モンクは理想主義者が身体および精神双方の訓練と熟達を行う中で統一と啓発を見出した知識の、後の探求者である。モンクの力の多くは、自身の精神に内在する超自然的な力の形態の1つである気に由来、あるいは依存している。
このセクションはいかなる気の使い手も自身の気プールを増加することのできるモンクの誓いを紹介する。誓いに続くのは気の尋常ならざる使い道を学ぶことのできる新しいアーキタイプ、軽功拳士である。
モンクは誓いの厳格な主義を是認することにより、その肉体により多くの気を保持する訓練を行うことができる。自身の誓いの主義を固守することにより、モンクの気プールは誓いの説明に記述されている量だけ増加する。あらゆる誓いはこの気の増加を相殺するペナルティあるいは制限を受け、モンクはどのレベルにおいても誓いを為すことができるが、クラス能力として気プールを得るまでは、気プールを加えない。これらの誓いを取得するための能力は、そのモンクが誓い全てを破ってさえ、“不動心”クラス特徴と置き換える。
モンクが故意に、進んで誓いを破る場合、気プールは(すべての気ポイントを使い果たしたかのように)0に減少し、贖罪を果たすまではプールを補充したり、気あるいは気プールを必要とする能力を使用することはできない。贖罪には、アトーンメント呪文を伴った誓いの再誓約が必要となる。贖罪後、モンクの通常の気プール(誓いによるボーナスを除く)は復帰する。モンクが丸一月以前に破棄した誓いを是認する場合、モンクの 気プールは誓いから得られる追加ポイントを再獲得し、モンクは誓いを続行するか、あるいはペナルティなしに誓いを差し戻すかを決定できる。一度この方法でモンクが誓いを差し戻すと、その誓いからは二度と気ポイント・ボーナスを得られることはない。
モンクは複数の誓いを立てることができる。これらの効果と気プール増加は累積する。モンクが誓いを破った場合、上記の通りに気を失う; 贖罪はモンクが破っていない誓いからの追加の気を取り戻すことを意味するが、破った誓いからの追加の気は一月に渡る誓約を完了するまで戻ってこない(事実上、いったんモンクが贖罪を行えば、1つの誓いに違反することは他の誓いに影響しない)。
鎖の誓い/Vow of Chains:後悔からか、あるいは奴隷に落とされることの苦しみに注意を向けるためにか、モンクは手首と足に枷を填める。このことはモンクの攻撃ロールとアーマー・クラスに-1ペナルティを与え、移動距離を10フィート減少させる。一時的に鎖を身につけられない場合には、モンクはこの苦しみを模倣するために大岩あるいはその他の重荷を運んでもよい(中装あるいは重装鎧を含む)。この誓いを立てたモンクは3モンク・レベルごとに1気ポイント(最小+1)の気プールが増加する。
真実の誓い/Vow of Truth:モンクははったり、騙そうとする意図で半分だけ真実を述べる、誇張、罪の無い嘘、などを含め いかなる嘘も故意に発言することが許されない。これはすべての形態の意思疎通に適用される。真実を告げることにより、他者に害を与える状況下の場合は、モンクは沈黙を保たねばならない。この誓いを立てるほとんどのモンクは、責任を示すために沈黙の誓いをも立てている。この誓いを立てたモンクは5モンク・レベルごとに1気ポイント(最小+1)の気プールが増加する。
清潔の誓い/Vow of Cleanliness:この誓いを立てたモンクは毎日身を清めねばならない。モンクは毎日、あるいは自身のローブが汚れたらすぐに、おろしたての衣類に着替えねばならない。自身の髪をきちんと編みこむか、あるいは剃り落とすことを含め、モンクの外見は完全に保たれねばならない(また、男性のモンクは、綺麗に剃った顔を保つ)。この誓いはモンクが進んで汚穢、病気、死者、あるいはアンデッドに触れることを禁じるが(モンクは病に苦しむ者を清め、あるいは治療することを試みるかもしれないが)、これらのクリーチャーを攻撃するために人工的武器を使用することは許されている。この誓いを立てたモンクは5モンク・レベルごとに1気ポイント(最小+1)の気プールが増加する。
清貧の誓い/Vow of Poverty:清貧の誓いを立てたモンクは、6つより多くの所有物を決して所持してはならない──簡素な衣類1揃い、サンダルかシューズ1足、鉢1つ、袋1つ、毛布1つ、そしてその他のいずれかのアイテム1つ。これらのアイテムのうち、1つは何らかの価値を持つことができる(しばしばモンクの重要な個人的意味を持つ家宝)が、5つは平淡で簡単な造りでなければならない。モンクは質素な宿で1週間の間、食べ、入浴し、過ごすのに必要であるよりも多くの金銭あるいは個人的な富を維持してはならない。モンクは 50GP より多くの価値を持つ、他人の富かアイテムを借り受け、あるいは運ぶことができない。モンクは他のクリーチャーより治療用ポーション(あるいは、同種の消費され、その後無価値になる魔法のアイテム)を受け入れ使用することが許される。この誓いを立てたモンクは彼の持つ2モンク・レベルごとに1気ポイントの気プールが増加する。
断食の誓い/Vow of Fasting:モンクは米(もしくは同種の薄味の主食)以外のものを食べず、水以外のものを飲まない。モンクは定められた日に(通常は一月に一度、あるいは神格の祝日)、適切な栄養を維持するため、それ以外の薄味の簡単な少量の食べ物を食べてもよい。モンクは煙草、薬物、ポーション、飲食が必要な錬金術アイテム、またはその他の食物か飲料であると見なすことのできるいかなるものもを使用できない。この誓いを立てたモンクは6モンク・レベルごとに1気ポイント(最小+1)の気プールが増加する。
沈黙の誓い/Vow of Silence:モンクは言葉を話さず、静かに行動するよう心がけねばならない。この誓いを立てるほとんどのモンクはこれらの音さえも最小となるように自身の武器および敵を選択するが、突発的な騒音および(拳あるいは武器が敵に打ちつけられる音のような)戦闘の音はこの誓いの影響を受けない。モンクは他者に危険を警告するために(足を踏み鳴らしたり手を叩くような)音声によらない音を立てることは許される。モンクは身振りや動きを用いて他者と意思疎通することは許されており(手話を含む)、筆談も許される。この誓いを立てたモンクは6モンク・レベルごとに1気ポイント(最小+1)の気プールが増加する。
独身の誓い/Vow of Celibacy:モンクはすべての性的かつ親密な肉体的活動を慎まねばならない。この誓いを立てたモンクはそれを極端に受け取り、他人と部屋を共有することすら拒否し、あるいは集団の他の人々が野営している反対側で眠る。独身のモンクは他者に触れられることを許さず、また他者に触れない(味方の接触呪文を含む)。戦闘中に敵を打撃するか、あるいは敵の打撃を受けることは禁止されていないが、モンクはすべての平和的あるいは享楽的な接触を避ける。この誓いを立てたモンクは5モンク・レベルごとに1気ポイント(最小+1)の気プールが増加する。
平和の誓い/Vow of Peace:モンクは平和を実現するために努力せねばならず、暴力は最後の手段としてのみ使用を許される。モンクは決して戦闘中の最初の打撃を放つことはできない。攻撃を受けた場合、モンクは最初の2ラウンドの間、防御的戦闘あるいは防御専念を使用せねばならない。モンクは常に敵に投降の手段を与えねばならず、逃げるように合理的に誘導できた、あるいは生産的な仲間として文明社会に加わることができたであろう他のクリーチャーを、故意に殺すことができない(当然、これはほとんどの怪物を除く)。この誓いを立てたほとんどのモンクは、相手に組みつき、押さえこみ、十分な努力の後に彼ら自身を次第に自由にすることを可能にする専門の結びで彼らを縛りつける方法を学ぶ。ほとんどの平和のモンクは菜食主義者である。この誓いを立てたモンクは5モンク・レベルごとに1気ポイント(最小+1)の気プールが増加する。
軽功拳士は超人的妙技を行い、あるいは超自然的エネルギーを持つ相手を打ち倒しさえもするために、自身の気を使う達人である。ある者は過酷な修行を通じて気を超える力を達成し、また別の者は故意あるいは偶然に稀少な香草または奇妙な神秘的な果実を摂取することによってこの力に達し、そしてまた幾人かは瀕死の軽功使いによってこれらの能力を贈られた。
気の力/Ki Power:軽功拳士は以下のモンクのクラス能力を獲得する資格を得たときに、気の力(以下参照)1つを選択できる:浮身(4レベル)、大跳躍(5レベル)、肉体の完成(7レベル)、金剛身(11レベル)、縮地の法(12レベル)、金剛心(13レベル)、激震掌(15レベル)、時知らずの肉体(17レベル)、日月語(17レベル)、虚身(19レベル)、即身成道(20レベル)。これは、この気の力のために軽功拳士が諦めたモンクのクラス能力と置き換える。
気の力は、モンクの気の力を利用した能力である。標準のモンクは肉体の完成、縮地の法、および虚身のように、気の力のように見なすいくつかの能力を持つ。軽功拳士は、しばしば無病身のようなモンクの気以外の能力を置き換えて、追加の気の力を学ぶことができる。気の力は3つのカテゴリに分類される:特技、モンク能力、および呪文。
特技:これらの気の力は特定の特技の効果を複製する。モンクは気の力によって選択した特技の前提条件を満たしている必要はない。例えば、軽功拳士は特技としての《一撃離脱》を選択するための前提条件を満たしていない場合でさえ、気の力によって《一撃離脱》を選択できる。これらの気の力の1つを起動するのは、モンクのターンのフリー・アクションである:自身の次のターンの開始時まで、モンクはその特技を持っているかのように扱う。これらの特技を複製する気の力のうちいくつかは、割り込みアクションにより起動してもよい; これらの力は気の力リストに記述されている。
モンク能力:いくつかの気の力は標準のモンク能力である。軽功拳士は標準のモンク能力の代わりに異なる気の力を選択した場合でさえ、自身の気の力の1つとして、後からそのモンク能力を選択することができる。
呪文:これらの気の力は呪文の効果を複製し、擬似呪文能力とする。軽功拳士のクラス・レベルはこれらの擬似呪文能力の術者レベルであり、精神集中ボーナスの決定には【判断力】を用いる。
前提条件:すべての気の力は、それを選択する要件としての最小モンク・レベルを持つ。前提条件を満たさないモンクはその気の力を選択できない。
起動:ほとんどの気の力は、モンクが気ポイントを費やすことを必要とする; 気の力の後に必要量が記載されている。0気ポイントを要する気の力は、能力を使用するために、モンクが気プールに気ポイントを残している必要はない。
モンクの気の力に対するセーヴィング・スローは、あれば、10+モンク・レベルの1/2+モンクの【判断力】ボーナスである。
ダガー(†)の付されている特技は、割り込みアクションにより起動できる気の力である。
オーギュリイ(1気ポイント)
キ・アロー(1気ポイント)
《強打》(1気ポイント)
《軽業移動》(1気ポイント)
スコーチング・レイ(2気ポイント)
トゥルー・ストライク(自身のみ、1気ポイント)
ハイドローリック・プッシュ(1気ポイント)
《早抜き》(1気ポイント)
《万能投擲術》(1気ポイント)
メッセージ(1気ポイント)
《一撃離脱》(1気ポイント)
クローク・オヴ・ウィンズ(自身のみ、2気ポイント)
ハイドローリック・トレント(2気ポイント)
リムーヴ・ディジーズ(2気ポイント)
《蜘蛛の歩み》(1気ポイント)
シェア・メモリー(0気ポイント)
シルク・トゥ・スティール(1気ポイント)
《大旋風》(2気ポイント)
ドラゴンズ・ブレス(2気ポイント)
ニュートラライズ・ポイズン(3気ポイント)
ポイズン(2気ポイント)
《風の如き脚》(2気ポイント)
キ・リーチ(0気ポイント)
シャドウ・ステップ(1気ポイント)
《上級突き飛ばし》(2気ポイント)
《上級フェイント》(2気ポイント)
《上級武器落とし》(2気ポイント)
《上級武器破壊》(2気ポイント)
スピット・ヴェノム(2気ポイント)
ディスコーダント・ブラスト(2気ポイント)
《踏み込み》(1気ポイント)
《合気投げ》(2気ポイント)
《エレメンタルの拳》(2気ポイント)
《蹴り飛ばし》(2気ポイント)
シャドウ・ウォーク(3気ポイント)
《代用武器体得》(2気ポイント)
バトルマインド・リンク(4気ポイント)
《合気投げ強化》(2気ポイント)
《雲海の歩み》(3気ポイント)
キ・シャウト(3気ポイント)
コールド・アイス・ストライク(3気ポイント)
ソニック・スラスト(2気ポイント)
《武器落とし打撃》(2気ポイント)
ブラッド・クロウ・ストライク(2気ポイント)
《貫通打撃》(2気ポイント)
《渾身の一打強化》(2気ポイント)
ストラングリング・ヘア(3気ポイント)
《出血化クリティカル》(3気ポイント)
《電光の如き脚》(3気ポイント)
《足萎えさせるクリティカル》(3気ポイント)
《聴覚喪失化クリティカル》(3気ポイント)
《上級貫通打撃》(3気ポイント)
《疲労化クリティカル》(3気ポイント)
《盲目化クリティカル》(3気ポイント)