ラス・オヴ・ザ・ライチャスのアドヴェンチャー・パスは、デーモンの軍勢によるワールドウーンド国境への壊滅的な攻撃の直後に、第5次メンデヴ十字軍が開始されたところから始まる。この爆発的な始まりから、伝説的な功績を残すことを運命づけられた英雄たちが新たに生まれた。果たして、英雄たちの正義の怒りは、アビスの猛威を止めることができるのか?
ラス・オヴ・ザ・ライチャスのアドヴェンチャー・パスで待ち受ける危険に、どのように備えればよいのだろうか? キャラクターを作成する際には、以下の点に注意するように。これらのヒントや提案、キャラクター・オプションは、この神話的キャンペーンに飛び込んで活躍するのに最適なキャラクターを作るためのものである。
属性:ラス・オヴ・ザ・ライチャスでは、「秩序」対「混沌」よりも「善」対「悪」のテーマが最重要視されている。このアドヴェンチャー・パスでは、秩序、中立、混沌を問わず、善のキャラクターが最も適している。秩序にして善のヒーローを演じるにせよ、もっと柔軟なモラルを持つキャラクターを演じるにせよ、ワールドウーンドに行って、悪魔と戦いたいという動機を持ちやすいキャラクターであることが重要である。また、他のキャンペーンと同様に、パーティに混乱をきたさないような選択をする方が良いだろう。パーティに異なる個性が加わることで生じる混乱は、グループによって異なる。そのため、自分の選択がうまくいくかどうかを確かめるには、自分の計画について、グループで話し合うのが一番である。
仲間を連れてくる:このアドヴェンチャー・パスを通して、友好的なNPCは同盟者として重要な役割を果たすが、だからといって、自分の仲間を連れて来れないわけではない。キャンペーンの初期には、小型や中型の幻獣や動物の仲間が適しているだろうし、冒険の2冊目では、早くも大型の相棒や乗騎が活躍する機会が多くなる。旅の要素もあるため、乗騎を家で飼う必要は無い。
クラス:賢い将軍はあらゆる手段を用いる。ワールドウーンドのデーモンとの戦いでは、あらゆる鍛錬の成果が発揮される。ラス・オヴ・ザ・ライチャスには、どのクラスのキャラクターも登場するが、その中でも特に適していると思われるクラスがある。パラディンは当然の選択だが、善属性の信仰クラスはどれも適切である。クレリック(特に、十字軍戦士のような武闘派のアーキタイプ)、インクィジター、あるいは、闘争の神秘を持つオラクルなども含まれる。キャヴァリアーも立派な十字軍であり、特にスター騎士団や様々な戦場の騎士団に忠誠を誓っている者はそうである。悪の来訪者を得意な敵とするレンジャーも、特に価値がある。このアドヴェンチャー・パスの多くは、武術的要素と信仰魔法に関するものであるが、秘術術者を除外しているわけではない。召喚術に長けたソーサラーやウィザードは、このアドヴェンチャー・パスで輝ける場所を見つけることができるだろうし、デーモンたちと戦う者にとって、次元界の知識は重要である。
自分のキャラクターをどのクラスにするかを考える際には、Pathfinder RPG Mythic Adventuresから得られる可能性のある新しい選択肢を考えてみるように。神話の道は特定のクラスに縛られるものでは無いが、特定のクラスは特定の道からより多くの利益を得ることができる。
十字軍の信仰:メンデヴ十字軍では、アバダル、アイオメデイ、サーレンレイ、シェリン、トローグの信仰が最も盛んだが、その他の善の神や、至高天の王(特に、デズナや至高天の王プルーラ)の信仰も重要な役割を担っている。神への信仰は必須ではないが、君が遭遇する同盟者や資源の多くは、ゴラリオンの善の神と関係がある。
デーモンと他の敵:ラス・オヴ・ザ・ライチャスでは、デーモンが主な敵となるが、混沌にして悪の来訪者だけが敵では無い。人間、ドワーフ、そして原住の来訪者も、教団員などの形でよく登場する。また、アンデッドや異形、魔獣、蟲などの敵も比較的頻繁に遭遇する。
出身:内海各地の人々がメンデヴの北にたどり着き、ワールドウーンドの悪魔と戦うために剣を捧げる。そのため、君のキャラクターの出身地は、内海のどこでもよい。このアドヴェンチャー・パスは十字軍の都市ケナブレスから始まるので、君のキャラクターが戦いに参加し、ケナブレスに行く理由を持つように。このキャンペーンは聖なる日に始まるので、君のキャラクターは大義を誓う前にその日を祝うために、ケナブレスに巡礼に行ったのかもしれない。このプレイヤーズ・ガイドの9ページには、ケナブレスの街についての簡単な説明が載っている。
パラディン:このアドヴェンチャー・パスは、パラディンのキャラクターに最適である。パラディンが得意とする敵が多いだけでなく、ロールプレイの観点から見ても、ワールドウーンドへの聖戦は、パラディンのために作られたものである。ただし、冒険の途中で状況が暗くなり、道徳的・倫理的に難しい選択を迫られることもあることを覚えておくように。また、11ページの贖罪に関する注意事項も必ず読んでおくこと。
種族:数の上では劣勢であり、悪の来訪者からの攻撃に直面している今日の十字軍は、軍の一員となることに人種の制約は無い。善戦する意思がある限り、あらゆる人種の者が歓迎される。かつてはティーフリングは不信感を持たれ敬遠されていたが、今ではメンデヴの防衛やワールドウーンドの恐怖に立ち向かうために、アアシマールと一緒に戦っている熱血漢もいる。多くのティーフリングの十字軍兵士は、自分たちの血がデーモンとの戦いに最も適していると主張しており、デーモンの致命的な攻撃を受け流す防御力も備えている。
デーモンの恐怖から大陸を守ることに加えて、十字軍に参加したドワーフのかなりの数が、国境内にある、失われた臨空要塞を取り戻すために、ワールドウーンドで戦っている。
内海地域のほぼすべての人間の民族がワールドウーンドと戦う人々の中に数えられるが、アビスの傷を癒すことに最も熱心なのは、ケーリドだと言う者もいる。彼らの故郷であるサーコリスは世界の傷が開いた時に滅んでおり、メンデヴ軍のケーリド人の多くは後世の安全を確保する為だけでなく、滅びた故郷を取り戻す為に戦っているのだ。
贖罪:ラス・オヴ・ザ・ライチャスに登場する悪のNPCは、必ずしも殺されるべき対象ではない。時には、救済のために努力しているNPCや、悪の属性に逆らっているNPCに出会うこともある。ラス・オヴ・ザ・ライチャスでは、キャラクターに何度か救済の機会が与えられ、NPCや組織を正義の道に導くことができる。贖罪は、君のキャラクターの個人的な使命でもある。もしかすると、君は汚れた過去を清算するために、十字軍で戦うことを決めたのかもしれない。
他にも、ラス・オヴ・ザ・ライチャスのキャンペーンのアクセントになる本はたくさん存在し、必要な本も存在する。このアドヴェンチャー・パスは神話的アドヴェンチャー・パスであるため、アドヴェンチャー・パスを意図した通りに実行するには、Pathfinder RPG Mythic Adventuresが必要である。Pathfinder RPG Ultimate Campaignの一部の要素は、休息期間のシステムや集団戦闘など、このアドヴェンチャー・パスでも使用される。以下に挙げるのは、厳密には必要ではないものの、このアドヴェンチャー・パスでのプレイ体験を大きく向上させることができる資料である。
ワールドウーンドとその住人や危険について詳しく知りたい場合は、Pathfinder Campaign Setting:The Worldwoundを参照すること。デーモンについては、Pathfinder Campaign Setting:Demons Revisitedを参照すること。また、アビスやデーモンについて詳しく知りたい場合は、Pathfinder Campaign Setting:Book of the Damned Vol.2, Lords of Chaosを手に入れよう。また、Pathfinder Cards:Wrath of the Righteous Item Cardsを使用すると、より効果的に宝物を配ることができる。
ワールドウーンドのデーモンたちとの戦いを支援するために、Pathfinder Player Companion:Demon Hunter’s Handbookを参照しよう。また、Pathfinder Player Companion:Champions of Purityには、善属性のキャラクターをプレイするためのヒントや追加ルールが掲載されている。騎士団やメンデヴ十字軍については、Pathfinder Player Companion:Knights of the Inner Seaに掲載されている。神話的キャラクターとは何かを探るには、Pathfinder Player Companion:Mythic Originsが参考になる。
以下のキャンペーン特徴は、キャラクターをラス・オヴ・ザ・ライチャスのアドヴェンチャー・パスに結びつけるものである。このアドヴェンチャー・パスでは、キャンペーンに参加するすべてのキャラクターが、以下のキャンペーン特徴のいずれかを持っていることを前提としている。自分のキャラクターに最適な特徴を選ぶことは重要であり、その選択はキャンペーンの過程で再浮上することになる。これらの特徴は、Pathfinder Player Companion:Demon Hunter's Handbookにも記載されている。ここに掲載されている特徴とDemon Hunter's Handbookに掲載されている特徴とはメカニズムは同じだが、ここで紹介されている特徴はより風味豊かなディテールを持っている。
君のキャラクターは神話的キャラクターとしてラス・オヴ・ザ・ライチャスを開始するわけではないが、最初の冒険の結果によって君のキャラクターは伝説的な力の新たな領域に飛び込むことになり、このキャンペーンの次の5つの冒険で待ち受けている、さらに大きな挑戦に向けて準備することになる。自分が進みたい神話の道に合わせてキャンペーン特徴を選ぶと、神話階梯を得たときにキャンペーン特徴が強化される。いわば、キャンペーン特徴の選択は、キャラクターの神話的運命の選択でもあるのだ!
なお、以下のキャンペーン特徴は、それぞれ、ラス・オヴ・ザ・ライチャスのアドヴェンチャー・パスの特定の遭遇や展開に関連している。その出会いや展開は、物語が進むにつれて明らかになる。もし、君と他のプレイヤーが同じ特徴を欲しがっている場合は、2人のキャラクターが同じイベントに参加するような形にするように。
最後に、これらの特徴は、一般的な特徴よりも少し強力であることにも注意すること。これは、これらの特徴が神話的背景を設定するのに役立つことを意図したものである。
〔偶然の遭遇〕/Chance Encounter:君は子供の頃、いつも頭でっかちになる傾向があったが、若さゆえの最大の失敗は、「偶然に」ワールドウーンドで、敵陣の後ろにたどり着いたことだった。もし、謎の女性に助けられ、教団員の間をすり抜けることができなければ、おそらくケナブレスに帰れなかっただろう。その女性は名を明かさなかったが、その美しさと、彼女が抱える深い悲しみを、君は覚えている。弓の腕前も素晴らしかったが、最も覚えているのは、彼女が身につけていたデズナの聖印だった――人が大穴を越えようとする間に縄にしがみ付くのと同じように彼女は時折気付かぬ内にその聖印を握っていたように見え、恰もかの女神との結びつきは彼女にとって縋り付く必要のあるものであるかのようだった。彼女は君が十字軍のパトロールに拾われる少し前に君のそばを離れ、君を安全に護衛する仕事を終えた後君は二度と彼女に会うことはなかった。それ以来、君は誤魔化しに関して運が良くなっている。1日1回、〈軽業〉、〈はったり〉、〈変装〉、〈手先の早業〉、〈隠密〉のいずれかの判定に失敗した場合、フリー・アクションとして、即座にその判定を再ロールすることができる。結果が悪くても、2番目の結果を選択しなければならない。関連する神話の道:トリックスター。複数のキャラクターが選択した場合:君や他のキャラクターは、子供時代に同じ謎の女性に助けられた。同じ出来事かもしれないし、別々の機会に助けられたのかもしれない。その謎の女性に助けられた人がいると知ったことで、彼女が助けた人たちと長い間友情(あるいは切磋琢磨)を育んできた。
〔十字軍の子〕/Child of the Crusade:君の両親もその前の両親も十字軍のメンバーだった(エルフやノームなどの長命種族であれば、君が生まれる前の時代にワールドウーンドが存在していなかった可能性もあるので、兄弟や従兄弟の可能性もある)。十字軍の正義感は、時に君の血の中に流れているかのように感じられ、それが君をデーモンの影響から強くする。君の両親はまだ生きているかもしれないし、任務で死んでしまったかもしれない。しかし、君は両親を知って育ち、彼らの十字軍への熱意と献身が、君が同じように感じる一番の理由だ。彼らからは、他の家族も聖戦に参加していることを聞いているし、メンデヴの国境の町を旅していると、遠い従兄弟や長い間行方不明になっていた叔父や叔母などの家族に出会うこともよくある。この強い家族の絆が、君の心と十字軍への帰属意識を高めるのだ。1日1回、デーモンによって行われた、君に憑依するあるいは精神的に無力化する効果に対するセーヴィング・スローに失敗したとき、フリー・アクションとして、そのセーヴィング・スローを直ちに再ロールすることができる。たとえ悪い結果であっても、2つ目の結果を選択しなければならない。関連する神話の道:マーシャル。複数のキャラクターが選択した場合:他のキャラクターがこの特徴を持つ場合、全員が親戚でなければならない。兄弟でも、従弟でも、もっと遠い関係でもよいが、全員がこの共通の血統を認識していなければならない。
〔畏怖すべきものとの接触〕/Exposed to Awfulness:君が子供の頃、何とかウォードストーンを通り抜けて向こうの世界から来たデーモンに殺されそうになった。そのデーモンは君を殺す前に殺害されたが、君は死の入り口で数週間の昏睡状態に陥り、その後目覚めた。それ以来、君はいつになく元気で、まるで君の体が超自然的に健康になることで、最悪の事態に耐えたかのようにも思える。しかし、死に直面した際の傷跡(肉体的にせよ精神的にせよ)は残っており、あの時こうなっていたらという悪夢がしばしば君の眠りを妨げる。何かが、君自身の意志の力なのか、攻撃からの奇妙な「感染」なのか、あるいはその両方の組み合わせなのかが、君を以前よりも強くしている。君があの凄まじい状況に曝されて生き延びた理由は君がデーモンの祖先の痕跡を持っておりそれが君に生き延びるのに必要な優位を与えたためだという理論を何が構成しているのか、君には判然としない――が、構成しているのが何であれ、それは感謝すべきものだ! 君のデーモンの攻撃に対する奇妙な抵抗力は、今日まで続いている。1日1回、デーモンが作り出した、殺す、もしくは物理的に無力にするような効果に対するセーヴィング・スローに失敗した場合、フリー・アクションとして、即座にそのセーヴィング・スローを再ロールすることができる。ただし悪い結果であっても、2番目の結果を選択しなければならない。関連する神話の道:ガーディアン。複数のキャラクターが選択した場合:君とこの特徴を持つ他のキャラクターは、遠縁でしかないとした場合には親類縁者だ。君たちは兄弟や従兄弟のような関係であるかもしれない――この状態は、君達全員が単なる普通の血統以上のものを共有しているという説を、おそらくは信憑性のあるものにしている。
〔亀裂守りの孤児〕/Riftwarden Orphan:君は、体に奇妙な痣を帯びている。それは、「亀裂守り」として知られる秘密結社に纏わるルーン文字である「探究者の螺旋/Seeker’s Spiral」であることを君は知っている。君はこのルーンを研究しており、極めて奇妙な次元界エネルギーにさらされた亀裂守りの子供にこの痣が現れることがあることを学んでいる。残念ながら、君は両親を知らず、ケナブレスの里親に育てられた。里親は、君の両親がともに亀裂守りであることを確認しており、さらに、君が生まれて1ヶ月も経たないうちに、両親がワールドウーンドへの極秘任務で行方不明になったことも確認している。何があったのかはわからないが、両親が死んだことは確かで、両親を殺した者はまだ生きていると直感している! いずれにしても、昔から自分の血には魔力が宿っていると感じており、呪文を唱えることは簡単である。すべての精神集中判定に+2の特徴ボーナスを得る。関連する神話の道:アークメイジ。複数のキャラクターが選択した場合:この特徴を持つ他のキャラクターとは兄弟であるべきで、行方不明の両親を共有することになる。里親でもよい。
〔奪われた怒り〕/Stolen Fury:君は、少年時代に教団員に捕まり、デーモンの儀式に参加させられた。その儀式の目的が何だったのかはわからないが、犯人の思惑通りにはいかず、魂が腐るどころか、儀式のエネルギーを吸収し、自分のものとし、君は安全な場所に逃げた。それ以来、君は儀式に関する奇妙な悪夢に悩まされ、儀式で浴びたエネルギーが自分を変えてしまったと感じてきた。最近になって、そのエネルギーが変化してきた。まるで、自分の過去を受け入れることができたかのように、または、「死なないものは強くなる」という古い格言のように、儀式の後遺症を自分に有利になるように変質させていったのだ。儀式の内容や目的を知ることはできず、その疑問は今でも頭の片隅に残っている。この疑問は、君にデーモンに対する怒りを植え付けた。今日、君がデーモンとの戦闘に臨むとき、そのエネルギーは君の怒りを強め、デーモンに対するすべての戦技判定に+2の特徴ボーナスを与える。関連する神話の道:チャンピオン。複数のキャラクターが選択した場合:君とこの特徴を持つ他のPCは、全員が同じ儀式に参加しており、協力して、初めて脱出することができた。さらに、儀式を生き延びた仲間の支援は協力の合意の際重要な役割を果たしており、君たちは今日に至るまで親密な友情の絆(あるいは切磋琢磨)を保っている。
〔神性との邂逅〕/Touched by Divinity:君は物心ついたときから、ある特定の神に説明のつかない興味を抱いていた。両親のどちらかがその神の司祭であったり、孤児として教会に育てられたりしたのかもしれないが、それだけでは、君の信仰との深いつながりを説明することはできない。君は、その神の神聖な場所では、いつも穏やかで安心感を覚え、その神や女神が君を訪れる夢をよく見る。たとえ君が信仰術者でなくとも、君の信仰は強い。もし君が信仰術者であれば、君はこの神を崇拝しているはずだ。君はプレイ開始時に、選んだ神の銀製の聖印を無料で手に入れることができる。さらに、君が選んだ神に関連する領域を1つ選択する。1日1回、選択した領域の1レベル呪文を擬似呪文として、使用することかできる(術者レベルは自分のキャラクター・レベルに等しい)。関連する神話の道:ハイエロファント。複数のキャラクターが選択した場合:他のキャラクターがこの特徴を選択した場合、全員で協力して関連する神を決めなければならない。君は同じ夢さえ共有しているかもしれない。
ラス・オヴ・ザ・ライチャスのアドヴェンチャー・パスは、パスファインダーRPGの2冊の書籍を大いに活用している。ひとつは神話的なプレイのためのルールを提供するMythic Adventuresである。もう1冊は、休息期間ルールと大規模戦闘システムのためのUltimate Campaignで、キャンペーン中に大いに活用されている。これらのルールは、GMが最もよく使うものだが、プレイヤーも同様に熟知していたほうがよいだろう。
すべてのキャラクターは、周囲の世界に微妙な影響を与える大きな可能性を持っているが、一部の英雄は、さらに大きな運命を持っている。そのような英雄は、世界を変えるような出来事で重要な役割を果たす運命にある。彼らは、神話上の英雄として知られており、その力は、善悪を問わず強大な権力者の注目を集める。ラス・オヴ・ザ・ライチャスは、Mythic Adventuresで紹介されているルールを利用して作られている。最初から神話的なキャラクターが登場するわけではないが、それぞれのキャラクターに潜在的な可能性が秘められており、それをすぐに発見することができる。
ワールドウーンドのデーモンとの戦いの規模が大きくなってくると、Ultimate Campaignに掲載されている集団戦闘ルールを使って、戦闘を行うようになる。大規模戦闘は、個人戦と同様に、対立する軍は攻撃への修正を持ち、軍にはアーマー・クラスのような防御力があり、攻撃が成功すると抽象化されたダメージが発生する。ダメージを受けた場合、作戦行動後の相手軍の配置が決まる。個人戦よりも集団戦の方がスケールが大きいので、このシステムの面白さは、戦術を慎重に選択し、それが戦場で展開されるのを見ることにある。
集団戦でのリーダーは、どのPCでも務まるが、その役割に適したキャラクターを用意することができる。武装勢力を率いるのに役立つ能力は、ほとんどが【魅力】に基づくものだ。《統率力》の特技は指揮に役立つし、〈職能:軍人〉の技能ランクも役に立つ。
ラス・オヴ・ザ・ライチャスでの興奮の合間には、キャラクターが職能の練習をしたり、研究をしたり、その他様々な活動をする時間があるかもしれない。Ultimate Campaignで紹介されている休息期間のルールを使うかどうかは、GMと相談すること。
休息期間のルールには、キャラクターが参加できる冒険以外の活動の選択肢がたくさんある。〈職能〉技能や、その他の非戦闘能力を使って、楽しくて意味のあることができる。休息期間の活動は、純粋にキャラクターを豊かにするためのもの(取引の練習など)もあれば、パーティや大きな組織のためになるもの(リクルート、敵の研究、次の冒険のための計画など)もある。もし休息期間のルールを使うのであれば、戦闘や冒険以外にも応用できる能力を持った、総合的なキャラクターを作るための特別な動機付けになる。
このキャンペーンに参加するキャラクターの中には、メンデヴやケナブレスに来たばかりの者もいるだろうが、ケナブレスに来てしばらく経ち、市民の口からニュースやゴシップを聞いている者もいるだろう。ほとんどのゴシップは、ワールドウーンドに対する取り組みがどうなっているかというもので、多くの有名な悪役が会話に出てくるが、彼らの名前が出てくると、大抵は短い呪いと地面に吐く言葉で締めくくられる。超自然的な敵との長期にわたる戦いでは、その中の権力者について知っておくとよいだろう。以下に、メンデヴの聖なる力との戦いを率いる有名な人物を紹介する。
アポナヴィシウス/Aponavicius:ドレゼン/Drezenを支配しているマリリスで、メンデヴ軍にデーモンや教団員の軍勢を頻繁に送り込んでいる。
アレール・ヴォーレス/Areelu Vorlesh:ワールドウーンドの発生に一部関与していると考えられているウィッチ。ワールドウーンドの奥深くに入った斥候や兵士たちは、彼女がまだ生きていると言っている。
デスカリ/Deskari:深い裂け目、病気の蔓延、イナゴを司るデーモン・ロード。エイローデンの死後、ワールドウーンドを発生させることに成功した奈落の主要な勢力。
ホランザデー/Khorramzadeh:別名「嵐の王/Storm King」とも呼ばれる強力なバロールで、ケナブレスでのウォードストーンへの攻撃を担っている。
ミナホ/Minagho:このリリトゥ・デーモンは廃墟と化した都市ラリスクラッド/Raliscradの支配者であり、捕らえられた十字軍を調教し、堕落させる役割を担っている。
スタウントン・ヴェイン/Staunton Vhane:このドワーフの男は、最近、アンティパラディンであり、メンデヴ十字軍の裏切り者であることが明らかになった。
象牙の迷宮の神殿騎士/Templars of the Ivory Labyrinth:このバフォメット教団の集団は、長い間、十字軍の戦列に腐敗をもたらしてきた。
現在までに4回の十字軍がワールドウーンドのデーモンに立ち向かっている。4回とも成功と失敗の程度に差はあるが、蝗の王、デスカリの軍隊をゴラリオンから追放したものは無い。この戦争の歴史は以下の通りだ。
第一次十字軍(4622AR~4630AR):ワールドウーンドが発生してから数年の間、サーコリスを助けるためにかなりの数の十字軍兵がやってきたが、アイオメデイ教会が第一次十字軍を宣言したのは4622ARであった。第一次十字軍がメンデヴに到着した時には、デーモンはサーコリスの中央部を支配し、メンデヴのかなりの部分を占領していた。
第一次十字軍は、サーコリスとメンデヴの守備隊を強化し、人数と士気を高め、デーモンの軍勢は準備のできていない状態で急激に増加した敵戦力に襲われ、ノースマウンドまで退却した。メンデヴとサーコリス南部が解放されたことで、十字軍は復興のためにこの地に残った。メンデヴはこの申し出を喜んで受け入れたが、サーコリスの纏まりはないが誇り高い諸部族はより渋々と受け入れた。いずれにせよ、その後の数年間、デーモンはサーコリスのノースマウンドにその怒りを集中させ、主にサーコリスの生き残りの一族が自分の家の土地を取り戻そうと必死になって戦ったが、メンデヴは比較的攻撃を受けなかった。
第二次十字軍(4638AR~4645AR):4636ARにワールドウーンドからデーモンの第二波が発生したとき、十字軍はメンデヴの新しい故郷に落ち着いていた。彼らは短期間の戦いを予想し、今度こそ軍勢をワールドウーンドの端まで追い詰めると豪語して、再びデーモンに立ち向かった。しかし、その期待は実を結ばなかった。今回、ワールドウーンドから流れてくるデーモンは数が多いだけでなく、準備もしっかりしていた。それまで十字軍が遭遇していた、無秩序で混沌とした自己中心的な暴徒ではなく、強力な指揮官が率いる軍団となっていた。指揮官の指示のもと、デーモンたちは攻撃部隊を編成し、敵陣の背後にテレポートし、敵を自分たちの前進する隊列に追いやり、その間に敵を粉砕していった。マリリスのアポナヴィシウスの軍隊はこのような戦術で十字軍の都市ドレゼンを占領し、アイオメデイ教会はついに第二次十字軍を招集した。
しかし、第二次十字軍の兵力が投入されてさえ、デーモンが勝ちつつあることが即座に明らかになった。メンデヴにとって幸運だったのは、デーモンの攻撃の大部分が西と南に向けられていたことである。彼らは、サーコリスからの支援を取りやめ、デーモンの軍勢がその土地に降りてくるのを許し、代わりに西セレン川とモウトレー川に沿って、ウォードストーンを建てることに力を注いだのだ。その代償は大きかったが、ウォードストーンに命が宿り、サーコリスを失ったデーモンを封じ込めたメンヒルは、何万人もの人々を無残な死から救った。しかし、この成功にもかかわらず、サーコリスをほぼ完全に失ったことは、一般的には悲惨な十字軍の最後の試練とみなされている。
第三次十字軍(4665AR~4668AR):ウォードストーン、マンモス諸侯の弥増す圧力、そして略奪に対する国を挙げての妨害によって今やサーコリスに封じ込められたデーモンたちは、国境への侵攻を続けていたが、自分たちが捕らえた領土内で楽しむことに満足していたようである。一方、メンデヴの十字軍は年を追うごとに堕落していった。メンデヴ中の多くの企業や信仰に浸透することに成功したバフォメット教団の巧妙な手口のせいでもあるが、資源の乏しいアイオメデイ教会が信頼性の低いメンバーを戦力として受け入れることが多くなったためでもある。教会は、主に十字軍を活気づけるために第三次十字軍を開始したが、その焦点が自滅的な魔女狩りや内部の争いに向かっていったため、十字軍は自らの腐敗した重みで崩壊してしまった。結局、第三次十字軍は、サーコリスの魔王たちを喜ばせた以外には、ワールドウーンド内でほとんど何も達成できなかった。
第四次十字軍(4692AR~4707AR):アビスの支配が数十年続いた後、デーモンの軍隊に嵐の王ホランザデーという危険な新勢力が加わった。嵐の王が都市イズ/Iz占領の時代から完全に支配していたのか、それともつい最近になってこの地域にやってきただけなのかについては、この戦争を研究する学者の間でも意見が分かれている。いずれにしても、嵐の王が最初に行った国境への攻撃は、ケナブレスのウォードストーンの破壊を上回るほどの大惨事をもたらした。この攻撃の激しさは十字軍に不意討ちをかけたが、結局ウォードストーンは持ちこたえた。これを受けて、アイオメデイ教会は第四次十字軍を招集した。この十字軍は、これまでの十字軍の中でも最長かつ最も過酷なものとなり、15年もの歳月が費やされ、何よりも戦争疲れの結果として終了した。デーモンの損失はほとんどなく、この十字軍が弱々しく終了して以来、ワールドウーンドの国境沿いの士気はかつてないほど低くなっている。
ケナブレス市は西セレン川の東側の崖の上に位置し、ワールドウーンドを見下ろすことができる。ワールドウーンドに向かう十字軍が集まる場所であり、時に大袈裟ではあるが、毅然とした防衛者たちの本拠地でもある。
ワールドウーンドが発生して、デーモンの大群がサーコリスに流れ込む前、ケナブレスは国境沿いの小さくて勤勉な町であった。昔のケナブレスの人々は、川の上下で商売をしており、ポンプとパイプを使った巧妙な仕組みで川から水を引いていた。ワールドウーンドの発生後、この町には避難民があふれた。ケナブレスの市民は、最初は彼らを快く受け入れた。しかし、4607ar初頭、難民を装ったデーモンの侵入者が市民62人を虐殺したことで、この最初のもてなしは打ち切られた。その後の移民たちは、人間性を証明するための検査を受け続けなければならなかった。
ケナブレスへの入国が困難になっても、サーコリスからの難民は後を絶たなかった。ワールドウーンドの発生から1世紀が経ち、町は小さな都市に成長した。ケナブレスの発展に伴い、いくつもの壁が建てられ、物理的に独立した、いくつかの区画ができた。現在12,000人以上の住民はほぼ惣構えの中で生活しており、集まってきた十字軍は惣構えの外、街の北側でキャンプを張っている。
第二次十字軍遠征後、アイオメデイ教会は、ケナブレスのウォードストーンを収めるために石造りの要塞を建てた。このウォードストーンは、ワールドウーンドとの境界線に沿って設置された、一連のものの1つで、随行の司祭が祈りと儀式でその力を維持する限り、デーモンの勢力が隣国との境界線を越えないようにするものだ。ウォードストーンと要塞のおかげで、ケナブレスはデーモンに対して比較的安全な拠点となっているが、壁の中の腐敗した力に対しては安全では無い。ケナブレスには、第一次十字軍の誤った熱意から始まった、魔女狩りの伝統がある。その間に火あぶりにされた「魔女」は、ほとんどが信仰や外見上の違いに過ぎなかった。表向きはアイオメデイ教会の庇護の下に活動しているが、魔女狩り達は、しばしば自分自身を法として、ケナブレスを悪魔の腐敗や憑依から守るために必要と思われるあらゆる手段を講じてきた。第四次十字軍以降、魔女狩り達の存在感はやや薄れてきているが、現実であれ想像であれ、起こりうるデーモンの脅威に対応する準備はできているのだ。
ケナブレスで育ったキャラクターは、自身の人生の間ずっと戦争の準備や攻撃の脅威を学んでいる。ケナブレス出身なら最も若い冒険者でさえ、その人生の中で町の成長や変化を目の当たりにしており、通り抜ける十字軍兵士たちの変わり続ける集団を目撃してきている。デーモンの脅威の影の中で生活することは、通常の戦争で引き裂かれた土地での生活とは異なる:この迫り来る敵を理解したり、関係を持ったりすることは容易ではないし、デーモンの動機を分析したり、利用したりすることもできない。そのような脅威が常に存在する中で育つことは、若き冒険者の世界観を大きく変えることになるだろう。
贖罪は、ラス・オヴ・ザ・ライチャスの主要なテーマであり、PCはキャンペーン中、剣や呪文ではなく、知恵や言葉で悪を倒す機会が何度もある。ケナブレスの魔女狩りは緩やかになったが、十字軍の腐敗は未だに続いており、以前は善良だった人々が日々悪に手を染めている。
属性の変更は、ルール的にもロールプレイ的にも厄介なプロセスである。属性の変更は、属性の制限がないクラスのキャラクターには、ルール的な影響がほとんどないため、GMがどちらかの属性に傾いているかを言及するだけの簡単なものになる。しかし、ある人にとっては、贖罪がキャラクターの成長やキャンペーン内のプロットの原動力となることがある。また、キャラクターが善であることを必要とする上級クラスや基本クラスを取得したい、あるいは善属性のアイテムを使いたいという欲求が、より純粋な道を求めるきっかけになる人もいるだろう。このシステムは、クリーチャーの救済への道を追跡するためのガイドラインを示している。このシステムは、プレイヤーが自然に感じられるように、また進行中のキャンペーンに違和感なくフィットするように、かなりの程度のカスタマイズと変更が可能である。しかし、パラディンが償いを求めたり、クレリックやドルイドが呪文の力を取り戻そうとするなど、特定のクラスや他のルールでは、より厳しい形での救済が求められることに留意して欲しい。このシステムは、そのような要求を回避するものではない。
それぞれのキャラクターには、善へと至る独自の道がある。多くのクリーチャーは、自分のやり方に固執しており、異なる倫理観の間を行き来することができない。善という観念は、行動であるのと同様に、意図である。善い行いを重ねるだけでは、クリーチャーの属性を変えるには十分ではない。心の底から、善になりたいと思う必要がある。そのため、真の救済を得るためには、クリーチャーが善に至るまでにいくつかの段階を経る必要がある。
意図:クリーチャーの意図を決定するのは、主にロールプレイの作業である。真の救済を求めるクリーチャーは、自分が犯した悪事を心から反省し、善になるための困難な道のりを進んで歩むべきだと考える。君が積極的にクリーチャーを救済しようとする場合、成功の保証はないが、慈悲と良識の例を提示することで、そのクリーチャーの心の中に善を行いたいという気持ちを呼び起こすことができるかもしれない。多くの場合、過去の罪や悪行を告白することが、救済への第一歩となる。少なくとも1回の懺悔(下記参照)を意図的に行い、以下のルールに沿って、意志セーヴに成功すれば、クリーチャーは旅立ちの準備ができたと言えるだろう。
善への道の計算:クリーチャーがその属性を善に変えるためには、最初の属性に応じて、いくつかの段階を経る必要がある。悪のクリーチャーは、まず中立に移行してから、善に移行しなければならない。この移行を行うために、クリーチャーは、自分の総ヒット・ダイスの2倍に等しい数の懺悔を行わなければならない。この懺悔回数は、悪から中立へ、中立から善へと、属性の変化の段階ごとに行わなければならない。善になろうとするクリーチャーが贖罪の過程で追加のヒット・ダイスやレベルを得た場合、完了すべき懺悔の数は、その新しいヒット・ダイスの合計を反映したものでなければならない。例えば、ヒット・ダイスの合計が7のクリーチャーが、悪から中立への移行のため、14回の懺悔を終えたが、中立から善への道を終える前にレベルを獲得した場合、ヒット・ダイスの合計は8になり、贖罪の道を終えるためには16回の懺悔を終えなければならないことになる。
特別に邪悪なクリーチャーについては、GMは完全に堕落した人生を反映させるために、必要な懺悔の数を増やすことを望むかもしれない。悪の副種別を持つクリーチャーの場合、その属性は、魂に刻み込まれており、GMは、彼らがこの種の救済を受けられないと規定することもできるし、少なくとも属性の変更を容易にするために、困難で例外的な一連のタスクを完了しなければならないとすることもできる。
懺悔:善への道の各段階を通過するために、クリーチャーはその総ヒット・ダイスの2倍に等しい数の善行を行わなければならない。どのような懺悔が適切かはGMが決定するが、以下にその例を示す。
クリーチャーがある段階に必要な懺悔を終えたとき、そのクリーチャーは自分の性質を克服するために、意志セーヴに成功しなければならない。このセーヴの難易度は、10+クリーチャーの総ヒット・ダイスの1/2+【魅力】修正値に等しい。
このセーヴが成功した場合、懺悔が功を奏し、クリーチャーは善人になるための新たな一歩を踏み出したことになる。このセーヴに失敗した場合、次のセーヴを試みる機会を得るためには、クリーチャーは別の行為を行わなければならない。失敗するたびに、成功するまで追加の行為を行うことができる。
後援者:他の人の指導や支援を受けることで、クリーチャーが自分の属性を変更することは非常に簡単となる。善属性になりたい者は、善属性のクリーチャーの支援を受けることで、自分の成功の可能性を高めることができる。各段階において、クリーチャーは、その【魅力】修正値までの数の後援者の助けを得ることができる。贖罪の道を歩むクリーチャーを支援する各後援者は、そのクリーチャーの意志セーヴ(最初のセーヴが失敗した場合は、その後の複数のセーヴ)に+1のボーナスを与えることが出来る。後援者になるためには、クリーチャーは、懺悔者の能力と、自分の属性を変えようとする真摯な意思を絶対的に信じなければならない。この確信は、友情、神の導き、占いや一般的な質問など、対象者が善属性であることを望む絶対的な確信につながるものであれば、何でも構わない。
再発:クリーチャーが行なった些細な悪行([悪]の補足説明がある呪文を発動したり、悪の神に祈ったり、悪の魔法の道具を使ったり、善属性のクリーチャーを精神操作し、悪の行為をさせたりなど)は、そのキャラクターがすでに行なった懺悔の回数にカウントされ、事実上、相殺される。大きな悪行(罪のない生物を故意に殺したり、地域社会に病気を蔓延させたり、罪のない対象に苦痛を与えたり、死者を操ったり)は、すべての善行を帳消しにする。この場合、その段階で行われた善行はすべて取り消され、クリーチャーは、その段階を新たに始めなければならない。GMは、特に悪質な行為を行なった場合には、それまでに行なったすべての作業を取り消し、そのクリーチャーを元の悪属性に戻すように決定することができる。
以下のリストは、GMの許可を得て、君が贖罪を追求するために使用したり、君が後援者となっている懺悔者に対して指定したりできる懺悔の例を示している。GMは、一度に多くの償いの選択肢を提示することは避けるべきである。そうすることで、状況に最も適した懺悔よりも、最も簡単な懺悔を選んでしまうことになるからだ。本当に悔い改めようとしている者は、難しいから、お金がかかるから、自分の趣味ではないからといって、善行を避けるべきではない。しかし、同じように重要なのは、GMと協力して、懺悔が十分なペースで、達成可能で、適切で、実行可能なことである。このバランスを取るのは難しいかもしれず、特に善属性になることを急いでいる場合は、注意が必要である。
ギアス/クエスト、マーク・オヴ・ジャスティスなどの呪文を進んで受けることで、失敗したとしても、危険を冒してまで救済に取り組む姿勢を示すことができる。
悪の手段で得た持ち物を犠牲にすること。
善の信仰や組織のために、報酬を受け取らずにタスクやクエストを完了すること。GMは、特に困難な遭遇の場合、2つ以上の懺悔としてカウントすることが出来る。
12時間の断食と祈祷(疲労が溜まる)。
善のアイテムを作り、無料で提供すること。
打ち負かした敵に慈悲を与えること。
見知らぬ人のために、報酬なしで仕事を行なうこと。
個人的な会話や他人との会話で、神を冒涜するような言葉や悪口を言わないこと。
他のキャラクターやNPCに、純粋な行動を指示すること。
敵からの侮辱や挑戦を無視したり、答えなかったりすること。
一週間、嘘や偽りをつかないこと。
この他にも、プレイ中に起こりうる多くの行為が懺悔とみなされ、GMは、そのような行為が発生したときに自由にカウントすることができる。懺悔するキャラクターが、単に決められたリストをこなすのではなく、役に立ったり純粋であったりする方法を模索することで、この過程は、より自然で真摯なものになる。
ラス・オヴ・ザ・ライチャスのプレイヤーキャラクターは、デーモンに遭遇する。PCがデーモン狩りに適しているかどうかに拘らず、あるいは、冒険の展開に合わせて、適応しなければならないかどうかに拘らず、敵を知ることは良いことである。
多くの十字軍兵士がデーモンを研究対象としてきたが、最後の十字軍でデーモン退治をしたヤニエルほどに精力的に研究した者はいなかった。ある時、ヤニエルは、十字軍の仲間から疎まれ、名誉を傷つけられたため、名誉回復のために一人でワールドウーンドに入ることを決意した。剣を持って瞑想し、勇気を持って自分を浄化したのだ。数ヶ月後、彼女は、ワールドウーンドの荒野で行方不明になっていた十字軍の新しい一団を連れて戻ってきた。彼女は、デーモンの手から彼らを救い、無事にメンデヴに戻した。彼女の功績は、後に続く多くの十字軍やデーモン退治の人々に知られており、彼女の物語の一部は、メンデヴの酒場で歌われるバラードにもなった。
この経験を経て、ヤニエルは、デーモンとの戦い方を説明した文章を書き始めた。この原稿は、今でもデーモンと戦う人たちに使われている。ここでは、彼女の最初の、そして最も基本的なデーモン退治の論文を抜粋して紹介する。
破壊的で多産なデーモンは、奈落からやってくる。彼らは、その邪悪さを混沌への専心と混ぜ合わせ、予測不能で致命的で残酷な存在としている。
すべてのデーモンは、非常に頑強である。ほとんどのデーモン、特により強力なデーモンは、戦闘で負う傷を受け流す能力を持っているが、冷たい鉄で鍛えられた武器や善の力が込められた武器は、この悪魔のような防御を貫通することができる。
デーモンは、[雷撃]や毒に完全耐性があり、[火炎]や[氷雪]、[強酸]にも強い耐性がある(ただし、これらの一般的な基準を破る特殊な耐性を持つものもいる)。
デーモンの中には、魔法に対して並外れた耐久性を持つものがおり、強力な発生源でない限り、デーモンを対象とした呪文は失敗することが多い。この保護は、デーモンによって異なるが、より強力なデーモンと戦う場合、この魔法耐性を避ける呪文を利用すると良いだろう。
デーモンは、破壊への渇きを癒すために、他のデーモンを招来して助力を得ることができる。デーモンは、そのような仲間と奈落語、天上語、竜語で意思疎通をすることができる。多くのデーモンは、テレパシーを使って、人の心に直接語りかけることさえできる。この能力は通常100フィートほどの範囲に及ぶが、より強力なデーモンは、遠く離れた場所から心に語りかけることができる。
混沌と悪に本質的に結びついているこれらのクリーチャーは、この固有のつながりを武器に集中させることができる。デーモンの爪、歯、危険な付属器官、そして、デーモンが振るう武器は、悪や混沌のエネルギーに弱いクリーチャーに対して、より悪意を持って攻撃する。
我々の領域を覆う、奈落の影と戦うときは、これらのデーモンの基準を念頭に置くように。この知識を剣の指針とし、継承者(※訳注:アイオメデイの別名)を信じて心を導くのだ。我らは耐え忍ぶ!
メンデヴ十字軍の指導者たちは、ワールドウーンドでのデーモンの流れを変えることのできる、献身的な十字軍と信頼できる冒険者を常に探している。奉仕活動を評価し、奨励する方法として、名誉ある魔法の勲章を授与することがある。これらの勲章には様々な種類があり、それぞれが着用者に何らかの意味のある利益をもたらす。
正義勲章を得るために必要な行為は規定されており、軽視することはできない。君のキャラクターが奈落との戦いの中で、1つまたは複数の勲章を獲得するかもしれないが、それは、勇気と技術の真価が問われるものである。同様に、正義の勲章を獲得したNPCは、多大な個人的危険を冒して獲得したものであり、軍隊の後ろに座ったり、羊皮紙を押したりして得られる勲章ではない。
ライチャス・メダル・オヴ・アジリティは、デーモンが戦闘行動をとる前に、そのデーモンに必殺の一撃を与えた英雄に与えられる。
ライチャス・メダル・オヴ・クラリティは、ワールドウーンドへの攻撃に役立つ重要な情報を発見し、それを広めた者に与えられる。
ライチャス・メダル・オヴ・コマンドは、敵の戦闘員を救済し、十字軍側に寝返らせた者に与えられる。
ライチャス・メダル・オヴ・スピリットは、悪事を強要される前に、憑依や精神操作を克服した十字軍兵士に与えられる。
ライチャス・メダル・オヴ・ヴァラーは、自分よりも強力なデーモンに必殺の一撃を与えた英雄に与えられる。
ライチャス・メダル・オヴ・ヴィゴーは、デーモンによってヒット・ポイントがマイナスになっても、そのデーモンが敗北する前に戦線に復帰し、生き残った十字軍兵士に与えられる。