Core Rulebookの技能により、複雑な専門性を表現することができる。ゲームによっては、GMはキャラクターにより広い才能を持たせたい、キャラクターが通常同じように選択する技能をまとめたい、レベルアップの処理を高速化したいという理由でより小さな技能一式を使いたいと思うかもしれない。統合技能ルールは関連する技能をまとめることで、技能の数を削減する。多くの場合、新しい技能は組み合わせた技能の本質を示すよう、名前を変更している。この選択ルールにより、技能ランクの重要性が上がるだろう。与えられる技能ランク数が削減するものの、キャラクターは幾分多芸になるはずだ。バードやローグのような高い技能を持つキャラクター・クラスは、ずっと強化されることになる。
統合技能ルールは技能の数を35から12に削減する。〈知識〉技能の多くが同様のテーマを持つより大きな分類に配置される。例えば、〈知識:神秘学〉は〈魔法装置使用〉と共に〈呪文学〉に配置されている。『表:統合技能』に、新しい技能の一覧と対応する能力値、置き換える基本技能がまとめてられている。このルールにおいていくつかの技能は削除され、再配置されない。それらは『表:基本技能の変換』にダッシュ(―)で示されている。これらは冒険の中での重要度が低い技能だ。しかし背景技能選択ルールを用いることでゲームに復帰させることもできる。『表:基本技能の変換』を用いることで、統合技能ルールにおいて基本技能を特定技能に変換することができる。この表は、出版されたシナリオを運用したり、基本ルールで作られたモンスターを用いる際に何より助けとなるだろう。
新技能 |
未修得 |
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〈運動〉/Athletics |
可 |
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〈演芸〉/Performance |
可 |
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〈隠密〉/Stealth |
可 |
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〈軽業〉/Acrobatics |
可 |
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〈感化〉/Influence |
可 |
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〈技巧〉/Finesse |
不可 |
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〈自然〉/Nature |
不可 |
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〈社会〉/Society |
不可 |
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〈宗教〉/Religion |
不可 |
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〈呪文学〉/Spellcraft |
不可 |
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〈生存〉/Survival |
可 |
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〈知覚〉/Perception |
可 |
本項では統合技能それぞれについて、ゲーム上の機能や置き換える基本技能の一覧を説明する。Core Rulebookの技能の代わりにこれらの説明を用いること。ただし詳細な説明が必要な場合、多くの項目で対応する本の技能説明を参照している。以下に示した技能それぞれは異なる機能に分解しており、それぞれの詳細が本項に記載されている。技能の機能を用いるために必要なアクションの一覧、判定に失敗した後に再挑戦できるか、機能に適用される特別な利益、未訓練で使用することができるかどうかといった特別な状況も記載されている。
〈運動〉 〈演芸〉 〈隠密〉 〈軽業〉 〈感化〉 〈技巧〉 〈自然〉 〈社会〉 〈宗教〉 〈呪文学〉 〈生存〉 〈知覚〉
特定の技能を用いることで、モンスターを識別し、その特別な力や弱点を知ることができる。判定に成功するとこで、モンスターについて有益な情報をいくつか思い出すことができる。結果が難易度を5ポイント上回る毎に、別の有益な情報を1つ思い出す。
以下のクリーチャー種別の一覧は、それぞれのクリーチャー種別に用いる技能を示している。
アクション:なし。
知識を呼び起こす機能を持つ技能もある。これにより、質問された際に答えることができる。このとき、難易度は10(本当に簡単な質問)、15(基本的な質問)、20~30(本当に難しい質問)のいずれかである。
アクション:通常なし。図書館を使用する場合(後述の未修得を参照)、1d4時間。
未修得:君は対象に関する大きな図書館を使用できない限り、難易度が10を超える「知識を呼び起こす」判定を試みることはできない。
技能にボーナスを得るCore Rulebookの種族は、以下のように変更を行うこと。
ドワーフ:キャンペーンで背景技能を用いる場合、強欲は通常通り機能する。そうでない場合、このボーナスは貴金属や宝石で作られた魔法のアイテムを識別するために行う〈呪文学〉判定に適用される。
ノーム:鋭き五感は〈知覚〉判定に+1のボーナスを与える。キャンペーンで背景技能を用いる場合、偏執狂は通常通り機能する。そうでない場合、このボーナスはキャラクターが選択する〈演芸〉もしくは〈呪文学〉判定に適用される。
ハーフエルフ:鋭き五感は〈知覚〉判定に+1のボーナスを与える。
ハーフオーク:威嚇は士気をくじいたり威圧するための〈感化〉判定にのみ適用される。
ハーフリング:鋭き五感は〈知覚〉判定に+1のボーナスを与える。確かな足取りは〈運動〉と〈軽業〉判定に+1の種族ボーナスを与える。
クラス技能によるボーナスはこのシステムでも通常通り機能し、同様に+3のボーナスを与える。しかしクラス技能の一覧は、通常のクラス技能の一覧から以下のように変更される。付記された数字はレベルを得るたびにそのクラスのキャラクターが得る技能ランクを示す。この値にはキャラクターの【知力】修正値の半分が(負の値であっても)加算される。キャラクターは常に、最低でも1レベル毎に1技能ランクを得る。
2+1/2【知】 |
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1+1/2【知】 |
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3+1/2【知】 |
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3+1/2【知】 |
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1+1/2【知】 |
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1+1/2【知】 |
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1+1/2【知】 |
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2+1/2【知】 |
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2+1/2【知】 |
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2+1/2【知】 |
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1+1/2【知】 |
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1+1/2【知】 |
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2+1/2【知】 |
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2+1/2【知】 |
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3+1/2【知】 |
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2+1/2【知】 |
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1+1/2【知】 |
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2+1/2【知】 |
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1+1/2【知】 |
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3+1/2【知】 |
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1+1/2【知】 |
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3+1/2【知】 |
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1+1/2【知】 |
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2+1/2【知】 |
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2+1/2【知】 |
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1+1/2【知】 |
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2+1/2【知】 |
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3+1/2【知】 |
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4+1/2【知】 |
進行中のキャンペーンの途中で統合技能に変換する場合、最良の方法は各プレイヤーがキャラクターの技能ランクを完全にリセットし、零から配分しなおすことだ。技能ボーナスが影響する特技や他の能力も、再訓練させること。
このルールの隙間を調整するため、以下の指針に従うこと。通常、複数の技能判定にボーナスを与える能力や効果は半分だけボーナスを与える(端数切り捨て、最低1)。
技能にボーナスやペナルティを与える特技や能力について、GMにとって最良の方法はそれらを禁止するか、特技(訳注:統合技能)の特定の要素にのみ機能するように調整することだ。すなわち、統合技能は取り込んだ技能の要素を保持しているのだから、特定の機能にのみボーナスを適用することができるとする。例えば、《腕力による威圧》特技は〈感化〉技能の全てではなく、威圧を行う際の〈感化〉技能を用いる際にのみ【魅力】修正値の代わりに【筋力】修正値を加える事ができるようにすべきだ。ジャンプ呪文は全ての〈運動〉判定ではなく、跳躍のための〈運動〉判定にのみボーナスを与えるようにしたほうがよい。この効果に直接の変換方法はないため、状況に合わせて対応しなければならない。
特技、上級クラス、その他の能力が特定の技能ランク数を必要とする場合、単に基本技能から統合技能へ置き換えること。また、同じ技能ランクを用いること。例えば、《騎乗戦闘》特技は〈騎乗〉1ランクの代わりに〈軽業〉1ランクを必要とする。
作成済みモンスターを用いる際、GMは基本技能を統合技能へと臨機応変に変換して構わない。GMは2つのやり方の1つを選択する。統合技能に関連する技能の中で最も高いボーナスを統合技能のボーナスとして用いるか、統合技能の機能それぞれにボーナスそれぞれを適用するか、である。例えば、アイス・デヴィルは〈軽業〉判定に+22のボーナスを、〈飛行〉判定に+13のボーナスを持つ。GMは全ての〈軽業〉判定に+22のボーナスを用いることもできる。あるいは、機会攻撃範囲を通過する際に+22のボーナスを、飛行中に+13のボーナスを用いることにしてもよい。いずれのやり方もうまく機能するが、GMは一貫してどちらを使用するかを決めておかなければならない。
最も高いボーナスを用いる手法を使用するGMは、大きな種族修正値においてはボーナスを分割したいと考えるかもしれない。登攀移動速度を持つモンスターが跳躍や水泳における〈運動〉判定に+8の種族ボーナスを得るのは適切ではないだろう。
技能判定にボーナスを与える技能は、統合技能ルールでは調整するか削除する必要がある。本項ではこのルールで使用すべきでない、Core Rulebookの技能用特技の一覧を掲載する。また、基本のものを置き換え、このルールにうまく合うように統制した《技能熟練》の変更版も掲載する。能力やクラス特徴が禁止された特技の1つを獲得する場合、GMが決定する適切な《技能熟練》特技を用いるのがよいだろう。例えば、《鋭敏感覚》を与える使い魔は、代わりに《技能熟練:〈知覚〉》を与える。他の方法で技能を変更する特技については、上述の機能へのボーナス項を参照すること。
削除される特技:《欺きの名人》、《運動能力》、《鋭敏感覚》、《軽業師》、《器用な指先》、《忍びの技》、《自力生存》、《説得力》、《動物の友》、《魔法の才》。
利益:君は選択した技能に関する全ての判定に+2のボーナスを得る。この技能を10ランク以上持つなら、ボーナスは+4に増加する。
特殊:君はこの特技を複数回修得できる。効果は累積しない。この特技を修得するたびに、新しい技能1つに適用される。
多くの特徴は基本技能の判定に+1の特徴ボーナスを与えると共に、それらの技能をクラス技能にする。統合技能ルールにおいては、これらの特徴は統合技能の内、特徴に記載された基本技能に対応する機能に対して+1の特徴ボーナスを与える。その技能がクラス技能でない場合、このボーナスは+4となる。後でその技能をクラス技能にした場合、この特徴ボーナスは+1に減少する。
特徴技能の一覧のために異なる形で金納するクラス特徴もある。クラス毎に説明を本項に記載する。各項では主要なクラス特徴に対してのみまとめている。特定の秘術系統、領域、その他統合技能ルールに影響するものについてはGMが裁定する可能性がある。〈装置無力化〉判定を必要とする能力を代わりに〈技巧〉を必要とするようにするなど、単純に置き換えすることで対処できるクラス特徴は説明を省略している。
アルケミスト:通常、統合技能ルールでは〈製作〉技能が削除される。そのため、GMはアルケミストの〈製作:錬金術〉へのボーナスをキャラクター・レベル+【知力】修正値+3に等しいものとするか、背景技能ルールを使用するかを選択しなければならない。
インヴェスティゲーター:通常、統合技能ルールでは〈製作〉技能が削除される。そのため、GMはインヴェスティゲーターの〈製作:錬金術〉へのボーナスをキャラクター・レベル+【知力】修正値+3に等しいものとするか、背景技能ルールを使用するかを選択しなければならない。インヴェスティゲーターが使用回数を消費することなく閃きを適用できるのは、〈自然〉、〈社会〉、〈宗教〉、〈呪文学〉判定である(これらの技能を訓練済みでなければならない)。罠探しのボーナスは罠の場所を見つけるための〈知覚〉と、罠を解除するための〈技巧〉の両方に適用される。インヴェスティゲーターは〈技巧〉を用いて魔法の罠を解除することができる。目端は〈自然〉、〈社会〉、〈宗教〉、〈呪文学〉判定に適用される。
インヴェスティゲーターの技/Investigator Talent:暗黒街の閃きは〈技巧〉と〈感化〉判定の両方に適用される。冴え渡る助言はインヴェスティゲーターがどの技能であれ適切な技能を用いて、モンスターの特殊能力や弱点を識別する際に適用される。覚りは、インヴェスティゲーターが真意看破のために〈知覚〉を用いる際にのみ適用される。知性の閃きは〈自然〉、〈社会〉、〈宗教〉、〈呪文学〉判定に適用される。閃き拡張は〈生存〉と〈知覚〉の両方に適用される。魔法装置の技はインヴェスティゲーターが未修得であっても〈呪文学〉を使用できるようにするが、〈呪文学〉を訓練済みになると何の効果もなくなる。
インクィジター:断固とした凝視は、威圧のための〈感化〉判定と、真意看破のための〈知覚〉判定にボーナスを与える。
ウィッチ:飛翔の呪術のボーナスは、水泳のための〈運動〉判定に+4の種族ボーナスを与える。
オラクル:オラクルは神秘からクラス技能を2つ得る(GMが選択する)。
キャヴァリアー:キャヴァリアーの騎士団はキャヴァリアーのクラス技能に技能を1つだけ加える(GMが選択する。キャヴァリアーの通常のクラス技能と重複してはならない)。判定へのボーナスは、記載された特定の技能の機能にのみ適用される。
サモナー:幻獣のクラス技能を〈隠密〉と〈知覚〉に変更する。サモナーは幻獣のクラス技能を追加で2つ選択することができる。飛行移動速度を持つ幻獣はクラス技能に〈軽業〉を追加しない。
スカルド:〈演芸〉は基本の〈芸能〉技能のような分割されたものではなく、全ての芸に適用される。バードの知識は全ての〈自然〉、〈社会〉、〈宗教〉、〈呪文学〉判定にスカルドのクラス・レベルの半分(最低1)を加え、スカルドはこれらの技能が未修得でも技能判定を試みることができる。〈軽業〉技能と威圧のための〈感化〉は激怒想起の間も使用することができる。万能なる芸により、スカルドは〈感化〉あるいは〈知覚〉を〈演芸〉で代用できるようになる。スカルドは2つの技能から1つだけを選択しなければならず、レベルが上昇しても代用できる技能数は増加しない。博識は〈自然〉、〈社会〉、〈宗教〉、〈呪文学〉判定に適用される。
スレイヤー:観察のボーナスは目標に対する、はったりにおける〈感化〉判定、〈知覚〉判定、〈生存〉判定に適用される。忍び寄るものへのボーナスはクリーチャーを威圧するための〈感化〉判定、変装するための〈演芸〉判定、〈隠密〉判定に適用される。
スレイヤーの技/Slayer Talents:精査挫きはクリーチャーにハッタリを行うための〈感化〉と、変装するための〈演芸〉判定に適用される。罠探しはクラス技能に〈技巧〉を加える。罠探しのボーナスは罠の場所を見つけるための〈知覚〉と、罠を解除するための〈技巧〉の両方に適用される。罠探しを持つスレイヤーは〈技巧〉を用いて魔法の罠を解除することができる。
スワッシュバックラー:武勇伝は〈運動〉と〈軽業〉判定に適用される。刃の如き感性は〈運動〉と〈軽業〉判定に使用することができる。
ソーサラー:血脈のクラス技能は対応する統合技能全てに適用される。
ドルイド:自然感覚は〈自然〉と〈生存〉判定に+1のボーナスを与える。
バード:〈演芸〉は基本の〈芸能〉技能のような分割されたものではなく、全ての芸に適用される。バードの知識は全ての〈自然〉、〈社会〉、〈宗教〉、〈呪文学〉判定にバードのクラス・レベルの半分(最低1)を加え、バードはこれらの技能が未修得でも技能判定を試みることができる。万能なる芸により、バードは〈感化〉あるいは〈知覚〉を〈演芸〉で代用できるようになる。バードは2つの技能から1つだけを選択しなければならず、レベルが上昇しても代用できる技能数は増加しない。博識は〈自然〉、〈社会〉、〈宗教〉、〈呪文学〉判定に適用される。
バーバリアン:激怒中であっても、バーバリアンは〈軽業〉と威圧のための〈感化〉技能を使用することができる。
激怒パワー/Rage Powers:怒れる泳者、怒れる跳躍者、怒れる登攀者は「怒れるアスリート」に変更される。この激怒パワーは、バーバリアン・レベルに等しい強化ボーナスを全ての〈運動〉判定に適用し、跳躍のために行う判定において、常にキャラクターが助走しているものとして扱う。
ハンター:猿の動物象形によるボーナスは、登攀のために行う〈運動〉判定にのみ適用される。
ブラッドレイジャー:血の激怒中であっても、ブラッドレイジャーは〈軽業〉と威圧のための〈感化〉技能を使用することができる。
レンジャー:得意な敵のボーナスは、選択した種別のクリーチャーに対する〈生存〉と〈知覚〉判定、モンスターの知識を得るための対応する技能に適用される。得意な地形のボーナスは、イニシアチブ判定、〈隠密〉判定、〈自然〉判定、〈生存〉判定、ものに気付くための〈知覚〉判定に適用される。
ローグ:罠探しのボーナスは罠の場所を見つけるための〈知覚〉と、罠を解除するための〈技巧〉の両方に適用される。ローグは〈技巧〉を用いて魔法の罠を解除することができる。
ローグの技/Rogue Talents:技能体得の技は、1+ローグの【知力】修正値の半分に等しい数の技能に適用される。この技は複数回修得することができる。
使い魔:使い魔による技能ボーナスは、関連する統合技能全てに適用されるが、ボーナスは+2に減少する。レイヴンの使い魔は〈社会〉判定に+2のボーナスを与える。
動物の相棒:動物の技能を〈運動〉*、〈隠密〉*、〈軽業〉、〈生存〉、〈知覚〉*に変更する。アスタリスク(*)はクラス技能を示している。