ブローラーはその手に何も持たなくても恐るべき存在である。彼らはファイターの重い鎧とモンクの神秘性に目を向ける代わりに、素手戦闘の荒々しくも多様な型を完成させることに注力した。多様で素早く、ほとんどの敵の攻撃に熟達したブローラーは、その肉体が一つの強力な武器なのだ。
役割:ブローラーは戦技に優れ、挟撃を生み出す状況や軽い鎧を身につけた敵に対処するのに適している。また、留まることなく変わり続ける戦場に素早く順応することができる。
属性:どれでも。
1 |
+1 |
+2 |
+2 |
+0 |
1d6 |
|
2 |
+2 |
+3 |
+3 |
+0 |
1d6 |
|
3 |
+3 |
+3 |
+3 |
+1 |
1d6 |
戦技訓練1 |
4 |
+4 |
+4 |
+4 |
+1 |
1d8 |
アーマー・クラス・ボーナス+1、気絶打撃 1回/日 |
5 |
+5 |
+4 |
+4 |
+1 |
1d8 |
|
6 |
+6/+1 |
+5 |
+5 |
+2 |
1d8 |
|
7 |
+7/+2 |
+5 |
+5 |
+2 |
1d8 |
戦技訓練2 |
8 |
+8/+3 |
+6 |
+6 |
+2 |
1d10 |
|
9 |
+9/+4 |
+6 |
+6 |
+3 |
1d10 |
アーマー・クラス・ボーナス+2、ブローラーの打撃(銀および冷たい鉄) |
10 |
+10/+5 |
+7 |
+7 |
+3 |
1d10 |
|
11 |
+11/+6/+1 |
+7 |
+7 |
+3 |
1d10 |
|
12 |
+12/+7/+2 |
+8 |
+8 |
+4 |
2d6 |
|
13 |
+13/+8/+3 |
+8 |
+8 |
+4 |
2d6 |
|
14 |
+14/+9/+4 |
+9 |
+9 |
+4 |
2d6 |
|
15 |
+15/+10/+5 |
+9 |
+9 |
+5 |
2d6 |
|
16 |
+16/+11/+6/+1 |
+10 |
+10 |
+5 |
2d8 |
|
17 |
+17/+12/+7/+2 |
+10 |
+10 |
+5 |
2d8 |
|
18 |
+18/+13/+8/+3 |
+11 |
+11 |
+6 |
2d8 |
|
19 |
+19/+14/+9/+4 |
+11 |
+11 |
+6 |
2d8 |
戦技訓練5 |
20 |
+20/+15/+10/+5 |
+12 |
+12 |
+6 |
2d10 |
ブローラーのクラス技能は次の通り:〈威圧〉【魅】、〈軽業〉【敏】、〈騎乗〉【敏】、〈職能〉【判】、〈真意看破〉【判】、〈水泳〉【筋】、〈製作〉【知】、〈脱出術〉【敏】、〈知覚〉【判】、〈知識:ダンジョン探検〉【知】、〈知識:地域〉【知】、〈登攀〉【筋】、〈動物使い〉【魅】。
武器と防具の習熟:ブローラーは全ての単純武器と、ハンドアックス、ショート・ソード、ファイター武器グループにおける近距離武器の全てに習熟している。ブローラーは軽装鎧と盾(タワー・シールドは除く)に習熟している。
抜け目ない(変則)/Brawler's Cunning:ブローラーの【知力】能力値が13未満の場合、戦闘特技の前提条件を満たすかどうかを考慮する際、13として扱われる。
多様なる武術(変則)/Martial Flexibility:ブローラーは移動アクションで、保持していない戦闘特技1つの利益を得ることができる。この効果は1分間持続する。ブローラーはこの特技の前提条件を満たしていなければならない。ブローラーはこの能力を、1日に3+ブローラー・レベルの半分(最低1)に等しい回数だけ使用することができる。
ブローラーは持続時間が過ぎ去る前に再度使用することで、以前に選択した戦闘特技を別のものに置き換えることができる。
《朦朧化打撃》など、戦闘特技に1日の使用回数制限がある場合、この能力を使用している間の使用回数は、この戦闘特技の1日の使用回数制限に従う。
6レベルの時点で、ブローラーはこの能力を使用して、同時に2つの戦闘特技の利益を得ることができるようになる。ブローラーは即行アクションとして特技1つの利益を得るか、移動アクションとして特技2つの利益を得るかを選択することができる。ブローラーはこれらの特技の1つにより、2つ目の特技の前提条件を満たしてもよい。このようにする場合、それがなければ前提条件を満たせなくなる戦闘特技を置き換えることなく、前提条件となっている特技を置き換えることはできない。それぞれの特技はこの能力の1日の使用回数に数えられる。
10レベルの時点で、ブローラーはこの能力を使用して同時に3つの戦闘特技の利益を得ることができるようになる。ブローラーはフリー・アクションとして特技1つの利益を得るか、即行アクションとして特技2つの利益を得るか、移動アクションとして特技3つの利益を得るかを選択することができる。ブローラーはこれらの特技の1つで2つ目と3つ目の特技の前提条件を満たし、2つ目の特技で3つ目の特技の前提条件を満たすことができる。それぞれの特技はこの能力の1日の使用回数に数えられる。
12レベルの時点で、ブローラーはこの能力を使用して、割り込みアクションで戦闘特技1つの利益を得たり、即行アクションで特技3つの利益を得ることができるようになる。それぞれの特技はこの能力の1日の使用回数に数えられる。
20レベルの時点で、ブローラーは即行アクションとしてこの能力を使用し、戦闘特技をいくつでも選びその利益を得ることができるようになる。それぞれの特技はこの能力の1日の使用回数に数えられる。
武術訓練(変則)/Martial Training:1レベルの時点で、ブローラーは特技の前提条件を考慮する際、合計ブローラー・レベルをファイター・レベルとしてもモンク・レベルとしても扱うことができるようになる。ブローラーはどのクラス・レベルを保持しているかに応じて効果が変わる(《朦朧化打撃》やモンクス・ローブなどの)特技や魔法のアイテムにおいて、ファイターでもモンクでもあるものとして扱われる。この能力はファイターやモンクが通常ならばクラス・レベルに従って得られる、《朦朧化打撃》などの特技を自動的に得られるわけではない。
素手打撃/Unarmed Strike:1レベルの時点で、ブローラーは《素手打撃強化》をボーナス特技として得る。ブローラーは拳、肘、かかと、足を使って攻撃することができる。すなわち、ブローラーは両手がふさがっている状態でも素手打撃を行うことができる。ブローラーは素手打撃全てのダメージ・ロールに【筋力】修正値を(半分ではなく)そのまま適用する。
通常、ブローラーの素手打撃は致傷ダメージを与える。しかしブローラーは攻撃ロールにペナルティを受けることなく、非致傷ダメージを与えることを選択してもよい。組みつきの間でも、ブローラーは同様に致傷ダメージか非致傷ダメージかを選択することができる。
ブローラーの素手打撃は、人工的な武器あるいは肉体武器のいずれかに効果を及ぼす呪文か効果を考慮する際、人工的な武器としても肉体武器としても扱う。
上述の表に示す通り、ブローラーは他の者よりも素手打撃でより高いダメージを与える。この表に記載されている素手打撃のダメージは、中型サイズのブローラーのものだ。小型サイズのブローラーは素手打撃で与えるダメージが少なく、大型サイズのブローラーはより多くのダメージを与える。これらは以下の表に記載されている。
1~3 |
1d4 |
1d8 |
4~7 |
1d6 |
2d6 |
8~11 |
1d8 |
2d8 |
12~15 |
1d10 |
3d6 |
16~19 |
2d6 |
3d8 |
20 |
2d8 |
4d8 |
ボーナス戦闘特技:2レベルの時点と以降3レベルごとに、ブローラーは通常の成長で得られる特技に加えて、ボーナス戦闘特技を得る。ボーナス特技は自分の防御や近接攻撃に効果を及ぼすか、これらを強化するものでなければならない。ブローラーは選択したボーナス戦闘特技の前提条件を満たしていなければならない。
5レベルに到達した時と以降3レベルごとにおいて、ブローラーは既に修得しているボーナス戦闘特技1つを、新しいボーナス戦闘特技と置き換えて修得してもよい。この効果によって、ブローラーはボーナス戦闘特技を失い、代わりに新しいボーナス戦闘特技を得る。失われる特技は他の特技や上級クラス、その他の能力の前提条件として使用されていてはならない。ブローラーは1レベル上昇するたびに特技1つだけを変更することができ、特技を入れ替えるかどうかはそのレベルのボーナス戦闘特技を得る時点で選択しなければならない。
ブローラーの連撃(変則)/Brawler's Flurry:2レベルの開始時に、ブローラーは全力攻撃アクションとして、ブローラーの連撃を行うことができるようになる。そのようにするなら、ブローラーは素手打撃、近距離武器のファイター武器グループに属する武器、“モンク用”の特殊機能を持つ武器を用いる際に、《二刀流》特技を持つ。この能力を使用する際、異なる武器2つを使用する必要はない。
ブローラーはブローラーの連撃による全ての攻撃におけるダメージ・ロールに、【筋力】修正値そのままの値を適用する。これは利き手でない手で使用している武器であっても、両手で持つ武器であっても同様である。ブローラーはブローラーの連撃の一部として、素手打撃を用いて武器落とし、武器破壊、足払いの戦技を行うことができる。肉体武器を持つブローラーはブローラーの連撃の一部としてこれらを使用することはできないし、ブローラーの連撃に追加して肉体武器攻撃を行うこともできない。
8レベルの時点で、ブローラーはブローラーの連撃を使用する際、《二刀流強化》を使用することができるようになる。15レベルの時点で、ブローラーはブローラーの連撃を使用する際、《上級二刀流》を使用することができるようになる。
戦技訓練(変則)/Maneuver Training:3レベルの時点で、ブローラーは戦技1つを選択し、さらなる訓練を受けることができる。ブローラーは選択した戦技を試みる際に行う戦技判定に+1のボーナスと、選択した戦技から身を守る際の戦技防御値に+1のボーナスを得る。
7レベルの時点と以降4レベル毎に、ブローラーは別の戦技1つにさらに修練を積み、上述の通り、戦技判定と戦技防御値に+1のボーナスを得る。加えて、既に修得していた戦技訓練におけるボーナスが1だけ増加する(例えば、ブローラーが3レベルの時点で組みつき、7レベルの時点で武器破壊を選択した場合、組みつきにおけるボーナスは+2、武器破壊におけるボーナスは+1となる。その後、11レベルの時点で突き飛ばしを選択すると、組みつきにおけるボーナスは+3、武器破壊におけるボーナスは+2、突き飛ばしにおけるボーナスは+1となる)。
アーマー・クラス・ボーナス(変則)/AC Bonus:4レベルの時点で、軽装鎧を身につけているか鎧を身につけていない場合、ブローラーはアーマー・クラスと戦技防御値に+1の回避ボーナスを得る。このボーナスは9レベル、13レベル、18レベルの時点で1ずつ増加する。
このアーマー・クラス・ボーナスは接触攻撃にも適用される。動けない状況や無防備状態にある間、中装鎧や重装鎧を身につけている間、運搬する荷物の重量が中荷重や重荷重の場合には、ブローラーはこのボーナスを失う。
気絶打撃(変則)/Knockout:4レベルの時点で、1日に1回、ブローラーは目標を即座に気絶状態に陥らせる、凄まじい破壊力を持つ攻撃を繰り出すことができるようになる。攻撃ロールを行う前に、ブローラーはこの能力を使用することを宣言しなければならない。ブローラーの攻撃が命中し、目標が攻撃からダメージを受けたなら、目標は頑健セーヴ(難易度=10+ブローラー・レベルの半分+ブローラーの【筋力】修正値もしくは【敏捷力】修正値のいずれか高い方)を行わねばならず、失敗すると1d6ラウンドの間気絶状態となる。気絶状態となった目標はそれぞれのターン毎に、機会攻撃を誘発しない全ラウンド・アクションとして新たにセーヴィング・スローを試みることができる。クリティカル・ヒットや非致傷ダメージに完全耐性を持つクリーチャーは、この能力にも完全耐性を持つ。10レベルの時点で、ブローラーはこの能力を1日に2回使用できるようになる。16レベルの時点で、ブローラーはこの能力を1日に3回使用できるようになる。
ブローラーの打撃(変則)/Brawler's Strike:5レベルの時点で、ブローラーの素手攻撃はダメージ減少を考慮する際、魔法の武器として扱われる。9レベルの時点で、ブローラーの素手攻撃は、ダメージ減少を考慮する際、冷たい鉄および銀製の武器としても扱われるようになる。12レベルの時点で、ブローラーは悪、混沌、善、秩序から属性を1つ選択する。ブローラーの素手打撃は、ダメージ減少を考慮する際、この属性の武器としても扱われる。この属性要素は、ブローラーの実際の属性と対抗する属性であってはならない。例えば、善属性のブローラーは悪の打撃を選択することはできない)。17レベルの時点で、ブローラーの素手打撃はダメージ減少と硬度を考慮する際、アダマンティン製の武器としても扱われるようになる。
近距離武器体得(変則)/Close Weapon Mastery:5レベルの時点で、ブローラーが近距離武器で与えるダメージは増加する。近距離武器を使用する際、ブローラーはこの武器の基本ダメージの代わりに、4レベル低いブローラーの素手打撃のダメージを用いる(例えば、5レベルの中型ブローラーがパンチング・ダガーを装備している場合、この武器で通常用いる1d4ではなく、1d6ポイントのダメージを与える)。その武器が通常この値よりも多くのダメージを与える場合、そのダメージは変化しない。この能力は武器の別の要素には影響を及ぼさない。ブローラーは調整された素手打撃ダメージを使うかどうかを選択することができる――この選択は、攻撃ロールを行う前に宣言されなければならない。
ふっとばし攻撃(変則)/Awesome Blow:16レベルの時点で、ブローラーは標準アクションとして、自分のサイズ以下で実体を持つクリーチャーに対して、ふっとばし攻撃戦技を行うことができるようになる。この戦技判定に成功すると、敵はブローラーが装備している近距離武器もしくは素手打撃が命中したかのようにダメージを受け、ブローラーが選択した方向に10フィート吹き飛び、倒れて伏せ状態となる。ブローラーは敵を真っ直ぐ押しやることしかできず、敵は自分が開始したマスよりもブローラーに近づくように移動することもできない。障害物が敵の移動を妨げた場合、敵と障害物は1d6ポイントのダメージを受け、敵はその障害物に隣接する空間で倒れて伏せ状態となる(《ふっとばし攻撃》とは異なり、どのサイズのブローラーであっても、この能力を使用することができる)。
ふっとばし攻撃強化(変則)/Improved Awesome Blow:20レベルの時点で、ブローラーは標準アクションではなく、1回の攻撃としてふっとばし攻撃能力を使用することができるようになる。ブローラーはいかなるサイズのクリーチャーに対してもこの能力を使用することができる。戦技ロールの出目が20だった場合、ブローラーは直ちに先ほどロールしたものと同じ修正値で戦技判定をロールし、クリティカルを確定させようと試みることができる。このクリティカル・ロールが成功すると、その攻撃は2倍のダメージを与える。(もし障害物とぶつかれば)障害物に命中したことで生じるダメージも2倍になる。