特定のボーナスを与える魔法のアイテムをプレイヤーが探し求めなければならないことに、イライラしているGMもいるかもしれない。この新ルールでは、キャラクターは特定のアイテムを使用する代わりに、適切な装備部位にアイテムを身に着けている限り、レベル上昇に従って魔法のアイテムから望むボーナスを得る。このルールは既存のアイテムをわずかながら修正しており、通常の財宝より多くを得られるキャンペーンでは特にうまく機能する。
ボーナスの自動獲得項のルールは魔法のアイテムの役割を軽減し、レベル上昇に伴いキャラクターが直接ボーナスを与えるものだった。また、同時に魔法のアイテムの能力に制約を与えてもいた。しかし、Core Rulebookで想定されている以上の魔法のアイテムをゲーム中に登場させたい場合、これらのルールよりも“アイテム由来のボーナス”ルールのほうがうまく機能する。加えて、魔法のアイテムの神秘と力を強調したいGMにとっては、このルールが助けとなってくれる。
このルールでは、魔法のアイテムが提供するボーナスはアイテムの本来の能力を示す元の市価に依存して決まる。この市価は本項の各表の“元の市価”列に記載される。第二列は特定の価格帯におけるボーナスの値を示しており、列の頭には提供されるボーナスが記載されている。加えて、起因ボーナスを与える全てのアイテムは各表の“市価上昇”列に示された値だけ市価が上昇する。
例えば、プレイヤーが通常欲しがるベルト・オヴ・ジャイアント・ストレンクス+4がほぼ同価格であるため、ベルト・オヴ・ドワーヴンカインドは人気のある選択肢ではない。起因ボーナスを使用する場合、ベルト・オヴ・ジャイアント・ストレンクスのような――強化ボーナスのみを与える――アイテムは存在しない。そしてベルト・オヴ・ドワーヴンカインドは装備部位・全身のアイテムとして扱われる(後述のその他の魔法のアイテム項の“装備部位の変更”を参照)。Core Rulebookでは14,900GPであったため、ベルト・オヴ・ドワーヴンカインドは通常の効果に加え2つの能力値に+2のボーナスを与える。その結果追加の10,000GPが必要となり、合計市価は24,900GPとなる。
この市価上昇は、このルールを使用しているキャンペーンでは特定価格帯のアイテムはゲーム中に登場しないことを意味する。例えば、ある装備部位・首周りのアイテムの基本市価が2,000GPである場合、本ルール下では外皮に追加で+1の強化ボーナスを与え、市価は2,000GP増加する。この結果装備部位・首周りのアイテムは2,000GP~3,999GPの間の市価を持ち得ない。この価格帯の財宝が必要な場合、起因ボーナスを提供しないアイテムを参照しよう。
このルールを使用する場合、以下のルール変更を導入すること。
データにボーナスを与えるほとんどのアイテムは、“その他の魔法のアイテム”分野に該当する。
削除されるアイテム/Removed Items:アミュレット・オヴ・ナチュラル・アーマー、クローク・オヴ・レジスタンス、能力値に強化ボーナスを与えるアイテムをすべて取り除く。
装備部位の変更/Altered Item Slots:装備部位・ベルトと装備部位・額周りを取り除く。残存するこれらの装備部位に該当するアイテム(強化ボーナスを与えないアイテム)については、装備部位・ベルトのアイテムを装備部位・全身に、装備部位・額周りのアイテムを装備部位・頭部に移動させる。この変更により魔法のアイテムの装備部位の数は減少し、通常は組み合わせて装備できたアイテムが組み合わせられなくなる。
能力値の変更/Ability Changes:強化ボーナスを能力値に与えると表で示されているアイテムの場合、使用者はそのアイテムを一度外してから身につけることで、ボーナスを与える能力値を変更することができる。こうすると、以降24時間の間新しいボーナスは一時的なボーナスになる。【知力】にボーナスを与える全てのアイテムは、ヘッドバンド・オヴ・ヴァスト・インテリジェンスのように予め定められた技能1つにボーナスを与える。アミュレット・オヴ・マイティ・フィスツやブレイサーズ・オヴ・アーマーは武器と防具のルールに従う。つまり、以前より強力な(+10相当の)アミュレット・オヴ・マイティ・フィスツやブレイサーズ・オヴ・アーマーを作ることができる。
元の市価 |
市価上昇 | |
---|---|---|
0~3,999GP |
― |
― |
4,000~9,999GP |
能力値1つに+2 |
+4,000GP |
10,000~15,999GP |
能力値2つに+2 |
+10,000GP |
16,000~35,999GP |
+16,000GP | |
36,000~39,999GP |
+36,000GP | |
40,000~63,999GP |
上記の組み合わせ、もしくは能力値2つに+4 |
+40,000GP |
64,000~89,999GP |
+64,000GP | |
90,000~143,999GP |
+90,000GP | |
144,000GP~ |
能力値3つ全てに+6 |
+144,000GP |
元の市価 |
市価上昇 | |
---|---|---|
0~3,999GP |
― |
― |
4,000~9,999GP |
能力値1つに+2 |
+4,000GP |
10,000~15,999GP |
能力値2つに+2 |
+10,000GP |
16,000~35,999GP |
+16,000GP | |
36,000~39,999GP |
+36,000GP | |
40,000~63,999GP |
上記の組み合わせ、もしくは能力値2つに+4 |
+40,000GP |
64,000~89,999GP |
+64,000GP | |
90,000~143,999GP |
+90,000GP | |
144,000GP~ |
能力値3つ全てに+6 |
+144,000GP |
元の市価 |
市価上昇 | |
---|---|---|
0~1,999GP |
― |
― |
2,000~7,999GP |
+1 |
+2,000GP |
8,000~17,999GP |
+2 |
+8,000GP |
18,000~31,999GP |
+3 |
+18,000GP |
32,000~49,999GP |
+4 |
+32,000GP |
50,000GP~ |
+5 |
+50,000GP |
元の市価 |
セーヴィング・スローに対する強化ボーナス |
市価上昇 |
---|---|---|
0~999GP |
― |
― |
1,000~3,999GP |
+1 |
+1,000GP |
4,000~8,999GP |
+2 |
+4,000GP |
9,000~15,999GP |
+3 |
+9,000GP |
16,000~24,999GP |
+4 |
+16,000GP |
25,000GP~ |
+5 |
+25,000GP |
その他の魔法のアイテムと同様の方法で、指輪はこのルールにうまく適合する。
削除されるアイテム/Removed Items:全てのリング・オヴ・プロテクションを削除し、他のすべての指輪に『表:指輪』に記載された反発ボーナスを加える。
複数の指輪/Multiple Rings:複数の指輪から与えられた反発ボーナスは累積しないことに注意すること。このことをどう取り扱うかはGMが決定することだが、主に2種類のやり方がある。一つ目の選択肢は、上記の通りのルールに従い、それぞれの指輪の価格を増加させることだ――3つ目の装備部位・指輪を得た場合、さらに市価が上がることに注意。もう一つの選択肢は、指輪によって与えられる反発ボーナス(とそれによって生じる市価の上昇)は指輪毎の基本価格に付加するものであり、キャラクターが累積しないボーナスに2回お金を払わなくてもいいようにする。しかしそうすると、追加で価格の管理をする必要が生じる。
元の市価 |
市価上昇 | |
---|---|---|
0~1,999GP |
― |
― |
2,000~7,999GP |
+1 |
+2,000GP |
8,000~17,999GP |
+2 |
+8,000GP |
18,000~31,999GP |
+3 |
+18,000GP |
32,000~49,999GP |
+4 |
+32,000GP |
50,000GP~ |
+5 |
+50,000GP |
このルールでは武器と防具は強化ボーナスだけを持った状態で作られることはなく、特殊能力を持つために+1の強化ボーナスを持つ必要はない。そのかわり、アイテムの特殊能力に有効強化ボーナスを加えるたび、新しい強化ボーナスとして攻撃ロールとダメージ・ロールに加える。新しい市価を決定する際、元の特殊能力の合計コストを4倍する――新しい強化ボーナスを数えるわけではない。
例えば、キーン能力は+1ボーナスと等価であり、通常は2,000GPである。本ルールにおいては、キーン・ファルシオンはそのキーン能力から+1ボーナスを得、市価は8,000GPになる。別の例として、キーン・ホーリィ・ファルシオンは+3ボーナスと等価であり、通常18,000GPである。そのため、その能力から+3の強化ボーナスを得、代わりに72,000GPとなる。