定命のものであると同時に、ティーフリングは人間とフィーンドの子孫である。異世界の血と特徴を掛け合わせたティーフリングは反動的な恐怖心から、しばしば敬遠され忌み嫌われる。ほとんどのティーフリングは自らの魔物の血の源のことを知らず、過去の世代において発生した呪われた交合のことも知らない。その汚名は長く残る上に根強いものだ。強力だが望まれない事もある恩恵として、生まれたときから現れ、あるいは人生の中で遅れて発現する。その不浄なる外見とこの世ならぬ起源にもかかわらず、ティーフリングは自らの運命を選ぶ人間のような力がある。自らの闇の出自を受け入れ不浄なる力の側につくものが多いながらも、自らの闇への偏愛を拒むものもいる。その血に流れる力はそれぞれのティーフリングに怒りや破壊、報復のような感情を呼び起こす。しかしサキュバスの落とし子でさえ聖人になることができ、ピット・フィーンドの孫でさえ思いも寄らない英雄になることができるのだ。
身体的特徴:全く同じ姿のティーフリングは二人といない。その血管を流れる不浄なる血は一貫性がなく、数々の不浄なる特徴を与え、露わにする。小さな角に棘のある尾、そしてオッド・アイを持つ人間に似た姿をしたティーフリングもいれば、牙の伸びた口と小さな翼、爪を持つものもおり、絶えず血の臭いと腐臭、硫黄の臭いを漂わせているものもいる。概して、こうした特質はそのティーフリングの血脈を誕生させた魔物の種類に何らかの形で遡れるものであるが、それでさえ人間と魔物の血の混血が分別のある定命の者の規則に拘束されているのは稀であるし、その混血がティーフリング内に生じさせる多方面における柔軟性は不可思議で、奇妙な美しさから全く恐ろしいものまで広範に渡っている。
社会:物質界のティーフリングは自らの居住区や組織を作ることはほとんどない。その代わりに彼らは出身地や住むことにした場所の外れに住む。ほとんどの社会はティーフリングを異形のものや呪われた存在であると見なす。しかし招来されたフィーンドとの交流が頻繁な文化や、特にデーモン、デヴィル、その他の悪の来訪者を奉じることが公式に認められていたり強制的に行われている文化では、ティーフリングはずっと人口が多く認められた存在だ。場合によってはその不浄なる主の祝福を受けたものとして憧れを抱かれることさえある。
ティーフリングは滅多に他のティーフリングを見ることがない。それ故に彼らは普通、人間の両親の文化や形式を単に身につける。他の次元界では、ティーフリングは自らの種族の小集団を形成する。しかしそのような小集団は仲のよいものであることはほとんどない――ティーフリングの外見や考え方にはあまりに多様性があり、種族の一員同士が持って生まれたものを理由に衝突する。そして日和見主義で不正を働くものだけが有利になる、変わり続ける階層社会の中でグループや派閥が形成される。一般的な血筋のものや、その生得的な、自己本位で、天邪鬼で、邪悪である生まれつきの性質から来る世界観と決別したものだけが、自らの種族のものたちの間で真実の許容、友誼、そして合意を目指せる。
種族関係:ティーフリングは他のほとんどの種族によるかなりの量の先入観に直面する。ティーフリングはフィーンドの落とし子や悪の種、モンスター、世界にかけられた継続中の呪いと見られている。文明的な種族はあまりにも頻繁に彼らを遠ざけ過小評価するが、より非道な者たちは受容を強要されるか脅されない限り単純に彼らを恐れ排斥する。しかしハーフエルフ、ハーフリング、フェッチリング、そして奇妙なことにアアシマールは、彼らをあまりにも多く拒否され生まれのためにほとんどの社会に合わない同種のものなのだと考えることが多い。ティーフリングが本質的な悪であるという世間一般で言われる思い込みは――おそらく言われのないことだが――物質界にあるほとんどの文化に合わせていくことを難しくしている。大都市や次元界の影響を受けた国はその例外である。
属性と宗教:その悪魔の血筋や偏見という陰湿な影響にもかかわらず、ティーフリングはいかなる属性にでもなりうる。彼らの多くは彼らの精神から現れる暗い欲望の餌食になり、内側で囁く邪悪の誘惑に囚われるが、善行をなすことで、断固として自らの出自に抗い、能動的に悪の誘惑や他人が示す負の先入観と戦う者もいる。しかしほとんどのものは単純に世界の中における自分自身の道を見つけるために努力している。ただ、その際には極めて道徳心がなく中立な見方を採用することが多い。多くのクリーチャーはティーフリングがデヴィルとデーモンを信仰していると信じているが、彼らの信仰観はその肉体の姿と同じように様々である。ティーフリング個人個人は様々な神格を信仰している。彼らはみんなと一緒の信仰を避けることが多い。全てのティーフリングの心に現れる闇で囁くものに傾倒するものは、強力なフィーンドに仕える。
冒険者:彼らが家と呼ぶ定命のものの社会で、ティーフリングが平等であることはほとんどない。逃げ道として冒険者の生き方に心引かれ、彼らは自分たちにとってましな生活を望む。自らの血の汚れから解き放たれ、自らを恐れ忌避する世界を罰するために。ティーフリングは腕のいいローグ、強力なウィザードやメイガス、そして特にその潜在力を持つ血が力を与えることで、力あるソーサラーになることができる。自らの内にある悪に圧倒されたものは、しばしば不浄な力の強力なクレリックとなる。
男性名:ヴォレン、サルヴィン、ショレモス、ゾレン、テメリス、デリサル、バル、マルドレク、モロス。
女性名:アリズサー、インドランナ、カシドラ、キラッラ、ニシャ、メリサン、モルドレン。
+2【敏捷力】、+2【知力】、-2【魅力】:ティーフリングは、身軽で頭脳明晰だが、本質的に奇妙な存在に見える。
原住の来訪者:ティーフリングは(原住)の副種別を持つ来訪者である。
中型:ティーフリングは中型クリーチャーであり、サイズによるボーナスもペナルティも受けない。
普通の移動速度:ティーフリングは30フィートの基本移動速度を持つ。
暗視:ティーフリングは最大60フィートまでの暗闇を見通せる。
得意技能:ティーフリングは〈隠密〉および〈はったり〉判定に+2種族ボーナスを得る。
擬似呪文能力:ティーフリングは1日1回ダークネスを擬似呪文能力として使用することができる。術者レベルは、ティーフリングのクラス・レベルと等しい。
魔物の抵抗:ティーフリングは[雷撃]、[火炎]、[氷雪]に対する抵抗5を持つ。
魔物の魔術:奈落の者または地獄の者の血脈を持つティーフリングのソーサラーは、全てのソーサラーの能力に関して、【魅力】が2高いものとして扱う。
言語:ティーフリングはプレイ開始時に共通語と奈落語か地獄語のいずれかを修得している。高い【知力】を持つティーフリングは、以下から追加の言語を選択できる:エルフ語、オーク語、ゴブリン語、地獄語、ドワーフ語、奈落語、ノーム語、ハーフリング語、竜語。
既存のティーフリングの種族特性の代わりに以下の種族特性を選択してもよい。この新しいオプションのいずれかを選択する前に、君のGMに相談をすること。
愉快な嘘つき/Beguiling Liar:多くのティーフリングは、聞き手が聞きたいことを伝えて世渡りをすることが最適な手段であると見なしている。このようなティーフリングは嘘をいつも口にしている。それにより彼らは、嘘をついた時にそれを真実だと思い込ませるために行う〈はったり〉判定に+4の種族ボーナスを得る。この種族特性は得意技能と置き換える。
魔物の疾走/Fiendish Sprinter:人間よりもはるかに獣じみた足を持つティーフリングもいる。その足は爪を伸ばした肉食獣を彷彿とさせているか、その種族では一般的な割れた蹄を持っている。この特性を持つティーフリングは突撃や疾走、撤退アクションを行う際、その移動速度に10フィートの種族ボーナスを得る。この種族特性は得意技能と置き換える。
口か爪/Maw or Claw:その不浄なる祖先の獣の特性を、より強く受け継いだティーフリングもいる。そうしたティーフリングは力強い歯でいっぱいの大口か、危険な爪を示す。ティーフリングは1d6ポイントのダメージを与える噛みつき攻撃か、それぞれ1d4ポイントのダメージを与える2回の爪攻撃のいずれかを選択して獲得することができる。これらの攻撃は主要肉体攻撃として扱う。この種族特性は擬似呪文種族特性と置き換える。
物掴む尾/Prehensile Tail:多くのティーフリングは尻尾を持つが、長く自在に操ることのできる尻尾でアイテムを運ぶことさえできるものもいる。尻尾を使って武器を持つことはできないものの、彼らは即行アクションとして尻尾を用い、自身が持ち運ぶ小さな収納されたアイテム1つを掴むことができる。この種族特性は魔物の魔術と置き換える。
鱗の肌/Scaled Skin:これらのティーフリングの肌はエネルギー抵抗を持つ上、鎧のように固い。[雷撃]、[火炎]、[氷雪]からエネルギー種別を1つ選択すること。この特性を持つティーフリングは、選択したエネルギー種別に対する抵抗5を得る。加えて、アーマー・クラスに+1の外皮ボーナスを得る。この種族特性は魔物の抵抗と置き換える。
魂を見るもの/Soul Seer:ごく稀にクリーチャーの魂を見ることのできる特別な視界を持つティーフリングがいる。彼らは擬似呪文能力としてデスウォッチを回数無制限で使用することができる。この種族特性は擬似呪文能力と魔物の魔術と置き換える。
退化した翼/Vestigial Wings:魔物の祖先を模倣するかのように、普通より小さかったり、干からびたり、発育不全の翼を持つティーフリングもいる。蝙蝠のような皮膜を持つ翼であることもあれば、黒や赤、紫の羽毛でまばらに覆われていることもある。ほとんどないことだが、もっと異様な姿を取ることさえある。このような翼は実際に飛行することができるほどの揚力を与えることはできないが、他の方法で飛行した際にその手助けをする力は十分にある。これにより〈飛行〉技能判定に+4の種族ボーナスを得る。この種族特性は得意技能と置き換える。
以下のオプションは記載の適性クラスを有するティーフリングに適用可能であり、特に断りのない限り、ボーナスは適性クラスの特典を選択するたびに適用される。
アルケミスト:アルケミストの爆弾のダメージに+1/2を加える。
インクィジター:〈威圧〉判定およびクリーチャーを識別する〈知識〉判定に+1/2のボーナスを得る。
ウィザード:通常であれば1日あたり3+ウィザードの【知力】修正値分の回数を使用可能な1レベル時の秘術系統能力を選択する。このウィザードはこの秘術系統能力の1日毎の使用回数に+1/2回を加える。
ウィッチ:ウィッチの使い魔は[雷撃]、[火炎]、[氷雪]のいずれかに対する抵抗1を得る。ウィッチがこのボーナスを選択するたびに、これらのエネルギー種別から1つを選択して使い魔の抵抗を1増加させる(1種別につき最大5)。ウィッチが使い魔を変えた場合でも、新しい使い魔はこれらの抵抗を保持している。
クレリック:来訪者の呪文抵抗を克服するために行う術者レベル判定に+1のボーナスを得る。
サモナー:サモナーの幻獣のヒット・ポイントに+1するか、技能ランクに+1する。
ソーサラー:地獄の者の血脈の力である堕落の接触の1日の使用回数に+1/2を加えるか、奈落の者の血脈の力であるかぎ爪の1日の合計ラウンド数に+1を加える。これらのボーナスを選択するために、ソーサラーは適用する力を修得していなければならない。
ドルイド:フィーンディッシュ種の動物の態度を向上する野生動物との共感の判定に+1のボーナスを得る。
パラディン:パラディンが癒しの手を用いて治療するダメージの合計に+1を加える。ただし、パラディンが自身に対してこの能力を使ったときに限られる。
ローグ:来訪者の種別を持つクリーチャーに対する急所攻撃で与えるダメージに+1/2を追加する。
ティーフリングのメイガスの中には、その魔物の血に宿る闇のエネルギーを自らの秘術と戦闘能力の強化に活用するものもいる。その汚れた肉体を物理的に傷つけることで、彼らは自らの力を強化し、どこともしれぬ場所から武器を呼びだし、敵のあまりにも強固な防護を貫くためにその闇のエネルギーを使うことができる。魔狩人は以下のクラス特徴を持つ。
地獄の苦行(超常)/Infernal Mortification:1レベルの時点で、魔狩人はその秘術集積を増加するために自らの地獄の血をいくらか費やすことができる。このようにして血を費やす行為は標準アクションである。この方法で魔狩人が【耐久力】ダメージを2ポイント受ける毎に、その秘術集積は1ポイント増加する。このようにして得られた秘術集積ポイントは、メイガスが次の呪文を準備するまでに消費しなければ失われてしまう。通常の能力値ダメージと異なり、このダメージはレッサー・レストレーションといった方法で回復することはできない。地獄の苦行によって受けた【耐久力】ダメージを回復することができるのは休息による自然回復だけである。この能力は魔狩人の【耐久力】ダメージが【耐久力】値の半分以上の時には使用することができない。
メイガスの秘奥:魔狩人は以下のメイガスの秘奥を修得できる。同じ秘奥を2回以上選択することはできない。
魔物の刃(超常)/Fiendblade:即行アクションとして、魔狩人が地獄の苦行を使用して1日の秘術集積を増加させている限り、この秘奥を使用することで力場の武器を作り出すことができる。この行為には秘術集積を2ポイント消費する。この武器は魔狩人が習熟している単純片手近接武器であれば、どのような形態にすることもできる。この武器は+1の強化ボーナスを持つ武器だが、魔狩人の4レベルを超える3レベル毎に武器の強化ボーナスは+1ずつ増加し、19レベルにおいて最大の+5となる。この招来した武器は1分の間持続する。
5レベルの時点で、このボーナスを使用することで、魔物の刃に以下の武器特性を加えることができる:アイシー・バースト、アナーキック、アクシオマティック、アンホーリィ、キーン、ショッキング・バースト、ショック、スピード、ダンシング、バースト(訳注:フレイミング・バーストと思われる)、フレイミング、フロスト。
これらのボーナスと特性は秘術集積ポイントが消費された時に決定され、魔狩人が次のこの秘奥を使用するまで変更することはできない。他のクリーチャーは魔物の刃を使用することはできない。魔狩人の手から離れると、魔物の刃は血の焼ける匂いとともに赤い煙となって消えてしまう。
魔狩人は一度に1つの魔物の刃のみを持つことができる。この能力を重ねて使用すると、1つ目の魔物の刃は消えてしまう。
貫き通す打撃(超常)/Bypassing Strike:魔狩人は即行アクションとして秘術集積1ポイント消費することで、そのターンの終了までに行われる1回の近接攻撃か呪文撃による攻撃において、悪の来訪者が持つダメージ減少を無視することができる。
正気の沙汰でない計画や卑劣な守護者の不道徳なる目的に身も心も捧げるため、多くのクレリックが魔物の力に祈りを捧げたり邪悪な契約を結んだりしている。しかしそのような定命のクレリックはすぐに力や本当の最終的な忘却の抱擁を求める愚か者であることがほとんどだ――彼らが奉じるものの本質を全て掴むものはほとんどいない。魔物の器は、その不浄なる出自によりその守護者と生来のつながりを共有する。そのつながりが彼らに理解と力を与える。魔物の器は以下のクラス特徴を持つ。
属性:通常のクレリックとは異なり、魔物の器の属性はその守護者と一致していなければならない。
領域:魔物の器はダイモン、デーモン、デヴィルの副領域(88~90)から1つを選択しなければならない。いずれを選択するかは、その魔物の守護者に基づいて選択すること。
悪のエネルギー放出(超常)/Channel Evil:1レベルの時点で、魔物の器は正ないし負のエネルギーを放出するのではなく、代わりにその魔物の守護者に由来する純粋な悪の力を放出する。この能力は負のエネルギー放出に似ている。しかしアンデッドを癒やし生きているクリーチャーにダメージを与える代わりに、悪のエネルギーの爆発は自動的にその中にいる悪のクリーチャーを癒やし、善のクリーチャーを衰弱させる。
この悪のエネルギー放出は魔物の器を中心とした半径30フィート内にいる全てのクリーチャーに影響を及ぼす爆発である。悪のクリーチャーに対するダメージの回復量は1d4ポイントと1レベルを超える2レベルごとに1d4ポイントに等しい(19レベルの10d4が最大となる)。この爆発内にいる善のクリーチャーはこのダメージを無効化するために意志セーヴを行わなければならない。セーヴィング・スローに失敗した善のクリーチャーは1d4ラウンドの間不調状態になる。ヒット・ダイスが魔物の器クラス・レベル-5以下のヒット・ダイスしか持たない善のクリーチャーは、セーヴィング・スローに失敗すると1d4ラウンドの不調状態の代わりに、1ラウンドの間吐き気がする状態となる。このセーヴの難易度は10+魔物の器レベルの1/2+魔物の器の【魅力】ボーナスに等しい。中立クリーチャーはこの悪のエネルギーの爆発から何の効果も受けない。
魔物の器はこのエネルギーを1日に3+自身の【魅力】修正値に等しい回数だけ使用できる。この行為は機会攻撃を誘発しない標準アクションである。魔物の器は自らをこの効果に含めるかどうかを選択することができる。魔物の器はこの能力の信仰焦点具として、自らの邪印を示すか自らの使い魔を使用しなければならない。
エネルギー放出に影響を及ぼす特技の目的として、この能力は負のエネルギー放出として扱われる。特技が魔物の器の放出を行う手段や放出のダメージを変更するのであれば、この能力が悪のクリーチャーを癒やすダメージ量を、効果を受けた能力のダメージ算出能力として使用すること。例えば、5レベルの魔物の器が《エネルギー放出の一撃》を修得しているなら、その放出は攻撃が命中した際、生きているクリーチャーに追加で3d4ポイントのダメージを与える(ただしダメージを無効化するためにセーヴを行うことができる)。
魔物の使い魔/Fiendish Familiar:3レベルの時点で、魔物の器はその不浄なる守護者から不浄なる従者を賜る。魔物の器はその奉じる守護者に応じて、インプ、クアジット、カコダイモンのいずれかを使い魔として得る。この能力はウィザードの秘術の絆による使い魔および《上級使い魔》特技として扱い、ウィザード・レベルとして魔物の器のキャラクター・レベルを用いる。
この小さな友人は天の邪鬼で、道徳の明確な指針となる。その上魔物の器が望んだ場合、この使い魔は呪文発動時に生きた信仰焦点具かつ邪印として機能する。すなわち、魔物の器が悪のエネルギー放出能力を使用する際、使い魔が30フィート以内にいて視線が通るなら、代わりに使い魔を中心として発動することもできる。魔物の器の使い魔は魔物の器にへつらい、隷属的であろうとする。その使い魔が死ねば、魔物の器の守護者は1週間以内にその使い魔の代わりをあつらえる。このとき、特別な儀式は必要ない。その上、魔物の使い魔は通常の使い魔の特殊能力を上回る、以下の特殊能力を得る。
魔物の卜占(擬呪)/Fiendish Augury:3レベルの時点で、魔物の器は少し先の未来にある行為がいい結果をもたらすか悪い結果をもたらすか、使い魔に質問することができるようになる。この能力はオーギュリイ呪文のように機能する。術者レベルは魔物の器のレベルに等しく、使い魔はこの呪文の代弁者となる。この能力は1日に1回使用できる。
魔物の神託(擬呪)/Fiendish Divination:9レベルの時点で、魔物の器は魔物の使い魔を通して、自らの守護者から知識を授かるためにより強力な神託の形を用いることができるようになる。この能力はディヴィネーション呪文のように機能する。術者レベルは魔物の器のレベルに等しく、使い魔はこの呪文の代弁者となる。この能力は1日に1回使用できる。
神託追加(擬呪)/Extra Divination:13レベルの時点で、魔物の器は1日の間に頻繁に守護者から知識を授かることができるようになる。魔物の器は魔物の神託を1日に3回まで使用できるようになる。
魔物招来/Fiendish Summoning:サモン・モンスター呪文を使用する際、魔物の器はフィーンディッシュ種クリーチャーと自らの守護者と同じ属性の悪の来訪者しか招来することができない。
一般的な守護者のいくつかを以下に示す。
権能 |
||||
支配、都市、牢獄 |
||||
嘘、傲慢、蠅 |
||||
権能 |
||||
アブラクサス |
||||
シャックス |
||||
バフォメット |
獣、ミノタウロス、迷宮 |
黙示録の4騎士 |
権能 |
|||
アポリオン |
||||
ズリエル |
||||
トレルマリキシアン |
以下のオプションはティーフリングに適用することができる。この新しいオプションのいずれかを選択する前に、君のGMに相談をすること。
汚れ角の軟膏/Fiendgore Unguent:この軟膏は恥ずべき錬金術の試薬とフィーンドの角から創られている。この軟膏が傷ついた(現在のヒット・ポイントが最大ではない)ティーフリングもしくは悪の来訪者に塗布されると、軟膏はいささか恐ろしく悪魔に似た風貌を持つ存在へと目標の本質を変化させる。汚れ角の軟膏の効果を受けている間、ティーフリングもしくは悪の来訪者は〈威圧〉判定に+2の状況ボーナスと、発動した[恐怖]の補足説明を持つあらゆる呪文の難易度に+1の状況ボーナスを得る。この軟膏を塗布する行為は細心の注意を要するため、全ラウンド・アクションが必要であり、さらに同意しているか無防備なクリーチャーにしか使用することができない。ティーフリングもしくは悪の来訪者以外のクリーチャーに塗布されると、代わりにそのクリーチャーは不調状態となる。この軟膏の効果は(利益であれ不利益であれ)1分間持続する。
品物 |
費用 |
||
---|---|---|---|
75GP |
1ポンド |
20 |
利益:君は+2の外皮ボーナスを得る。
特殊:君が鱗の肌種族特性を持つなら、代わりに[雷撃]、[火炎]、[氷雪]のエネルギー種別のうち、未だ抵抗を持たないもの2つに対する抵抗5を得る。
利益:[強酸]、[雷撃]、[火炎]、[氷雪]のエネルギー種別のうち、君がまだ抵抗を持たないものを1つ選択する。君はそのエネルギー種別に対する抵抗5を得る。
特殊:君はこの特技を複数回修得できる。そのたびに、抵抗を持たない他のエネルギー種別を1つ選択すること。君はそのエネルギー種別に対する抵抗5を得る。
特殊:君はこの特技を2回まで修得できる。2回目に修得したときには、君は暗闇を見通す共通モンスター能力を得る。
君の尻尾はさらに便利なものになる。
利益:君は尻尾を使用して収納されたアイテムを掴むことができる。この尻尾で武器を掴むことはできないが、君は即行アクションとして、小さい収納されたアイテムを手元に運ぶことができる。
特殊:物掴む尾種族特性を持つ場合、即行アクションとして自分の目の前に収納されたアイテムを掴むように、5フィート以内の誰にも所持されていないアイテムを尾で掴むことができる。君は尻尾でこのような物体を掴むことができるが、尻尾を使用してそれらを操ることはできない(ただ手元に持って行くことができるだけである)。
ティーフリングは以下の魔法のアイテムを利用することができる。
(Darksire Amulet/闇の父の魔除け)
オーラ 微弱・防御術; 術者レベル 3レベル
装備部位 首周り; 市価 9,000GP; 重量 1ポンド
この小さな鋼鉄製のロケットにはフィーンドから取った物体――角あるいは爪の削りくずや燃える髪一房――が収められている。[雷撃][氷雪][火炎]のいずれかの抵抗を持つティーフリングに装備されると、このアミュレットはその抵抗を5上昇させる。加えて、悪の来訪者に影響を与えるために行う〈交渉〉技能判定に+4の洞察ボーナスを与える。
必要条件 《その他の魔法のアイテム作成》、レジスト・エナジー、作成者はティーフリング、ハーフフィーンド、フィーンドのいずれかでなければならない; 費用 4,500GP
(Halo of Inner Calm/内なる平穏の輪)
オーラ 強力・防御術; 術者レベル 15レベル
装備部位 頭部; 市価 16,000GP; 重量 1ポンド
この銀製の輪は天使の輪のように見える。ティーフリングはこのアイテムを頭の上に浮かべるようにして装備することができ、このようにすると魔法のアイテムの頭部スロットを使用する。このアイテムはティーフリングを悩ますより根源的な感情や悪意に満ちた囁きをなだめる助けとなり[感情]補足説明を持つ全ての呪文に対するセーヴィング・スローに+4の抵抗ボーナスを与える。善属性のティーフリングが身につけると、このアイテムは[悪]の補足説明を持つ呪文に対する呪文抵抗13と、セーヴィング・スローに+2の清浄ボーナスを与える。
必要条件 《その他の魔法のアイテム作成》、作成者は善属性のティーフリングでなければならない、ホーリィ・オーラ; 費用 8,000GP
Damnation Stride/破滅の歩み
系統:召喚術(瞬間移動)[火炎]; 呪文レベル:ウィザード/ソーサラー5、サモナー4、ウィッチ5
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声
目標:術者(瞬間移動)および半径10フィートの爆発内にいるクリーチャー全て(炎の爆発)(本文参照)
持続時間:瞬間
セーヴィング・スロー:反応・半減、本文参照; 呪文抵抗:不可
この呪文はディメンジョン・ドアとして機能するが、移動した後に炎の爆発を残す。術者の起点となるマスの角を1つ選ぶ。術者がいなくなった瞬間にその角から半径10フィートの炎の爆発が炸裂し、4d6ポイントの[火炎]ダメージを与える。
Hellmouth Lash/地獄の舌の非難
系統:変成術[強酸、雷撃、または火炎]; 呪文レベル:ウィザード/ソーサラー4、ウィッチ4
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作
距離:自身
目標:術者
持続時間:1ラウンド/レベル(解除可)
この呪文を発動すると、術者の舌は[強酸]、[雷撃]、[火炎]のいずれかのダメージを与えるエネルギーの鞭に変化する。術者が呪文を発動した際に、この呪文がどのエネルギー種別のダメージを与えるかを選択する。術者は自身の舌をウィップであるかのようにして攻撃することができる。この攻撃は接触攻撃であり、鎧を身につけていたり外皮ボーナスを持つクリーチャーにも効果がある。術者はこの武器に習熟しているものと見なす。この舌を用いた接触攻撃が成功すると、2術者レベルごとに1d8ポイントのエネルギー・ダメージを与える(10レベルの時点で、最大の5d8ポイントのダメージ)。
この呪文の効果時間の間術者は話すことができず、音声要素を持つ呪文を発動することもできず、合言葉を必要とするアイテムを起動することもできない。
呪文の発動時にどのエネルギー種別のダメージを与えることにしたかに応じて、この呪文は[強酸]、[雷撃]、あるいは[火炎]の補足説明を持つ。