ほとんどの人はインクィジター像を抱いている──礼装と冒険者の無秩序な道具の混合したような身なりで、その言葉はしばしば神聖な法を扱うというような。だがこれは単にインクィジターの最も劇的な一面に過ぎない。インクィジターの世界は秘密の知識、常なる危険、そして奇妙な定命の者と来訪者の政治に満たされている。インクィジターの道は多くの道に分かれ専門化し、それぞれ独自の方法で信仰の敵を捜し出して滅ぼす。
インクィジターはその神の領域の1つに触れるクラス能力をもち、この接触はインクィジターの能力を神格の関心に適合させる1つの方法である。しかしながら、領域はインクィジターのためではなくクレリックのクラス能力のために意図されており、またインクィジターは領域から領域能力を得ながら領域呪文は得ないため、いくつかの領域はインクィジターにとって貧弱な選択肢となった。例えば、太陽の領域は1レベルの領域能力でエネルギー放出への効果を提供するが、インクィジターはエネルギー放出能力を持たず、この領域から利益を得るには8レベルの2つ目の領域能力を得るまで待たねばならない。
この問題を改善するため、 このセクションでは審問──インクィジターのために神格の権能に適切な能力を与える、領域のような新しい特別なクラス特徴を紹介する。審問に続くのは新しいインクィジター・アーキタイプである。
インクィジターは多くの場合クレリックの信仰の領域に触れることが許されるが、 彼らが関与する特別な知識は、司祭やその他の信仰の代理人には明かされない。この神聖な追求は審問と呼ばれ、インクィジターに信仰の敵に抗い戦うための欠かすべからざる道具を与える。インクィジターは領域の代わりに審問を選んでもよい。
審問がセーヴィング・スローを要求する場合、そのセーヴ難易度は10+インクィジター・レベルの1/2+【判断力】修正値となる。擬似呪文能力を与える場合の術者レベルはインクィジター・レベルに等しい。
審問はインクィジターのために意図されており、領域を与える他のクラスのためには意図されていない。クレリックその他の領域を扱うクラスは領域の代わりに審問を選んでもよい(キャラクターの神格に適切であれば)が、審問は領域呪文およびスロットを与えないため、それらのクラスが選ぶと弱体化する。他のクラスが使用するにあたっては審問能力のインクィジター・レベルを適切なクラス・レベルと置き換える(クレリックが扱う場合、インクィジター・レベルの代わりにクレリック・レベルを用いる、といったふうに)。
審問能力:後援する神格は君に聖なる(もしくは不浄なる)激怒を与える。君が戦うとき、戦いは確実に血塗られた勝利で終わる。
憎らしい反撃(変則)/Hateful Retort:1日に1回、君に近接攻撃が命中した後で、割り込みアクションとして君に攻撃を命中させたクリーチャーに1回の近接攻撃を行うことができる。この近接攻撃は君が既にそのラウンドに攻撃を終えていたとしても最も高い攻撃ボーナスを用いる。
聖なる怒り(変則)/Divine Anger:6レベルの時点で、君はバーバリアンの激怒の能力を得る。この能力の使用にあたり、インクィジター・レベル-3を有効バーバリアン・レベルとして用いる。君がバーバリアン・レベルを持っている場合、激怒の持続時間を数えるにあたりこれらのレベルは累積する。君はこの審問能力から激怒パワーを得ることはないが、別のクラスから激怒パワーを得ていた場合、それらをこの激怒に使用してもよい。君は1日に【判断力】ボーナス+4インクィジター・レベルにつき1ラウンド激怒できる。
審問能力:異端者はしばしば信仰者と見分けにくい。君は欺き、潜み、ときに異端者の主張を用いて、彼らを捜し出し正義に導く。
公正な潜入(変則)/Righteous Infiltration:君は〈はったり〉および〈威圧〉判定に【魅力】修正値の代わりに【判断力】修正値を使用する。
祝福された潜入(変則)/Blessed Infiltration:4レベルの時点で、君が〈はったり〉、〈交渉〉、〈隠密〉判定を行うとき、君はダイスを2回振ってよい方の目を使用できる。君はこの能力を1日に【判断力】ボーナスと同じ回数まで使用できる。
破門の言葉(擬呪)/Word of Anathema:8レベルの時点で、君は1日に1回、60フィート以内にいる単体の目標に破門の宣告をすることができる(意志・無効)。これは1分間持続するビストウ・カースとして働き、目標は攻撃ロール、セーヴ、能力値判定、技能判定に-4のペナルティを与える。
審問能力:神格の正義を広めるものにとって運命は強力な道具である。君は運命の縒り糸を読むことができ、その糸は君の努力を導く。
オーギュリイ(擬呪):君は1日に1回、擬似呪文能力としてオーギュリイを使用できる。
運命の使者(超常)/Agent of Fate:8レベルの時点で、君はオーギュリイの擬似呪文能力を使用したとき、次の戦闘が終了するまで以下の利益を得る。結果が“吉”の場合、君に使われたすべての治癒効果は追加で1d10ヒット・ポイントを癒す。結果が“凶”の場合、君の近接攻撃は追加で1d6ポイントのダメージを与える。結果が“吉にして凶”か“いずれでもなし”だった場合、君はアーマー・クラスに+2洞察ボーナスを得る。
審問能力:君は強力な説得者である。信仰により強化された滑らかな弁舌は 無関心な者と対立者を君の側へと揺さぶる。
知恵の魅惑(変則)/Charm of Wisdom:君は〈はったり〉、〈交渉〉、〈威圧〉の判定に【魅力】修正値ではなく【判断力】修正値を用いる。
揺さぶる言葉(擬呪)/Swaying Word:8レベルの時点で、君は1日に1回、聖なる力で鼓舞された知恵の言葉を語り、1体のクリーチャーを君に寝返らせることができる。目標は視線が通っていて君の声が聞ける状態でなければならない。意志セーヴに失敗すると、1分だけ持続するドミネイト・パースンの効果を受ける。
審問能力:インクィジターは神格の務めを果たすための固い気迫を必要としている。
気迫のうねり(擬呪)/Zealous Surge:君は1日に1回、君のヒット・ポイントが0以下に減少したときに、インクィジター・レベル+【判断力】修正値に等しいヒット・ポイントを回復することができる。
敵の罰(変則)/Scourge of the Enemy:8レベルの時点で、君は君の信仰と競合あるいは敵対する宗派を1つ選択する。君はこの宗派のメンバーを(レンジャーのクラス能力のように)得意な敵として扱い、適切なロールに+2のボーナスを得る。このボーナスは13レベルの時点で+4、18レベルの時点で+6に増加する。これらのボーナスは他から得た得意な敵ボーナスとは累積しない(最も高いボーナスを使用する)。
審問能力:多くの場合、インクィジターの最も素晴らしい武器は純粋かつ断固たる啓蒙である。光と知恵はしばしば蒙を啓く。
啓蒙の接触(擬呪)/Illuminating Touch:君は標準アクションを使用して、君の神聖な輝きにきらめく手をクリーチャーに接触させることで、そのクリーチャーの1回の意志セーヴ、〈知識〉、〈知覚〉、〈真意看破〉判定のいずれか1つにインクィジター・レベルの1/2に等しいボーナスを与える。この能力は1時間あるいはクリーチャーがボーナスを使用するまで持続する。君はこの能力を1日に3+【判断力】修正値と同じ回数まで使用できる。
啓発のオーラ(超常)/Aura of Enlightenment:4レベルの時点で、君は半径30フィートの通常の光のオーラを作り出すことができる。このオーラの中の味方は技能判定に+2洞察ボーナスを得る。このオーラは解呪または呪文相殺に対して2レベルの[光]効果として扱う。君はこのオーラを1日にインクィジター・レベルに等しいラウンドまで使用できる。これらのラウンドは連続していなくてよい。
審問能力:貫く痛みだけが真実と正義を現出せしめる。そして、それが働かないなら、とにかく君は神聖な復讐を制定した。
拷問官の風采(変則)/Torturer's Presence:君は〈威圧〉判定に+2のボーナスを得る。これは断固とした凝視のボーナスに追加する。
拷問官の接触(擬呪)/Torturer's Touch:君は擬似呪文能力としてタッチ・オヴ・ファティーグを使用できる。苦痛に対する完全耐性をもつクリーチャーはこの接触に対する完全耐性をもつ。君はこの能力を1日に3+【判断力】修正値と同じ回数まで使用できる。
クリティカル精密化(変則)/Critical Precision:8レベルの時点で、君がクリティカル・ロールを行うとき、君は拷問官の接触の使用回数を1回消費することで+4のボーナスを得ることができる。これは《クリティカル熟練》とは累積しない。
審問能力:真実を見出すため、ある者は誠実さを他から搾り出す──味方と敵とを問わずに。
正義の本道(擬呪)/Justice's True Path:君は標準アクションにより、接触したクリーチャーの攻撃ロール、技能判定、能力値判定、セーヴィング・スローの1つに、次の君のターンまで、君のインクィジター・レベルの半分(最低1)に等しい洞察ボーナスを与えることができる。君はこの能力を1日に3+【判断力】修正値と同じ回数まで使用できる。
誠実さの掌握(超常)/Grasp of Honesty:8レベルの時点で、君が組みついているか押さえ込んでいるクリーチャーは、ゾーン・オヴ・トゥルースの効果を受ける(意志・無効)。戦闘時以外では、君はこの能力を目標に両手で触れることで使用することができる。君はこの能力を1日にインクィジター・レベルに等しいラウンドまで使用できる。このラウンドは連続している必要はない。君が組みつき、押さえ込み、あるいは接触を中断するとこの効果は終了する。
審問能力:運命を受け容れるということは、しばしば己の正義の形を受け容れることを意味するのだと学ばねばならない。
賢明の力(超常)/Judicious Force:君か10フィート以内にいる味方が近接あるいは遠隔攻撃でクリティカル・ロールを行うとき、割り込みアクションにより+4ボーナスを与えることができる。これは《クリティカル熟練》特技と累積しない。君はこの能力を1日に【判断力】ボーナスと同じ回数まで使用できる。
正義の鎖(超常)/Chains of Justice:6レベルの時点で、君は1日に1回、60フィート以内の敵を特別な鎖で束縛することができる(意志・無効)。君が敵からダメージを受けたとき、束縛された敵もまたこのダメージを受ける。束縛された敵が君か君の味方の1体からダメージを受けたとき、君もまたこのダメージを受ける。君と目標は互いに物理的に縛られているわけではなく、束縛を破棄するか、この能力の範囲外に出るかのいずれかで効果を終了させることができる。君は標準アクションで束縛を破棄することができる。
審問能力:酷寒と戦術的な思考はしばしば勝利を得る。適切で、注意深く熟考した犠牲は味方を奮い立たせ君の主義に役立たせる。
審問官の指揮(超常)/Inquisitor's Direction:君のターン開始時に、君は穏やかで思慮深い状態に入り、そのラウンドのすべてのアクション(標準、移動、即行、割り込み、フリー・アクション、機会攻撃を含む)を見合わせることで、君の選んだ30フィート以内の1体の味方に1ラウンドの間ヘイスト呪文の利益を与えることができる。君はこの能力を1日に3+【判断力】ボーナスと同じ回数(最低1)まで使用できる。
イニシアチブの授与(変則)/Grant the Initiative:8レベルの時点で、君と30フィート内のすべての味方はイニシアチブ判定に君の【判断力】ボーナスを加えてよい。
審問能力:ほとんどのインクィジターは異端の混沌と同様に狂気の外道や悪魔のクリーチャーとも戦う。騎士修道会の金言と法のマントは彼らの努力を助ける。
混沌に抗うマント(擬呪)/Mantle against Chaos:君は擬似呪文能力としてプロテクション・フロム・ケイオスを自身か他のクリーチャーに使用できる。君はこの能力を1日にインクィジター・レベル(最低1)に等しい分数まで使用できる。この持続時間は連続している必要はないが、分単位で使用しなければならない。
秩序の命令(擬呪)/Commanding Order:8レベルの時点で、君は単体の目標に対してグレーター・コマンドを使用することができる。君はこの能力を1日に3+【判断力】ボーナスと同じ回数まで使用できる。
審問能力:時に、敵を殺すよりも捕らえる方がよい場合もある──君の意図が罪を罰することにあるのか情報を引き出すための拷問にあるのかはともかく。
捕縛打撃(超常)/Caging Strike:圧倒的な武器の打撃により、目標を短時間束縛することができる。近接または遠隔攻撃(攻撃ロールを必要とする呪文を含む)でクリティカル・ヒットが確定したとき、君は目標を1d4ラウンドの間、絡みつかれた状態(頑健・無効)にすることができる。君はこの能力を1日に3+【判断力】修正値と同じ回数まで使用できる。
聖なる牢獄/Divine Prison:8レベルの時点で、君は1日に1回、近接攻撃に成功したとき、目標にホールド・モンスターの効果を与えることができる(意志・無効)。
審問能力:君の神格は君の忍耐を選んだ。君は必要とあらば世界の終わりまで信仰の敵を追い続けると誓った。ボーナス特技として《追尾》を得る。
容赦ない足さばき(変則)/Relentless Footing:君は即行アクションとして地上移動速度を+10フィートできる。これは強化ボーナスであり、通常の移動速度が増加したようにジャンプできる距離も影響を受ける。君はこの能力を1日に3+【判断力】ボーナスと同じ回数(最低1)まで使用できる。
秘めたる体力(超常)/Inner Strength:6レベルの時点で、君は1日に1回、即行アクションで自分のヒット・ポイントを2インクィジター・レベルにつき1d6ポイント回復することができる。この能力を使用するとき、以下の効果のうち1つが取り除かれる:盲目状態、混乱状態、目が眩んだ状態、聴覚喪失状態、恐れ状態、吐き気がする状態、怯え状態、不調状態、よろめき状態。
審問能力:情熱的かつ公正な意思だけが、適切な正義を確実になさしむ。
信念の炎(擬呪)/Fire of Belief:君は30フィート以内の単体の目標に遠隔接触攻撃として聖なるまたは不浄なる炎の固まりを放つことができる。目標は1d6+インクィジター・レベルの1/2(最低1)の[火炎]ダメージを受ける。君が善のキャラクターであれば、この炎は善でない目標にしか害を成さない。君が悪のキャラクターであれば、この炎は悪でない目標にしか害を成さない。君が善でも悪でもないキャラクターであれば、君がこの能力を得たときに、この炎が善でない目標と悪でない目標のどちらに害を及ぼすか決めなければならず、一度この決定を行えば変更はできない(しかしながら、君の属性が変化すれば、炎の効果も適切に変化する)。君はこの能力を1日に3+【判断力】修正値に等しい回数まで使用できる。
熱情の行動(変則)/Fervent Action:8レベルの時点で、君は1日に1回、即行アクションとして1回の近接攻撃を最も高い攻撃ボーナスで試みるか、通常の速度で移動するか、準備されたインクィジター呪文(君の発動できる最高レベルの呪文より1低いレベルまでの呪文)を《呪文高速化》したように発動することができる。
審問能力:復讐こそ虚飾なき正義。君は限りない正義を為すと誓った。
天罰(擬呪)/Divine Retribution:君は標準アクションにより、30フィート以内の1体のクリーチャーを指差し、神聖な復讐の目標となったことを宣告できる。目標には頭上に枝が落ちてくる、天上から岩が落ちてくるなどといった、魔法的ではない、その環境に適切な災難か不運な事故が起きる。原因に関わらず災難は2インクィジター・レベルにつき1d6のダメージを与える(反応・半減)。GMはこのダメージが殴打、刺突、斬撃のいずれのダメージであるかを決定する。君はこの能力を1日に3+【判断力】修正値と同じ回数まで使用できる。
最後の復讐(超常)/Final Vengeance:8レベルの時点で、君は1日に1回、機会攻撃範囲内の敵による攻撃でヒット・ポイントが負数になったとき、その敵に1回の近接攻撃を行うことができる。1度君の攻撃が決定されると、君はこの能力を誘発した攻撃の通常の効果を受ける。君を殺すか、(能力値ダメージ、吸収、負のレベル、ディスインテグレイトなど)ヒット・ポイントを負数に減少させない攻撃はこの能力の引き金にはならない。
審問能力:信仰なくして忘却のみを信じるインクィジターもいる。だが、彼らもまた信仰の向こうに横たわる闇について、道具……あるいは武器のように扱う術を知る神の代理人である。
生命の支え(超常)/Life Anchor:君は半径10フィートの、瀕死状態のクリーチャーが生にしがみつくのを助けるオーラを得る。このオーラの中では、瀕死状態のクリーチャー(君自身を含む)は容態安定化判定に(容態安定化判定の他のすべての修正値に加えて)君の【判断力】ボーナスを加える。
忘却の視線(擬呪)/Stare of Oblivion:8レベルの時点で、君は1体のクリーチャーへの凝視攻撃としてフィーブルマインドを使用できる(意志・無効)。この効果は1d4ラウンド続く。君は8レベルの時点でこの能力を1日に1回使用でき、8を超える4レベルごとに1日に使用できる回数が1回増加する。
憑依の脅威と次元界の陰謀について学んだインクィジターのいくらかは、取り憑いた悪霊と黙認されている来訪者を、可能ならいつでも世界から放逐することを自らに課す。やがて彼らは悪霊祓い、追放、そして破門の評決の秘密を学ぶ。
悪霊祓いの評決/Verdict of Exorcism(超常):8レベルの時点で、インクィジターは審判を用い、悪魔祓いの評決をクリーチャーに放つことができる。インクィジターの審判は終了するが、クリーチャーは1ラウンドの間幻惑状態になる(意志・無効)。クリーチャーが憑依されているなら、憑依している本体は意志セーヴィング・スロー(難易度10+インクィジター・レベルの1/2+【判断力】ボーナス)に失敗すると祓われ、二度と同じ肉体に取り付くことができない。この能力は二度目の審判と置き換える。
追放の評決/Verdict of Exile(超常):16レベルの時点で、インクィジターは審判を用い、追放の評決をクリーチャーに放つことができる。審判は終了するが、目標のクリーチャーは1ラウンド幻惑状態になる(意志・無効、難易度10+インクィジター・レベルの1/2+【判断力】ボーナス)。クリーチャーが憑依されているか来訪者であれば、憑依している本体か来訪者はディスミサルの効果を受ける(意志・無効)。この能力は三度目の審判と置き換える。
精神閉鎖/Closed Mind(超常):悪霊祓いは敵に付け入る隙を与えぬよう精神を閉ざさねばならない。17レベルの時点で、インクィジターは(強制)効果と憑依の試み(マジック・ジャーを含む)に完全耐性を得る。この能力は討伐者と置き換える。
破門の評決/Verdict of Anathema(超常):20レベルの時点で、インクィジターは審判を用いて破門の評決を敵に放つことができる。審判は終了するが、10フィート以内のすべての敵クリーチャーは悪魔祓いの評決の効果を受ける。この能力は真実の審判と置き換える。
すべてのインクィジターは信仰の敵を狩るが、時に、敵による政治的駆け引きや、断固たる執念が信仰の基本的な教義を破ってしまうことで、インクィジターは自身の内に異端を見出してしまう。未だその信念は固く、こうした異端者はその敵を追い続ける間、彼ら自身とその活動を隠す狡智と詐術に長けている。
審判/Judgment(超常):異端者の審判は、インクィジターの審判の通常のリストに以下を加える。
逃亡の知識/Lore of Escape(変則):1レベルにおいて、異端者は追跡者から逃れるため、自身の知るあらゆるトリックを駆使する。異端者の〈はったり〉と〈隠密〉判定に通常の能力修正値に加えて【判断力】修正値を加える。この能力は魔物の知識と置き換える。
足跡隠し/Hide Tracks(変則):1レベルにおいて、異端者は足跡隠しの達人である。異端者の追跡を試みるクリーチャーは、異端者の足跡を見つけようとする判定に-5のペナルティを受ける。
GMが許可するなら元インクィジターは異端者アーキタイプを取ることができる。インクィジターのクラス能力は適切に置き換える。キャラクターが贖罪をするか他の信仰に加わったなら、インクィジターは異端者の能力を失い、以前のインクィジターのクラス能力を取り戻す。
このインクィジターは信仰の敵に正面から立ち向かうのではなく、その中に潜むために狡智と詐術を用いる。
ミスディレクション/Misdirection(擬呪):1レベルにおいて、インクィジターは毎日呪文を準備するときに属性を選択する。インクィジターはミスディレクションを使用して、その属性のクリーチャーを選択したかのように、その属性であるかのように探知される(インクィジターの属性について以外の占術の結果は変更しない)。この能力は断固とした凝視と置き換える。
狡猾な知識/Guileful Lore(変則):1レベルの時点で、潜入者の意思はごまかしと欺きへと偏向する。潜入者は〈はったり〉と〈交渉〉の判定に通常の能力修正値に加え【判断力】修正値を加える。この能力は魔物の知識と置き換える。
禁断の知識/Forbidden Lore(変則):他のインクィジターが不信心者の追跡術を学んでいる間に、潜入者は呪文の発動の仕方を学ぶ。潜入者は神格と対立する属性の呪文を発動できる(このクラス能力は混沌、悪、善、秩序の制限を無視する)。この能力は追跡と置き換える。
必要な嘘/Necessary Lies(超常):潜入者はディテクト・ライズ(訳注:ディサーン・ライズ?)やゾーン・オヴ・トゥルースのような、嘘を探知し、明らかにし、真実を強要することに対するセーヴィング・スローにクラス・レベルを加える。この能力はディサーン・ライズと置き換える。
いくつかの宗教には教会の敵を捕らえるだけでは十分ではない──敵の罪をも喰らわねばならないと信じるインクィジターの部署が存在する。多くのより温厚な方法を実践する者たちは、罪を喰らうことで敵の魂に敵の神を拒絶させ、世界の穢れを浄化し、罪か悪を世界から取り除けると信じている。悪意ある教会の追従者たちは、善良な人々の罪を食べることは敵の魂をセレスチャルの次元界から隠して堕落させるのみならず、罪喰いの目撃者や犠牲者の死体の魂をも穢すと信じている。罪喰いは罪喰い人を一定の時間強化する。
罪喰い/Eat Sin(擬呪):1レベルの時点で、罪喰い人のインクィジターは敵を殺したとき、フリー・アクションによりその敵の死体に隣接して1分を過ごすことで罪を食べることができる。これは機会攻撃を誘発する。インクィジターはこの儀式を急ぎ、機会攻撃を誘発する1回の全ラウンド・アクションとして実行することができるが、通常の半分しか利益を得られない(以下参照)。
敵の罪を喰らうことは、インクィジターのヒット・ポイントへのダメージを1d8+インクィジター・レベル(最大+5)に等しいポイント癒す。この敵は罪喰い人によって殺されなければならず、少なくともインクィジター・レベルの半分のヒット・ダイスを有していなければならない。インクィジターはこの能力を殺した敵に対してそれぞれ一度だけ使用することができる。この能力は精神をもたないか【知力】が2以下のクリーチャーには何の効果もない。
回復量は5レベルの時点で2d8+インクィジター・レベル(最大+10)に、9レベルの時点で3d8+インクィジター・レベル(最大+15)に、13レベルの時点で4d8+インクィジター・レベル(最大+20)に増加する。
いくつかの信仰においてはこの“食事”を象徴的な行為とし、インクィジターは儀式の一部として少量の食料と水を食べなければならない。いくつかの極端な信仰では、インクィジターは実際に殺された敵の肉体を食べることを要求される。
8レベルの時点で、罪喰い人が(シャドウ、スペクター、もしくはヴァンパイアに殺されたもののような)アンデッドのような昇天すべきクリーチャーの罪を食べるとき、罪喰い人は1ポイントの一時的な負のレベルを受け入れて死体から穢れを吸収し、それらがアンデッドとして昇天することを防ぐことを選択してよい。この負のレベルは適切な魔法で取り除くことができるが、24時間が経過すると自動的に消え、恒久的な負のレベルになることは決してない。GMの裁量により、この能力はゴーストの黄泉がえり能力の使用を妨げてもよい。
スピーク・ウィズ・デッド/Speak With Dead(擬呪):6レベルの時点で、インクィジターは敵の罪を食べるとき、10分以内であれば、インクィジター・レベルを術者レベルとしてスピーク・ウィズ・デッドを使用したかのように、敵の魂の残りに質問ができる。この能力を使用するのに敵の死体は必要ないが(罪を食べた後、死体から移動してもスピーク・ウィズ・デッドを使用できる)、魂は死体のすべきセーヴィング・スローを行う。この能力は6レベルのボーナスチームワーク特技と置き換える。
罪の重荷/Burden of Sin(擬呪):14レベルの時点で、罪喰い人は全ラウンド・アクションを費やし、 1つの有害な災厄、状態、または呪文の効果を他のクリーチャーから自分に移すことができる(これには呪い、憑依、石化のような恒久的な効果、またはブレイク・エンチャントメントが終了か反転させることのできる多くの状態が含まれる)。どの効果を移すかは罪喰い人が選び、本来の目標であるかのように持続時間(あれば)を継続し、その他の効果も元のまま保って影響を受ける。例えば、インクィジターは致命的な病気を自分に移したり、石化した同志をもとに戻すため自分に石化を移すことができる。罪喰い人はこの能力を同じクリーチャーに対して望む限り何回でも使用できる。この能力は弱点の利用と置き換える。
幾人かのインクィジターは信仰の真言を広めるために地上を放浪する。彼らはしばしば彼らの教えの敵対者や自らを助けられない人を助ける伝道者の必要と衝突する。悪や積極的な宗教の指導者は、転向者と有望な味方を得るため、彼らの伝道者を新たな領地へと送り込む。彼らはしばしば彼らの宗教に敵対的な権力への暴動を始めるか、信頼できる信奉者の集団を不信心者の略奪から守る。
決断/Determination(変則):伝道者は戦場においては口数の少ない人物だが、その言語には強い力と権威が宿っている。3レベルの時点で、1日に1回、インクィジターはこの能力を使用し、以下の効果のうち1つを発生させることができる。使用はいずれもフリー・アクションである。
攻撃/Aggression:伝道者はロールの結果が明かされる前であれば、自身が行った攻撃ロールを再ロールしてもよい。元の目より悪い結果であっても、再ロールの結果を使用しなければならない。
防御/Defense:インクィジターが近接あるいは遠隔攻撃で命中を受けたとき、割り込みアクションとして、その攻撃に対するアーマー・クラスに+4洞察ボーナスを加えることができ、その結果敵の攻撃ロールよりもアーマー・クラスが大きくなれば、攻撃は失敗したことになる。
警告/Warning:伝道者の視線の通る味方が近接あるいは遠隔攻撃の命中を受けたとき、味方に警告を発することで、攻撃者に再ロールをして2度目のロールを使用することを強いることができる。味方は無防備状態ではなく、伝道者の声を聞くことができなければ、この能力から効果を得ることはできない。
伝道者はボーナス・チームワーク特技を選ぶことができるとき(3、6、9、12、15および18レベル時点)、代わりにこの能力の1日に使用できる回数を1回増加することを選んでもよい。この能力は単独戦術と置き換える。