錬金術呪文構成要素は錬金術アイテムであり、呪文の通常の効果を変えたり強化したりするために物質要素や焦点具として使用できる。以下に効果の例を示す。ゲームマスターは他の呪文と錬金術アイテムとの組み合わせを許可しても良い。
(物質)と但し書きのある呪文は、その錬金術アイテムを物質要素として使用し、消費する。
(焦点)と但し書きのある呪文は、その錬金術アイテムを焦点具として用い、消費することは無い。
いずれの場合でも、錬金術アイテムは通常の効果をもたらすことはなく、呪文の他の項目に影響を及ぼすことも無い。同じ錬金術アイテムを、物質要素かつ焦点具として同時に使用することはできない。
出典:Pathfinder Player Companion:Adventure's Armory
特に攻撃に用いる呪文において、一般的な酸の瓶は効果のある構成要素として多くの使用法がある。
アシッド・スプラッシュ(焦点):この呪文の与えるダメージが+1ポイントされる。
アシッド・スプラッシュ(物質):この呪文は通常よりも1ラウンド長く持続する。
ディスペル・マジック(物質):(土)の副種別を持つ呪文や効果を解呪したり相殺しようとする際に酸を使用すると、解呪判定に+2のボーナスを得る。このボーナスはディスペル・マジック、グレーター・ディスペル・マジック、あるいは相殺呪文として他の呪文を使用する場合(例えば《相殺呪文強化》特技を持っている場合)のいずれであっても提供される。
グリース(物質):この呪文によって生み出される油は酸性となり、この呪文の効果範囲にいるかこの呪文のかけられた物体に触れているいかなるクリーチャーも、1ラウンドごとに1ポイントの[強酸]ダメージを被る。
ウォール・オヴ・アイス(物質):酸の瓶を構成要素として使用することで10フィート四方の氷の壁を作成することができる。この氷の壁は破壊された際に、通常の[氷雪]ダメージに加え1d6ポイントの[強酸]ダメージを与える、
この物質は面に効果を及ぼしたり面を作り出したりする呪文の強化に効果がある。
グリース(物質):効果を受けたクリーチャーが行う反応セーヴの難易度を1増加する。また、この呪文の効果を受けた鎧を身につけたクリーチャーが行う〈脱出術〉判定へのボーナスを+1する。
ウォール・オヴ・アイアン(物質):この油1瓶を構成要素として使用するごとに、鉄の壁10フィート四方を滑りやすくする(〈登攀〉判定の難易度が+5される)。
ウォール・オヴ・ストーン(物質):この油1瓶を構成要素として使用するごとに、鉄の壁10フィート四方を滑りやすくする(〈登攀〉判定の難易度が+5される)。
このドワーフお気に入りのアイテムは、呪文の火の持続時間を引き延ばすことができる。
バーニング・ハンズ(物質):反応セーヴィング・スローに失敗した目標のうち1体(術者が選択する)は、錬金術師の火が命中したかのように火がつく。
ファイアーボール(物質):反応セーヴィング・スローに失敗した目標のうち術者レベルにつき1体(術者が選択する)は、錬金術師の火が命中したかのように火がつく。
プロテクション・フロム・エナジー(物質):[氷雪]に対する防護としてこの呪文を発動したなら、[氷雪]へのダメージ吸収が5だけ増加する。
レジスト・エナジー(物質):[氷雪]に対する防護としてこの呪文を発動したなら、[氷雪]への耐性が12に増加する。術者レベル7の時点で術者は錬金術師の火2瓶を物質要素として消費することができるようになり、その場合[火炎]への耐性は24に増加する。術者レベル11の時点で術者は錬金術師の火3瓶を物質要素として消費することができるようになり、その場合[火炎]への耐性は36に増加する。
この物質を使用することで、治療呪文の中にはより大きな効果を及ぼすものもある。
ヒーローズ・フィースト(物質):耐病剤1瓶を構成要素として使用するごとに、この呪文による食事を口にしたクリーチャー1体に12時間の間耐病剤と同様の効果を与える。耐病剤は通常不快な味だが、この呪文による食事の味を変えることはない。
耐病剤のように、この物質要素はある種の治療呪文の効果を増幅することができる。
注意を向けさせるのに有益な光の粉は、光が炸裂する呪文をより危険にする。
グリッターダスト(物質):痒みの粉1包を物質要素として使用するごとに、範囲内のクリーチャー1体に痒みの粉の効果を及ぼすことができる(難易度 12)。
リペル・ヴァーミン(物質):拡散の範囲に最初に入った蟲は痒みの粉の効果の対象となる(難易度 15)。痒みの粉1包ごとに、最初の1体より後に範囲に入った他の蟲にも同じ効果を及ぼす。蟲のスウォームはこの効果を考慮する際、1体の蟲として扱う。
コーン・オヴ・コールド(物質):この呪文は術者レベルごとに追加で+1ポイントのダメージを与える。
ジェントル・リポウズ(物質):この呪文の持続時間は、術者レベル毎2日に増加する。
レイ・オヴ・フロスト(焦点):この呪文は追加で+1ポイントのダメージを与える。
レイ・オヴ・フロスト(物質):この呪文は凍った水の毒蛇の氷柱を作り出す。この毒蛇は目標を攻撃し、1d3ポイントの刺突ダメージと1ポイントの[氷雪]ダメージを与える。
プロテクション・フロム・エナジー(物質):[火炎]に対する防護としてこの呪文を発動したなら、[火炎]へのダメージ吸収が5だけ増加する。
レジスト・エナジー(物質):[火炎]に対する防護としてこの呪文を発動したなら、[火炎]への耐性が12に増加する。術者レベル7の時点で術者は氷液2瓶を物質要素として消費することができるようになり、その場合[火炎]への耐性は24に増加する。術者レベル11の時点で術者は氷液3瓶を物質要素として消費することができるようになり、その場合[火炎]への耐性は36に増加する。
このアイテムは雲や煙を作り出す呪文に対して最もよく機能する。
ブラック・テンタクルズ(物質):足止め袋を1つ物質要素として使用するごとに、あなたが選択する1体のクリーチャーに対する触手の組みつき攻撃を再ロールすることができる。
スロー(物質):足留め袋を1つ物質要素として使用するごとに、あなたの指定した1体の減速状態になったクリーチャーに足留め袋の効果を及ぼす。
雷石は単体でも十分に効果的だが、いくつかの呪文に有益な作用をもたらすこともある。
アラーム(物質):精神的アラームとして呪文を発動した場合、精神的かつ音声によるアラームとしてこの呪文を設置できる。音声によるアラームとしてこの呪文を発動した場合、その音は雷石と同程度にうるさく、その場で雷石が起動したかのように、起点から半径10フィート拡散の範囲にいるクリーチャーは雷石の効果を受ける。
グリフ・オヴ・ウォーディング(物質):爆発の印に対するセーヴに失敗したなら、そのクリーチャーは雷石によるもののように聴覚喪失状態の影響も受ける。
以下の試薬は錬金術レシピで使用するために長い工程を経て自然の状態から精製されたものである。錬金術試薬はそれぞれ錬金術呪文構成要素としても用いることができ、追加の物質要素として使用することで特定の呪文の効果を増幅することができる。錬金術呪文構成要素が最初に紹介されたのは、Pathfinder Player Companion:Adventurer's Armory である。試薬を錬金術呪文構成要素として使用するには特定の使用量が必要であり、それは記載された条件に合致する呪文にのみ作用し、その呪文が創出する1つの効果のみを増幅する(例えば、君は黒色火薬をエネルギーダメージを与える呪文に対してのみ錬金術呪文構成要素として使用することができる)。試薬は同種でも別種でも効果が累積することなく、使用後は消費される。
出典:Pathfinder Player Companion:Alchemy Manual
黒色火薬は不安定な爆発物であり、花火やその他爆発物の主な材料である。
使用量 1(10gp); 呪文 力術系統
効果 +1エネルギーダメージ
使用量 2(1gp); 呪文 [強酸]の補足説明
効果 +1[強酸]ダメージ
冷たい鉄は合金や触媒、あるいは、魔法を阻害するアイテムによく使われる。
使用量 5(5gp); 呪文 防御術系統
効果 術者レベル判定と解呪判定において術者レベル+1
サイティリッシュキノコの胞子は用途の多い試薬であり、他の有毒物質と組み合わせることで、錯乱剤や幻覚剤、精神異常を作り出すためによく使われる。
使用量 1(5gp); 呪文(魅力)または(強制)の副系統
効果 持続時間において術者レベル+1
ダークウッドの樹皮は数多くの錬金術軟膏薬、特に、軽くて強い基礎剤が必要なものに役立つ。
使用量 5(10gp); 呪文(創造)の副系統
効果 効果において術者レベル+1
狂気の雫は強力な薬草から得られる。一般的に薬用品や、保護用、占術用のアイテムの生成に用いられる。
使用量 5(20gp); 呪文 占術の系統
効果 効果において術者レベル+1
香辛料や錬金術試薬としての使い道の他に、ショウガエキスは吐き気や痛みに対する生薬として広く多種多様の使い道がある。
使用量 10(5gp); 呪文 変成術系統
効果 呪文抵抗の克服において術者レベル+1
純粋な金は密度が高く不活性な金属である。その錬金生成物は着色に便利であり、また、腫れや痛み、感染の治療において有用だ。
使用量 1(5gp); 呪文(治療)の副系統
効果 回復するヒット・ポイント+1
マグネシウムは非常に軽くて反応性の高い金属であり、空気にさらされると明るく燃え上がる。この物質は全ての生物にとって、特に植物にとって、重要である。
使用量 2(2gp); 呪文 変成術系統
効果 持続時間において術者レベル+1
ヨモギにはたくさんの種類がある。鍼術に用いられるものがある一方で、疲労や寒気に対する生薬の主成分にもなり、あるいは超常的な脅威から身を守る生薬にすらなる。
使用量 2(4gp); 呪文 防御術系統
効果 距離において術者レベル+1
没薬は芳香性のゴム樹脂であり、錬金術薬や接着剤のベースとして用いられる。
使用量 4(2gp); 呪文 防御術系統
効果 術者レベル判定または解呪判定において術者レベル+1
錬金術試薬としては、他の試薬と一緒に昇華させることで有名なドラッグの化合物を生成するため、精製したペシュがよく用いられる。
使用量 1(15gp); 呪文 心術系統
効果 持続時間において術者レベル+1
リンは高い反応性を持つ鉱物であり、空気中で淡く輝く。全ての生物にとって重要であり、最も一般的な用途として、錬金術師たちは肥料や毒、石鹸、火おこし棒などの材料として用いる。リンは尿酸や骨灰を処理することで得られる。
使用量 10(2gp); 呪文 [光]の補足説明、または、(瞬間移動)の副系統
効果 距離において術者レベル+1
水銀は扱う者に危険な精神的作用を及ぼす液体金属である。水銀は辰砂のようなアマルガム結晶を蒸留することで得られ、鉄のフラスコに保存される。
使用量 3(3gp); 呪文 [精神作用]の補足説明
効果 持続時間において術者レベル+1
鶏冠石は砒素紅玉とも呼ばれる赤い結晶であり、毒や医薬品の生成によく用いられる。通常は精製して砒素にするが、砒素はライバルを毒殺しようとする貴族たちの間で人気であることから「毒物の王」として知られる金属結晶である。
使用量 1(3gp); 呪文 [毒]の補足説明
効果 呪文や技能によってその毒を識別したり中和したりする難易度+2
塩は重要な鉱物で生活必需品である。最も一般的には乾燥剤や触媒として用いられる。
使用量 20(10gp); 呪文 死霊術系統
効果 効果において術者レベル+1
使用量 1(1gp)※原文ママ; 呪文 [火炎]の補足説明
効果 [火炎]ダメージ+1
銀は光沢のある貴金属で、鏡や殺菌剤、電導体、幻を作り出す魔法のアイテムに使われる。
使用量 10(10gp); 呪文 幻術系統
効果 看破するための意志セーヴ難易度+1
酒精は精製された錬金的な活性アルコールであり、一般的には燃料として、または、錬金術アイテムや特殊インク、香料などの溶媒として用いられる。そのまま飲むには純度が高すぎるが、チンキ剤や錬金術飲料を作る試薬として使うことができる。
使用量 6(3gp); 呪文(招請)または(招来)の副系統
効果 持続時間において術者レベル+1
尿素はとても用途の広い試薬であり、最も一般的には軟膏として、また、揮発性の高い錬金術反応のための安定剤として用いられる。
使用量 4(2gp); 呪文 [氷雪]の補足説明
効果 効果において術者レベル+1
次元呪文構成要素は純粋な次元界要素の断片である。物質要素や焦点具として用いられることで次元呪文構成要素は呪文に次元エネルギーを注ぎ込み、その効果を強化する。1つの次元構成要素を同時に焦点具と物質要素の両方として用いることはできない。
訳注:消耗品である物質要素と消耗しない焦点具の両方が等価な用途として記されているのは明らかにおかしいため、これらのアイテムを使用する場合は消耗品となるか否かゲームマスターに確認したほうがよいだろう。
出典:Pathfinder Player Companion:Plane-Hopper's Handbook
この明るい青緑色の水晶は混沌善の次元界エリュシオンの特性である協調精神の蒸留物である。協調水晶を(無害)な呪文の物質要素または焦点具として使用することで、その呪文の持続時間と効果において君の術者レベルは1高く扱われる。この増加は呪文の術者レベルを上昇させる他の効果と累積しない。
この小さな赤みがかった水晶片に揺らめく輝き踊る炎は火の次元界の表象である。炎の切れ端を[火炎]ダメージを与える呪文の物質要素または焦点具として使用することで、その呪文は《呪文閃光化》の呪文修正特技の効果を得て(ただし呪文が使用するスロットのレベルは上昇せず)、呪文のダメージを決定する目的において君の術者レベルは1高く扱われる。
この硝子と黄金からできているように見える破片は煌々とした光を放っており、天上界ヘヴンの山を思い起こさせる。天界のクォーツを物質要素または焦点具として使用することで、効果を受けたクリーチャーに意志セーヴィング・スローを要求する[善]または[秩序]の補足説明を持つ呪文のセーヴィング・スローの難易度は1上昇する。その呪文が[善]と[秩序]の両方の補足説明を有している場合、術者レベル判定や解呪判定の目的において呪文の術者レベルを1高いかのように扱う。
この欠片は周囲の光を吸収するようであり、負のエネルギー界の消滅の力を表している。虚空の欠片を死霊術系統の呪文の物質要素または焦点具として使用することで、目標はその呪文に対するせーヴに-2のペナルティを負う。
このちらちらと光る多色の気まぐれ星は始まりの世界(First World)の移り気を捕らえている。気まぐれ星を呪文の物質要素または焦点具として使ったなら、1d6をロールして結果を下記の表と照らし合わせること。君はこのロールの結果に対して影響を及ぼすために呪文や能力を使うことはできない。結果を君の呪文に適用できない場合、その呪文は通常通り解決する。結果がどうであるかに関わらず、その呪文の発動に要求される呪文スロットは変わらない。