君は動物と作業する訓練を受けており、動物に芸を教えたり、単純な指示に従わせたり、飼い慣らしたりできる。
特定の芸や、以下の用途を参照。
動物を扱う:特定の動物に、すでに仕込まれている芸や仕事をさせるのは、この作業に含まれる。その動物が傷ついているか、少しでも非致傷ダメージや能力値ダメージを受けているなら、難易度は+2される。君が判定に成功すれば、その動物は次のアクションで命じられた任務や芸を実行する。
動物を“せき立てる”:動物をせき立てるというのは、その動物が憶えてはいないが物理的には可能なことをさせるということである。動物に強行軍をさせたり、睡眠から睡眠の間に合計1時間より長く走行させるのも、“せき立てる”うちに入る。その動物が傷ついているか、少しでも非致傷ダメージや能力値ダメージを受けているなら、難易度は+2される。君が判定に成功すれば、その動物は次のアクションで命じられた任務や芸を実行する。
動物に芸を仕込む:1体の動物に特定1種類の芸を仕込むには、1週間の作業を行ない、表にある通りの難易度の〈動物使い〉判定に成功する必要がある。【知力】が1の動物は最大で3つまでの芸を憶えることができる。【知力】が2の動物は最大で6つまでの芸を憶えることができる。芸の種類(および関連する難易度)には以下のようなものがあるが、必ずしも以下のものに限られるわけではない。
「攻撃しろ」(難易度20):動物は明らかに敵とわかる相手を攻撃する。君は特定のクリーチャーを指し、動物にそのクリーチャーを攻撃するよう指示することができる。通常、動物が攻撃する相手は人型生物、人型怪物、巨人、動物に限られる。動物にあらゆるクリーチャー(アンデッドや異形など、自然に反するクリーチャーも含む)を攻撃させるよう仕込むのは、芸2つ分に相当する。
「下がれ」(難易度15):動物は戦闘をやめたり、戦闘以外のことから離れて後ろに下がる。この芸を仕込まれていない動物は、負傷や[恐怖]効果等によって敗走するか、相手を打ち負かすまで戦いつづける。
「追跡しろ」(難易度20):動物は指示された匂いを追跡する。これを実行するには、その動物が“鋭敏嗅覚”の能力を持っている必要がある。
「取ってこい」(難易度15):動物は行って何かを取ってくる。君が特定の物体を指定しなかった場合、動物はランダムに何か物体を持ってくる。
「待て」(難易度15):動物は一箇所に留まり、君が戻ってくるのを待つ。他のクリーチャーがやって来ても進んで攻撃をしかけることはないが、必要なら自分の身は守る。
「守れ」(難易度20):動物は以後、どんな命令も下さなくても君を守る(明らかな脅威がない場合、いつでも君の身を守れるように身構える)。また、他の特定のキャラクターを守るように命令することもできる。
動物を特定用途のために訓練する:動物に個々の芸を仕込むのではなく、単に1種類の一般的な用途のために訓練することもできる。事実上、動物の“用途”というのは、(番、重労働など)特定の使い道のために複数の芸をあらかじめ選択して組み合わせたものと言える。動物は、訓練パッケージ内のあらゆる芸の前提条件を満たしていなければならない。パッケージ内に4つ以上の芸が含まれる場合、その動物は【知力】が2以上なければならない。
1体の動物は1つの特定用途のためにしか訓練できない。ただしその特定用途に含まれる芸に加えて、追加で別の芸を仕込むことはできる(その動物に余計に芸を憶えるだけの“あき”があるなら)。ある動物を特定用途のために訓練する場合には、個々の芸を教え込む時よりも判定回数が少なくてすむが、所要時間は変わらない。
演技(難易度15):演技を見せるために訓練された動物は、以下の芸を仕込まれている:「後に続け」、「演技しろ」、「来い」、「取ってこい」、「待て」。1体の動物を演技用に訓練するには5週間かかる。
騎乗(難易度15):騎手を乗せるように訓練された動物は、以下の芸を仕込まれている:「後に続け」、「来い」、「待て」。1体の動物を騎乗用に訓練するには3週間かかる。
重労働(難易度15):重労働のために訓練された動物は、以下の芸を仕込まれている:「来い」、「働け」。1体の動物を重労働用に訓練するには2週間かかる。
狩猟(難易度20):狩猟用に訓練された動物は、以下の芸を仕込まれている:「後に続け」、「攻撃しろ」、「下がれ」、「調べろ」、「追跡しろ」、「取ってこい」。1体の動物を狩猟用に訓練するには6週間かかる。
戦闘(難易度20):戦闘に参加するよう訓練された動物は、以下の芸を仕込まれている:「攻撃しろ」、「下がれ」、「待て」。1体の動物を戦闘用に訓練するには3週間かかる。
戦闘騎乗(難易度20):騎手を乗せて戦うよう訓練された動物は、以下の芸を仕込まれている:「後に続け」、「来い」、「攻撃しろ」、「下がれ」、「番をしろ」、「守れ」。1体の動物を戦闘騎乗用に訓練するには6週間かかる。また、騎乗用に訓練された動物を戦闘騎乗用に格上げすることもできる。これには3週間かかり、〈動物使い〉判定(難易度20)に成功する必要がある。この場合、新しい用途と芸は、古い用途と芸を完全に上書きする。多くのホースとライディング・ドッグはこの方法で訓練されている。 編注:この戦闘騎乗の訓練により、《鎧習熟:軽装》をボーナス特技として得る。さらにホースやポニーは蹄を主要武器として扱えるようになる。ただし、動物の相棒(パラディンの乗騎を含む)は戦闘騎乗を修得しても《鎧習熟:軽装》を獲得できない(非公式FAQより)。
番(難易度20):番をするよう訓練された動物は、以下の芸を仕込まれている:「攻撃しろ」、「下がれ」、「番をしろ」、「守れ」。1体の動物を番用に訓練するには4週間かかる。
野生動物を育てる:動物を育てるとは、野生のクリーチャーを飼い慣らすために子供の頃から育てることを指す。調教師は同時に同じ種類のクリーチャーを最大3体まで育てることができる。
飼い慣らすのに成功した動物は、育てるのと同時に芸を仕込むことができる。また、まず飼い慣らしておいた後で、飼い慣らされた動物に対する難易度で芸を仕込むこともできる。
アクション:さまざま。動物を扱うのは移動アクションであり、動物を“せき立てる”のは全ラウンド・アクションである。ドルイドやレンジャーが動物の相棒を扱うのはフリー・アクションであり、せき立てるのは移動ラウンド・アクションである。特定の概算時間が書いてある作業の場合、実際に技能判定を行なうまでに、作業の完遂に向けて(扱う動物1体につき、1日に3時間の割合で)その時間の半分を費やさなければならない。判定に失敗すれば、その動物を仕込んだり、育てたり、訓練する試みは失敗だったことになり、それ以上続ける必要はなくなる。判定に成功すれば、仕込み、飼育、訓練が完了するまで残りの時間を費やさねばならない。作業時間が中断されたり、作業を最後までやり通せなかったなら、その試みは自動的に失敗となる。
特殊:【知力】が1か2で、かつクリーチャー種別が“動物”ではないクリーチャーに対して〈動物使い〉技能を用いることもできる。その場合、難易度は一律+5される。こうしたクリーチャーにも、動物の場合と同様の限界(訳注:芸の修得数の上限、特定の芸を修得できるかどうかなど)がある。
ドルイドやレンジャーは、動物の相棒に関する〈動物使い〉判定に+4の状況ボーナスを得る。
加えてドルイドやレンジャーの動物の相棒は1つ以上の追加の芸を知っている。これは芸の修得数の上限を勘定する際、勘定に入れない。また、この追加の芸には訓練時間も、仕込むための〈動物使い〉判定も不要である。
《動物の友》特技があるなら、〈動物使い〉判定にボーナスを得る(『特技』を参照)。
未修得:〈動物使い〉にランクを割り振っていない場合でも、【魅力】判定で“動物を扱う”ことや飼い慣らされた動物を“せき立てる”ことはできるが、芸を仕込んだり訓練したり育てたりすることはできない。ドルイドやレンジャーは〈動物使い〉にランクを割り振っていなくとも、【魅力】判定で動物の相棒を“扱う”ことや“せき立てる”ことはできるが、他の飼い慣らされていない動物に芸を仕込んだり訓練したり育てたりすることはできない。