは擬似呪文能力としてディテクト・アンデッドを回数無制限で使用する能力を得る(術者レベルは同族殺しのインクィジター・レベルに等しい)。アンデッドの存在を知覚したなら、同族殺しは魔物の知識能力を使用して、アンデッドが持っている可能性のある強みや弱点を暴くために、知覚したアンデッドの種別を知ろうと試みることができる。知覚したアンデッドがヴァンパイアだった場合、この即座に識別するための判定に自身のインクィジター・レベルをボーナスとして加える。
以下のオプションはダンピールに適用することができる。この新しいオプションのいずれかを選択する前に、君のGMに相談をすること。
ハートステーク・ボルト(心臓を貫く矢)/Heartstake Bolts:純粋なダークウッドで特別に作られるハートステーク・ボルトは、ヴァンパイアを殺す為に特別に作られた。ハートステーク・ボルトはどのクロスボウからでも射出できるが、攻撃ロールに-2のペナルティを受け、射程単位はその武器の半分になる。ハートステーク・ボルトが命中したヴァンパイアは通常のダメージを受けた上、難易度20の頑健セーヴィング・スローに成功しなければ1ラウンドの間無防備状態で地面に倒れてしまう。このようにしてヴァンパイアが無防備状態になっている間、クリーチャーは全ラウンド・アクションとしてヴァンパイアの心臓にハートステーク・ボルトを突き刺すことで、ヴァンパイアにとどめを刺すことを試みることができる。ハートステーク・ボルトによるこの衰弱させる効果が終了すると、ヴァンパイアは移動アクションとしてこのボルトを引き抜くことができる。ハートステーク・ボルトで殺されたヴァンパイアは、ヴァンパイアの弱点に記載される木の杭でヴァンパイアを殺すルールと制限に従う。
ハートステーク・ボルトはその種別のクロスボウにおける通常のダメージを与える。
立ち襟/Neck Guard:硬化した革を金属の帯で補強して作られたこの襟は、首の周りに取り付けるとヴァンパイアの噛みつき攻撃から着用者を守る。立ち襟はヴァンパイアの噛みつきや特に着用者の首を目標とする類似の攻撃に対するアーマー・クラスに+1の鎧ボーナスを提供する。ほとんどの鎧ボーナスと異なり、立ち襟の+1ボーナスは軽装鎧や中装鎧の鎧ボーナスと累積するが、重装鎧を身につけている際には追加のボーナスを提供しない。
ヴァンパイア殺しキット/Vampire Slayer's Kit:この小さな掛け金付きの木のケースには、ヴァンパイアを狩り殺す際に用いる道具と装置がいくつも入っている。この中にはにんにく10個、高品質の木の杭、ハンマー、銀製の鏡、聖水4ビン、シルヴァーシーン1回分、高品質の聖印が入っている。さらに傷を癒やしたり防護をなす何種類もの粉や軟膏、その他の調合物が収められている。通常のアイテムの効果に加えて、ヴァンパイア殺しキットを見せることで、持ち主はヴァンパイアを調査したり探したりする際に行う全ての【魅力】基準の判定に+2のボーナスを得る。
品物 |
費用 |
|
---|---|---|
ハートステーク・ボルト(5) |
100GP |
3ポンド |
10GP |
1/4ポンド | |
500GP |
8ポンド |
非常に強い血は君に活力を授ける。
利益:(ゴブリン類)のように、人型生物の副種別を(ダンピール)以外から1つ選択する。君はこの副種別の持つクリーチャーの血の味を覚えている。その副種別を持つクリーチャーの新鮮な血液を飲むたびに、君は5ポイントの一時的ヒット・ポイントを得、【耐久力】基準の技能判定とセーヴに+1のボーナスを得る。この効果は1時間持続する。一時的ヒット・ポイントは君のヒット・ダイス3ごとに5ポイントまで最大累積するが、【耐久力】基準の判定とセーヴィング・スローに対する+1のボーナスは累積しない。
通常、君は押さえ込まれた状態、気絶状態、組みつき状態、麻痺状態、満身創痍状態、無防備状態の敵から血を吸うことができる。もし、噛みつき攻撃を行えるのであれば、噛みつき攻撃の一部として自動的に血を吸うことができる。さもなければ、まず最初に斬撃または刺突のダメージ種別の武器によって、対象に1ポイントのダメージを与え、出血させなければならない(ひどい傷や出血効果を負ったクリーチャーであれば、最初に切りつける必要なく血を吸うことができる)。対象を出血させたならば、君は標準アクションとして、その傷口から血を吸うことができる。血を吸うたびに対象は【耐久力】に2ポイントのダメージを受ける。
血液は、選択した副種別の人型生物のものでなければならない。またそれは死亡していたり、召喚されたクリーチャーのものであってはならない。同意していない知性のある生物を対象とすることは邪悪な行為である。
非常に強い血は君に超人的な力を授ける。
利益:《血吸》の特技によって、4ポイント以上の【耐久力】を生きているクリーチャーから吸収した場合、君はダメージ・ロールに+2、【筋力】基準の技能判定に+1のボーナスを得る。このボーナスは君のヒット・ダイスの1/2に等しいラウンドの間持続する。
君は癒しの恩恵を得るために生きているクリーチャーから血を飲む必要はない。
利益:君は選択した人型生物の副種別を持つ、死んでいるクリーチャーに対して《血吸》特技を使用することができる。ただし死亡してから6時間未満のクリーチャーに限定される。
通常:君は生きているクリーチャーから新鮮な血液を飲んだ場合にのみ、《血吸》特技の恩恵を受ける。
血液に対する君の嗜好は他のダンピールよりも幅広い。
利益:人型生物の副種別か種別人型怪物を1つ選択する。選択した人型生物の副種別か人型怪物のクリーチャーに、君の《血吸》特技を使用することができる。
特殊:君はこの特技を複数取得できる。取得するたびに新しい人型生物の副種別か種別人型怪物を選択できる。
利益:君は自分に友好的な人型生物に対する【魅力】基準の技能で魅惑、勧誘、説得を行う際、出目20を選択することができる。出目20を選択する場合、通常の20倍の時間を要する。
通常:君は失敗する可能性がある場合、出目20を行うことはできない。
(Amulet of Channeled Life/子の命の護符)
オーラ 中程度・変成術; 術者レベル 10レベル
装備部位 首周り; 市価 12,000GP; 重量 1/2ポンド
この護符は、古代のルーンが刻まれた鈍い灰色の金属に青白く半透明の宝石がはめこまれたものだ。負のエネルギーへの親和性種族特性をもつ者が身につけると、このアイテムは着用者の肉体に対する正のエネルギーの効果を変化させる。生きているクリーチャーを癒やす正のエネルギーの目標となった時、着用者は代わりに正のエネルギーが回復するヒット・ポイントの半分に等しい一時的ヒット・ポイントを得る。この一時的ヒット・ポイントは10分後に失われる。この効果はライフ・チャンネル(後述)や正のエネルギーによる回復を一時的ヒット・ポイントに変換するその他の効果とは累積しない。
このアイテムは実際に正のエネルギーを負のエネルギーに変換しているわけではない。着用者の肉体が正のエネルギーに反応するようにしているだけである。生きているクリーチャーだけがこの護符の利益をえることができる。アンデッドはこの利益を得ることはできない。
必要条件 《その他の魔法のアイテム作成》、ライフ・チャンネル; 費用 6,000GP
(Lenses of Darkness/闇のメガネ)
オーラ 微弱・変成術; 術者レベル 3レベル
装備部位 両目; 市価 12,000GP; 重量 ―
暗い色をした水晶製の材質で作られ、魔法の闇を注ぎ込まれたこれらのメガネは着用者の目に馴染む。光に過敏や光による盲目化を持つクリーチャーが身に付けると、このメガネは陽光の効果、デイライト、類似の[光]効果から着用者を守る。両目に付けなければ、この魔法の効果は有効にならない。
必要条件 《その他の魔法のアイテム作成》、ダークネス; 費用 6,000GP
(Symbol of Unholy Command/不浄なる命令の邪印)
オーラ 微弱・死霊術; 術者レベル 3レベル
装備部位 無し; 市価 8,000GP; 重量 1ポンド
この邪印は、全て人間の骨から削り出したかのようだ。着用者が《アンデッド威伏》特技の焦点具としてこの邪印を使用する際、使用者はこの特技の難易度に+1の不浄ボーナスを得る。
5ヒット・ダイス以下の善のクリーチャーがこの邪印に触れようとした場合、難易度15の意志セーヴに失敗すると1ラウンドの間不調状態になる。意図的にシンボル・オヴ・アンホーリィ・コマンドを使用する行為は悪の行いである。
必要条件 《その他の魔法のアイテム作成》、《アンデッド威伏》もしくはコマンド・アンデッド; 費用 4,000GP
Blinding Ray/盲目光線
系統:力術[善、光]; 呪文レベル:インクィジター3、クレリック2、パラディン2
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作、信仰
距離:近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
効果:1本以上の光の光線
持続時間:瞬間(本文参照)
セーヴィング・スロー:頑健・無効; 呪文抵抗:可
術者は敵を眼も眩むような太陽光線で撃つ。術者は光線1本に加え、3レベルを超える4レベル毎に追加で1本の光線(11レベルで最大3本の光線となる)を撃ち出すことができる。光線はそれぞれ命中させるために遠隔接触攻撃を行う必要がある。当たれば光線は光の欠片に爆発し、対象はセーヴに成功しなければ1ラウンドの間、盲目状態になる。もし、対象が光による盲目化や光に過敏、光に対する脆弱性の特徴を持っているならば、対象はセーヴに成功しなければ1d4ラウンドの間盲目状態となり、術者レベルが2レベル毎に1d4ポイントのダメージ(最大で5d4)を与える。光線で盲目状態になったクリーチャーは、盲目状態が持続する間陽光棒のような光を放つ。光線を複数本撃ち出せる場合、同一の目標に対して使用することも、別々の目標に対して使用することもできるが、全ての光線は互いに30フィート以内の距離に収まっている目標に対して使用しなければならず、同時に撃ち出さねばならない。
Life Channel/生命放出
系統:変成術; 呪文レベル:クレリック2
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作
距離:接触
目標:負のエネルギーへの親和性を持つ接触したクリーチャー1体
持続時間:1分/レベル
セーヴィング・スロー:頑健・無効(無害); 呪文抵抗:可(無害)
負のエネルギーへの親和性を持つクリーチャーにこの呪文を発動すると、目標は放出された正のエネルギーを一時的ヒット・ポイントに変換できるようになる。(キュア・ライト・ウーンズや正のエネルギー放出のような)生きているクリーチャーにヒット・ポイントを回復させる効果の目標になった時、目標は正のエネルギーが通常回復するヒット・ポイントの半分に等しい一時的ヒット・ポイントを得る。これらの一時的ヒット・ポイントはこの呪文の持続時間が終了すると失われる。
Spawn Ward/対落とし子防護
系統:死霊術; 呪文レベル:クレリック5、インクィジター5
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作
距離:接触
目標:接触したクリーチャー
持続時間:10分/レベル
セーヴ:頑健・無効(無害); 呪文抵抗:可(無害)
目標はアンデッド・クリーチャーが行う生命力吸収や吸血攻撃の効果に対する抵抗力を得、この呪文の効果時間の間は殺されても同種のアンデッドにならない。
攻撃してきたアンデッドのヒット・ダイスが術者の術者レベル以下ならば、吸血や生命力吸収は一切効果を持たない。攻撃してきたアンデッドのヒット・ダイスが術者の術者レベルを超えている場合、これらの特殊能力の効果を発揮させるために、アンデッドは(この呪文の難易度に対して)頑健セーヴを行わねばならない。この呪文は吸血による【耐久力】ダメージと生命力吸収の負のレベルのみを阻害し、それらの攻撃のそれ以外の効果を抑止することはない。