至るところにあるポーション・オヴ・キュア・ライト・ウーンズから価値あるホーリィ・アヴェンジャーのような聖具まで、よく知られた魔法のアイテムのはるか先に、伝説的な宝の山やきわめて危険なダンジョンの奥深くで見つかる珍しい傑作、そして画期的な発明品が天才にして狂気の人により作り出された。本章では魔法の傑作品(古来より名高きものもあれば、全く新しくなってしまったものもある)の価値を暴くことで、Pathfinder Core Rulebookにかつて親しみのあったアイテムを伝えるものである。これらの新しい魔法のアイテムを組み入れようと思うなら、GMはCore Rulebookにあるものと同じように、そのキャンペーンの中に広範囲に渡り根本的な要素としてこれらの宝物を取り扱って構わない。
ポーション、巻物、ワンドを除き、全ての魔法のアイテムの種類が本章で提供されている。5章で提供された新しい呪文はCore Rulebookのものと同様にポーションに組み入れ、巻物に書き込み、ワンドに込めることができる。そしてこれらのアイテムは本書の15章に記載される同様のルールに従い、同種のアイテムのように発見されるだろう。
起動方法、ランダム作成、その他の材質が以降に述べられている。アーマー・クラス、硬度、ヒット・ポイント、破壊難易度はそれらの魔法のアイテムの一般的な例示により示されたものとなる。アイテムの有効【敏捷力】は0であるため、所有者のいないアイテムにはアーマー・クラスに-5ペナルティが科せられる。以下に示す個々の項目は、アイテムの説明の一部に表記される。
オーラ:ほとんどの場合、ディテクト・マジック呪文は魔法のアイテムに影響を及ぼす魔法の系統と、そのアイテムが放つオーラの強度を明らかにする。詳細はディテクト・マジック呪文の説明を参照すること。
術者レベル:アイテムの術者レベルはアイテムに関係した力を表している。それはアイテムのセーヴィング・スローへのボーナス、距離、その他のアイテムの力でレベルに依存した部分を(もしあるならば)現わしている。また、術者レベルはディスペル・マジックや同種の効果の下でアイテムが抵抗する際のレベルも表している。
作成者の術者レベルはアイテムの術者レベル以上でなければならない(そして追加の前提条件によっては作成者のレベルの最低値がより高くなるかもしれない)。
装備部位:ほとんどの魔法のアイテムはその適したスロットに着用したり身に付けることでのみ機能させることができる。そのアイテムが仕舞い込まれたりどこかに置いてしまったなら機能しない。スロットに“なし”と記載されているのなら、このアイテムはキャラクターが所有している間機能する。
市価:このアイテムを売ることができる場合に、アイテムを購入するためにかかるgpの総量である。一般に、PCは魔法のアイテムをこの値の半額で売ることができる。
重量:この数値はアイテムの重さである。重量の値が与えられないならば、そのアイテムは(キャラクターがどれだけの荷重を運ぶことができるかを考慮する目的においては)何もないかのように一切の重さを持たない。
解説:この項では魔法のアイテムの力と能力について記載している。
作成要項:アーティファクトを除いて、適切な特技と必要条件を満たした呪文の使い手はほとんどの魔法のアイテムを作り出すことができる。この項では魔法のアイテムを作成するための必要条件とコストについて記載している。
必要条件:魔法のアイテムを作成するキャラクターは本項の必要条件を満たしていなければならない。ここには特技、呪文の他、レベルや属性、種族や種類といった雑多な前提条件が含まれる。
要求される呪文はあらかじめ呪文の準備をする(あるいは任意発動を行える術者など、呪文を修得している)キャラクターであってもよいし、呪文完成型や呪文解放型のアイテムを使用してもよく、要求される呪文の効果を引き起こす擬似呪文能力であっても構わない。アイテムの作成にかかる1日毎に、必要条件を満たすためにそれらのアイテムが使用されたように、作成者は呪文完成型アイテム1つか呪文解放型アイテム1チャージを消費しなければならない。
1人より多くのキャラクターでアイテムの作成を協力することもできる。その場合、それらの参加者は必要条件を1つ以上満たしていなければならない。ある場合においては、協力が必要であることもあるだろう。
2人以上のキャラクターが1つのアイテムを作成する場合、作成者のレベルが知られてしまうために、誰が作成者であるかを考えるかについて同意しなければならない。
コスト:この項はそのアイテムを作成する際に必要なコスト(gp換算)である。一般にこのコストはアイテムの価格の半分に等しい。しかし追加の物質要素があればその値だけ加算される。そのアイテムを作成するのに要するコストには基本コストにその要素のコストを加えたものから算出される。
本章に記載の魔法のアイテムからGMが選択したものをどのように広めるかというのは全く個人の好みによる。これらの新しいアイテムがCore Rulebookに記載されるものよりもどの程度珍しい必要があるかを決める理由は全くない。そして容易にキャンペーンの中にこれらを溶け込ませることができる。その代わりに、GMが予期せぬ要素として次の遭遇や宝の山へ、その特性や特別な宝物をあらかじめそこへ組み込むことも容易である。プレイヤーがそのキャラクターの身支度をする際にCore Rulebookの魔法のアイテムの章をぺらぺらと眺める際、その中にある宝物や効果に強い親しみを抱くようになるものが多い。そのため、以降に示すアイテムを組み込むこと――特に本書のどこよりも初めに説明されるもの、例えば新しいメタマジック・ロッドなど――は、GMにより経験を持ったプレイヤーに対してさえ驚きを与え、陰謀を企てることが可能になる。