影界に囚われた人間の子孫、フェッチリングは闇と光に密接な関わりを持つクリーチャーだ。奇妙な次元界に触れた世代とその子孫はフェッチリングを人間らしさから離れた種族にした。フェッチリングはその出自を認める一方で、物質界の祖先達とは肉体的にも文化的にもわずかしか関係を持たない。彼らは人間と比較されるとしばしば侮辱されたと感じる。この種族にはフェッチリングという名前に不快感を感じるものもいる。影界からありのままの材質を持って帰ってきたもの達、という程度に彼らを捉えている人間によってこの名前が与えられたからだ(訳注:フェッチリングは行って帰ってきた種族、程度の意)。代わりにフェッチリングのほとんどはカヤルと呼ばれることを好む。アクロ語で大ざっぱに「影の人々」とか「黄昏に住むもの」と訳される単語から借り受けたものだ。
フェッチリングは影界の要素を注がれ、影界に住むものと人間の血を混ぜ込んだものを持つ。彼らは出身次元界の殺風景で色のない地域を補う特性や能力を発達させてきた。フェッチリングは影界を故郷と捉えているものがほとんどだが、物質界のクリーチャーと交易をしたり折り合いをつけることも多い。関係を築くために物質界に居留地を作り、2つの次元界の間にある境界が知覚できる場所に交易路を渡しさえするフェッチリングもいる。
身体的特徴:一見、フェッチリングは不自然なほど――もろさと紙一重の――しなやかを持った人間に似ている。養子に出された故郷はその肌と髪の明るい色を失わせた。顔色は殺風景な白から深い黒まで様々で、両極端な2つの間の様々な灰色が含まれる。その目には瞳孔がなく非常に目立つ。それらは一般に黄色もしくは緑がかった黄色の光を放つが、ごく稀に青緑の瞳を持つものもいる。その髪は殺風景な白か薄灰色であることが多いが、多くのフェッチリングは髪を黒に染める。高い地位や物質界に住む者の中にはもっと衝撃的な色で染め上げるものもいる。紫、青、朱の濃い色合いを好むことが多い。
社会:フェッチリングは柔軟性の高いクリーチャーで、道徳哲学や法の支配に独特の好みを示さない。ほとんどのものは近くに住むクリーチャーや彼らが仕えるクリーチャーの文化的な規範や政治体制を模倣する。フェッチリングは影界ではほぼ間違いなく最も人口の多い種族だが、自らの種族を支配する法はほとんどない。ほとんどのものは故郷の偉大なアンブラル・ドラゴンや深き闇に住む奇怪なニヒロイの従者や臣下として仕える。何をおいてもフェッチリングは生存者である。彼らは粘り強く、多才で、腹黒い実用主義者であり、このことが影界の厳しい環境やその中に住む強力なクリーチャーの策略を生き延びる助けとなっている。物質界でも、特に望むなら故郷の次元界に変えることが出来る場合には、フェッチリングは小さく彼ら自身の偏狭な共同体で固まることを好む。その文化規範や政治体制は、彼らと交易するものたちのものを真似る。
種族関係:祖先を共にするため、フェッチリングは人間と最も簡単に交わる。しかし彼らはノームや彼らの次元界から排除されたり、物質界が故郷ではない他の種族とも友好を結ぶ。その実用主義と柔軟性は好戦的であったり破壊的であったりする種族と相容れない。そのためオーク、ゴブリン類、他の野蛮な文化を持つものを相手にしなければならない時には、フェッチリングは媚びへつらいに終始することが多い。これはアンブラル・ドラゴンへの従属で学び、種族が生き残る鍵と見なす戦略なのだ。奇妙なことに、ドワーフやエルフとの関係は緊張したものだ。ドワーフはフェッチリングのことを嘘つきで気味悪い存在だと思っている。その一方でエルフとの緊張はほのかで説明のつかないものであるため、互いの種族はうまく説明できないでいる。
属性と宗教:フェッチリング――特に影界の外で生活するもの――は広範にわたる神を信仰する。悪のフェッチリングの少数派は闇や色欲のデーモン・ロードを信奉する。
冒険者:影界の今まで見たことのある災害はフェッチリングの冒険者を大きな危険にさらしてきたが、素晴らしい機会ももたらした。しかし故郷の次元界での苦役のために、ほとんどのフェッチリングは物質界での冒険を好む。それによりずっと自由になり、2つの次元界の間を行き来する機会が得られるからだ。フェッチリングはオラクル、サモナー、ニンジャ、レンジャー、ローグとして素晴らしい働きをする。
男性名:アリム、イェタル、ジェガン、ゾカ、ソマル、ドロシル。
女性名:アセラ、アメリス、インヴァ、ザイセリン、レンザ。
+2【敏捷力】、+2【魅力】、-2【判断力】:フェッチリングは素早く印象的だが、しばしば誤った考え方で奇妙な振る舞いをしてすぐに集中が途切れる。
原住の来訪者:フェッチリングは(原住)の副種別を持つ来訪者である。
中型:フェッチリングは中型クリーチャーであり、サイズによるボーナスもペナルティも受けない。
普通の移動速度:フェッチリングは30フィートの基本移動速度を持つ。
暗視:フェッチリングは最大60フィートまでの暗闇を見通せる。
夜目:フェッチリングは薄暗い照明の環境下で人間の2倍の距離まで見通すことができる。
得意技能:フェッチリングは〈隠密〉および〈知識:次元界〉判定に+2種族ボーナスを得る。
影に紛れる(超常):薄暗い照明の中でフェッチリングに対して行われる攻撃は通常の20%失敗確率ではなく50%失敗確率を持つ。この能力は完全視認困難には適用されない。失敗確率のみが増加する。
影の抵抗:フェッチリングは[雷撃]に対する抵抗5と[氷雪]に対する抵抗5を持つ。
擬似呪文能力(擬呪):フェッチリングは1日に1回、擬似呪文能力としてディスガイズ・セルフを使用することができる。この擬似呪文能力を使用して、フェッチリングは任意の人型生物クリーチャーの姿を取ることができる。フェッチリングがクラス・レベルの合計が9レベルになると、1日1回擬似呪文能力としてシャドウ・ウォーク(自身のみ)を使用することができるようになり、13レベルの時点で1日1回プレイン・シフト(自身のみ、影界と物質界のみ)を使用できるようになる。フェッチリングの術者レベルはヒット・ダイスの合計に等しい。
言語:フェッチリングはプレイ開始時に共通語の会話能力を持っている。高い【知力】を持つフェッチリングは次に挙げる言語を選択することができる:アクロ語、水界語、風界語、竜語、ディ・ジーリアク語(理解のみ、話せない)、火界語、地界語、およびいずれかの地域の人間の言語。
シャドウ種クリーチャー・テンプレートを持つクリーチャーは影界に住み、他のより明るい次元界に出てくるものは極めて珍しいものの、影の招請者に招来されることがある。シャドウ種クリーチャーの脅威度は+1だけ増加する。シャドウ種クリーチャーのクイック・ルールと再構築ルールは同じである。
再構築ルール:感覚 暗視60フィートと夜目を得る; 防御的能力 下記の表に記載されるエネルギーに対する抵抗とダメージ減少を得る; 呪文抵抗 脅威度+6に等しい呪文抵抗を得る; 特殊能力 影潜み(超常)/Shadow Blend明るい光を除いたどのような光源の元でも、シャドウ種クリーチャーは影に溶け込み、視認困難(20%失敗確率)を得る。シャドウ種クリーチャーはフリー・アクションとしてこの能力を抑止したり再起動したりすることができる。
既存のフェッチリングの種族特性の代わりに以下の種族特性を選択してもよい。この新しいオプションのいずれかを選択する前に、君のGMに相談をすること。
特使/Emissary:ごく稀に、影界と物質界の間の特使の役割を担うフェッチリングがいる。1日1回、このようなフェッチリングは〈交渉〉と〈はったり〉の判定を行なう際、2回ロールしてより良い方を選択することができる。この種族特性は影に紛れると置き換える。
闇の揺らめき/Gloom Shimmer:影の間を瞬間移動する代わりに、自分の場所を眩ませるために影のエネルギーを操ることのできるフェッチリングもいる。9レベルに到達した時点で、このようなフェッチリングは擬似呪文能力としてシャドウ・ウォークを得る代わりに、1日に2回使用することのできるディスプレイスメントの擬似呪文能力を使用できるようになる。この能力において、フェッチリングの術者レベルはヒット・ダイスの総計に等しい。この種族特性は擬似呪文能力種族特性を変更する。
影の魔法/Shadow Magic:養子となった次元界のわずかな魔法を学ぶための時間を費やしたフェッチリングは、影の呪文を使うことに秘術的な洞察を得る。このようなフェッチリングが発動する幻術(操影)呪文の難易度には、+1の種族ボーナスが与えられる。この種族特性は得意技能種族特性と置き換える。
かすかな改竄者/Subtle Manipulator:他人の姿を取るのではなく、他のクリーチャーの記憶を壊すことに熟達したフェッチリングもいる。このようなフェッチリングはディスガイズ・セルフを擬似呪文能力として得る代わりに、メモリー・ラプスを1日1回使用することのできる擬似呪文能力として得る。この能力において、フェッチリングの術者レベルは合計ヒット・ダイスに等しい。この種族特性は擬似呪文能力種族特性を変更する。
世界を歩くもの/World Walker:物質界で人生のほとんどを過ごしたフェッチリングはこの新しい環境により適応している。〈知識:次元界〉判定に+2の種族ボーナスを得る代わりに、このようなフェッチリングは〈知識:自然〉と〈知識:地域〉に+1の種族ボーナスを得る。この種族特性は得意技能種族特性を変更する。
以下のオプションは記載の適性クラスを有するフェッチリングに適用可能であり、特に断りのない限り、ボーナスは適性クラスの特典を選択するたびに適用される。
オラクル:どの種族擬似呪文能力を使用できるかを決定する目的において、オラクル・レベルを+1/3だけ高いものとして扱う。
レンジャー:影界で行なわれる〈生存〉および〈知覚〉判定に+1/2のボーナスを加える。
ローグ:薄暗い照明のもと、または暗闇での〈隠密〉および〈手先の早業〉判定に+1/2のボーナスを得る。
ソーサラー:[雷撃]に対する抵抗、または[氷雪]に対する抵抗のいずれかに+1/2を追加する(それぞれの抵抗は最大10)。
サモナー:サモナーの幻獣は[雷撃]もしくは[氷雪]に対する抵抗1を得る。この利益を得るたびに、幻獣にいずれか選択したエネルギー種別に対する抵抗を1だけ増加させる(エネルギー種別1つ毎に最大10)。
ウィザード:ウィザードの呪文書にウィザードの呪文リストの呪文1つを追加する。この呪文は術者が発動可能な最も高い呪文レベルより1レベル以上低いものでなければならず、幻術(操影)の系統であるか、[闇]の補足説明を有する呪文でなければならない。
黄昏の捜索者は影界の狩人にして案内人であり、影を好むレンジャーである。黄昏、闇、薄闇での狩りに卓越したこれらのレンジャーは、影を操ることに長けている。
クラス技能:黄昏の捜索者はクラス技能の一覧に〈知識:次元界〉を加え、クラス技能の一覧より〈知識:自然〉を取り除く。
影の案内人/Shadow Guide:黄昏の捜索者が得意な地形能力を得るとき、その能力は以下のように変更される。3レベルの時点で、黄昏の捜索者は通常通り一つ目の地形を選択するが、影界以外の次元界では判定に+1のボーナスのみを得、影界では判定に+3のボーナスを得る。ボーナスを得るために得意な地形を選択するたびに、影界以外の次元界ではこれらの判定に+1のボーナスを得、影界ではこれらのボーナスに+3のボーナスを得る。この能力は得意な地形を置き換える。
影の絆(超常)/Shadow Bond:4レベルの時点で、黄昏の捜索者は影との超常的な絆を結ぶ。黄昏の捜索者の周りの影は織り込まれ渦を巻き、敵を惑わせる。黄昏の捜索者は薄暗い照明や暗闇(魔法によるものでもそれ以外のものでもよい)の中で戦っている間、敵の機会攻撃範囲や接敵面を通過するために行う〈軽業〉判定に+4の洞察ボーナスを得る。さらに、1日に【判断力】修正値に等しい回数だけ、黄昏の捜索者は30フィート以内にある5フィート・マス1つの影を操ることができる。このマスは薄暗い照明や暗闇(魔法によるものでもそれ以外のものでもよい)の範囲でなければならない。【知力】能力値を持つクリーチャーがこの5フィート・マスの中に入るか隣接すると、アーマー・クラスと反応セーヴィング・スローに-2のペナルティを被る。この妨害する影は1ラウンドの間持続する。これは[恐怖][精神作用]効果である。この能力は狩人の絆と置き換える。
闇視(超常)/Dark Sight:12レベルの時点で、黄昏の捜索者は暗闇を見通す能力を得る。この能力はカモフラージュと置き換える。
ほとんどのサモナーは様々な次元界を通じて戦闘で命令に従うクリーチャーを喚び出し、幻獣に多様なクリーチャーの要素を持つ技術を補っている。しかしこの広大な多様性を嫌い、代わりに影界から実在を呼び出すことに専念する者もいる。影の招請者は以下のクラス特徴を持つ。
クラス技能:影の招請者は、クラス技能の一覧に〈隠密〉を加え、クラス技能の一覧より〈魔法装置使用〉を取り除く。
影の招来(擬呪)/Shadow Summoning:サモン・モンスター能力を使用するかサモン・モンスター呪文を発動する際、影の招請者は影界からクリーチャーを招来するか、影に密接な関係を持つクリーチャーを招来する。サモン・モンスター呪文の表に術者の属性に応じてセレスチャル種もしくはフィーンディッシュ種クリーチャーのいずれかを招来すると指示されたクリーチャーを招来する際、影の招請者に招来されたクリーチャーは代わりにシャドウ種クリーチャー・テンプレートを持つ。さらに、サモン・モンスターの一覧は以下のように変更される(低レベルの一覧から複数のクリーチャーを招来するために高レベルの招来呪文を使用する際も、これらの変更は適用される)。
サモン・モンスターI:変更なし。
サモン・モンスターII:影の招請者は小型エレメンタルおよびレムレーを招来することができないが、ズーグを招来することができる。
サモン・モンスターIII:影の招請者はドレッチおよびランタン・アルコンを招来することができないが、アウグル・キュトンを招来することができる。
サモン・モンスターIV:影の招請者は中型エレメンタル、ハウンド・アルコン、ヘル・ハウンド、およびメフィットを招来することができないが、アリップ、グルームウィング、およびシャドウを招来することができる。
サモン・モンスターV:影の招請者は大型エレメンタル、サラマンダー、ジル、ババウ、ビアデッド・デヴィル、およびブララニ・アザータを招来することができないが、シェイおよびシャドウ・マスティフを招来することができる。
サモン・モンスターVI:影の招請者は超大型エレメンタル、エリニュス、サキュバス、およびリレンド・アザータを招来することができないが、クローカーを招来することができる。
サモン・モンスターVII:影の招請者はヴロック、グレーター・エレメンタル、ベビリス、およびボーン・デヴィルを招来することができないが、グレーター・シャドウを招来することができる。
サモン・モンスターVIII:影の招請者はヤング・アンブラル・ドラゴンおよびダルゴダイモンのみを招来することができる。
この能力はその他の点ではサモナーの通常のサモン・モンスター擬似呪文能力と同様に機能する。この能力はサモナーの通常のサモン・モンスター擬似呪文能力を置き換える。
影の幻獣/Shadow Eidolon:影の招請者の幻獣はかつて影界の奥深くから呼び出された影であり、影の招請者自身の影でもある。この二つは分けることができない。幻獣が現れるとき、影の招請者の影が長く伸び、最終的に影から離れクリーチャーの姿になる。幻獣が現れている限り、影の招請者とその幻獣は光源の有無にかかわらずはっきりとした影を持たない。影がないことはサモナーと幻獣を識別する魔法の印を置き換える。
影潜み(超常):明るい光以外の明るさの元で、幻獣は影に溶け込み見えなくなり、視認困難(20%失敗確率)を得る。影形態の進化を持っている場合、代わりに完全視認困難(50%失敗確率)を得る。この幻獣はフリー・アクションでこの能力を抑止もしくは再開することができる。
影形態(超常)/Shadow Form:幻獣の肉体は影のようになりより不明瞭なものとなる。影形態は幻獣に視認困難(20%失敗確率)を与え、近接攻撃にゴースト・タッチ武器特性があるかのように非実体クリーチャーに効果を及ぼすことができる。幻獣は実体のあるクリーチャーには通常の半分のダメージしか与えることができない。
以下のオプションはフェッチリングに適用することができる。この新しいオプションのいずれかを選択する前に、君のGMに相談をすること。
以下の錬金術アイテムはフェッチリングの奇妙な生理機能を高めたり、影や闇を操る能力を増幅したりする。
闇光のランタン/Darklight Lantern:このランタンは油ではなく、密影(後述)を燃料とする。密影を燃料として使用すると、このランタンは奇妙な霞がかった闇を作り出す。この闇は周囲30フィートの光度段階を一段階下げる。密影が目標1体に投擲された場合と異なり、この闇は自然の闇を超常的な闇にすることはない。密影1ビンは闇光のランタンを1分間機能させる。
影視メガネ/Gloom Sight Goggles:魔法のアイテムではないこのメガネは錬金術の施された黒い黒曜石のような石の欠片が取り付けられている。この石は影界の山間で見られるものだ。影視メガネはフェッチリング特有の目に作用する。このメガネが両目につけられるとフェッチリングの暗視の距離は90フィートに伸びるが、同時に光に過敏の弱点も得る。他の種族はこのメガネのレンズを通しても何も見えない。また、《影視》特技の影響を受けた目を持つフェッチリングは何の影響も得ることはない。これらは魔法ではなく錬金術によるものだが、このメガネは魔法のアイテムの両目スロットを埋める。
密影/Shadowcloy:この薄い黒色をした液体は空気に晒されるとすぐに揮発してしまうため、密閉されたビンに入れられている。このべとべとした毒が目標にまとわりつくと、わずかの間その視界をぼやかせる。密影のビンは射程単位10フィートの飛散武器として投擲することができる。直接命中した目標は、通常よりも取り巻く光を1段階光度段階が低いものとして扱う。すでに自然の暗闇の中にいるならば、超常的な暗闇の中にいる者と見なされる。この効果は1ラウンドの間持続する。投擲された密影のビンは、隣接したクリーチャーやミスした場合には何の効果もない。
改良の末、君の目は闇や魔法の暗闇でさえ見通せるようになった。
利益:君はディーパー・ダークネス呪文で作られたような魔法の暗闇を15フィートまではっきりと見通す能力を得る。
不思議な影の魔法と外科手術を組み合わせることで、君の目は遠くまで闇を見通せるように永久的に変化した。
影における君の戦いに順応できるクリーチャーはほとんどいない。
利益:薄暗い照明もしくは暗闇の範囲の中で、君は薄暗い照明もしくは暗闇の範囲の中にいる敵に対する攻撃ロールに+1のボーナスを得る。
さらなる改良の結果、君の目は通常の暗闇だけでなく、魔法の暗闇もはっきりと見通せるようになった。
利益:君は暗闇を見通す能力を得て光に過敏を失うが、光による盲目化の弱点を得る。
利益:君のシャドウ・ウォークを1日に使用できる回数が1回だけ増加する。
特殊:君はこの特技を複数回修得することができ、効果は累積する。
君は影界と物質界の間にある帳を何度も、より強い効果で通り抜けることができる。
利益:君はシャドウ・ウォーク擬似呪文能力の使用回数を1回分消費することで、ディメンジョン・ドアを擬似呪文能力として使用することができる。この能力における起点と終点は薄暗い照明か暗闇の範囲でなければならない。
フェッチリングは以下の魔法のアイテムを利用することができる。
(Amulet of Hidden Light/隠された光の護符)
オーラ 微弱・幻術; 術者レベル 3レベル
装備部位 首周り; 市価 9,000gp; 重量 ―
この大きな護符は荒くカットされたガラスで作られている。合言葉に従い、この護符は陽光棒のように光を放つ。通常の光源とは異なり、この範囲の外が腕のクリーチャーは護符の光を見ることはできない。
必要条件 《その他の魔法のアイテム作成》、ライト、インヴィジビリティ; 費用 4,500gp
(Lambent Window/薄明かりの窓)
オーラ 中程度・占術; 術者レベル 7レベル
装備部位 無し; 市価 20,000gp; 重量 2ポンド
この小さな窓ガラスは黒い金属でできた小さな窓枠にはめられており、最初少し見ただけだと小さな手鏡のように見える。しかしクリーチャーがこの鏡が映す範囲に少なくとも1分間留まると、この映像は変化し他の次元界の風景を映し出す。ランベント・ウィンドウが物質界で起動された場合、影界の関連する場所とその場所にいるクリーチャーを映し出す。同様に、影界で使用されると、物質界の関連する場所を映し出す。このアイテムは他の次元界の関連する場所を見られるように映し出すのみである。この窓を使用して、他方の音を聞いたりその他の感覚による情報を得ることはできない。この効果は1日に10分の間だけ使用することができる。時間は1分単位であれば連続している必要はなく、ランベント・ウィンドウの起動時間が1分だけであれば、制限時間には数えない。
プレイン・シフトを発動したりプレイン・シフトを擬似呪文能力として使用すると、通常は使用者の望んだ位置から5~500マイル離れたところになるが、ランベント・ウィンドウを起動しているものは、鏡に映された特定の場所にたどり着く際、その場所に焦点を合わせることができる。
必要条件 《その他の魔法のアイテム作成》、プレイン・シフト、スクライング; 費用 10,000gp
(Lantern of Dancing Shadows/踊る影のランタン)
オーラ 中程度・変成術; 術者レベル 6レベル
装備部位 無し; 市価 41,000gp; 重量 2ポンド
この小さなランタンはうっすらとしたほとんど透明な紙と黒い鉄で作られている。このランタンは油1パイントで6時間の間燃焼する。このランタンの光は最大で薄明かりまで、半径30フィートの光度段階を1段階変更する。すなわち強い光を通常の光に、通常の光を薄明かりに、暗闇を薄明かりにという具合である。このランタンはすでに薄明かりの場所には何の効果も及ぼさない。松明やランタンなど魔法のものでない光源は、ランタンの範囲で光度段階を増加することはない。魔法の光や闇のみが、ランタンよりも術者レベルが高いかのようにランタンの範囲の光度段階を変更する。
1日1回、ランタン・オヴ・ダンシング・シャドウズの光は合い言葉に従い、この光から作られる影から、まるでシャドウ・カンジュレーション呪文のように半ば実体の幻を作り出すことができる。加えて1日1回、このランタンは合い言葉に従い、わずかな時間影を固めることができる。固められた影はランタンの円状の光(30フィート)内にいる非実体クリーチャーを、まるでマス・ゴーストベイン・ダージュ呪文のように半ば実体のある姿にまとめる。
必要条件 《その他の魔法のアイテム作成》、ダークネス、マス・ゴーストベイン・ダージュ、シャドウ・カンジュレーション; 費用 20,500gp
Gloomblind Bolts/盲目化の影矢
系統 召喚術(創造)[影]; 呪文レベル ウィザード/ソーサラー3、ウィッチ3、メイガス3
発動時間 1標準アクション
構成要素 音声、動作
距離 中距離(100フィート+10フィート/レベル)
効果 1本以上のエネルギーの矢
持続時間 瞬間
セーヴィング・スロー 反応・無効; 本文参照; 呪文抵抗 可
術者は影界から引き出した影を注いだ負のエネルギーの矢を1本もしくは複数作り出す。術者は1本と、5レベルを超える4レベルごとに追加で1本の矢(最大で13レベルにおける3本)を発射することができる。それぞれの矢は同じ目標にも異なる目標にも発射することができるが、目標は互いに30フィート以内にいなければならず、命中させるためには遠隔接触攻撃に成功しなければならない。それぞれの矢は生きているクリーチャーに4d6ポイントのダメージを与え、アンデッド・クリーチャーには4d6ポイントのダメージを回復する。さらに、矢のエネルギーはクリーチャーの皮膚を貫いて拡散し、わずかの間盲目状態にする。矢が命中したクリーチャーは反応セーヴィング・スローを行わねばならず、失敗すると1ラウンドの間盲目状態になる。
Shadowy Haven/影の避難所
系統 変成術; 呪文レベル ウィザード/ソーサラー4
発動時間 1標準アクション
構成要素 音声、動作、物質(小さな黒い絹製の鞄1つ)
距離 接触
目標 接触した5フィート四方の床1つ
持続時間 2時間/レベル(解除可)
セーヴィング・スロー 不可; 呪文抵抗 不可
この呪文はロープ・トリックと同様に機能するが、入り口がロープではなく5フィート四方である点が異なる。この空間にはいかなるサイズのクリーチャーでも10体まで収めることができる。
この呪文が壁の一部の5フィート四方に発動されると、影界に隣接する余剰次元界に空間を作り出す。余剰次元界の空間にいるクリーチャーは(占術を含む)呪文の間合いから隠されるが、次元界を超えて機能する呪文には効果がない。この空間は(サイズに関わらず)クリーチャーを10体まで収めることができる。余剰次元界の空間への入り口はその場所で目に見え、その範囲は周りの明るさよりも暗い。
余剰次元界の境界を超えて呪文を発動することはできないし、境界を飛び越える範囲に効果を及ぼすこともできない。余剰次元界の空間にいるものは、5フィート四方の扉や窓が効果を及ぼしている表面に置かれているかのように外部を見ることができる。この窓は不可視であり(しかしこの呪文による影の入り口の中にあり、それは目に見える)、外からこの窓を見ることのできるクリーチャーであっても中を見通すことはできない。余剰次元界の空間の中にいるいかなるものも、この呪文が終了すると外に排出される。余剰次元界の空間を一度に出入りすることのできるクリーチャーは1体だけである。
この範囲が薄暗い照明の下にいる間は、入り口は開いている。それ以外の照明(より明るくてもより暗くても)になると入り口は閉ざされ、余剰次元界の空間の内側にいるクリーチャーを捕らえる。入り口は呪文が終了すると閉じ、50%の確率で中にいたクリーチャーが入り口のあった場所ではなく影界に排出される可能性がある。影界に排出された場合、そのクリーチャーは物質界の一致する場所から無作為に1d10マイル離れた影界に姿を現す。この呪文は影界に隣接していない次元界で発動した場合なんの効果もない。
余剰次元界は影界に隣接しているため、シャドウ・ウォーク呪文や影界へ移動することのできる同様の効果はより正確に機能する。クリーチャーが目標とする地点からずれる距離は半分に減少する。