ゴラリオンの海と大洋の商用海路は、一般的なものも珍しいものもある貿易商品が満載の大柄な商船のみならず、同様にそれらを食い物にする海賊と略奪者で満たされている。ハリケーンの王の旗の下で、これらのバッカニアは枷の地として知られている法のない海賊港と錨地の群島から勇んで出かけ、無数の国と貿易組合の船舶から略奪し、彼らが我が家と呼ぶ島と砂洲の迷路の中に後退し消え失せる。内海の国々は海賊の脅威を終わらせることを何よりも望んでいるが、アベンデゴーの眼として知られている永遠のハリケーンはこれまでのところ枷の地の自由船長を報復の脅威から保護している。
髑髏と枷アドベンチャー・パスで、PCたちは海賊の役割を引き受けるが、彼らは自力で海賊行為と略奪と悪評で名を上げ、枷の地の悪名高い自由船長に本当にならなくてはならない。キャラクターを作る時に気を付けるべき最も重要なことは海賊行為がこのアドベンチャー・パスで重要な役割を果たすということである――君のキャラクターは海賊になりたいか、あるいは少なくともその考えに反対していないべきである。この手引書は枷の地の冒険に最も適しているであろうキャラクターの種類についてのネタと、それらのキャラクターの背景を肉付けするキャンペーン特徴もを提供する。最後に、これはPCたちが略奪品と悪評を求めて船の船長となったなら髑髏と枷アドベンチャー・パスで主要な役割を果たすことになるであろう船対船の戦闘ルールを、(船の例を含めて)提供する!
ゴラリオンの世界により没入し、髑髏と枷アドベンチャー・パスに関連するキャンペーン特有の詳細を加えることに興味があるプレイヤーは以下のパスファインダー・キャンペーン・セッティングの本を調査することを望んで良い。
Inner Sea Primer:特に枷の地について書かれている訳ではないが、アヴィスタンとガルーンド大陸の短期集中記事はPCたちに髑髏と枷アドベンチャー・パスを開始するキャラクター用にとっての偉大な故郷となる40を超える国々から地域特徴と背景を提供する。
Pirates of the Inner Sea:この本は内海地域を股に掛ける海賊に焦点を合わせているが、同様に枷の地の情報と海賊PCへの新しい選択肢を大量に提供しており、それには地域特徴、新しい海賊アーキタイプ、海賊武器と装備品、新しい呪文、そしてInner Sea Pirate上級クラスが含まれる。
Sargava, The Lost Colony:サルガーヴァの国は枷の地のすぐ南にあり、そしてこの土地を訪問するかもしれない海賊たちに色々とエキゾチックな選択を提供する。
君のゲームで船の甲板あるいは船室を表すには、単にFlip-Mat:Pirate ShipとMap-Pack:Ship's Cabinsを使用すると良い。これらのパスファインダーRPG資産とそれ以上のものは君の地元のゲーム店と有線のpaizo.comで入手可能である。
殆どどんな種族やクラスのキャラクターでも、彼らが海賊の生活を受け入れる理由を持っている限り、枷の地のるつぼで見いだすことができる。実際、髑髏と枷アドベンチャー・パスにとっておそらく相性の良くない唯一のクラスは、制限と行動規範がこのキャンペーンにおける海賊行為と略奪品の主題と直接対立しそうなパラディンである。
アーキタイプ:多くのアーキタイプが髑髏と枷アドベンチャー・パスでの使用で特に適している。Pathfinder RPG Advanced Player's Guideにある以下のアーキタイプは全て良い選択だ:水界ドルイド(ドルイド); 放蕩者、活劇剣士、暴漢(ローグ); 海の歌い手(バード); そして水の元素術士(ウィザード)。Pathfinder Player Companion:Inner Sea Magicのtempest druidアーキタイプも相性が良く、一方でPathfinder Player Companion:Pirates of the Inner Seaはバッカニア(バード)、corsair(ファイター)、freebooter(レンジャー)とsmuggler(ローグ)のアーキタイプを提供する。Pathfinder RPG Ultimate Combatの卑劣漢(ファイター)、命知らず(バード)、海賊(ローグ)、海の略奪者(バーバリアン)のアーキタイプ、は全てこのアドベンチャー・パスの主題を補完し、Pathfinder RPG Ultimate Magicにある海の魔女(ウィッチ)、鮫のシャーマン(ドルイド)、嵐のドルイド(ドルイド)アーキタイプも同様である。
血脈:元素(水)の血脈は髑髏と枷アドベンチャー・パスでソーサラーのために堅実な選択であり、Advanced Player's Guideの水界の血脈や嵐の血脈も同様である。
領域:海に幾らかの関係を持っているクレリック、ドルイドとインクィジターは髑髏と枷アドベンチャー・パスと理想的な相性をもつ。ベスマラー――海賊行為、争いと海の怪物の女神――の詳細はPathfinder Adventure Path♯55で見つけられる。良い領域の選択には魅了、解放、幸運、旅、欺き、水、天候が含まれ、有用な副領域は呪い、騙し、大海、革命、嵐、盗みが含まれる。加えて、ドルイドはUltimate Magicにある水界の地形領域に関心を持って良い。
得意な敵と地形:髑髏と枷アドベンチャー・パスでレンジャーにとって良い得意な敵の選択は異形、人型生物(巨人)、人型怪物を含み、特に人型生物(人間)である。得意な地形としては、水界は明白な選択であろう。
技能と特技:ある特定の技能と特技は髑髏と枷アドベンチャー・パスの間で特に有用であろう。何よりもまず第一に〈職能:船乗り〉の技能である。ある種の社交的な技能――〈はったり〉、〈交渉〉、または〈威圧〉――も重要に成り得、特に最初の冒険とキャンペーンを通してInfamyを得る際には顕著だろう。対艦戦の戦闘の間にバリスタやカタパルトのような攻城兵器を使うことに興味を持ったキャラクターは、《特殊武器習熟》特技を取って攻城兵器の習熟を得、〈知識:工学〉にランクを振ることを積極的に考えるべきである。
役に立つであろう他の技能は〈登攀〉、〈製作:帆〉、〈製作:船〉、〈製作:攻城兵器〉、〈知識:工学〉、〈知識:地域〉、〈職能:料理人〉、〈職能:攻城技師〉と〈水泳〉である。《円熟の操縦者》、《船乗りの足運び》、《攻城司令官》、《攻城技師》、《攻城射手》、《熟練の操縦者》、《確かな握り》のような特技(すべてUltimate Combatから)は、《運動能力》と《技能熟練》のような特技と同様に有用である。
この選択ルール・システムはGMに、PCたちに傷跡と大怪我を与える方法を提供する。このシステムを実行する前に、慎重にこれらのルールを考慮するべきである。大怪我はプレイに重大な影響を与えられ、いくつかのグループはそうした衰弱を好まず、不具の主題のない死の脅威と傷一つ無い蘇生の方を好むかもしれない。
これらのルールはCore Rulebookの189ページに載っている大規模ダメージの選択ルールの変形である。キャラクターが大規模ダメージに相当するダメージを受けるときはいつでも、彼は難易度15の頑健セーヴに成功しなければ、ヒット・ポイントが-1に下がって、永久に衰弱させる傷跡あるいは不具を得なくてはならない。これらの効果は、1d20をロールして以下の表と照らし合わせることで無作為に決定される。影響は恒常的であり累積するが、GMはあまりにも害が大きいかつじつまの合わないと思える結果なら再ロールするべきである――キャラクターが2度も3度も手を失うなど。リジェネレイト呪文は傷跡を治して、失われた手足を復元し、正と負の効果両方を取り去る。
傷を覆い失われた手足に取って代わる為の眼帯、義足と義手のルールはPirates of the Inner Seaで見ることができる。
d20 |
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1~5 |
軽い傷跡――面白いが、どこか表面的なもの |
6~8 |
中程度の傷跡――顔を斬られる(最初の傷跡のみ【魅力】に基づく技能判定に+1のボーナス、以降の裂傷は酷い傷跡であると見做す) |
9~10 |
|
11~14 |
指の損失(失われた指3本ごとに【敏】-1) |
15~16 |
印象的な傷(【耐】-1) |
17 |
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18 |
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19 |
|
20 |
キャラクター特徴は本質的に半分特技であり、PCたちの背景を改造し、彼女を特定の冒険の主題と出来事に結び付けるのを手伝う。それぞれのキャラクターは2つの特徴を持って、そしてその片方は髑髏と枷キャンペーン特徴から選択してプレイを開始すべきである。一般的な特徴は、Advanced Player's Guideかpaizo.com/traitsでダウンロード可能な無料のPDFであるCharacter Traits Web Enhancementを参照すること。さらに、大抵のパスファインダー・プレイヤー・コンパニオン・サプリメントはゴラリオン固有の、そして髑髏と枷のPCたちの使用に適してもいる種族、地域、信条の特徴を含んでいる。
キャンペーン特徴は特定のアドベンチャー・パス向けに仕立てられており、君のキャラクターに新しいキャンペーンで最初の冒険を始めるのにぴったりの理由を与える。キャンペーン特徴は通常の特徴より君のキャラクターの背景について多くを想定しており、プレイヤーが自分のキャラクターの詳細で面白い歴史を作り出す作業に霊感を与えるよう助けとなるように意図されている。君に合う特徴を選んでから、君はキャンペーン特徴で期待される背景を、ある程度調整できる; その調整した過去を運用する前に、GMに承認を確実にもらうこと。
以下の特徴の全てはペリル港――枷の地の始末に負えない首都――にいる理由を持っているキャラクターと、キャラクターたちを海賊船ワームウッドの海賊強制徴募隊ともめごとを起こすことになるおっかない女中亭として知られる悪名高い埠頭の居酒屋に導く状況を中心に回っている。君はこれらの特徴をざっと見て一般的な、君のキャラクターがこのアドベンチャー・パスを通して遭遇するであろう敵の種別や挑戦といったネタバレのない発想を得て良い。海賊、帆船、古のサイクロプスの遺跡、ジャングルと水中両方の冒険の要素があることを知ることは、自分が参加しようとしているキャンペーンにぴったりなキャラクターをより有機的に作る助けになるだろう。
〔古代の探検家〕/Ancient Explorer:君はゴラリオンの古代の歴史の学徒であり、何千年もの間枷の地の諸島の中で放棄されているゴル=ガンのサイクロプス帝国のぼろぼろに崩れて蔓に覆われている廃墟を探究する為に枷の地へとやってきた。君は〈知識:歴史〉と〈知識:地域〉判定に+1の特徴ボーナスを得て、これらの技能の1つは君のクラス技能となる。加えて、君はボーナス言語としてサイクロプス語あるいはポリグロット語を得る。
昨夜君は失われたサイクロプスの遺跡の古い地図を売ってもらうはずだった人物に会う為にペリル港にあるおっかない女中亭と呼ばれる居酒屋に行ったが、酒は君が考えるよりも強く、君は取引をする前に気を失った。
〔酒場の説話収集家〕/Barroom Talespinner:君は外海での冒険と海賊行為の物語と、埠頭の安酒場で老練な船乗りの海の男の歌を聴きながら育った。君は上陸休暇の船乗りと話をすることによって、海賊とはどういうものであるかの全てを知り、自分の物語を話す(あるいは何か他の海賊の娯楽を行なう)方法を学んだ。君は〈交渉〉判定と〈芸能〉判定の分類の1つに+1の特徴ボーナスを得て、これらの技能の1つは君のクラス技能となる。加えて1週間に1度、君は人気がある伝説的な海賊物語を知っているかどうか確かめるために難易度15の〈知識:地域〉あるいは【知力】判定を行うことができ、その話によってワームウッドのNPCたちに影響を与える判定に+1の特徴ボーナスを得る。
君は自分の海の物語でコイン数枚の収入を得るために、ペリル港にあるおっかない女中亭と呼ばれる居酒屋に行った。客は君の演奏に満足しているようで、君に酒を何杯かおごった。飲み物に薬を盛られた後、突然すべてが真っ暗になった時に君が思い出したのは、海賊船に自分が強制連行されたことに気付いた不運な船乗りの物語だった。
〔ベスマラーの祝福〕/Besmara's Blessing:君は縁起がよい日に、海上か港湾都市の埠頭付近の船の上で生まれた。老練な船乗りや海賊たちがもっともらしく頷いて話すには、海賊行為と海の怪物と争いの女神である海賊女王ベスマラーが大いなる運命を君に与えたという。君はそれについて何も知らないが、君はいつも陸より海の上の方が落ち着き、君の鋭い目は離れた水平線上にある帆を容易に見分けることができる。君は〈知覚〉と〈職能:船乗り〉判定に+1の特徴ボーナスを得る。加えて、1週間に1度君は〈職能:船乗り〉判定を再ロールして、より高い結果(君は、判定の結果が知られる前に、この能力を使うと宣言しなくてはならない)を得ることができる。
君は自分の命運を求めておっかない女中亭と呼ばれているペリル港の居酒屋に来た。自分が何杯の酒を飲んだかは定かではないが、酒はすぐに頭まで巡り、運命を見いだす前に、君は丸机の上で突っ伏した――ビンの底で横たわったのでないとすれば。そして再び、君は最終的に君の運命を見いだすだろう……。
〔バッカニアの血〕/Buccaneer's Blood:君の先祖の1人は枷の地で悪名高い自由船長であり、その名はまっとうな生活を求めて海を航海している人々の心に恐怖を与えたものだった。海賊が君の血に流れており、君はいつも自分の先祖の後を追って、商用海路で略奪することを熱望している。君は〈威圧〉と〈職能:船乗り〉判定に+1の特徴ボーナスを得る。加えて、君は1回だけ君のDisreputeとInfamy値(Infamyシステムの詳細はPathfinder Adventure Path♯55の「The Life of a Pirate」参照)に+1の特徴ボーナスを得る。
君はバッカニアとしての生涯を始めることを熱心に望んでいて、悪名高い海賊のたまり場であるペリル港のおっかない女中亭と呼ばれる居酒屋へ行った。しかしながらそこにいる間、派手で軽薄な海賊が君の目を捕え、酒と恋物語の渦巻く夜の後、君は意識がなくなるまで殴られ、袋に詰め込まれ、どこかに運び去られている自分に気がついた。
〔埠頭の喧嘩屋〕/Dockside Brawler:君は枷の地に無数にある港あるいは錨地のうち1つの危険な埠頭で成長し、握りこぶしがしばしば洒落た言葉よりも効果的であることを、それが適切な方法で使われる時なら特にそうなることをすぐに知った。君はいつも、とにかく話すより先に動くことをより好む。君はブラス・ナックル(Advanced Players Guide176ページ)と代用武器のダメージ・ロールに+1の特徴ボーナスを得る。
昨夜ペリル港にあるおっかない女中亭と呼ばれる居酒屋で飲んでいる間に、君は他の客の幾人かと一緒に喧嘩になった。君は上手く立ち回ったが、荒くれ風のキャラクターの集団が徒党を組んで君を圧倒し、意識不明になるまで打ちのめした。幸いにも、君は強制連行される時にブラス・ナックルを隠すことができ、最初の状況にも拘わらずキャンペーンをブラス・ナックルを持って開始することができた。
〔略奪者の目〕/Eye for Plunder:君はいつも金や銀の輝きに対する鋭い目を持ち、十分に金を持った商人から略奪し、大量の船を襲撃しており、最も価値のある略奪品はどこにあるのだろうかという考えを持つようになっている。君は〈鑑定〉と、(扉と罠を含む)隠されているか秘密の物体を見つける為の〈知覚〉判定に+1の特徴ボーナスを得る。加えて、君はワームウッドでの初日についでにくすねることが可能だった50GPの価値を持つ一般的な貿易商品を選んでキャンペーンを始める。
君が自身の最後の船旅の略奪品の分け前を手に入れて懐が暖まると、ペリル港で人気の海賊の居酒屋おっかない女中亭で苦労して勝ち取った硬貨をいくらか使おうと決めた。しかしながら、新しい富の輝きが気を散らしたのだろう、君は飲み物の中に何かを滑らせた悪漢に気づくことはなく、無情にも気絶した。
〔イリズマゴーティ出身者〕/Ilizmagorti Native:君はメディオガルティ島の都市イリズマゴーティにある、そこを訪れる悪党とそこで仕切る恐ろしい赤蟷螂会アサシンの両方で悪名高い海賊港で成長した。君はずっと海賊に囲まれながら生きてきたが、誰が変装した赤蟷螂会かは確証が持てなかったため、君は周囲の人々との関係で用心深く生きることを学んでいる。君は〈真意看破〉判定に+1の特徴ボーナスを得て、〈真意看破〉は君のクラス技能となる。加えて、海賊の生活に関する精通によって、君は海賊あるいは枷の地の地域に関する〈知識:地域〉判定を未修得でも行うことができる。
君は自分の運命を掴もうと思い、イリズマゴーティで海賊船に飛び乗り、そしておっかない女中亭と呼ばれるペリル港の居酒屋でちょっとした酒で君の安全な到着を祝うことに決めた。そこには幾人か怪しげなキャラクターが確実におり、君は彼らと距離を置くことに決めたが、酒でふらふらしてきた君は店を出ると暗い路地で暴漢に襲われ、殴られて意識不明になった。
〔義足〕/Peg Leg:君がまだ子供に過ぎなかったとき、君の脚の1本は鮫によってひざ下から噛み千切られ、木製の義足(Pathfinder Player Companion:Pirates of the Inner Sea20ページ)に置き換えられた。しかし君はだいぶ前に自分の義足に慣れ、義足の持つ通常のペナルティのいずれも受けることはない。君は傷の痛みに対処することも学ばなければならず、君は頑健セーヴに+1の特徴ボーナスを得る。あの事故以来君はずっとサメが嫌いであり、そして君はシャークと他の(水棲)の副種別を持つ動物に対してのダメージ・ロールに+1の特徴ボーナスも得る。
君の平衡感覚はいつもちょっと酒を飲んだら怪しくなり、それは昨夜のおっかない女中亭――ペリル港にある居酒屋――も例外ではなかった。立ち上がろうとしたらすぐに床に倒れたのはその所為に違いない。次に起きたことはおぼろげだが、君は酒場から埠頭の船に引きずって行かれたことは確かだ。少なくとも彼らは君を鮫に投げ与えることはしなかったが……。
〔船医〕/Ship's Surgeon:船では、船乗りが多くの技能を修得する必要が出ることがままあり、この法則は間違いなく君にも適用されている。君の父親は木工職人であった、そして君は彼から最初の取引を学んだ。しかし君の最初の航海旅行で君はすぐに大工はしばしば船の医者にもなることが分かった――つまり、木をのこぎりで切る者よりのこぎり使いについて知っている人などいるだろうか? 確かに人々は木よりもっと血まみれだが、君はこれまでにあまり苦情を受けたことがない――君の治療を受けた船乗りは生きていることに満足しているか死んでおり、君が彼らのために義足を作った老練な船乗りたちは使っていた本当の脚より使い勝手が良いと断言している。君は〈製作:大工〉と〈治療〉判定に+1の特徴ボーナスを得て、〈治療〉は君のクラス技能となる。
君は船旅の合間にペリル港におり、おっかない女中亭と呼ばれる居酒屋に飲酒に立ち寄った後、外の路地で苦しんでいる娘を偶然発見した。彼女を助けようと考えた君は悪漢が近くに隠れているのに気付かず、彼らは気付いていない君に襲いかかった。君は、首の後ろにくらったサップの一撃から自分は強制連行されると知れる程に、船で生活していた――君は自分が行き着く船が医者を必要としていることをただ祈るばかりだ。強制連行された時に君の装備はほとんど奪われたが、君は何とか完全に満たされた治療用具を保持することに成功し、その始まりの状況にかかわらず、キャンペーンをその状態で始めることができる。
〔海に心動かされて〕/Touched by the Sea:君はいつも海からの呼び声と、潮の干満による君の血液の高まりを感じている。多分君の親の1人は船乗りあるいは海賊であったか、あるいは恐らく君の先祖の1人はわずかにアクアティック・エルフかウンディーネの血を持っていたのだろう。理由が何であれ、君は陸にいるのと同じぐらい水の中でも快適である。君は〈水泳〉判定に+1特徴ボーナスを得て、〈水泳〉は君のクラス技能となる。加えて、水面下で行なわれる攻撃ロールのペナルティは1減少する。
君は自分の運命を求めてペリル港に来て、おっかない女中亭と呼ばれる居酒屋でちょっと酒を飲むと、海を眺めようと埠頭へと向かった。君が覚えている最後のことは後頭部への一撃と君へと迫る乗り上げる波である。
海賊の様式か主題を持っているいくつかの新しい武器が髑髏と枷アドベンチャー・パスにある。これらの武器の完全な記述ともっと多くの海賊武器と装備品はPathfinder Player Companion:Pirates of the Inner Seaで公開されているが、武器の特質は君に便利なように6ページの表1に転載されている。
費用 |
クリティカル |
タイプ |
||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
10GP |
1d3 |
1d4 |
×2 |
― |
1ポンド |
斬撃 |
||
5GP |
1d4 |
1d6 |
×2 |
― |
1ポンド |
刺突 |
― | |
8GP |
1d6 |
1d8 |
×3 |
― |
9ポンド |
刺突 |
||
費用 |
クリティカル |
タイプ |
||||||
6GP |
1d4 |
1d6 |
×3 |
― |
3ポンド |
斬撃あるいは刺突 |
― | |
キャットオーナインテイルズ |
1GP |
1d3 |
1d4 |
×2 |
― |
1ポンド |
斬撃 |
|
カトラス |
15GP |
1d4 |
1d6 |
18~20/×2 |
― |
4ポンド |
斬撃 |
― |
費用 |
クリティカル |
タイプ |
||||||
5GP |
1d6 |
1d8 |
×3 |
10フィート |
16ポンド |
刺突 |
接舷 | |
6GP |
1d4 |
1d6 |
×2 |
10フィート |
14ポンド |
刺突 |
接舷 |
海賊船はそれに乗っている悪党ほどに個性を持ち得、PCたちが自分の船に乗れば、その海賊船はPCたち自身が行うのと同じアクションをする事になるのが分かるだろう。PCたちが帆走装置のある甲板で仇敵の海賊たちと白兵戦をしようと、交易船を攻撃して富の全てを自分の海賊船に詰め込もうと、船の艦隊を海軍に向けて送り出そうと、海戦は髑髏と枷アドベンチャー・パス全体において驚くべき役割を果たす。一般的に、海戦は3つの方法の1つで処理される:船上戦闘(船上での通常戦闘)、対艦戦(2隻以上の個別の船の間の戦闘)と大規模海戦(2隊以上の多数の船からなる艦隊で行う戦闘)。これら3つの種類の海戦ルールは以下の項で詳述される。
大規模海戦、つまり多数の船からなる艦隊の間での大規模な戦闘の為のルールはPathfinder Adventure Path #59:The Price of Infamyで完全に詳述されるだろう。
遭遇がダンジョンや森林の道ではなく船上で発生すること以外は船上戦闘はPCたちと相手との間で他の戦闘と全く同じである。最も多くの場合、船上戦闘は通常どおり解決することができる。唯一の制約は船のサイズ(そして、それによる戦場のサイズ)、船外の水に落ちる危険と船に対する天候の影響である。
もし戦闘が嵐の間や、あるいは荒れた波で起きるなら、船の甲板を移動困難な地形として取り扱う。天候や船の甲板の動き(Pathfinder RPG Core Rulebook206~207ページ)による術者の精神集中判定への影響を考慮に入れることを忘れないこと。もし戦闘員が船外に落ちるなら、Core Rulebookの432ページと445ページの水の地形と水の危険のルールを見ること。他の全てにおいて、船上戦闘は地上と異なる点は全くない。
船の甲板あるいは船室を表す為に、君はpaizo.comと君の近くのゲーム店で入手可能なGameMastery Flip-Mat:Pirate Ship、GameMastery Flip-Mat:Ship、GameMastery Map Pack:Boats & Ships、あるいはGameMastery Map Pack:Ship's Cabinsを使って良い。
船それ自身が戦いの一部になるとき、戦闘は特異なものになる。以下のルールは正確に対艦戦の複雑さの全てを再現することを意図していない; そうではなく、単純なディンギーから多層式の戦艦までどんなサイズの船にでも適用できるような、戦闘中の真実性とプレイの容易さと速度の間の妥協点を突くことを試みている。これらのルールはPathfinder RPG Ultimate Combatに載っている搭乗物ルールの修正版であり、ただ水上で船を操舵し、戦うことについて焦点を合わせている。あるいは、もしより早く、より簡単な方法で対艦戦を解決する方を好むならば、君は代わりにPathfinder RPG GameMastery Guideの214~215ページに載っている簡易プレイの船の戦闘ルールを使うことができる。
戦闘中に船を攻撃することはできるが、このように際立って大きな搭乗物に驚くほどのダメージを与えることは困難であると気づくのは重要である。加えて、捕えられた船は通常海底に沈めるよりも賞品として牽引するか、本拠地に帆走した方が価値がある。結果として、大抵の対艦戦の最後は、片側の船上の乗組員が相手の船へと乗り移って白兵戦で敵の乗組員と戦うこととなる(14ページの移乗と接舷を参照)。
以下の概要は髑髏と枷アドベンチャー・パスで対艦戦のために基本的なルールを表す。全ての船は移動や戦闘においてこれらのルールを使用する。
船が動き続けるには2つが必要である――操舵手と推進手段が。操舵手は物理的に船の操縦装置を使うことが可能な3以上の【知力】能力値を持っているクリーチャーである。船の船長はしばしば(必ずではないが)操舵手である。操舵手は操縦装置と彼女の航海技能(10ページの航海判定部分を参照)あるいは【判断力】を使って船を操縦する。いなくなった時の船の状態によるが、操舵手なしでは船は動かないか、現状のまま真っ直ぐに動き続ける。
大抵の船は乗組員を必要とする。完全充足ではないが最低でも定数の半分の乗組員を乗せた船は、すべての航海判定に-10のペナルティを受ける。船を操舵するにはその充足乗組員数の少なくとも半分が必要である。もし船の乗組員が半分を超えて殺されるか、幻惑状態、朦朧状態、または気絶状態になった場合、その船はもはや「無制御」アクションしか取れない(13ページ参照)。乗組員は船の移動中にその船の移動を援護する以外のアクションをとることができない。攻城兵器(18ページ参照)を操作するのに要求される兵員は船を操縦するのに必要な乗組員に加えて必要である。
船はクリーチャーの大きさと接敵面とは違ったサイズと接敵面を持っている。フリップマットあるいは戦闘マットでの対艦戦を行うには、マップの1つのマスを5フィートではなく、距離30フィートに対応させる。たいていの船は長くて細い; クリーチャーのように辺ごとに正しい1つの接敵面を占めるのではなく、船の幅は常に1つのマスとみなす。
船が推進力としてクリーチャーを使うときでさえ、クリーチャーのようには動かない。船はまっすぐ船首に動く傾向がある。
向き:クリーチャーと異なり、船は船首を持っている。通常は船の短い辺の1つが船の船首の向きの役割を果たす。向きは搭乗物への慣性の効果を表している。船は船首の向きの方角に移動するとき最も良く動き、他の方角に動かすには時間と技能を使う。
正常に操舵している場合、船は直進、斜め移動、あるいは同じ移動内で両者を混在させた移動ができる。熟練した操舵手は船を容易に前方にジグザグ移動させることができる。
移動:船は最大速度と加速度の覧を持つ。最大速度は最も速い速度であり、船はラウンドごとに移動することができる(順風の風力推進の船による航海はこの速度の2倍になることができるが)。船は通常その最大速度で開始することはできない。各ラウンド、操舵手はその加速度に等しい割合で搭乗物の加速か減速を試みることができる(12ページの「戦闘中の船」の移動部分参照)。船の現在の移動の割合は現在速度と呼ばれる。
マップの端:フリップマットあるいは戦闘マットで対艦戦を行なうとき、マップの端は人工の境界を形成する――外海において、地図には端がない。結果として、もし船がマップの端に動くなら、君はマップを新しい空白のフリップマットや戦闘マットで延長するか、船全てを余裕のある場所に置き直すべきである。
航行移動:海あるいは大洋を渡る長距離移動は、時間あるいは日毎のマイル単位で測られる航行移動を使う。膂力によって推進させられる船にとって、1日とは10時間のボートこぎを表す。風力推進の帆船にとって、1日は24時間を表す。最も普通の船の種類の航行移動速度はCore Rulebookの174ページか、この書の23ページから始まる個別の船の性能の区画で見ることができる。
戦闘で船を操縦するには、操舵手はそのラウンドの船の機動性と速度を決定する航海判定を行わなくてはならない。船の推進力はどんな技能が航海判定のために使われるかを決定する(このページの推進力と航海技能を参照)。もし船が同時に風と膂力のような2つの推進手段を使っている場合、操舵手はどちらの技能を使うべきか決め、すべての航海判定に-5のペナルティを受ける。操舵手は常に航海判定の代わりに【判断力】判定を行なうことができる。戦闘外では、すべての航海判定の基本難易度は難易度5である。戦闘中のすべての航海判定の基本難易度は難易度20である。完全充足ではないが最低でも定数の半分の乗組員を乗せた船は、すべての航海判定に-10のペナルティを受ける。
援護:別の技能と同様、キャラクターは標準アクションを費やして援護アクションを行える。これは敵を観察する追加の1対の目や、乗組員に与える命令、あるいは単純な役立つアドバイスを意味する。助けているキャラクターは同様に航海判定を行う。もし結果が10以上であるなら、操舵手は彼女の航海判定に+2のボーナスを得る。1人のキャラクターのみが操舵手の1回の航海判定を助けるために援護アクションを行うことができる。
戦闘外の船の操縦:戦闘以外に船を操舵することは、技能判定に出目10をとることで容易に達成されるので、航海判定は通常必要とされない。ほとんどすべてのキャラクターはそれを比較的容易に行うことができる; 難易度はただ君のゲームで生じるかもしれない特別な状況を裁定する為だけにある。
適切な技能なしで船を操縦する:もし操舵手が船を操縦する適切な技能を欠いている場合、操舵手は常に【判断力】能力値判定を適切な航海判定の代わりに判定することができる。操舵手は船の通常の航海技能の代わりに【判断力】を使うときでも(戦闘以外のときに)出目10を行ったり、援護アクションの利益を得たりすることができる。
全ての搭乗物は舵を取るための操縦装置を持っている。操縦装置は物体の完全耐性と抵抗と独自の性能を持つ典型的な物体である。以下は船の典型的な操縦装置の幾つかに加えそれらの通常のアーマー・クラス、ヒット・ポイント、硬度である。操縦装置が破損状態になったとき、全ての航海判定に-10のペナルティを受ける。操縦装置が破壊された場合、操縦装置が修理されるまで、船は操舵することができない。
全ての搭乗物が推進手段を持っている。ボートと船は流動、膂力、風、あるいは3つの力すべてによって推進させられる。推進の方式は一般に船の移動速度と操縦性に影響を与えるが、もっと重要なこととして、船を操縦するために必要になる技能を決定する。船の操縦は常識、認識、直観力、そして時に船の推進手段を操る技量を要求する。風あるいは流動推進の場合、船を動かすには流動と、帆、オール、ラダーのような道具を使うことになる。膂力推進の場合、船を動かすにはクリーチャーたちを導くことになる。以下は一般的な船の推進方法と、特定の手段によって推進させられる船を操舵するのに概して必要になる技能である。
流動:全てのボートと船は推進力として水流を使うことができるが、ただ推進力を流動に頼るだけの船はいくぶん制限される。これらの搭乗物は他の推進力や操作によって動かさない限り現在の方向と速度で動くだけであり、そのため搭乗物はこぎ舟の膂力や帆船の風のような追加の推進形態を持つことがある。流動推進の船は航海判定のために〈職能:船乗り〉判定を必要とする。
流動推進の船の最大速度は流動の移動速度に依存する(しばしば120フィートほどに上昇する)。流動推進の船の加速度は30フィートだ。
膂力:膂力推進の船は船首へ進む為にオールと漕ぎ手を使う。膂力によって推進する船の為の航海技能は〈交渉〉、〈威圧〉あるいは〈動物使い〉である傾向があり、推進力として膂力を供給するクリーチャーの知性と態度に依存する。
知的なクリーチャー相手なら、推進力を提供しているクリーチャーが中立的、友好的、あるいは協力的な態度をとっている場合(Core Rulebook94ページ)は〈交渉〉を使うこと。もし推進力を提供しているクリーチャーが友好的か協力的である場合、〈交渉〉航海判定に+5ボーナスを得る。平均的な乗組員は、特に忠実な乗組員は友好的に考慮されるかもしれないが、中立的とみなされる。〈威圧〉は奴隷船の捕われの漕ぎ手のような、非友好的か敵対的な態度の知的なクリーチャーに使われる。もし推進力を提供している生きものが知的ではない場合、〈動物使い〉が使われる。
膂力推進の船の最大速度と加速度は推進力を提供するクリーチャーの数に依存するが、大抵の膂力推進の船は30フィートの最大速度と30フィートの加速力を持つ。多くの漕ぎ手がいる大きな膂力推進の船は60フィートの最大速度と30フィートの加速度を持つ。
オール:全ての膂力推進の船はオールの使用が必要だ。オールは独自の性能を持つ(補足文章参照)。
風:風力推進の船は帆を張って風の推進力を利用する。風力推進の船は航海判定のために〈職能:船乗り〉判定が必要だ。
小さい風力推進の船は30フィートの最大速度で動くことができる。膂力推進も使う大きな船は風力推進のみを使う時に最大速度60フィートを持つこともある。多数の帆柱と多くの帆を持っている大型サイズの船は最大速度90フィートを出すことができる。風力推進の船の加速度は30フィートである。
すべての風力推進の船は、順風に動くとき、通常の最大速度の2倍で動くことができる。風力推進の船は逆風の方向に動くことができない。
帆と索具:全ての風力推進の船は帆と索具の使用を必要とする。全速力で動くには、船はその船のマス1つごとに、マスの10倍ぶんの5フィートマスの帆を張った帆柱1本が必要である。例えば、3本の帆柱を持っている3マスの船は90のマスの帆を必要とする。帆は独自の性能を持つ(補足文章参照)。
推進手段の混在:いくつかの船は複数の推進形態を使う。複数の推進手段は適応性を付与し、より速い移動を引き起こすために連携して動かすことができる。もし船が風と膂力のような推進力の2つの手段を持っているなら、それは一般に最大速度を決定するに際し一緒にその2つの最大の速度を加える。加速度は変化しない。三番目の推進力は何も足されず、予備の推進形態として柔軟性を与えるだけである。複数の推進手段を持つ船は出港し動き続けるのに大量の乗組員を要求することがある。
以下は多種多様な船用の推進手段の一部であり、加えてその基本アーマー・クラス、ヒット・ポイント、そして硬度もある。船の推進力の実際のアーマー・クラスを計算するには、基本アーマー・クラスに現在の操舵手の航海技能修正値(あるいは、もし彼女が船を操縦するのに能力値を使っているなら【判断力】修正値)を加えること。推進手段が破損状態となるとき船の最大速度は半分になり、推進力が修理されるか交換するまで船は優位を獲得することができない(12ページ参照)。もし船が移動中で、新しい最大速度より速く移動していたなら、新しい最大速度まで自動的に減速する。
オール:オールはしばしば推進させる船舶よりも弱くそして代替するのは難しい。船のオールを破壊することは船を捕える良い方法だ。もし少なくとも半分の船のオールが破壊されるなら、オールは破損状態を獲得する。もし船のオールのすべてが破壊されるなら、船はもう膂力推進を使うことができなくなり、そして流動かつ/あるいは風力推進のみに頼らなくてはならない。
帆と索具:帆(それを制御する索具も含む)は時に推進させる船よりも弱いが、比較的直しやすい。船の帆を破壊することは船を捕える良い方法だ。帆は[強酸]と[火炎]攻撃から通常の2倍のダメージを受ける(ダメージ・ロールに2を掛ける)。もし少なくとも船の帆のマスの半分が破壊されるなら、帆は破損状態となる。もし船の帆のすべてが破壊されるなら、船はもう風の推進力を使うことができず、流動あるいは膂力推進のみに頼らなくてはならない。
広く開けている海では数マイル先から船がもう相手の船を視認できるため、不意をつくことは事実上不可能である。もし両方の船が交戦することを望むなら、お互いの船が接近し、通常通り対艦戦が始まる。しかしながらもし片方の船が戦闘を避けたいなら、結果として追撃が起こる。GMの裁量において、速い船はいつも遅い船をとらえても良いが、遅い船でさえ順風、流動、あるいは沿岸の地形の利点を得てうまく脱出を果たせる。
2隻の船が初めてお互いと遭遇するとき、2隻の船の操舵手は対抗航海判定を3回行わなくてはならない。どちらの操舵手でも3回の対抗判定のうち少なくとも2つに勝てば勝利である。もし追走している船が勝つなら、逃げている船に追いつくことになり、対艦戦が始まる。もし逃げている船が勝つなら、それは逃れられる。もし結果が引き分けであるなら、操舵手たちは一連の3回の対抗判定を新たに始めるべきである。
互いが相手に操縦性でまさろうと苦闘するときは、このような追撃は何日にもわたる場合がある。GMの裁量において、d4をロールして追跡が続く日数を決定すること。
撤退:対艦戦では、船は戦闘マットの端の外に移動するだけで戦闘から撤退でき、そうすると対艦戦は即座に終了する。GMの裁量において、船は完全に逃げられるかもしれないし、あるいは2隻の船は上の回避と追走ルールに戻ることができるかもしれない。
以下のことは戦闘ラウンドで船がどのように行動するかのルールである。
少なくとも2隻の船が戦闘を行う準備ができた時点で、広い空白の戦闘マットを使って戦闘水域を表すこと。GameMastery Flip-Mat:Shipの裏側は対艦戦の戦闘で使うのに申し分ない空白の格子を含んでいる。1つのマスは距離30フィートに対応している(9ページのサイズと接敵面参照)。
どの船が攻撃側なのか、そしてどちらが防御側なのかを判断すること。海賊であるPCたちは通常攻撃している船であり、相手は通常防御している船であろう(特定の遭遇では立場が逆転するかもしれないが)。適切な数のマスを占める置物を使うことでそれぞれの船を表すか、あるいは29ページで提供されているコマを使うこと。
戦闘マットでの船の位置を確定するには、1d4をロールして船の船首方向(船の向き)を決めること。両方の船が追撃から出てくるので、両者は共に同じ船首方向を持っていると想定する。1のロールは北、2は東、3は南、4は西となる。防御側の船を正しい船首にしながら可能な限り地図の中心に近い位置に置くこと。
次に、1d8をロールして攻撃側の船の方角(別の船と比較しての位置)を決定すること。外した飛散武器の指標(Core Rulebook202ページ)に従い、1の出目は北を指し、2から8までの出目は時計回りにずらして方角を決めること。ある場合には、攻撃側の船を防御側の船より先に置くことになるだろう――これは単に追撃が終わりに至ったとき、攻撃側の船が標的を行き過ぎたことを意味する。
最後に、1d4+2をロールして2隻の船の間の戦闘マットのマスの数を決定すること。攻撃側の船を相手の船から見て適切な方角と距離に配置すること。
遭遇で詳述されていない限り、それぞれの船は30フィートの移動速度で戦闘を始めると想定すること。船に積まれたどんな攻城兵器(18ページ参照)でも戦闘の初めに装填されていると想定すること。
風:もし戦闘中のいずれかの船が移動を帆と風に頼るなら、1d4をロールして船首を判断するのと同じ指標を使うことで無作為に風向きを決定すること。
戦闘が始まるとき、船の操舵手は通常通りイニシアチブを振るべきである――船は操舵手のターンの開始時に動く。もし船に操舵手がいなければ、船は操舵手であった最後のクリーチャーのターンかGMによって決定されたターンに移動する。もし戦闘でアクションをとることを望む場合、望んでいるPCたち(そして戦闘に関係している重要なNPCたち)もこの時にイニシアチブを振るべきである。
すべてのラウンドの初めに、それぞれの操舵手は対抗航海判定を行なってそのラウンドで誰が優位を持っているか決定する。これはいい風を捕えて、潮流を活用し、大波に滑り込み、自分の船で「風を荒らして」相手の船を妨害するといった思いがけない幸運、技量、そして環境を表している。判定に成功した操舵手は優位を獲得し、即座にどんな方角にでもフリー・アクションとして1マスだけ彼女の船を置き直すことができる。成功した操舵手の判定が相手の操舵手の判定を5超えるごとに、優位を持っている操舵手はさらに1マスだけ彼女の船を置き直すことができる。同点の場合、いずれの操舵手も優位を獲得しない。
あるいは、優位を獲得した操舵手は90°だけ彼女の船の船首方向を変えることができる。成功した操舵手の判定が敵対する操舵手の判定を5超えるごとに、優位を持っている操舵手はさらに90°だけ船の船首方向を変えることができる。
風の吹く側の(風向きに近い方の)船は「風上に立っている」と言い、優位を得る為の対抗判定に+2のボーナスを得る。
操舵手のターンの始めにおいて、彼女は船を制御する為の航海判定を行なうことによって、以下の航海アクションのどれでも(「無制御」アクション以外)起こすことができる。ターンの始めに於いて、操舵手はそのターンに行う他の何かの前に、要求される操縦アクションを取らなければならない。ちょうど通常の戦闘のように、操舵手はそれぞれのラウンドで、標準アクションと移動アクションを行うことができる。操舵手がアクションを選択するか、船を無制御にするような他のアクションを取るなら、船は動き出す。もし船の乗組員が半分未満になるか、操舵手がいないか、操舵手がアクションをとらないか、船の操舵をする代わりに何か他のアクションをとるか、あるいはアクションを遅延したなら、船は「無制御」アクションをとる。
全速前進(標準アクション):航海判定の成功により、船の現在の移動速度はその加速度(通常30フィート)だけ上昇するが、その最大速度を超えることはない。船は前方へ、あるいは斜め前方に動くことができる。言い換えれば、船が新しい30フィートのマスに入る度、船首の向きの先にあるマスを選べる――真正面にあるものか、真っ直ぐから1つ斜め前のマスかに。これは船が急に曲がることを可能にする。航海判定に失敗した操舵手は加速できず、ただ船の船首の向きのマスにまっすぐ動くことができるだけである。
取舵一杯、あるいは面舵一杯(標準アクション):それがその現在の速度で前方に進む間に、操舵手は船を回頭することができる。航海判定の成功により、操舵手は船の移動の好きな時点で船の前方の向きを左(取舵)あるいは右(面舵)に90°変更できる。船を旋回することによってこれを行えば、船の一番前のマスは、船の直前の前面の向きのマスを占める。もし船の現在の速度が加速度の2倍であるなら、操舵手は航海判定に-5のペナルティを受ける。もし船の現在の速度が加速度の3倍であるなら、操舵手は航海判定に-10のペナルティを受ける。もし現在の速度が加速度の4倍以上であるなら、操舵手は-20のペナルティを受ける。判定に失敗すると船は回頭しないが、その運動の間に斜めに前へ動かすことができる。注記:逆風に回頭した風力推進の(船首の向きが風が吹いている側で固まってしまった)船は「裏帆を打った」と言われ、操舵手が向きを別の方向に回頭するまで無制御アクションをとり続ける。
停止(標準アクション):航海判定の成功で、船の現在速度は30フィート減少する。判定に失敗すると船は減速しない。いずれにせよ、船は現在の向きへとまっすぐ動くことができ、斜め前方へも動くことができる。もし減速が船の速度を0に下げるなら、いくらかの慣性が前方へ船を動かし続けることとなる。完全停止の前に、船は1d4×30フィート(直接前方へあるいは斜め前方へに)進む。《円熟の操縦者》特技(Ultimate Combat100ページ)は30フィートこの距離を減らす(最小0フィート)。
航路作り(標準アクション):航海判定に成功することで、操舵手は敵の操舵手が対応を強いられるような巧妙かあるいは難しい手妻を行うことができる。この航海判定の結果はその時に敵の操舵手の次の航海判定の難易度になる。判定に失敗すると、船の移動速度は変化しないままでいるが、船は斜め前に動くことができず、敵の操舵手は彼の次の航海判定を通常の難易度で行う。
針路そのまま(移動アクション):航海判定に成功することで、操舵手は現在の移動速度で現在の向きに船を動かすことができ、船は真っ直ぐ前方へ、あるいは斜め前に動くことができる。判定に失敗しても移動速度は変化しないが、船は斜め前にではなく、ただ真っ直ぐ前方へ動くことができるだけである。
全速後退(全ラウンド・アクション):航海判定に成功することで、操舵手は同じ動きで、30フィートの移動速度で真っ直ぐ後ろ(その前方の反対向き)あるいは斜め後ろに船を動かすことができる。判定に失敗すると、それは後ろに動かない。その現在の移動速度が0である場合にのみ、船を後ろに動かすことができる。
無制御(アクションではない):操舵手が何もしないとき、もし操舵手がいないか、あるいはもし船に半分未満の乗組員しかいないなら、船は無制御状態となる。停止するか誰かが新しい操舵手になるまで、無制御状態の船は無制御アクション以外の何もできない。無制御状態の船は前にのみ動き(斜め前に動くことができない)、自動的に30フィート減速する。たとえ船が何もしなくとも、依然として衝突の戦技(以下の衝突を参照)を行なうことができる。
船は一般的に攻撃能力を持っておらず、周囲に機会攻撃範囲を持たないが、幾つかの船には衝角(28ページ参照)を取り付けることができる。幾つかの船は同じく攻城兵器を所持する(18ページ参照)。船が攻城兵器を操作するのに十分な追加の兵員を有しているなら、攻城兵器は攻撃を行なうことができる。乗船している個人は概して対艦戦では驚くような役割は果たさないが、もし攻城兵器を撃つことを望むなら、あるいはもし敵の船が自分たちの遠隔攻撃あるいは呪文の距離内にあるなら、PCたちのような重要なキャラクターたちは巻き込まれる可能性もある。船を攻撃するとき、君は船の構造体、搭乗者、推進力、あるいは操縦装置を攻撃できる。君は接舷し、移乗を試みることもできる。加えて、船は移動の一部として衝突の戦技あるいは切断の戦技を行なうことができる。
構造体への攻撃:これは船自身に対する攻撃である。もし攻撃が成功しているなら、船は通常通りダメージを受ける。
搭乗者への攻撃:これは搭乗者――乗客、操舵手、乗組員、あるいは船に推進力を提供しているクリーチャー――に対する通常攻撃である。搭乗者は部分遮蔽(アーマー・クラスに+2と反応セーヴィング・スローに+1)を受けるか、船の外側から来る攻撃に対してはより大きな遮蔽を得る。船首あるいは船尾にいる搭乗者は遮蔽(アーマー・クラスに+4と反応セーヴィング・スローに+2)を持ち、一方銃眼あるいははねぶたの中にいる者は良好な遮蔽を持つ(アーマー・クラスに+8と反応セーヴィング・スローに+4)。一般に、1度戦闘が(移乗などで)2隻の船の搭乗者の間で始まると、対艦戦は船上戦闘に取って代わられるべきである。
推進力への攻撃:船の推進手段は通常独自の性能を持っており(11ページの補足文章参照)、一方船を推進させているクリーチャーはそれら自身の性能を使う。もし推進力を提供している乗組員が攻撃されるなら、上の「搭乗者への攻撃」を参照すること。個別の船の性能の区画でそれらの推進手段を詳述している。
操縦装置への攻撃:船の操縦装置はそれ自体の性能を持つ物体である(10ページの操縦装置参照)。操縦装置が破壊された時、船はもう操舵することができない。
攻城兵器への攻撃:船に乗せられた攻城兵器は独自の性能を持つ(18ページ参照)。攻城兵器は船の搭乗者として遮蔽から利益を得る。
片舷斉射:幾つかの船は多数の攻城兵器を積むことができる。多数の個々の攻撃ロールを大量に行なって対艦戦を行き詰まらせないよう、攻城兵器は「片舷斉射」で砲撃することができる。片側にある同じ種類の攻城兵器全ては同時に発射することができる。片舷斉射攻撃は船の構造物あるいは推進力を攻撃するためだけに使うことができる。攻撃ロールを1回行い片舷の全ての攻城兵器用に使うこと。もし攻撃ロールが成功しているなら、武器のすべてはそれらの目標に打撃を与える。もし攻撃ロールが失敗するなら、すべての武器が失敗する。攻撃ロールに成功すると、1つの武器の平均のダメージをとり、片舷斉射する武器の数を掛けて攻撃で与える合計ダメージを決定すること。
例えば、10個のライト・バリスタの列を成している帆船が左舷へと片舷斉射攻撃を発射するとする。1つのライト・バリスタが3d8ポイントのダメージを与えるなら平均は13.5ポイントのダメージだ。もし攻撃が命中するなら、片舷斉射は13.5×10、つまり135ポイントのダメージを与える。
ある船の乗組員が敵の船に移乗しその乗組員を攻撃したいと望むとき、彼らはまず相手の船に接舷しなくてはならない。接舷するには、2隻の船はお互いと30フィート以内にいなくてはならない(言い換えれば、それらは戦闘マットで隣接したマスにいなければならない)。もし両方の操舵手が接舷を望むなら、接舷は自動的に成功する。2隻の乗組員は舫いの縄を投げ合って互いの船を引き寄せる。両方の船が衝突の戦技の結果として移動速度が0に減らされた場合、それらは同様に接舷したとみなされる。
片方の操舵手のみが接舷を望む場合、彼女は目標の船の戦技防御値に対し、自分の船の基本戦技ボーナスに操舵手の航海技能判定(か能力値で船を操縦しているなら【判断力】技能修正値)を足し、それを接舷戦技の合計戦技ボーナスにする。もし判定が成功しているなら、目標の船と接舷する。次のラウンド、2隻の船はお互いに隣接して動かされ、そして両方の船の相対速度は0に下げられる。もし船が完全充足の乗組員以下なら、操舵手は接舷戦技を行うための彼女の戦技判定に-10のペナルティを受ける。
接舷を解く:接舷された船の操舵手は相手の船の戦技防御値に対して戦技判定を行って接舷を解く試みができるが、それには-4のペナルティを受ける。もし判定が成功するなら、乗組員は接舷を解き、解放された船は通常通り動くことができる。
移乗:1度2艘の船が接舷されると、乗組員は相手の船に移乗することができる。最も高いイニシアチブを持つ操舵手は自分の乗組員と一緒に相手の船に移乗するか、相手の乗組員が自分の船に移乗するのを待つかを選ぶことができる。相手の船に移乗するキャラクターは、船上戦闘の最初のラウンドの間、船の横木を登り越え敵の甲板で橋頭堡を見いだすことの困難さから立ちすくみ状態であるとみなされる。コルウス(21ページ参照)を別の船に移乗するために使うキャラクターは立ちすくみ状態であるとみなされない。
標的に衝突するには、船は少なくとも30フィート動いて前方のマスが目標のマスに隣接するように終了しなければならない。船の操舵手は目標の戦技防御値に対して船の基本戦技ボーナスに操舵手の航海技能修正(あるいはもし船を操縦するのに能力値を使っているなら【判断力】技能修正値)を衝突戦技の合計戦技ボーナスにして値衝突の戦技判定を行わなければならない。もし判定が成功しているなら、船は目標に命中し、その衝突のダメージを目標に与える。衝突した側の船はそのダメージの半分を受ける。船の基本衝突ダメージはその性能区画(22ページ参照)に載っている。もし操舵手の戦技判定が5以上目標の戦技防御値を超えるなら、目標は船の衝突ダメージの2倍を受ける。もし戦技判定が10かそれ以上目標の戦技防御値を超えた場合、目標は船の衝突ダメージの2倍を受け、目標の速度は即座に0に下げられる。戦技判定の結果にかかわらず、衝突を行っている船の速度は0に下がる。
もし船がもう1隻の船あるいは堅い物体(5以上の硬度を持っている不動の構造物)に衝突するなら、その時も操舵手の意志にかかわらず、衝突の戦技を行う。この衝突戦技用の戦技判定はない; その効果は自動的に起こる。船が堅い物体に対して衝突の戦技を行うとき、その堅い物体と衝突側の船両方がどれだけのダメージを受けるか決定するために、船が頑丈な物体の接敵面に入らせること。もしダメージが堅い物体を破壊するのに十分であるなら、船はただその接敵面を通過するだけである; 他のすべての状況で、船はダメージを受け、その移動速度はすぐに0に下がり、その堅い物体の真正面で急停止する。
船は前方に衝角を備えることができる。衝角が設置された船は衝突の戦技でさらに2d8ポイントのダメージを与え、侵入した硬い物体の最初のマスに入ることによるダメージと、クリーチャーや他の物体(他の船など)に衝突することによって受けるあらゆるダメージを無視する。衝角は大型船で50GP、超大型船で100GP、巨大船で300GP、超巨大船で1,000GPで加えることができる。
もし船が完全充足ではないが最低でも定数の半分の乗組員を乗せている場合、衝突の戦技を行う操舵手は戦技判定に-10のペナルティを受ける。その船の半分以下しか乗組員がいない船は衝角の戦技を行なうことができない。
髑髏と枷アドベンチャー・パスでの艦隊戦は、PCたちは敵の船を沈めることよりも捕えることにより興味を持つと想定している。結局のところ、もし君が船を沈めるなら、君はその貨物を略奪したり、その乗組員と乗客を身代金を払って取り戻させたり、その船を売る(あるいは使う)ことができない。そうして船に移乗すると、対艦戦は終了し、船上戦闘が最初に移乗された船で開始される。
船上戦闘は通常2隻の船の間での「重要人物たちの」戦いである――普通はPCたちが敵艦の上で敵艦の船長と他の主要なNPCたちと通常戦闘をすることを意味する。その間、2隻の船の乗組員は背景でお互いに戦っていると想定する。
「重要人物たちの」戦闘で勝つ者は誰でも(PCたちでも敵のNPCたちでも)戦闘全体で勝利する。言い換えれば、もし船長が敵の船長を破るなら、船の乗組員は敵の乗組員に勝つことになる。船の乗組員が戦闘で負けそうであっても、負けた乗組員のうち十分な数が勝者側の乗組員に加勢して、劣勢を挽回すると想定する。これはPCたちが戦闘それぞれで低レベルの相手大多数と戦闘を繰り広げなければならないことを、そして乗組員がどれだけ犠牲になったかの正確な数を記録する必要性を防止する。
PCたちは船上戦闘で倒した敵の通常の経験点を得る。たいていの状況で、対艦戦は単なる主な戦闘の序曲の役割を果す。しかしながら、もしPCたちが全部の対艦戦で戦い切って相手の船の船長やNPCを戦うことなく船を沈めたり壊したりすることを決めたなら、彼らは、(船長が対艦戦で敵の船の操縦をする唯一の人物であるものとして)船長の脅威度に基づいた経験点を得る。
もし目標の船が膂力推進力のためにオールを使うなら、船は敵対する船のオールを切断しようと試みることができる。切断の戦技を試みるには、船は目標の前方か、あるいは後方のマスに隣接し、目標の船のマスの数と等しい数の隣接したマスだけ目標に沿って動かなくてはならない。船の操舵手は目標の戦技防御値に対して、切断の戦技の総戦技ボーナスとして船の基本戦技ボーナスに操舵手の航海技能修正値を加えたもの(あるいはもし船を操縦するのに能力値を使っているなら【判断力】技能修正値)を使用して切断の戦技判定を行わなくてはならない。もし判定が成功しているなら、船は目標のオールを切断する。目標のオールはオールの合計最大ヒット・ポイントの半分にするようなダメージをヒット・ポイントに受けて破損状態になり、船の最大移動速度は半減し操舵手は優位を得れなくなる。もし目標船が動いており、そしてその新しい最大速度より速く移動していたなら、それはその新しい最大速度に自動的に減速する。膂力推進力のためにオールを使わない船は切断戦技に影響されない。
もし船が完全充足ではないが最低でも定数の半分の乗組員を乗せている場合、操舵手は切断の戦技を行うための戦技判定に-10のペナルティを受ける。その船の半分以下しか乗組員がいない船は切断の戦技を行うことができない。
もし船に操舵手がいない場合、別のクリーチャーは船の操縦装置に隣接している限り船の操縦を行うことができ、フリー・アクションで航海判定を行う。船の操舵手は常にフリー・アクションとして操縦を別の隣接したクリーチャーに譲ることができる。もしクリーチャーが無理やりもう1体から船の操縦をうばうことを望むなら、操舵手を殺すか、さもなければ操舵手を操縦装置から取り除かなくてはならない。新しいクリーチャーが操舵手になったとき、船は新しい操舵手のターンに移動するが、新しい操舵手が船の制御を得た最初のターンにはそうならない。
船は主要な構成要素に基づくヒット・ポイントと硬度を持つ。船は大部分が木から作られている(5フィートマスごとに15ヒット・ポイント、硬度5)。船のヒット・ポイントが半分未満に下げられたとき、破損状態となる。0ヒット・ポイントになったとき、船は沈没状態となる。
破損状態:船――そして時にその推進手段――は物体であり、他の物体と同様、ヒット・ポイントの半分を超えるダメージを受けるとき、破損状態になる。船が破損状態になるとき、それは航海判定、セーヴィング・スロー、戦技判定、アーマー・クラスに-2のペナルティを受ける。もし船あるいはその推進手段が破損したなら船の最大速度は半減され、そして修繕されるまで船はもう優位を獲得することができない。もし船が動いていてその新しい最大速度より速い移動速度にあったなら、その新しい最大速度まで自動的に減速する。
沈没状態:ヒット・ポイントが0以下に下げられた船は沈没状態となる。沈没状態の船は動いたり攻撃することができず、それが沈没状態になった後、10ラウンド後に完全に沈む。追加の攻撃が沈没状態の船に25ポイント以上のダメージを与えるごとにそれが沈むまでに残っている時間を1ラウンド減らす。沈没状態の船が完全に水の底に沈むと、破壊されたと見做される。破壊された船は修理することができない――それは著しく破損しているので、廃材としてさえ使うことができない。もし船のヒット・ポイントが0を超えた場合、魔法(メイク・ホウルのような)は沈んでいる船を修理することができ、そしてその時点で船は沈没状態ではなくなる。通常は、魔法によらない修理は1度沈み始めた船を沈没から救うにはあまりにも時間がかかる。
船を修理する最も早く、最も容易な手段は呪文である。メンディングは船のような大きい物体に重要な影響を与えるほど強力な力はないが、メイク・ホウルはそれが人造であるかのように船に影響を与え、1レベルにつき1d6ポイントのダメージを修繕する。加えて、いっそう世俗的な方法も船を修理するのに使うことができる。専門的な造りのため、船(オールと帆も同様)は通常修理するのに〈製作:船〉の技能を要する。ダメージの性質にもよるが、〈製作:大工〉あるいは〈製作:帆〉、あるいは種々の〈職能〉技能さえ、GMの承認があれば船を修理するために使うことができる。一般に、適切な技能を船を修理するために使っている1人による作業の1日の作業は難易度10の技能判定と10GPの原材料が必要であり、そして成功によって10ポイントのダメージ、あるいは失敗によって5ヒット・ポイントを修理する。ファブリケイトを修理に必要な未加工の材料を作り出すために使うこともできる。新しいオールはそれぞれ2GPで購入することができる(Core Rulebook159ページ)。
火は木製の船にとって常にある脅威であり、大抵の船は松明やランタンを落としただけで炎上の危険がある一方、錬金術あるいは魔法の火はもっとずっと危険である。多くの瞬間的な[火炎]呪文は自動的に船に着火させないが、複数ラウンド以上[火炎]ダメージを与える呪文は船に着火させる更なる可能性を持っていることに注意(以下の魔法の項目参照)。
船は(錬金術師の火、火矢、特定の呪文、そしてGMが判断する他の効果からのような)[火炎]ダメージを得るとき、すぐに頑健セーヴ(難易度10+与えられたダメージ)に成功しない限り着火する。攻撃が特に(帆のような)船の推進手段に目標を定めないなら、このような攻撃は船自身の構造に影響を与えるとみなされる。
1度船が着火すると火が広がっていき、自動的にラウンドごとに2d6ポイントの(硬度を無視した)[火炎]ダメージを受ける。船の乗組員は、全員で全ラウンド・アクションとして炎を消そうと試みることで船が反応セーヴ(難易度15+船に火が点いたラウンド数)を行える。セーヴィング・スローの成功は火が消されたことを意味する。セーヴィング・スローの失敗は船がそのラウンドに2d6ポイントの通常の[火炎]ダメージを受ける結果となる。
その時船は動かされていないため、乗組員が火を消そうと試みている毎ラウンド船は「無制御」アクションを取らなければならない。
火、炎の拡散や火との戦闘の詳しいルールがもっと欲しい者はPathfinder Adventure Path #30:The Twice-Damned Princeの「Catastrophe!」の記事で提供されたシステムを使うことができる。
クリーチャーは呪文で船を攻撃することができる。船は物体であり、クリーチャーだけを目標を定めることができる呪文は船に影響を与えない。しかしながら、船は活発に乗船され操縦されるため、呪文効果に対してセーヴィング・スローを行うことができる。船は意志セーヴを要求する呪文の多くに完全耐性がある。乗組員がいない船は装備中ではない物体であるとみなされ、セーヴィング・スローを行なうことができない。
船に対する多くの呪文の効果は通常通り決定できる。しかしながら、ある特定の呪文は海戦で異なる効果を持つ。これらの呪文の効果は以下のページに詳述される。GMはこれらの例をここで一覧になっていない他の呪文がどのように船に影響を与えるか決定するかの指標として使うことができる。多くの場合、これらの効果は通常の船上戦闘ではなく対艦戦の間のみ適用されるが、一部の効果(点火など)はGMの裁定によってどちらでも適用されるかもしれない。
アイス・ストーム、スリート・ストーム:これらの呪文によって作られたみぞれ、雪、氷は船と共には移動しないが、甲板は氷で覆われているとみなされる。これらの呪文は同様に船が火事を消す為の追加のセーヴィング・スローを行なうことを可能にする。
アシッド・フォッグ、ソリッド・フォッグ:これらの呪文によって作り出された効果は船と共には移動しないが、それらを通っている船の移動速度を半分に下げる。
アニメイト・オブジェクツ:操舵手の管理下にある船は操舵手の同意なしでこの呪文によって動き出すことはない。術者が指示する通りにアニメイト・シップは動く。術者は船の操舵手とみなされ、それ以外の乗組員を必要としない。ヒット・ポイントのような、アニメイト・シップの性能は変更しない。
アライン・ウェポン、キーン・エッジ、グレーター・マジック・ウェポン、マジック・ウェポン:これらの呪文は攻城兵器と攻城兵器の矢弾にも影響を与える。
インセンディエリ・クラウド:この呪文によって作られた雲は船と共には移動しないが、術者は雲が船に付いていくよう精神集中することができる。この呪文は船に火を点けることができる。
ウォープ・ウッド:曲げられた船は水漏れを発生させ、破損状態となる。もし曲げられている間に船のヒット・ポイントが半分以下に下がったなら、それは沈没状態となる。
ウォール・オヴ・アイス、ウォール・オヴ・ソーンズ、グローブ・オヴ・インヴァルナラビリティ、タイニィ・ハット、レッサー・グローブ・オヴ・インヴァルナラビリティ:これらの呪文によって作り出された効果は船と共に移動する。
ウォール・オヴ・ファイアー:船の甲板に発動されたウォール・オヴ・ファイアーは船と共に移動し、甲板上で着火を始めることができる。甲板上に発動しないならウォールは船と共に移動せず、甲板上で着火を始めることはない。
ウォール・オヴ・フォース、フォースケージ、リジリアント・スフィアー:もし船に固定されるなら、これらの呪文の効果は船と一緒に移動する。固定しないなら、それらは船と共には移動せず、そしてそれらにぶつかった船は衝突戦技を行う(14ページ参照)。
オブスキュアリング・ミスト、クラウドキル、スティンキング・クラウド、ストーム・オヴ・ヴェンジャンス、パイロテクニクス、フォッグ・クラウド、ブレード・バリアー、マインド・フォッグ:これらの呪文によって作り出された効果は船と共には移動しない。
ガーズ・アンド・ウォーズ、スクリーン、メイジズ・プライヴェイト・サンクタム:これらの呪文は船に発動することができる。
ガシアス・フォーム:ガシアス・フォーム中のクリーチャーは船とともに移動しない。
グレーター・テレポート、ディメンジョン・ドア、テレポーテーション・サークル、テレポート:船は常に動いているので、(瞬間移動)の副系統の呪文の術者が船に瞬間移動するには視線が通っていなければならない。通っていないなら、術者は最初に特定の船を念視し、念視した目的地にすぐに瞬間移動しなくてはならない。呪文発動するどんな遅れでも船がその念視した場所から動いたことを意味し、呪文は失敗する。
コール・ライトニング、コール・ライトニング・ストーム、スコーチング・レイ、ストーム・オヴ・ヴェンジャンス、チェイン・ライトニング、ライトニング・ボルト:これらの呪文で船に火は点かない。
コントロール・ウィンズ:この呪文によって作られた風の範囲は船と共には移動しない。
コントロール・ウォーター:船はこの呪文の効果範囲を離れることができず、呪文の持続時間中、「無制御」アクションを取らなければならない。
サンバースト、サンビーム:これらの呪文は船に半分だけのダメージを与える。
シンパセティック・ヴァイブレーション:船はこの呪文の目的に際し支えなしで立っている構造物であるとみなされる。
ディスインテグレイト:この呪文は船に術者レベル毎に2d6ポイント(最大40d6)のダメージを与える。
ディレイド・ブラスト・ファイアーボール、ファイアー・シーズ、ファイアーボール、フレイミング・スフィアー、フレイム・アロー、フレイム・ブレード、プロデュース・フレイム、メテオ・スウォーム:これらの呪文は船に火を点けることができる。
パスウォール:船はこの呪文の効果を受けない為に頑健セーヴを行うことができる。この呪文によって影響を受けている船は破損状態かつ沈没状態となるが、呪文が終わる時(沈没した船は沈められたままだが)、船はその通常の状態に回復される。
ファイアー・ストーム、フレイム・ストライク:船が[火炎]ダメージに対してのセーヴィング・スローに出目1をロールしなければ、これらの呪文は船に火を点けない。
ファブリケイト:この呪文によって作られた材料は船を修理する(16ページ参照)ために使うことができる。
ブラック・テンタクルズ:この呪文は水の表面あるいは船の甲板に発動することができる。触手は船には攻撃しない。
フリージング・スフィアー:この呪文は船自身ではなく船の周りの水に目標を定めることで氷で船を捕えようと試みることに使える。船の操舵手が氷を振りほどくのに難易度25の航海判定に成功しなければ、船の移動速度は呪文の持続時間中0に下げられる。
プリズマティック・ウォール、プリズマティック・スフィアー、プリズマティック・スプレー:船が呪文の効果範囲を通過して、[火炎]ダメージに対してのセーヴィング・スローに出目1をロールしなければ、これらの呪文は船に火を点けない。もし呪文が船に固定されるなら、プリズマティック・スフィアーあるいはプリズマティック・ウォールは船と共に移動する。そうしないなら、それは船と共には移動しない。
ポリモーフ・エニィ・オブジェクト:船は多数の物体の寄せ集めである。結果として、超大型かそれより大きい船はこの呪文によって影響を受けるにはあまりにも大きい。
ミラージュ・アーケイナ:船はこの呪文の目的に際し建物と見做される。
メイク・ホウル:それが人造であるかのように、この呪文は船に影響を与える。
メイジズ・マグニフィシャント・マンション、ロープ・トリック:これらの呪文によって作られた他次元界空間の入口は船と共には移動しない。
リヴァース・グラヴィティ:船がこの呪文の効果を受けるためには呪文の効果範囲の中に完全に入らなくてはならないが、船の甲板上のクリーチャーと物体は通常の効果を受ける。もし船全体が効果を受け、そして50フィートを超えて落下した場合、船が着水するためには操舵手が難易度20の航海判定に成功しなければならず、さもなければ沈没状態となる。
リペル・ウッド:もし君が船の上に立っているなら、その船は君にとって固定された物体であるとみなされ、この呪文による影響を受けない。君の船に繋がれていない物体、あるいは距離以内の他の船には、通常の影響を与える。操舵手の制御下にある船はこの呪文の効果を受けない為の意志セーヴを行うことができる。
ワールウィンド:大抵の船はこの呪文によって効果を受けるにはあまりにも大きいが、船の甲板の繋がれていない物体やクリーチャーは影響を受けるかもしれない。
ウィンド・ウォール:船に固定するなら、この呪文の効果は船と共に移動する。
攻城兵器は幾つかの方法で矢弾を飛ばすことで遠くから構造物と人々を襲う。以下のルールは、Pathfinder RPG Ultimate Combatに載っている攻城兵器ルールの修正版であり、船の甲板に積んで使用することができる攻城兵器のみに焦点をあてる。
髑髏と枷アドベンチャー・パスの全ての攻城兵器は個別の攻城兵器の記述に異なる記載がない限り、以下の基本的なルールを使用する。
習熟:攻城兵器は特殊武器である。《特殊武器習熟》特技によってキャラクターは1つの種類の攻城兵器の発射がペナルティなしでできるようになる。《攻城技師》特技(Ultimate Combat118ページ)を持つクリーチャーは全ての攻城兵器に習熟している。
特技:Ultimate Combatで提示したいくつかの特技は攻城兵器で使うことができる。それらは以下を含む:《攻城技師体得》、《攻城司令官》、《攻城技師》、《攻城射手》。
兵員:攻城兵器のサイズの大きさはその使用にしばしば兵員が必要になる。その兵員の1人が兵長となる。通常兵長は攻城兵器の移動を制御するか、あるいはその目標を指定する; 時には兵長は両方を行う。しばしば兵長は攻城兵器を機能させるためにアクションと特定の判定を要求される。アクションの消費と判定によって攻城兵器を機能させるには残りの兵員が要求される。攻城兵器の兵員は船を操作するのに必要な乗組員とは別枠である。
攻城兵器の作成:攻城兵器は複雑な装置であり製造に難易度20の〈製作:攻城兵器〉の技能判定が必要である。
魔法および高品質の攻城兵器:攻城兵器は〈製作〉難易度を5増加し300GPの費用を追加することで高品質にすることができる。高品質の攻城兵器は通常の魔法の武器の2倍の費用で強化することができる。攻城兵器の強化ボーナスは攻撃ロールと(曲射攻城兵器の場合)照準判定に適用される。
攻城兵器の無力化:攻城兵器は無力化が困難な装置であると見なされ、そうするには2d4ラウンドの努力と難易度20の〈装置無力化〉判定が必要である。無力化した場合、攻城兵器は動作しないか阻害され、使用した1d4分後に動作を停止する。
攻城兵器の修理:破損しているか、あるいは無力化された攻城兵器を復元することは難易度20の〈製作:攻城兵器〉、〈装置無力化〉、あるいは〈知識:工学〉判定が必要である。装置を復元するには10分間かかり、復元に失敗した場合は判定に再挑戦できる。
防御とヒット・ポイント:全ての攻城兵器は一般に木で作られた物体である。攻城兵器は【敏捷力】が0(-5ペナルティ)であり、さらにそのサイズに基づくペナルティが課せられる。攻城兵器の各種別は独自の硬度とヒット・ポイントをもつ。攻城兵器は装甲化できる──装甲の費用を決定するにあたり、攻城兵器をそのサイズのクリーチャーとして扱う。高品質の攻城兵器の装甲は鎧を強化するのにかかる通常の費用の2倍で強化できる。装甲化した攻城兵器はその特定の鎧が通常与えるのと同じだけアーマー・クラスにボーナスを得(盾は攻城兵器に対して何の効果も与えない)、硬度とヒット・ポイントはその鎧と等しくなり、鎧ボーナス×5に等しいボーナス・ヒット・ポイントを持つ。
攻城兵器の組み立て:攻城兵器は分解して積み込みあるいは輸送でき、そして船の甲板で再度組み立てることができる。大型の攻城兵器は組み立てるのに1時間と4人の労働者が必要である。超大型の攻城兵器は組み立てるのに2時間と6人の労働者が必要である。それぞれの組み立て作業者は難易度10の〈製作:攻城兵器〉判定を行わなくてはならない; 未修得である場合は、その作業員は出目10ができない。組み立ては必要な時間を倍にすることで、必要な作業員の半数がいれば行うことができる。半分未満しか活用できない場合、攻城兵器を組み立てることはできない。
攻城兵器は2つの方法のうち1つで大きな射出物を発射する:直射あるいは曲射。両方とも装填するのにも、狙いを定めるのにも多くのアクションを必要とし、その基本的なルールは以下に詳述される。
矢弾の装填:遠隔攻城兵器に射撃させるには、矢弾が装填されていることが必要である。矢弾の装填には攻城兵器に応じていくつかの全ラウンド・アクションがかかる(この時間は兵長が《攻城技師体得》特技[Ultimate Combat109ページ]を取得していれば移動アクションに減少できる)。例えば、ライト・バリスタは2体のクリーチャーに装填されるのに1ラウンドかかる、それぞれのクリーチャーが装填に必要な2回の全ラウンド・アクションの1つを受け持つからだ。
攻城兵器の照準:攻城兵器は望んだ目標(直射攻城兵器の場合)またはマス(曲射攻城兵器の場合)への攻撃のために照準を行わなければならない。照準には特定の攻城兵器に応じていくつかの全ラウンド・アクションを使用する。少ない兵員による攻城兵器の照準は、その攻城兵器の照準にかかる時間を2倍にする。攻城兵器の攻撃にあたり新しい目標またはマスを選択するたびに、その攻城兵器は新しい照準を行わなければならない。例えば、2体のクリーチャーによって照準されるライト・カタパルトは次のターンに発射できるようにするのにカタパルトで狙いつけるのに1ターンを費やさなければならない、ライト・カタパルトは照準に2全ラウンドかかるからだ。もしそのライト・カタパルトで代わりに3体のクリーチャーが兵員として働くなら、2体がそれの照準に全ラウンド・アクションを費やし、残っているクリーチャーは標準アクションでそれを発射することができる。
直射攻城兵器:直射武器はその矢弾を比較的まっすぐな軌道で射出し、より容易に真正面の目標のクリーチャーや障壁を直接目標にできる。
直射攻城兵器は通常の遠隔攻撃ロールを使い、それを操作する兵員のうち誰も攻城兵器に習熟していない場合習熟していない仕様による通常のペナルティを受ける。加えて、直射武器は照準を行っているクリーチャーよりも武器のサイズ分類が大きくなるごとに攻撃ロールに-2のペナルティを負う。〈知識:工学〉のランクを持つクリーチャーは、直射攻城兵器を射撃する際にそのサイズによる悪影響を受けない。
膨大なマンパワーはサイズによるペナルティを減少させる。これらの武器の兵員を1以上増加させることにより、クリーチャーのサイズによる攻撃ロールのペナルティを減らすことができる:追加の兵員が直射武器よりサイズ分類が3段階を超えて小さくない限り、その兵員は照準するクリーチャーのサイズによるペナルティを2減じる。例えば、兵員4体(これは要求される最小兵員数より1体多い)のうち中型クリーチャー1体が発射する超大型バリスタは攻撃ロールに-2のペナルティしか受けないが、兵員5体ならペナルティを全て無効化する。
曲射攻城兵器:曲射武器は高く弧を描くように目標に向けて矢弾を射出する。これらは一般に直射武器よりも重い飛翔体と積載物を投げつけるが、正確に照準をつけるのは難しい。曲射武器は多くの形態の防備を迂回することができ、固体弾、散弾、あるいは病原体まみれのくずさえ、他の船を超えて目標に投じることができる。
曲射武器はCore Rulebookにあるカタパルト用の記述に似た照準の機構を使用し、以降それを曲射攻撃と言及する。以下はこれらのルールの更新である。
曲射攻撃:曲射攻城兵器による射撃を行うため、兵長はその攻城兵器の難易度に対して照準判定を行う。この判定は兵長の基本攻撃ボーナス、その技能を修得している場合〈知識:工学〉技能修正値(未修得の場合【知力】修正値)、攻城兵器に習熟していないことによるペナルティ、および表2にある適切な修正を使用する。判定に成功した場合、曲射攻撃の矢弾は攻城兵器の照準したマスに命中し、その攻撃の範囲内にいる物体またはクリーチャーに指定されたダメージないし効果を与える。クリーチャーは攻撃の効果を限定するためのセーヴィング・スローを行えるかもしれない; それは通常は使用された矢弾の種類に基づく。
目的のマスへの攻撃が失敗した場合、どの方向に射撃が逸れたかを決定するために1d8をロールする。ロールの1は矢弾が目標のマスに達しなかったことを示し(攻城兵器側に向かう)、ロールの2から8は目標のマスの周囲を時計回りに数える。攻撃が行った射程単位ごとに1d4をロールする(目標のマスが兵器の射程単位内であれば1d4、目標のマスが2番目の射程単位であれば2d4、というように)。その合計が攻撃が外れて逸れたマスの数である。矢弾は着弾したマスにダメージとその他の効果を与える。
修正値 | |
---|---|
-6 | |
連続射撃(兵員は最新の失敗の着弾点を見ることができる)*以前の失敗ごとに+2ずつ累積する(最大+10) |
+2* |
+1* | |
命中後の連続射撃 |
+10 |
クリティカル・ヒット:直射攻城兵器がクリティカル・ヒットを決めた場合、それはクリティカルが確定し、他の武器と全く同様にクリティカル・ヒット・ダメージを与える。もし曲射攻城兵器がその照準判定で出目20をロールしたなら、クリティカル・ヒットも確定できるかもしれない。兵長はクリティカルを確定するための照準判定を再ロールしなくてはならない。もし照準判定の確定が成功しているなら、攻撃はクリティカル・ヒットとなり、攻城兵器はそのダメージにそのクリティカル倍数を掛ける。通常攻撃と異なり、攻城兵器攻撃は物体にクリティカル・ヒット・ダメージを与えることができる。攻城兵器は兵員または兵長が持っているクリティカル特技から利益を得ることはない。
事故と不発:直射攻城兵器の攻撃ロールでか曲射攻城兵器の照準判定で出目1を振った場合、事故が起こる。通常、事故は攻城兵器に破損状態を適用する。破損状態の攻城兵器は攻撃ロール、照準判定、およびダメージ・ロールに-2ペナルティを負う。
兵長として働くクリーチャーが《攻城技師》特技を持っている場合、そのクリーチャーは攻城兵器の射撃時に出目1を出しても事故を起こさない。
攻城兵器は表3に以下の規格で書かれている。
費用:この値は攻城兵器の金貨(GP)での費用である。この費用は兵器の運用に必要な装備だけでなく、維持管理する為に必要な装備も含む。一般的な矢弾の費用と重量は攻城兵器の説明に記載されている。
ダメージ:この列にはその攻城兵器が通常与えるダメージを記載している。通常の遠隔武器と異なり、攻城兵器は物体へ完全なダメージ与える。攻城兵器は、急所攻撃またはその他の種類の狙いの正確さに基づくダメージを与えることはない。
クリティカル:この列の項目には兵器がクリティカル・ヒット(Core Rulebook144ページ)のルールをどのように使用するかが記載されている。通常の遠隔武器と異なり、攻城兵器はクリーチャーと同様に物体にもクリティカル・ダメージを与えることができる。
射程:この項目に記載されているよりも離れた距離からの攻撃は射程によるペナルティを受ける。この射程を超えた攻撃または照準判定は、目標までの距離までの完全な射程単位(またはその分数)ごとに累積する-2ペナルティを負う。いくつかの攻城兵器は有効な最小射程を持ち、その武器の射程に続けてカッコ書きで記載されている。
タイプ:武器と同様に、攻城兵器は与えるダメージの種類に分類される:殴打、斬撃、刺突。いくつかの攻城兵器はエネルギー・ダメージを与える。これらの場合には、代わりにエネルギー・ダメージの種類が記載されている。
兵員:この列には攻城兵器を適切に運用するために必要な中型クリーチャーの数が記載されている。
照準:この列には攻城兵器の照準に必要な全ラウンド・アクション数が記載されている。攻城兵器が通常の完全充足よりも少ない兵員によって制御されている場合、兵員が攻城兵器の照準のために使用するアクションの数は2倍になる。
装填:この列には攻城兵器の装填に必要な全ラウンド・アクション数が記載されている。
次の攻城兵器は髑髏と枷アドベンチャー・パスで入手可能である。
バリスタ:巨大なクロスボウにも似たバリスタ(大型弩砲)の力は調整可能な一対の腕木を駆動させるねじりバネとして使用される動物の腱の捻れた皮によって提供されている。両腕に接続された弦は後方に巻き上げられ、射出物は射出するための滑動部の溝に装填される。バリスタは直射攻城兵器である。
ライト:アーバレストあるいはスコーピオンとも呼ばれる一般的なこの種類のバリスタは大型であり、動かしやすく、しばしば船の上に設置される。ライト・バリスタは硬度5と50ヒット・ポイントを持つ。ライト・バリスタ・ボルトの費用は10GPで、それぞれの重量は10ポンドである。
ヘヴィ:これらの超大型サイズの攻城兵器は一般に大型の軍船と城塞の防衛に使用される。ヘヴィ・バリスタは硬度5と100ヒット・ポイントを持つ。ヘヴィ・バリスタ・ボルトの費用は30GPで、それぞれの重量は20ポンドである。
カタパルト:カタパルトは投石する攻城兵器であり、ねじった皮を介して稼働する巻き上げられた腕木を動力とし、積載物を椀に入れて弦を解く時にそれを振り上げるようになっている。カタパルトは様々な異なる種類の矢弾を発動することができる(書かれているダメージは石の射出物用のものだ; その他の種類の矢弾は以下の特殊な攻城兵器の矢弾部分に記載されている)。カタパルトは曲射攻城兵器である。
ライト:これらのカタパルトは大型で時に車輪の上に据えられる。ライト・カタパルトの照準難易度は15である。ライト・カタパルトは硬度5と50ヒット・ポイントを持つ。ライト・カタパルトの石の費用は10GPで重量はそれぞれ50ポンドである。
標準:これらの超大型のカタパルトは一個のまま戦場に移送するには大きすぎ、組み立てが必要である。標準のカタパルトは照準難易度は20である。標準のカタパルトは硬度5と100ヒット・ポイントを持つ。標準のカタパルトの石の費用は15GPで、重量はそれぞれ75ポンドである。
コルウス:コルウスは移乗装置であり、目標の船に引っ掛ける鈎のついた、船に垂直の橋を設置する蝶番のある錘の機構を持つ。コルウスは通常は幅10フィートで長さ15フィートである。コルウスは硬度5とマスにつき10ヒット・ポイントを持つ。コルウスの使用には全ラウンド・アクションによる難易度10の〈職能:攻城技師〉判定が必要であり、それによりコルウスは正しい位置に置かれ、相手の船と接舷される。判定に失敗した場合、コルウスは目標をつかみそこね、再準備しなければならない(全ラウンド・アクション)。1度接続されたコルウスを引き剥がすには全ラウンド・アクションとして【筋力】判定を行う。あるいは、コルウスが船に接続されている場合には、どちらかの船の操舵手は標準アクションとしてコルウスを引き剥がすための航海判定を行うことができる(判定が5以上成功するとコルウスは破壊される)。どちらでも判定の基本難易度は15であり、この難易度はコルウスの上に現在立っている小型か中型のクリーチャーにつき5ずつ増加する。クリーチャーが上に立っている間にコルウスが引き剥がされた場合、そうしたクリーチャーは難易度15の反応セーヴィング・スローを行わねばならず、失敗すると落下する。セーヴィング・スローに成功すると最も近い安全な地面の範囲に移動することができるが、そのような移動は機会攻撃を誘発する。コルウスは装甲化できない。コルウスは船の攻城兵器の最大数に含まれない。
ファイアードレイク:これらの超大型の攻城兵器は時に車輪に固定されている。この装置は錬金術師の火の塊を60フィートの直線または30フィートの円錐形のいずれかに発射する(兵器の兵長が選択する)。範囲内の目標たちは6d6ポイントの[火炎]ダメージを受ける(難易度15の反応セーヴで半減); さらにセーヴに失敗したものは着火する。破損状態のファイアードレイクがさらなる事故を起こして爆発すると、20フィートの爆発内のすべてのクリーチャーにダメージを与える(難易度15の反応セーヴで半減)。ファイアードレイクは硬度10と70ヒット・ポイントを持つ。ファイアードレイクが1回に使用する矢弾の費用は200GPで、重量は20ポンドである。
スプリンガル:スプリンガルはクランクを回してねじりバネを引くことで張り合わせた木板を撓ませ、複数の矢を入れた箙を発射して爆発の範囲に弧を描く矢の雨を降らす道具である。スプリンガルは目標のマスとそのマスの周囲15フィートの爆発の範囲に影響を与える曲射攻城兵器である。アロー・スプリンガルが1回に使用する矢弾の費用は20GPであり、重量は10ポンドである。
以下の種類の矢弾は選ばれている種類の曲射遠隔攻城兵器で使うことができる。矢弾の記述はどの攻城兵器の種類がその特殊な弾薬を使うことができるかを明示する。表4の費用と重量は特殊な矢弾の個別の使用法だ。
費用 |
クリティカル |
射程 |
タイプ |
兵員 |
照準 |
装填 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
500GP |
3d8 |
19~20/×2 |
120フィート |
刺突 |
1 |
0 |
2 | |
550GP |
4d6 |
×2 |
150フィート(最低50フィート) |
殴打 |
2 |
2 |
3 | |
ヘヴィ・バリスタ |
800GP |
4d8 |
19~20/×2 |
180フィート |
刺突 |
3 |
2 |
3 |
4,000GP |
6d6 |
― |
― |
3 |
2 |
5 | ||
スタンダード・カタパルト |
800GP |
6d6 |
×2 |
200フィート(最低100フィート) |
殴打 |
3 |
2 |
3 |
アロー・スプリンガル |
1,000GP |
3d8 |
×3 |
100フィート(最低50フィート) |
刺突 |
3 |
2 |
3 |
他 | ||||||||
コルウス |
100GP |
― |
― |
― |
― |
1 |
― |
― |
費用 |
||
---|---|---|
200GP |
10ポンド | |
鎖弾 |
50GP |
30ポンド |
400GP |
20ポンド | |
疫病弾 |
80GP |
20ポンド |
煙幕弾 |
250GP |
20ポンド |
錬金術師の火:この錬金術師の火を入れた硬い陶器の容器はカタパルトの矢弾かバリスタの矢の先に取りつける陶器の球体として使用することができる。目標のマスに命中する際、目標のマスの5フィート以内のクリーチャーと物体それぞれに4d6ポイントの[火炎]ダメージを与え、各クリーチャーは難易度20の反応セーヴィング・スローを行わねばならず、失敗すると着火する(木製の物体は自動的に着火する)。目標のマスの5フィートから30フィートまでの範囲のすべてのクリーチャーと木製の物体は難易度20の反応セーヴィング・スローを行わねばならず、失敗すると半分の[火炎]ダメージを受けるが着火はしない。攻城兵器が事故を起こした場合、この矢弾は発動される前に爆発し、攻城兵器の占める接敵面の1つ(兵長が選択する)が目標のマスであるかのように、攻城兵器およびその近くのクリーチャーと木製の物体のすべてにそのダメージを与える。この錬金術師の火は木製の物体の硬度を無視する。
鎖弾:小さな2つの石を鎖でつないだこの矢弾はカタパルトから発射することができる。帆や索具を引き裂くのに特に向いており、これらの形態の推進機関には通常の2倍のダメージを与える。これはクリーチャーに対しては通常のダメージを与え、命中した場合、そのクリーチャーは難易度20の頑健セーヴィング・スローに成功しなければ打ちのめされて伏せ状態になる。鎖弾は船自体に対してはあまり効果的ではなく、ライト・カタパルトで2d6ポイント、標準カタパルトで4d6ポイントのダメージを与えるだけである。
氷液:この錬金術の氷液で満たされた硬い陶器の散弾はカタパルトの矢弾として使用することができる。目標のマスに命中すると、この矢弾は目標のマスの5フィート以内の各クリーチャーに4d6ポイントの[氷雪]ダメージを与え、さらに各クリーチャーは難易度20の頑健セーヴに成功しなければ1ラウンドの間絡みつかれた状態になる。目標のマスの5フィートから30フィートの間のすべてのクリーチャーは難易度20の頑健セーヴィング・スローに成功しなければ半分のダメージを受ける。攻城兵器が事故を起こした場合、この矢弾は発射される前に爆発し、攻城兵器の占める接敵面の1つ(兵長が選択する)が目標のマスであるかのように、近くのクリーチャー全てにそのダメージを与える。
疫病弾:このカタパルトの矢弾として使用することのできる硬い陶器の散弾は、病気の屍肉と腐肉の有害物質で満たされている。この矢弾は半分のダメージしか与えないが、命中したすべてのクリーチャーは汚穢熱(Core Rulebook557)に晒される。GMは疫病弾が他の病気を負わせることができるようにしてよい。
煙幕弾:この硬質な陶器の球体には、燻煙剤(Advanced Player's Guide185ページ)の大型版のような、薄い壁で隔てられた2つの錬金術的物質が内包されている。これはカタパルトの矢弾としてしか使えない。目標の空間に命中すると、この矢弾はその空間にいるクリーチャーに2d6ポイントのダメージを与え、内容物が混交されて目標のマスから30フィートの放射に、悪臭はするが無害な黄色い煙の範囲を作り出す。この効果はフォッグ・クラウド呪文のように扱うこと。攻城兵器が事故を起こした場合、この矢弾は発射される前に爆発する。その効果は攻城兵器の占めるマスの1つ(兵長が選択する)が中心になる。
小さい筏やロングシップから威圧的なガレオン船、素早いガレー船まで、膨大な種類のボートと船が現実世界には存在する。水上を進む船の中に存在する、形状とサイズによる無数の定義を表すため、以下の性能の区画ではキャラクターがCore Rulebookで購入できる水上搭乗物も含め、いくつかの標準的な船のサイズと重要なその性能を分類分けしている。GMは以下の性能を使うか変更することで、特定の文化や種族用の、特定のキャンペーンの需要に合致した新しい船を作成できる。全ての船は以下の特徴を持っている。
名前:名前あるいは船の種類。
マス:船の実際の寸法に従った、船の戦闘マットの上での一辺30フィートのマスの数。船の幅は常にマス1つであるとみなされる。
費用:その船のGP費用。時に解説や武器の項目でその船に出来る改良が書かれていることがある。これらは船の費用に含まれておらず、衝角あるいは攻城兵器のような追加装備も含まれない。
アーマー・クラスと硬度:サイズ、防御とその建築材料(たいていは木製の船で硬度5)に基づいた船の基本アーマー・クラスと硬度。船の実際のアーマー・クラスを計算するには、船の基本アーマー・クラスに現在の操舵手の航海技能修正値(あるいは、もし船を操縦するのに能力値を使っているなら【判断力】修正値)を加えること。船に対する接触攻撃はその操舵手の航海技能あるいは能力修正値を無視する; 従って船の基本アーマー・クラスが接触アーマー・クラスである。船は決して立ちすくみとみなされない。船が動いていない場合、その有効【敏捷力】は0(アーマー・クラスへの-5ペナルティ)であり、そのアーマー・クラスに追加の-2ペナルティを負う。
ヒット・ポイント:船の合計ヒット・ポイント。その合計ヒット・ポイントの半分を超過してダメージを受けた船は破損状態を得る。ヒット・ポイントが0以下になると、船は沈没状態となる。完全に沈んだ船は破壊されたとみなされる。船は能力値を持っておらず、能力値ダメージや能力値吸収に完全耐性がある。出血ダメージに対しても同様に完全耐性がある。他の物体と異なり、船はエネルギー攻撃から半分のダメージを受けないが、攻城兵器以外の全ての遠隔武器から半分のダメージを受ける。ここにはもしあれば同様に船のオールと帆の合計ヒット・ポイントも並んでいる。
基本セーヴ:船の基本セーヴ修正値。船のセーヴィング・スロー全て(頑健、反応、および意志)は同じ値を持つ。船の実際のセーヴィング・スロー修正値を決定するには、船の基本セーヴィング・スローに操舵手の航海技能修正値の半分(あるいは操舵手の【判断力】修正値の半分)を加えること。船は、意志セーヴィング・スローを必要とするたいていの効果に完全耐性がある(操舵手、乗組員と乗客は概してそうならないが)。
最大速度:これは船の移動できる最大の速さである。船が複数の推進手段を有する場合、最大速度もまた複数有している場合がある。船が帆を持っている場合、それが順風へと動くとき、その最大風力推進速度の2倍で動くことができる。
加速度:これは船が各ラウンドにどのくらい速くその速度を増加できるかの値である。また、船が各ラウンドに安全に減速できる最大量を決定する。
戦技ボーナスと戦技防御値:船の基本戦技ボーナスと戦技防御値。船の実際の戦技ボーナスと戦技防御値を計算するには、船の基本戦技ボーナスに現在の操舵手の航海技能修正値(あるいは、もし彼女が船の操縦に能力値を使っているなら【判断力】修正値)を加えること。船は決して立ちすくみとはみなされない。船が動いていない場合、その有効【敏捷力】は0(戦技防御値への-5ペナルティ)であり、その戦技防御値に追加の-2ペナルティを負う。
衝突ダメージ:衝突攻撃に成功した船(衝角なし)によって与えられる基本ダメージ。
航海判定:一般にその種類の船で航海判定を行なうために使われる技能。
乗組員:これは操舵手も加えた、船を動かすために必要な乗組員の最小人数である。船が膂力推進を使う場合、推進力を提供するクリーチャーの数とサイズもここに並ぶ。船の攻城兵器を操作するために必要な兵員はこの数には含まない。
デッキ:船のデッキの通常の数ととそうしたデッキについての重要な情報はこの部分に書かれている。
貨物/乗客:その船が運ぶことができる積むことができる貨物の量(米トン)と、乗組員でない乗客の数。
マス 1(10フィート×10フィート)費用 ―
ヒット・ポイント 30(オール20)
最大速度 30フィート(膂力); 加速度 30フィート
性能
航海判定 〈交渉〉または〈威圧〉(膂力を使う時); 〈職能:船乗り〉(流動を使う時)
操縦装置 オール
推進手段 2オール
乗組員 1(操舵手兼漕ぎ手、加えて最大で3人の追加の中型サイズの漕ぎ手)
デッキ 1
貨物/乗客 1,000ポンド/3乗客まで(筏は乗組員あるいは乗客として、最大4体の中型サイズのクリーチャーを乗せることができる)
最も基本的な、そして原始的な種類の船である筏は、推進力として2から4本のオールを使う、しばしば丸太から作られている船体がない単純な、平底のボートである。筏は海洋航海のために設計されていない。筏は攻城兵器を積むことができない。
マス 4(20フィート×130フィート); 費用 30,000GP
ヒット・ポイント 1,560(オール1,400、帆320)
最大速度 60フィート(膂力)、60フィート(風)、あるいは120フィート(膂力と風); 加速度 30フィート
性能
航海判定 〈交渉〉または〈威圧〉(膂力を使う時); 〈職能:船乗り〉(風または流動を使う時)
操縦装置 舵柄
デッキ 3
貨物/乗客 150米トン/250乗客
海で最も大きい帆船の1つであるガレー船は両舷に70本ずつオールを持っている。ガレー船は推進力を主にオールに頼る大型船であればどれでも当てはまるが、同様に1~3本の帆を張れる帆柱も持つ。長い海洋航海がこのような船にとって危険であるとき、ガレー船は通常海岸近くに停泊する。この性能の塊は、ビレームとトリレームからギャリオットとドロモンまで、いろいろな歴史的ガレー船を表すために使うことができる。
武器:右舷と左舷それぞれ20箇所に40基までの大型サイズの直射攻城兵器、または船の右舷と左舷それぞれ6箇所に12基までの超大型サイズの直射攻城兵器を設置できる。攻城兵器は配置されている舷側の方向にのみ射撃できる。これらの攻城兵器は設置した側に向けてのみ発射でき、船の前方または後方に向けて射撃することはできない。これらの攻城兵器はガレー船を漕いでいる間は使用できない。
追加の8,000GPで、ガレー船は前方、後方、および中央部に衝角および砲座を備えた楼を取り付けることができる。砲座それぞれは大型か超大型の直射あるいは曲射攻城兵器を固定できる。船首と船尾の砲座に設置された攻城兵器は船首なら前方に、船尾なら後方に砲撃でき、また回転して左右どちらにも発射できる。これらの砲座のそれぞれは大型サイズまたは超大型サイズの直射か曲射遠隔攻城兵器1つを保持し、舷側のいずれか、または配置された方向に射撃することができる。船体中央部の砲座は船のどちらの側にでも射撃することができる。
マス 2(15フィート×50フィート)費用 3,000GP
ヒット・ポイント 600(オール80、帆80)
最大速度 30フィート(膂力)、30フィート(風)、あるいは60フィート(膂力と風); 加速度 30フィート
性能
航海判定 〈交渉〉または〈威圧〉(膂力を使う時); 〈職能:船乗り〉(風または流動を使う時)
操縦装置 舵柄
デッキ 1
貨物/乗客 50米トン/100乗客
この平底の船はその四角の帆を張る1本の帆柱の帆を補うために数本のオールを持っている。海と川両方の航海を行なうことができる。キールボートは戦闘よりむしろ、貨物を運ぶために設計されている。キールボートの種類はコグ、ホイ、ハルク、カーブ、クナールを含んでいる。
武器:1つの大型サイズの直射あるいは曲射攻城兵器を船の前方または後方に保持することができる。この攻城兵器は船首なら前方に、船尾なら後方に砲撃でき、また回転して左右どちらにも発射できる。
超巨大の船
マス 4(20フィート×100フィート)費用 25,000GP
ヒット・ポイント 1,200(オール600、帆320)
最大速度 60フィート(膂力)、30フィート(風)、あるいは90フィート(膂力と風); 加速度 30フィート
性能
航海判定 〈交渉〉または〈威圧〉(膂力を使うとき); 〈職能:船乗り〉(風または流動を使う時)
操縦装置 舵柄
デッキ 2
貨物/乗客 50米トン/160乗客
この船は補強された木の1本の帆柱と魔法処理された帆で製造されているが、オールでも推進させることができる。軍船は多数の乗客が長距離移動を生活する為の物資を運べるだけの貨物空間を持っていないため、近距離の襲撃と軍隊派遣のために使われる。ガレー船と同様、軍船は海洋航海のために設計されておらず、海岸沿いに留まる傾向がある。軍船は貨物船としては使われない。ドレカーやドラッカーと呼ばれる最大の古代スカンジナビアのロングシップや、ガレアス船やランタン・ガレーのような非常に大きいガレーはすべて軍船とみなされる。
武器:船の右舷と左舷それぞれ10箇所に20基までの大型サイズの直射攻城兵器、または船の右舷と左舷それぞれ3箇所に6基までの超大型サイズの直射攻城兵器を設置できる。これらの攻城兵器は配置されている舷側の方向にのみ射撃でき、船の前方または後方に向けて射撃するように旋回させることはできない。これらの攻城兵器は軍船を漕いでいる間は使用できない。
追加の8,000GPによって、軍船は前方、後方、および中央部に衝角および砲座を備えた楼を取り付けることができる。これらの砲座のそれぞれは大型サイズまたは超大型サイズの直射か曲射攻城兵器1つを保持できる。船尾か船首にある攻城兵器は船首なら前方に、船尾なら後方に砲撃でき、また回転して左右どちらにも発射できる。船体中央部の砲座は船の左舷または右舷のいずれかの側に射撃することができる。
大型の船
マス 1(5フィート×10フィート)費用 50GP
ヒット・ポイント 60(オール20)
最大速度 30フィート(膂力); 加速度 30フィート
性能
航海判定 〈交渉〉または〈威圧〉(膂力を使う時); 〈職能:船乗り〉(流動を使う時)
操縦装置 オール
推進手段 2から4オール
乗組員 1(漕手でもある操舵手、加えて最大で1人の追加の中型サイズの漕ぎ手)
デッキ 1
貨物/乗客 1,000ポンド/最大で3乗客(こぎ舟は乗組員あるいは乗客として、最大4体の中型サイズのクリーチャーを乗せることができる)
この小さいボートは2から4本のオールを持っており、主に港、小川、あるいは小さい湖のような小さな水域を渡って少数の乗客を運ぶために使われる。より大きい船はこぎ舟を艀あるいは救命ボートとして使用する。こぎ舟は攻城兵器を積むことができない。この性能はディンギー、ドーリー、スキフ、ウェリィのような、オールによって推進する小さな開けたボートを表すために使うことができる。
マス 3(20フィート×75フィート)費用 15,000GP
ヒット・ポイント 900(帆360)
最大速度 90フィート(風); 加速度 30フィート
性能
操縦装置 舵柄
乗組員 10
デッキ 2
貨物/乗客 100米トン/100乗客
ティエン・シアの平底の帆船は戎克形式の帆を張る2本から3本の帆柱を持ち、それによって少ない乗組員によって容易に航海することが可能である。戎克は一般に高い船尾楼甲板と竜骨がない平らな底を持つため、ダガーボード、リーボード、あるいは大型のラダーに安定性を頼っている。戎克の船体は竹の茎のように、いくつかの防水区画に分けられており、これは船体を強化し漏水を遅める。戎克は海洋航海能力があり、2マイル/時あるいは1日に48マイルの水上速度を持つ。
武器:右舷と左舷それぞれ6箇所に12基までの大型サイズの直射攻城兵器、または船の右舷と左舷それぞれ2箇所に4基までの超大型サイズの直射攻城兵器を設置できる。攻城兵器は配置されている舷側の方向にのみ射撃でき、攻城兵器を船の前方または後方に向けて射撃するように旋回させることはできない。
加えて、大型サイズの直射あるいは曲射攻城兵器を、船の前方あるいは後方に1つづつ保持することができる(船の後方にはその代わりに1つの超大型サイズの直射あるいは曲射攻城兵器を保持することができるが、前方には大型サイズの攻城武器を保持することができるだけである)。これらの攻城兵器は船首なら前方に、船尾なら後方に砲撃でき、また回転して左右どちらにも発射できる。
大型の船
マス 1(10フィート×20フィート)費用 500GP
ヒット・ポイント 120(オール60、帆40)
最大速度 30フィート(膂力または風); 加速度 30フィート
性能
航海判定 〈交渉〉または〈威圧〉(膂力を使う時); 〈職能:船乗り〉(風または流動を使うとき)
操縦装置 オール
デッキ 1
貨物/乗客 2米トン/12乗客まで(船のサイズにもよるが、伝馬船は乗組員あるいは乗客として、最大16体の中型サイズのクリーチャーを乗せることができる)
伝馬船は通常船から陸へと、あるいは船の間で乗客と貨物を運ぶ艀として使うためにより大きな船の甲板に置かれている。幾つかの伝馬船は士官の使用のために確保され、他は上陸用舟艇として、あるいは移乗する一行の運搬に使われる。平均的な伝馬船は長さ16から24フィートであり(しかし最も大きい伝馬船は30フィート以上のものもあり得る)、いずれにせよ4から10本のオールと四角の帆あるいは三角帆を張る1本の帆柱を持っている。伝馬船は2マイル/時あるいは20マイル/日の航行移動速度を持っている。伝馬船は攻城兵器を設置することができない。この性能の区画はカッター、ギグ、ジョリィボート、ランチ、ロングボート、あるいはピンネスのような伝馬船のいくつかの種類や、フェアリング、サンパン、ホエールボートのように小さな開けたボートを表すのに使うことができる。
マス 3(30フィート×90フィート)費用 10,000GP
ヒット・ポイント 1,620(帆360)
最大速度 90フィート(風); 加速度 30フィート
性能
操縦装置 舵輪
乗組員 20
デッキ 2か3
貨物/乗客 150米トン/120乗客
この大きい帆船は四角あるいは三角帆を張る1本から4本の帆柱(通常2あるいは3本)を持っている。しばしば高い船首楼と船尾楼を持つ。帆船は主に海洋航海のために使われる。殆どの貿易船と多くの軍船と海賊船は、何らかの種類の帆船である。帆船は、バーク、ブリガンティン、カラベル型帆船、カラック、ラージャー・コグ、フリゲート艦、ガレオン船、スクーナー、スループ帆船とジーベックを含めて、多彩な異なるデザインがある。4本の帆柱を持ち攻城兵器で武装される帆船はしばしば軍艦として知られる。
武器:船の右舷と左舷それぞれ10箇所に20基までの大型サイズの直射攻城兵器、または船の右舷と左舷それぞれ3箇所に6基までの超大型サイズの直射攻城兵器を設置できる。攻城兵器は配置されている舷側の方向にのみ射撃でき、攻城兵器を船の前方または後方に向けて射撃するように旋回させることはできない。
加えて、最大2つの大型サイズあるいは1つの超大型サイズの、直射あるいは曲射攻城兵器を船の前方と後方の両方に保持することができる。これらの攻城兵器は船首なら前方に、船尾なら後方に砲撃でき、また回転して左右どちらにも発射できる。
マス 3(15フィート×75フィート)費用 10,000GP
ヒット・ポイント 675(オール400、帆120)
最大速度 30フィート(膂力)、60フィート(風)、あるいは90フィート(膂力と風); 加速度 30フィート
性能
航海判定 〈交渉〉または〈威圧〉(膂力を使う時); 〈職能:船乗り〉(風または流動を使う時)
操縦装置 舵柄
デッキ 1(甲板の下に小さい貨物エリア)
貨物/乗客 50米トン/100乗客
この長く、比較的狭いボートは四角の帆を張る1本の帆柱と40本のオールを持っている。それは湖、大海と深い川を縦走することができる。この性能の集まりはカルビ、スネッカ、スケイのような古代スカンジナビアのロングシップや、バリンジャーとバーリンを表すのに使うことができる。
武器:大型サイズの直射あるいは曲射攻城兵器をそれぞれ船の前方あるいは後方に1つずつ2つまで保持することができる。これらの攻城兵器は船首なら前方に、船尾なら後方に砲撃でき、また回転して左右どちらにも発射できる。
全ての船が同じように作られるわけではない。より速い、より頑丈な、あるいはより機敏な船を探しているプレイヤーは自分たちの船に修正を加えることを考えることができる。以下の船の改良のそれぞれは前提条件の行に書かれている〈製作:船〉技能か他の技能か特技を持つ者によって計画され、建造され、(適切に)設置されなければならない。以下の修正の1つで船を変えるには、船大工は望む修正の全体的な複雑さに基づいた最後の難易度に対する技能判定に成功しなければならない。失敗した判定はこの特定の造船業者はその機能を取り付けることができなかったが、機能の費用の1/2が無駄に費やされたことを意味する。別の船大工が作業を完了するには調べなくてはならないが、もし前の修正が別の船大工(異なる建築業者は異なる技術を持つものだ)によってされたなら、彼の判定難易度は2増加する。
以下の船の改良を船に加えることができる。
隠された武器砲門:船の下部エリアは、もしそれらが軍事行動での使用であるなら、ライト・バリスタあるいは大砲のような、大型サイズの直射攻城兵器を収容するための大規模な改造を受ける。隠された武器砲門は難易度15の〈知覚〉判定に成功するだけで認識することができる。それぞれの隠された砲門は武器自身によって必要な空間に加えて、船の貨物容量を5米トン減らす。
可動甲板:船のデッキの諸要素を、全く異なる船に変装するため、動かせるように設計できる。数ダースのかなめ釘を抜くことで、乗組員は隠された横桁で船尾楼を前に滑らせて、帆柱の位置を調整し、舷縁を延長し、船尾楼の甲板を低め、舵輪を交換し、船首像や異なる色の帆といった他の外見的な変更を行う。隠された留め金や操作棒、痕跡はその船を間近で精査する間に難易度20の〈知覚〉判定を行うことで発見できる。
費用:船の基本費用の40%
貨物容量増加:船の構造を効率的に再設計すれば船の蓄えのための空間が増える。船の貨物容量は10%増える。
費用:船の基本費用の15%
ガラスの底:船の底に内側から海の中を見つめるのを妨げない、広い窓ガラスをはめ込む。これは船底をただ厚いガラス(硬度1、ヒット・ポイント3、破壊難易度8)と同じぐらいの強度にする以外船の性能に影響を与えない。
費用:船の基本費用の5%
頑丈な船体:船体は追加の支柱を持ち、船をより厚くより弾力性を持たせるような木の層を付け加えている。船体の硬度は2増加するが、船の貨物容量は10%減少する。
費用:船の基本費用の10%
絹の帆:絹の帆の追加ほど美しい船の改良はほとんどない。これらの帆はプレイヤーが望むどんな色ででも作成することができる; それらはしばしば印象的な海の姿で刺繍される。このような帆は通常遠方の国から輸入される。いっそう効率的に風を捕え、逸らすため、絹の帆は船により良い移動速度を与える。絹の帆を持った船は優位を得るための対抗航海判定に+1ボーナスを得る。対艦戦での船の戦術的な移動速度は影響を受けないが、その航行移動速度は10%増加する。
費用:船の基本費用の15%
金属装甲:金属板を船に取り付けることによって、船体のヒット・ポイントは+15%増加し、その硬度は+4増加する。この修正は船の貨物容量を15%減らす。金属装甲は、すべての航海判定に-1のペナルティを与えて、船を遅くする。艦隊戦での船の戦術的な移動速度は影響を受けないが、その航行移動速度は20%減少する。
費用:船の基本費用の30%
衝角:通常は銅か鉄の鞘である標準的な衝角が船の船首に取り付けられる。衝角を取り付けた船は衝突戦術でさらに2d8ポイントのダメージを与え、固体に侵入する最初のマスによるダメージと衝突しているクリーチャーまたは他の物体(他の船のような)からの全てのダメージを無視する。
費用:50GP(大型の船)、100GP(超大型の船)、300GP(巨大の船)、または1,000GP(超巨大の船)
素早く展開する帆:船の索具は大規模な変化を遂げ、巧みな工作による改良によって帆が通常よりずっと速く上げ下げできるようになる。どんな帆の調整でも通常の半分の時間で行うができ、全ての航海判定に+1のボーナスを得る。
費用:船の基本費用の10%
狭い船体:船はより細長い船体となるよう意図的に設計されており、より狭い空間にも滑り込める。船の横梁(船の幅)は20%減少し、貨物容量は10%減少する。しかしながら、船は全ての航海判定に+2のボーナスを得る。この改良は船の建造時に行われなくてはならず、後で加えることはできない。
費用:船の基本費用の15%
船首像:いくつかの船は船首斜檣に空想の彫刻をみせびらかす。この修正はゲーム・プレイに実際の影響はなく、完全に外観を飾るだけである。プレイヤーにはイルカ、人魚や他のそうした神話のクリーチャーのような、彼ら独自の船首像を設計することが奨励される。
費用:100~1,000GP、港と職人による
追加の乗組員宿舎:これは船の船員が食べて眠るための、より多くの空間を意味する。船は10%多くの乗客を乗せられるが、その貨物容量は10%減少する。
費用:船の基本費用の20%
幅広の舵:幅広の舵はいっそう船を機敏にし、全ての航海判定に+1のボーナスを与える。
費用:500GP
魔法処理されたオール:船のオールは魔法処理され、それらのヒット・ポイントと硬度を2倍にする。この改良は《その他の魔法のアイテム作成》特技を持つ術者によってのみ加えることができる。
必要条件:《その他の魔法のアイテム作成》、〈製作:大工〉あるいは〈製作:船〉難易度15
費用:オールごとに100GP
魔法処理された船体:船の船体は魔法処理され、船のヒット・ポイントと硬度が2倍になる。この改良は《その他の魔法のアイテム作成》特技を持つ術者によってのみ加えることができる。
必要条件:《その他の魔法のアイテム作成》、〈製作:船〉難易度15
費用:船のマスごとに4,500GP
魔法処理された操縦装置:船の舵輪あるいは舵柄は魔法処理され、そのヒット・ポイントと硬度は2倍になる。この改良は《その他の魔法のアイテム作成》特技を持つ術者によってのみ加えることができる。
必要条件:《その他の魔法のアイテム作成》、〈製作:船〉難易度15
費用:1,000GP
魔法処理された帆:船の帆は魔法処理され、そのヒット・ポイントと硬度を2倍にする。この改良は《その他の魔法のアイテム作成》特技を持つ術者によってのみ加えることができる。
必要条件:《その他の魔法のアイテム作成》、〈製作:帆〉難易度15
費用:帆の5フィートマスごとに500GP
密輸区画:船の隔壁は、隔壁のすき間が秘密の貨物収納領域の役割を果たせるように修正される。これは船の貨物容量を変えない。密輸区画は5フィートの立方空間に入るどんな物でも積むことができる。もし君がplunderルールを使っているなら(plunderシステムの詳細はPathfinder Adventure Path♯55にある「The Life of a Pirate」参照)、一般に、1plunderポイントを保持するのに2つの密輸区画が必要となる。難易度20の〈知覚〉判定が船を調査して密輸区画を見つけるのに要求される。
費用:5フィートマスの区画ごとに500GP
木製装甲:海戦の間の防御のため、この船は船体に釘で打ち付けた追加の木の板を持っている。船体のヒット・ポイントは5%増加し、その硬度は2増加する。しかしながら、補強材を支持するための梁のための追加の空間を内部に作らなくてはならないことから、貨物容量は10%減少する。艦隊戦での船の戦術移動速度は影響を受けないが、その航行移動速度は10%減少する。
費用:船の基本費用の20%
竜骨の拡張:船の竜骨はその種類の船にしては通常より長くなる。船の大きさは船首から船尾まで通常より10%長くなるが、貨物容量はまったく影響を受けない。船はいっそう安定し、全ての航海判定に+1のボーナスを与える。この改良は船の建造時に行われなくてはならず、後で加えることはできない。
費用:船の基本費用の10%