肉体と精神の完成――それこそがモンクそれぞれの人生の目標である。熟練の戦士にとっては、武術と精神の明晰さは一体であり分かつことはできない。モンクは拳と武器を組み合わせて敵を何度も攻撃することができ、戦場では他のものよりずっと多様な戦闘をこなす。モンクは内在する霊的な生命力である気を活用し、驚くほどの曲芸や超常的な技を行うことができる。その全ては信じられないほどの自制心と集中力によるものであり、モンクは武術を完成させるためにその人生全てを費やす。
アンチェインド:モンクの大部分が調整された。すなわち、基本攻撃ボーナス、ヒット・ダイス、セーヴ、特殊能力の多くである。その結果、このモンクはプレイしやすいだけでなく、より様々なところで大活躍するだろう。今や連打はずっと簡単になり、ゲーム中に使いやすくなった。縮地の法や激震掌のようなモンクが高レベルで得られる能力は、内功という新しいルールに包含された。モンクがレベルを得るたびに多様な内功を選択することで、プレイヤーはこのキャラクターを真の意味でカスタマイズすることができる。
属性:いずれかの秩序。
ヒット・ダイス:d10。
モンクのクラス技能は、以下の通り:〈威圧〉【魅】、〈隠密〉【敏】、〈軽業〉【敏】、〈騎乗〉【敏】、〈芸能〉【魅】、〈職能〉【判】、〈真意看破〉【判】、〈水泳〉【筋】、〈製作〉【知】、〈脱出術〉【敏】、〈知覚〉【判】、〈知識:宗教〉【知】、〈知識:歴史〉【知】、〈登攀〉【筋】。
レベル上昇毎の技能ポイント:4+【知力】修正値。
以下にモンクのクラス特徴を示す。
武器と防具の習熟:モンクはカマ、クオータースタッフ、クラブ、サイ、ジャヴェリン、シャンガム、シュリケン、ショートスピア、ショート・ソード、スピア、スリング、ダガー、ヌンチャク、ハンドアックス、ヘヴィ・クロスボウ、ライト・クロスボウ、及びモンク武器特性を持つ全ての武器に習熟している。
モンクは鎧にも盾にも習熟していない。
鎧を身につけたり、盾を使用したり、中荷重や重荷重の荷物を運んだりすると、モンクはアーマー・クラス・ボーナス、高速移動、連打能力を失う。
アーマー・クラス・ボーナス(変則)/AC Bonus:鎧を身につけず、軽荷重までの荷物しか運んでいなければ、モンクは自分のアーマー・クラスと戦技防御値に【判断力】ボーナスを(もしあれば)加える。加えて4レベルの時点で、モンクはアーマー・クラスと戦技防御値に+1のボーナスを得る。このボーナスは以降4モンク・レベル毎に1ずつ増加し、20レベルの時点で最大の+5となる。
これらのアーマー・クラスへのボーナスは接触攻撃にも適用され、モンクが立ちすくみ状態であっても機能する。動けない状態や無防備状態にある時、何らかの鎧を着用している時、盾を使用している時、運搬している重量が中荷重または重荷重の時、モンクはこのボーナスを失う。
ボーナス特技/Bonus Feat:1レベルと2レベルの時点及び以降4レベル毎に、モンクはボーナス特技を1つ得ることができる。この特技は以下の一覧から選択しなければならない。《回避》、《組みつき強化》、《蠍の型》、《代用武器の巧み》、《万能投擲術》、《迎え討ち》、《矢止め》。6レベルの時点で、選択できる特技の一覧に以下の特技が追加される。《足払い強化》、《強行突破》、《ゴルゴンの拳》、《突き飛ばし強化》、《フェイント強化》、《武器落とし強化》。10レベルの時点で、選択できる特技の一覧に以下の特技が追加される。《一撃離脱》、《クリティカル強化》、《メドゥサの怒り》、《矢つかみ》。モンクはこれらの特技を修得する際、通常満たさなければならない前提条件を満たす必要はない。
連打(変則)/Flurry of Blows:1レベルの時点で、モンクは全力攻撃アクションで連打を行うことができる。連打を行う際、モンクは最も高い基本攻撃ボーナスを用いて追加で1回の攻撃を行うことができる。この追加攻撃はヘイストや他の類似の効果で得られるボーナス攻撃に累積する。この能力を使用する際、モンクは素手打撃とモンク武器特性を持つ武器を自由に組み合わせて攻撃を行うことができる。連打の際、モンクは複数の武器を使用することで一切のペナルティを受けない。ただし、複数の武器を使用していたとしても、既に連打によって得られている追加攻撃以外に追加の攻撃を得ることはない(高い基本攻撃ボーナス、この能力、ヘイストや他の類似の効果による追加攻撃を得ることはできる)。
11レベルの時点で、モンクは連打を行う際、最も高い基本攻撃ボーナスを用いて更に追加で1回の攻撃を行うことができるようになる。この追加攻撃はこの能力で得られる1回目の攻撃に累積し、ヘイストや他の類似の効果による追加攻撃と累積する。
朦朧化打撃(変則)/Stunning Fist:1レベルの時点で、モンクは《朦朧化打撃》をボーナス特技として得る。前提条件を満たしている必要はない。4レベルの時点と以降4レベルごとに、モンクは《朦朧化打撃》の目標を別の状態に陥らせる能力を得る。この状態は目標に及ぼす朦朧状態の内、1ラウンドを置き換える。また、セーヴィング・スローに成功すれば、目標はこの状態に対しても効果を受けない。4レベルの時点で、モンクは目標を疲労状態にすることを選択できるようになる。8レベルの時点で、モンクは目標を1分の間不調状態にすることを選択できるようになる。12レベルの時点で、モンクは目標を1d6+1ラウンドの間よろめき状態にすることを選択できるようになる。16レベルの時点で、モンクは目標を永続的に聴覚喪失状態にするか、盲目状態にするかを選択できるようになる。20レベルの時点で、モンクは目標を1d6+1ラウンドの間麻痺状態にすることを選択できるようになる。モンクは攻撃ロールを行う前に、どの状態を適用するかを選択しなければならない。この効果はそれ自身とは累積しない(朦朧化打撃によって疲労状態になったクリーチャーは、もう一度朦朧化打撃が命中しても過労状態にならない)が、追加で命中すれば持続時間が増加する。
素手打撃(変則)/Unarmed Strike:1レベルの時点で、モンクはボーナス特技として《素手打撃強化》を得る。モンクは拳、肘、膝、足で攻撃を行なうことができる。つまり、手がふさがっていても素手打撃を行なうことができる。また、素手で攻撃を行なうモンクにとって逆手という概念は存在しない。モンクはすべての素手打撃のダメージに【筋力】ボーナスを全て適用できる。通常、モンクの素手打撃は致傷ダメージを与えるが、代わりに非致傷ダメージを与えることを選択することもできる(ペナルティはない)。組みつきの際も、同様に致傷ダメージと非致傷ダメージのいずれを与えるかを選択できる。
モンクの素手打撃は、人工的武器や肉体武器を強化する呪文やその他の効果の適用に際しては、人工的武器であり、かつ肉体武器でもあるものとして扱う。
モンクが素手打撃によって与えるダメージは、「表:アンチェインド・モンク」の“素手ダメージ”項に示されている。この素手ダメージは中型サイズのモンクのものである。
小型及び大型のモンクのダメージを以下に示す。
小型あるいは大型のモンクの素手打撃ダメージSmall or Large Monk Natural Damage
レベル |
ダメージ(小型のモンク) |
ダメージ(大型のモンク) |
1~3 |
1d4 |
1d8 |
4~7 |
1d6 |
2d6 |
8~11 |
1d8 |
2d8 |
12~15 |
1d10 |
3d6 |
16~19 |
2d6 |
3d8 |
20 |
2d8 |
4d8 |
身かわし(変則)/Evasion:2レベルの時点で、モンクは範囲に効果を及ぼす攻撃によるダメージを避けることができる。通常なら反応セーヴに成功すればダメージを半減できるような攻撃を受けた際、反応セーヴに成功すれば、ダメージを半減するかわりにダメージを受けずに済む。身かわしはモンクが軽装鎧を着ているか、鎧を着ていない場合に使用できる。無防備状態のモンクは身かわしによる利益を受けられない。
高速移動(変則)/Fast Movement:3レベルの時点で、モンクは地上移動速度に強化ボーナスを得る(「表:アンチェインド・モンク」を参照)。鎧を着たモンク、中荷重もしくは重荷重のモンクは、この能力で得た追加の移動速度を失う。
気蓄積(超常)/Ki Pool:3レベルの時点で、気ポイントのプールを得る。気は超自然的なエネルギーであり、使用すれば驚くべき離れ業をやりおおすことができる。気蓄積内の気ポイント数はモンク・レベルの1/2+【判断力】修正に等しい。気蓄積に1気ポイントでも残っているなら、モンクは気打撃を行なうことができる。3レベルの時点で、気打撃によりモンクの素手打撃攻撃はダメージ減少を考慮する際、魔法の武器として扱われるようになる。7レベルの時点で、ダメージ減少を考慮する際、気打撃は冷たい鉄製かつ銀製の武器としても扱われるようになる。10レベルの時点で、ダメージ減少を考慮する際、気打撃は秩序武器としても扱われるようになる。16レベルの時点で、ダメージ減少と硬度を考慮する際、気打撃はアダマンティン製の武器としても扱われるようになる。
即行アクションとして気蓄積から1気ポイントを消費することで、モンクは連打攻撃を行う際に最も高い基本攻撃ボーナスを用いて、追加で1回の素手打撃を行うことができる。このボーナスは連打によって得られる全てのボーナス攻撃と累積し、同様にヘイストや類似の効果とも累積する。モンクはレベルを得るに従い、気蓄積から気ポイントを消費する追加の能力を得る。
気蓄積は8時間の休息もしくは瞑想を行った後、毎朝回復する。休息もしくは瞑想の時間は連続している必要はない。
内功(超常)/Ki Powers:4レベルの時点と以降2レベル毎に、モンクは内功を1つ修得することができる。これらの能力により、モンクは気蓄積から気ポイントを消費することで、神秘的な能力を持つ劇的な技と曲芸的な武勇を示すことができる。内功を選択すると、以後変更できない。内功の中には修得するために、モンクが特定のレベル以上になっていなければならないものもある。特記ない限り、モンクは同じ内功を複数回修得することはできない。
不動心(変則)/Still Mind:4レベルの時点で、モンクは心術呪文もしくは心術効果に対するセーヴィング・スローに+2のボーナスを得る。
無病身(変則)/Purity of Body:5レベルの時点で、モンクは超常的な病気や魔法の病気を含む、全ての病気に完全耐性を得る。
型打撃(変則)/Style Strike:5レベルの時点で、モンクは型打撃のうち1つを学ぶ。連打を行う際、モンクは素手打撃の内1つを型打撃として指定することができる。この攻撃は通常通り解決するが、選択した型打撃の種類に応じた追加効果を持つ。9レベルの時点と以降4レベル毎に、モンクは追加で型打撃を1つ学ぶ。型打撃のどれを適用するかは、攻撃ロールを行う前に選択しなければならない。15レベルの時点で、モンクはラウンド毎に素手打撃2つにまで型打撃を使用することができるようになる。それぞれは異なる種類のものであっても良い。モンクは以下の型打撃から任意のものを選択することができる。
身かわし強化(変則)/Improved Evasion:9レベルの時点で、モンクの身かわし能力は強化される。攻撃に対する反応セーヴが成功した場合にダメージを受けないのは同じだが、それに加えて、セーヴに失敗した場合でも半分のダメージしか受けない。無防備状態のモンクは身かわし強化の効果を受けることができない。
日月語(変則)/Tongue of the Sun and Moon:13レベルの時点で、モンクはすべての生きているクリーチャーと会話できる。これは永続的なタンズの効果を得ているものとして扱う。
時知らずの肉体(変則)/Timeless Body:17レベルの時点で、モンクはもはや加齢による能力値へのペナルティを受けなくなり、魔法的に加齢されることもなくなる。ただし既にペナルティを受けている場合、それは残る。加齢によるボーナスは有効であり、また寿命が尽きれば老齢のために死亡する。
揺るがぬ心/Flawless Mind:19レベルの時点で、モンクは精神の動きを完全に制御できるようになる。意志セーヴを試みる際、モンクは2回ロールしてより良い結果を選択することができる。持続時間が1時間以上の呪文や効果に対する意志セーヴィング・スローに失敗した場合、モンクは1時間が経過するたびに新しいセーヴィング・スローを試みることができ、成功すればその効果を終了させる。
即身成道/Perfect Self:20レベルの時点で、モンクは魔法的なクリーチャーとなる。モンクはこれ以後、永続的に、呪文や魔法的な効果においては、人型生物(あるいはそれ以外の本来のクリーチャー種別)ではなく来訪者として扱われる。加えて、ダメージ減少10/混沌を得る。これによって混沌属性の武器以外の武器や、同様のダメージ減少を持つクリーチャーの肉体武器から受けるダメージのうち最初の10ポイントを無視する。他の来訪者と異なり、モンクは本来のクリーチャー種別に属しているかのように死から蘇ることができる。最後に、モンクは完璧なる平穏に至る能力を得る。この間、モンクはアクションを行うことはできないが、平穏に10分を過ごすたびに1気ポイントを回復する。この能力を使用して、最大値を超えて気が回復することはない。
秩序属性でなくなったモンクは、それ以上モンクとしてレベルを上げることはできない。しかし、既に得たモンクの能力はすべて保持する。