ローアマスター(学匠)は秘密の収集家にして管理者である。ローアマスターはしばしば、熱愛する貴婦人に仕えるかのように、暗号めいた秘術の知識が記された文書にとりつかれている。「知は力なり」とのことわざを胸に、ローアマスターはしばしば、稀少な情報やめずらしい情報のために、到達不可能なゴールたる“啓発を通じた完成”へ自分を少しでも近づけんとする終わりなき探求のために、物質的な富や個人的な栄誉を捨て去る。しばしば視野の狭い隣人たちの無意味なかっこつけや一時の快楽と見なしたものを排斥して、ローアマスターは人生におけるただ1つのやりがいのあるゴールは知的な力の獲得であると信じ込む。結局のところ、富はなくなり、情熱は冷め、肉体の力は年齢と共に衰えるが、時が経つにつれて増大していく精神の許容量は無限なのだ。
ローアマスター・クラスは魔法を発動できない者にはさしたる魅力がない。実際、ローアマスターの学習と流儀に人生を捧げる前に、キャラクターはまず最初に占術系統の呪文をいくつか修得しなければならない。ほとんどのローアマスターはクレリックないしウィザードとしてこの道を歩み始めるが、最終的には、十分な占術呪文を発動できるならどんなキャラクターであってもローアマスターとなりうる。
役割:ローアマスターの人生は勉学、研究、実地調査に費やされる。前者2つは学者めいた世捨て人というローアマスターの評判にローアマスターを沿わせるが、後者の1つはしばしばローアマスターに、自分が何らかの知識を探している間、互いに利のある取り決めを交わした上でこの学者にある程度の防護を提供できる冒険者たちの助けを、求めさせることになる。冒険者側からすれば、ローアマスターはパーティーに豊富な情報と秘術の火力を提供する。ローアマスターの中には、寺院や図書館といった安全な場所から離れることを恐れる同類を盛んにあざ笑い、書物の中からは古い伝承しか見つからないと指摘するものもいる。新たな伝承は世に出て探さなければならないのだと。この種のより行動的なローアマスターは旅の都合上冒険者のパーティーに加わることもあり、途中で手に入れるどのような知識にも満足をおぼえる。
属性:ほとんどのローアマスターは倫理学などの気が散って要領を得ない哲学に思い悩むことなどないため、真なる中立、中立にして善、中立にして悪に偏りがちである。
ローアマスターになるためには、キャラクターは以下の基準すべてを満たさなければならない。
特技:呪文修正特技かアイテム作成特技をどれでも3つ、〈知識〉技能のいずれかに対する《技能熟練》。
呪文:異なる7つの占術呪文を発動する能力。そのうち1つは3レベル以上でなければならない。
ローアマスターのクラス技能(と各技能の対応能力)は、〈鑑定〉【知】、〈言語学〉【知】、〈芸能〉【魅】、〈交渉〉【魅】、〈呪文学〉【知】、〈知識〉(どれでも、別々の技能として修得すること)【知】、〈治療〉【判】、〈動物使い〉【魅】、〈魔法装置使用〉【魅】。
レベルごとの技能ランク:4+【知力】修正値。
1日の呪文数 | ||||||
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1 |
+0 |
+0 |
+0 |
+1 |
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2 |
+1 |
+1 |
+1 |
+1 |
||
3 |
+1 |
+1 |
+1 |
+2 |
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4 |
+2 |
+1 |
+1 |
+2 |
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5 |
+2 |
+2 |
+2 |
+3 |
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6 |
+3 |
+2 |
+2 |
+3 |
||
7 |
+3 |
+2 |
+2 |
+4 |
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8 |
+4 |
+3 |
+3 |
+4 |
||
9 |
+4 |
+3 |
+3 |
+5 |
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10 |
+5 |
+3 |
+3 |
+5 |
武器と防具の習熟:ローアマスターはどんな武器にも防具にも習熟していない。
1日の呪文数/修得呪文数/Spell per Day/Spells Known:ローアマスターはレベルを得た時に、自分がこの上級クラスに就く前に属していた呪文発動能力のあるクラスのレベルが上がったかのように、1日に使える呪文数が増える。しかし、追加の1日の呪文数、追加修得呪文数(準備しない呪文の使い手の場合)、呪文を発動する際の有効レベルの上昇以外に、そのクラスのレベルが上がっていたなら得られたはずの他の利益を得ることはない。キャラクターがローアマスターになる前に複数の呪文発動能力のあるクラスをとっていたなら、レベルの上昇があるたび、その新たなレベルをどのクラスに、1日の呪文数を決定するために適用するか決めなければならない。
極意/Secret:クラス・レベルが1レベルと、以後2レベル成長するごと(3、5、7、9レベル)に、ローアマスターは『ローアマスターの極意』表から1つの極意を選ぶ。(ローアマスター・レベル+【知力】修正値)でどの極意を選べるかが決まる。同じ極意を2度選ぶことはできない。
1 |
キャラクターがランクを持たない技能1つに4ランク | |
2 |
健康の極意 |
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3 |
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4 |
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5 |
逃げ足の極意 |
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6 |
武技のコツ |
+1攻撃ロール |
7 |
回避のコツ |
|
8 |
応用できる知識 |
特技いずれか1つ |
9 |
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10 |
伝承知識/Lore:クラス・レベルが2レベルの時、ローアマスターはすべての〈知識〉判定に自分のローアマスター・レベルの半分を加え、かつ未修得でも技能判定を行なってよい。この能力によって得られるボーナスはバードの知識によって得られるボーナスと累積する。
ボーナス言語/Bonus Languages:ローアマスターはクラス・レベル4レベルと8レベルの時に新しい言語をどれでも1つ選ぶことができる。
秘伝知識(変則)/Graeter Lore:クラス・レベルが6レベルで、ローアマスターは魔法のアイテムを理解する能力を得る。ローアマスターが魔法のアイテムの特殊能力を判断するためにそのアイテムを検分する場合はいつでも、ローアマスターは〈呪文学〉判定に+10の状況ボーナスを得る。
真伝知識(変則)/True Lore:クラス・レベルが10レベルで、ローアマスターの知識は実に莫大なものとなる。ローアマスターは1日1回、自分の知識を用いてレジェンド・ローア呪文かアナライズ・ドゥウェオマー呪文の効果を得ることができる。レジェンド・ローアの効果を生み出すために使われたら、当該の対象についてどれだけ多くの情報をすでに知っているかに拘らず、この能力の発動時間は1分である。