ゴースト

ゴースト Ghost

この幽のようなぞっとする人中を静かに滑るように進み、堅い物があってもそれが存在していないかのように通り抜けてゆく。

ゴースト 脅威度7 Ghost

経験点3,200
人間ゴースト7レベルアリストクラート
混沌にして悪中型サイズアンデッド非実体人型生物変性種
イニシアチブ +5; 感覚 暗視60フィート; 〈知覚〉+18

防御

アーマー・クラス 17、接触17、立ちすくみ15(+1回避、+5反発、+1【敏】
ヒット・ポイント 73(7d8+42)
頑健 +7、反応 +5、意志 +7
防御能力 エネルギー放出に対する抵抗+4、非実体黄泉がえり完全耐性 アンデッドの種別特性

攻撃

移動速度 飛行30フィート(完璧)
近接 腐敗の接触=+6(7d6、頑健難易度18・半減
特殊攻撃 恐ろしきうめき声難易度18)

一般データ

【筋】―、【敏】12、【耐】―、【知】10、【判】11、【魅】20
基本攻撃 +5; 戦技ボーナス +5; 戦技防御値 22
特技 《イニシアチブ強化》《回避》《神速の反応》《追加HP》《鋼の意志》
技能 〈隠密〉+9、〈真意看破〉+10、〈知覚〉+18、〈知識:貴族〉+10、〈知識:歴史〉+10、〈飛行〉+9; 種族修正 +8〈隠密〉、+8〈知覚〉
言語 共通語

生態

出現環境 気候問わず/地形問わず
編成 単体
宝物 NPCの装備品

事実であれそう見なされているのであれ何らかの重大な不正のために魂が安らぐことかなわぬならば、そのものはゴーストとして舞い戻ることがある。そういった存在は永劫の苦悶のうちにあり、の身を失い物事を正しく整えることができない。ゴーストはどのような属性であってもよいが、大多数の者は強烈激怒と憎の思いから生者の世界にしがみついており、それ故に混沌にして悪属性である。善属性秩序属性クリーチャーゴーストであっても、後は憎に満ちあふれ残酷になる。

この書に収録された大抵のモンスター以上に、ゴースト強烈詳細な背景によって恩恵を受ける。このキャラクターはなにゆえゴーストになったのか? このゴーストにまつわる伝説はどんなものが? ゴーストとの遭遇がまったくのだしぬけに起こることなどあってはならない。レイススペクターなど、その程度の役割にふさわしい非実体アンデッドなら他にいくらでもいる。ゴーストとの適正な遭遇とは、下位のしもべやアンデッド顕現で積み上げた長丁場の緊張を経た後のクライマックス・シーンであるべきだ。上記サンプルのゴーストは不貞の恋人に殺害された人間王女ゴーストである。彼女は恋人と争った挙句、恋人によってでがんじがらめにされての井戸に投げこまれ、そこで溺れんだ。このゴーストの能はこの背景にふさわしいように選ばれている。そして、これはただのNPCクラスだけでどれほど強役が作れるかを示している。クラス・レベルを有するクリーチャーや有用な種族を持つクリーチャーにこのテンプレートを適用することにより、もっと強ゴーストすら作ることができる。

ゴーストになるとき、そのゴーストは生前特に大切にしていたアイテムの非実体版の“複製品”を(基のアイテムが別のクリーチャーの所持品になっていなければ)保持する。その装備品はそのゴーストに対して通常通りに効果を表すが、物質界物体クリーチャーに対しては害を与えることなく素通りする。しかし、+1以上の魔法強化ボーナスのある武器物質界クリーチャーを傷つけることができる。ただし、こうした攻撃でも、武器ゴースト・タッチ武器でない限り、半分のダメージしか与えない。ゴーストは、ゴースト・タッチを有するや鎧しか使用できない。

基のアイテムは、ゴースト体と同様、物質界に残されている。もしも他のクリーチャーが基のアイテムを奪ってしまえば、非実体の複製品は消えうせる。これは間違いなくゴーストを怒らせ、ゴーストはそのアイテムを元の場所に取り戻す(そしてアイテムが再び使えるようになる)まで止まらない。

ゴーストの作成 Creating a Ghost

ゴースト”は生きているどんなクリーチャーにも付加できる後天性テンプレートである。基となるクリーチャー(以下“基本クリーチャー”と呼ぶ)は少なくとも6の【魅力】値を持っていなければならない。ゴーストは、以下に挙げる点を除いて、基本クリーチャーのデータと特殊能力をそのまま使用する。

脅威度基本クリーチャー+2。

種別基本クリーチャー種別アンデッドに変化する。基本攻撃ボーナスセーヴ技能ポイントは再計算しないこと。また、(非実体)の副種別が付く。

アーマー・クラスゴースト【魅力】修正値に等しい反発ボーナスを得る。基本クリーチャー外皮ボーナス、[場]効果ゴースト・タッチ・アイテムによるものでなければ、鎧ボーナスおよび盾ボーナスも失われる。

ヒット・ダイス基本クリーチャーの持つ種族ヒット・ダイスはすべてd8となる。クラス・レベルによるヒット・ダイスはすべて変化せずに残る。ゴーストボーナスヒット・ポイントを決定する際に(【耐久力】修正値の代わりに)【魅力】修正値を使用する。

防御的能ゴースト基本クリーチャー防御能力をすべて保持する。実体がないと働かないような防御能力も持ち続ける。ゴーストは“エネルギー放出に対する抵抗+4”、“暗視60フィート”、(非実体)の能アンデッドの種別特性によって得られるすべての完全耐性を得る。ゴーストは“黄泉がえり”能も得る。

黄泉がえり(超常)大抵の場合、ゴースト単純戦闘によって破壊し去ることは困難である。“破壊された”魂はおおむね2d4日でよみがえってくる。最も強呪文をもってしても、一的な解決にしかならないことが多い。永久的にゴースト破壊する唯一の方法は、その存在する理由を探り出して、ゴーストが安らかな眠りにつけずにいる原因を正すことである。的確な方法はそれぞれの魂により異なり、多くの調査を必要とする。GMはそれぞれのゴーストごとに具体的な方法を決めるべきである。

移動速度基本クリーチャーがもっと良い飛行移動速度を有していない限り、ゴーストは生前の移動速度を失って飛行移動速度30フィート(機動性:完璧)を得る。

近接および遠隔攻撃ゴースト基本クリーチャー攻撃方法をすべて失う。生きていた頃に武器を用いることができたのであれば、ゴーストとしてゴースト・タッチ武器を用いることができる。

特殊攻撃ゴースト基本クリーチャー特殊攻撃をすべて保持するが、物理的に物と物が触れあわねばならないような攻撃は作用を及ぼさない。さらに、ゴースト脅威度3ごとに以下のリストにあるゴースト特殊攻撃を1つ得る(最低1つ、最初に選ぶ能は“腐敗の接触”でなければならない)。ゴースト特殊攻撃に対するセーヴ難易度は、特記なき限り、(10+ゴーストヒット・ダイスの1/2+ゴースト【魅力】修正値)である。GM判断で、これら以外の追加のゴーストをデザインしてもよい。

恐ろしきうめき声(超常)ゴーストは身動きもままならぬほどの恐怖にもがき苦しみながら亡した。ゴーストは1標準アクションとして恐ろしいうめき声を上げることができる。30フィート拡散範囲内にいるすべての生きているクリーチャー意志セーヴを行なわなければならず、失敗すると2d4ラウンドの間、恐慌状態に陥る。これは[音]、[精神作用]の[恐怖]効果である。このうめき声に対するセーヴに成功したクリーチャーは、以後24時間、同じゴーストうめき声には響されない。

テレキネシス(超常)/Telekinesis:ゴーストは物理的に大怪我をしたことによる。1d4ラウンドごとに1回、1標準アクションとして、ゴーストテレキネシス術者レベルは12かゴーストヒット・ダイスのうち、どちらか高い方)を使用できる。

能力値吸収接触(超常)/Draining Touch:ゴースト狂気や疾病のうちに亡した。ゴーストは命中ゴーストが選んだいずれか1つの能力値から1d4ポイント吸収する接触攻撃を得る。攻撃が命中するごとに、ゴーストは受けたダメージが5ポイント回復する。“能力値吸収接触”を行なう場合、ゴースト通常の“ゴースト接触攻撃”を使用することはできない。

憑霊(超常)/Malevolence:生者に対するゴーストのねたみようははなはだしいものがある。1ラウンドに1回、ゴーストはその体を物質界クリーチャー同化させることができる。この能マジック・ジャー呪文術者レベルは10かゴーストヒット・ダイスのうち、いずれか高い方)と同様に扱うが、“魔法の壷”を必要としない点が異なる。この能を使用するには、ゴースト目標に隣接していなければならない。目標意志セーヴに成功すればこの攻撃抵抗できる。セーヴに成功したクリーチャーは、以後24時間、同じゴースト憑霊に対する完全耐性を得る。

腐敗凝視(超常)/Corrupting Gaze:ゴーストは歳や暴によって二と見られぬ姿になっており、距離30フィートの、2d10ダメージと1d4【魅力】ダメージを与える凝視攻撃を得る。頑健セーヴに成功すると【魅力】ダメージ無効化できるが、ヒット・ポイントダメージ無効化できない。

腐敗の接触(超常)/Corrupting Touch:すべてのゴーストはこの非実体接触攻撃を得る。1標準アクションとしてゴースト非実体の体の一部が敵の体を通り抜けることにより、ゴーストは(ゴースト脅威度×1d6)ぶんのダメージを与える。このダメージは負のエネルギー・ダメージではない。このダメージ超常的な加齢による物理的な傷と痛みいう形で顕現する。魔法的な加齢効果に対する完全耐性を持つクリーチャーはこのダメージに対しても完全耐性を持つ。そうでなければこのダメージはあらゆるダメージ減少を克服する。頑健セーヴに成功すると、与えられるダメージは半分になる。

能力値【魅力】+4; (非実体)アンデッドクリーチャーであるゴースト【筋力】【耐久力】も持っていない。

技能ゴースト〈隠密〉判定〈知覚〉判定に+8の種族ボーナスを得る。ゴーストは常に〈威圧〉〈隠密〉〈呪文学〉〈真意看破〉〈知覚〉〈知識:宗教〉〈知識:神秘学〉、〈登攀〉〈飛行〉〈変装〉クラス技能として扱う。その他基本クリーチャーと同じ。


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