グレード・オールド・ワンはほぼ想像もつかないような力を秘めた他の世界の実体である――生理的にも精神的にも、完全に人間とは異質の存在である。彼らは遠い世界もしくは失われた次元の忘れ去られた角に存在するが、彼らの力は夢や悪夢の中にいる特定の敏感な定命の者の心に影響を与えられるほどに凄まじいものだ、例えその影響が星の重力が空間を漂う小さな塵を引くほどに偶発的であったとしても。そのようにして、グレード・オールド・ワンを崇めるカルトは物質界中の諸世界で隆盛できる、例えこれまでそうした世界間での接触がなかったとしてさえも。一部のグレード・オールド・ワンは虚空の領域とそれに関連する副領域への繋がりを与える(下記参照)。
全てのグレード・オールド・ワンが悪であるわけではないが、全てには混沌の力がある。彼らのカルトはたいてい悪で、害と狂気を引き起こすが、通常グレード・オールド・ワンは人間、エルフ、ドワーフといった劣った生命を無視する程に充足している。それでも彼らの注意が得られたら、その結果は巨大な尺度の破滅となりうる――ちょうど誰かの爪先を噛んだ蟻が、その脆弱な心では想像することもできない規模で迅速な破滅を招いてしまうのと同様、人類がこれらのクリーチャーのことを掘り下げれば想像を絶する破滅を招く。
グレード・オールド・ワン自体がより強大な力、アザトース、ニャルラトホテプ、シュブ=ニグラス、ヨグ=ソトースなどに仕え崇拝することもある。これらのクリーチャーは外なる神であり、グレード・オールド・ワンは半神と同類と考えらえるのに対して外なる神は真なる神格である。
領域能力:君は星間の冷たき暗闇を求めることで飛翔を得、他の世界に旅立ち、彼方からモンスターを招来して命令を下せる。
精神防御(変則)/Guarded Mind:君は全ての[精神作用]効果に対するセーヴィング・スローに+2の洞察ボーナスを得る。
帷の切断(超常)/Part the Veil:8レベルで、君は外なる暗闇で待つ生の狂気を君が発動した呪文に結びつけることができる。この能力の起動は即行アクションであり、1体のクリーチャーを目標とし、呪文の主な効果を無効化するか減少させるために意志セーヴィング・スローを行うことができる呪文を発動する際に使用しなければならない。目標がその呪文に抵抗することに失敗したら、虚空の視界が一時的な狂気を引き起こし、目標は呪文レベルに等しいラウンドの間混乱状態となる。犠牲者は効果を終了させるために各ラウンドに新しいセーヴィング・スローに成功しなければならない――これらの追加のセーヴィング・スローは追加の混乱状態の効果にのみ適用され、元の呪文の効果には適用されない。帷の切断は[精神作用]効果である。君はこの能力を、1日に君のクラス・レベルの半分に等しい回数だけ使用できる。
領域呪文:1レベル―フェザー・フォール、2レベル―レヴィテート、3レベル―フライ、4レベル―レッサー・プレイナー・バインディング、5レベル―オーヴァーランド・フライト、6レベル―プレイナー・バインディング、7レベル―リヴァース・グラヴィティ、8レベル―グレーター・プレイナー・バインディング、9レベル―インタープラネタリー・テレポート。
代替能力:下記に与えられる能力を、虚空の領域における“精神防御”能力と入れ替える。
彼方より来るもの(超常)/It Came from Beyond:1日1回、招来呪文を発動するとき、君が招来するクリーチャーは通常より強力なものになる。クリーチャーはアドヴァンスト・クリーチャーの単純なテンプレートを得る。君が呪文によって1体以上のクリーチャーを招来しても、アドヴァンスト・クリーチャーの単純なテンプレートを得るのは1体のみである。この方法でアドヴァンスト・クリーチャーの単純なテンプレートを得た招来されたクリーチャーは不自然に変形していたり、不自然に恐ろしいものに見えたり虚空の空虚感を醸し出す。この能力は君がクレリックとして呪文を発動したときのみに機能する――君が持っているかもしれない他の呪文発動のクラスから得られる呪文発動能力では機能しない。
代替領域呪文:2レベル―サモン・モンスターII、5レベル―サモン・モンスターV、7レベル―インサニティ。
代替能力:下記に与えられる能力を、虚空の領域における“帷の切断”能力と入れ替える。
星辰正しき時(超常)/The Stars Are Right:君が星々を見ることができる間にクレリック呪文を準備するならば、同じ呪文レベルの呪文を交換することで、星の副領域の呪文を任意発動することができる。君に星が見ることができる間に君が発動した星の副領域の呪文は、君がその呪文を発動することでその呪文のレベルに等しい値の君のヒット・ポイント・ダメージを回復する。
代替領域呪文:2レベル―ヒプノティック・パターン、7レベル―サンビーム、9レベル―メテオ・スウォーム。
ボクルグ、クトゥルフ、ハスターはグレード・オールド・ワンの3体であるが――遠き世界や他の次元には無数の他の者が存在し、彼らの夢とカルトを通じて世界に影響することができる。グレード・オールド・ワンの中心的な概念はH・P・ラヴクラフト、怪奇小説――そしてホラー作品――に最も影響を与えた作家の一人によって20世紀に創られた。ラヴクラフトは彼の作家の友人がクリーチャーの神話を加えることを活発に奨励し、そして今日、我々にはラヴクラフトと同時代の人、クラーク・アシュトン・スミス、ロバート・E・ハワード、ヘンリー・カットナー、オーガスト・ダーレスによってだけでなく、現代の作家、ラムジー・キャンベル、ブライアン・ラムレイ、スティーヴン・キングらによっても創られたグレード・オールド・ワンがいる。Chaosiumの優れたCall of Cthulhu roleplaying game はRPGの形式で呼び起こされるグレード・オールド・ワンの領域を探索するのに完璧なものである。君のゲームで新しいグレード・オールド・ワンを創ったならば、ほぼ1世紀の歴史を持つ共有された神話の伝統の一部となることができるのだ!
このそびえ立つ名状しがたきもの、異様なタコでもドラゴンでもジャイアントでもないがはるかに悪い何かは終焉の時の到来を確実に告げるに違いない。
経験点9,830,400
混沌にして悪/超巨大サイズの異形(悪、グレート・オールド・ワン、混沌)
イニシアチブ +15; 感覚 暗視60フィート、トゥルー・シーイング; 〈知覚〉+52
オーラ 名状しがたき存在(300フィート、難易度40)
アーマー・クラス 49、接触29、立ちすくみ44(+20外皮、-8サイズ、+10洞察、+12反発、+5【敏】)
ヒット・ポイント 774(36d8+612); 高速治癒30
頑健 +29、反応 +29、意志 +33
防御能力 狂気(難易度40)、非ユークリッド幾何学、不死、フリーダム・オヴ・ムーヴメント; ダメージ減少 20/エピックおよび秩序; 完全耐性 [氷雪]、[精神作用]効果、生命力吸収、石化、[即死]効果、能力値吸収、能力値ダメージ、病気、麻痺、および老化; 抵抗 [音波]30、[強酸]30、[雷撃]30、[火炎]30; 呪文抵抗 41
移動速度 60フィート、飛行200フィート(標準)、水泳60フィート
近接 爪(×2)=+42(4d6+23/19~20、加えて“つかみ”)、触手(×4)=+42(2d10+34/19~20、加えて“つかみ”)
接敵面 40フィート; 間合い 40フィート
特殊攻撃 狂気夢、強力打撃(触手)、締めつけ(3d6+23)、蹂躙(2d8+30、難易度51)、触手、神話パワー(10回/日、活性+1d12)、薙ぎ払う爪
擬似呪文能力 (術者レベル30; 精神集中+42)
常時:トゥルー・シーイング、フリーダム・オヴ・ムーヴメント
回数無制限:アストラル・プロジェクション、インサニティ(難易度29)、コントロール・ウェザー(神)、センディング(神)、グレーター・ディスペル・マジック、グレーター・テレポート、ドリーム(神)、ナイトメア(神)(難易度29)
3回/日:アンティパシー(難易度30)、ウィアード(難易度31)、ゲート、ディマンド(難易度30)、呪文高速化フィーブルマインド
1回/日:インプロージョン(難易度31)、ウィッシュ(神)、招来(レベル9、2d4 スタースポーン・オヴ・クトゥルフ 100%)、シンボル・オヴ・インサニティ(難易度30)
【筋】56、【敏】21、【耐】45、【知】31、【判】36、【魅】34
基本攻撃 +27; 戦技ボーナス +58(+60突き飛ばし、+62組みつきあるいは武器破壊); 戦技防御値 97(対突き飛ばしあるいは武器破壊99)
特技 《かすめ飛び攻撃》、《擬似呪文能力高速化:フィーブルマインド》、《強打》、《クリティカル強化:触手》、《クリティカル強化:爪》、《クリティカル熟練》、《渾身の一打》、《渾身の一打強化》、《上級渾身の一打》、《上級武器破壊》、《その他の魔法のアイテム作成》、《突き飛ばし強化》、《能力熟練:ナイトメア》、《武器破壊強化》、《ふっとばし攻撃》、《ホバリング》、《迎え討ち》、《よろめき化クリティカル》
技能 〈呪文学〉+49、〈真意看破〉+49、〈水泳〉+70、〈知覚〉+52、〈知識:神秘学〉+49、〈知識:ダンジョン探検、工学、地理、歴史、自然、次元界、宗教〉+46、〈飛行〉+36、〈魔法装置使用〉+48
言語 アクロ語; テレパシー300フィート
その他の特殊能力 異次元的洞察、収縮、上級星間飛行
出現環境 気候問わず/(ルルイエ)
編成 単体(固有の存在)
宝物 ×3
薙ぎ払う爪(変則)/Cleaving Claws クトゥルフの爪の1つからの1回の攻撃は10フィート四方の全てのクリーチャーを目標とすることができる。1回の攻撃ロールを行う; アーマー・クラスが結果以下の範囲内のクリーチャーは爪からのダメージを受ける。
狂気夢(超常)/Dreams of Madness クトゥルフが1ランク以上の〈製作〉技能を持つクリーチャーにナイトメアの擬似呪文能力を使用したとき、クリーチャーを狂気的な夢で苦しめる。ナイトメアの効果に加えて目標は難易度40の意志セーヴに成功するか狂気を得なければならない(Pathfinder RPG GameMastery Guide 250)。これは[精神作用]効果である。すでに狂気を得ているクリーチャーはこの能力に対して完全耐性を持つ。セーヴ難易度は【魅力】に基づいている。
上級星間飛行(超常)/Greater Starflight クトゥルフは宇宙の真空中で生存できる上、真空中を信じられない速度で飛行することができる。正確な移動時間は旅によって変化するが、星系内での移動であれば2d6時間程度かかり、それを超える場合は2d6日程度かかる(またはGMの判断でより多くの年月がかかる)。
不死(変則)/Immortality クトゥルフが殺されると、彼の間合いの範囲を満たすこの世ならざる蒸気の有毒な雲となり彼の体は直ちに消えていく。この雲はオブスキュアリング・ミストとして視界を妨げるが、どのような量の風によってでも消散することができない。この範囲にいるクリーチャーは難易度45の頑健セーヴに成功するか、雲のある範囲に留まるか範囲から離れた1d10ラウンド後まで吐き気がする状態にならなければならない。クトゥルフは雲から現れトゥルー・リザレクションを通じて回復し2d6ラウンド後に生き返るが、2d6ラウンドの間よろめき状態となる(このよろめき状態の効果はいかなる方法でも取り除く方法ができない)。この効果からのよろめき状態にあるときに再び殺害されると、クトゥルフは再び蒸気の形態へもどり、彼の本質は2d6ラウンド後に消えていく。そして再び解放されるまでルルイエの彼の墓に戻る。セーヴ難易度は【耐久力】に基づいている。
非ユークリッド幾何学(変則)/Non-Euclidean クトゥルフは物理的な世界にも空間にも、彼に対して流れる時間にも完全には存在しない。これはクトゥルフに彼の【魅力】修正値(+12)に等しい反発ボーナスをアーマー・クラスに、種族ボーナスを反応セーヴに与える。彼の明らかな位置と実際の位置が完全に同じであることはなく、全ての攻撃に対する50%の失敗確率を彼に与えている。トゥルー・シーイングはこの失敗確率に対処することができるが、トゥルー・シーイングの効果を受けている間クトゥルフを見るクリーチャーは難易度40の意志セーヴに成功するか、ランダムに狂気に陥らなければならない(これは[精神作用]効果である)。セーヴ難易度は【魅力】に基づいている。
触手(変則)/Tentacles クトゥルフの触手は主要攻撃である。
名状しがたき存在(超常)/Unspeakable Presence クトゥルフの名状しがたき存在に対する難易度40の意志セーヴの失敗は、犠牲者を直ちに恐怖の死に陥らせる。これは[即死]、[恐怖]効果である。クリーチャーが[恐怖]に対して完全耐性を持ち、クトゥルフの名状しがたき存在に対するセーヴに失敗すると、即死の代わりに1d6ラウンドの間よろめき状態となる。セーヴ難易度は【魅力】に基づいている。
深淵の夢想家として知られる、大いなるクトゥルフはグレード・オールド・ワンで最も強い。クトゥルフはしばしば芸術作品で表現される――特に、彫刻、絵画、詩歌においてであり、それは彼の影響はそうした繊細で創造性のある精神の間では特に強いからだ。これらの気味の悪い芸術作品では、彼は巨大なドラゴンの翼とタコ頭以外は人型生物の骨格を持つと書かれたり言われている。彼の実際の形態は流体のようである――このグレード・オールド・ワンは自分の意志に応じて正確な形状を変容させ再構築することができ、それによって身長100フィートを超えるクリーチャーならこう幅を取ると人が想像するよりも小さな接敵面を占有できる。
幸いなのは、クトゥルフは現在遠い惑星にある沈んだ都市ルルイエの中に閉じ込められていることである。そこでこのグレード・オールド・ワンは永劫を死んでも生きてもいない状態で微睡み、古代の魔法とエルダー・サインの力によって停滞させられているが、都市が海から浮上し、彼の墓への扉が開かれたなら、クトゥルフに自身の墓に戻らなければならなくなる前に限定的な行動が与えられる。
クトゥルフは遠く離れた世界に投獄されているが、彼の夢は存在の入江に広がっており、繊細で芸術的な魂の眠っている心に触れ、狂気的な展望を持たせ、あらゆる種類の気味の悪い芸術の創造を促すことができる。そのような方法で、彼の教団は、夜に生じた夢見る心のウィルスが知的生命の住まう世界全てに広まるかのように拡大する。クトゥルフは様々な水棲の種族や沿岸沿いに住む民族によって崇拝されているが、芸術家、詩人、哲学者の特定の頽廃的であるか非主流な集団でも崇拝されている。集団が形成されるとき、彼の教団は秘密主義となりこのグレード・オールド・ワンに対する彼らの忠誠を注意して隠し、社会の注目から隠れた、荒涼としているかさもなければ放棄された場所のみで会合する。彼のカルトの信念の中心にあるものは、いつか、星辰正しき時、大いなるクトゥルフが死した都市から終焉の時を告げるために起き上がり、彼の種族の為の準備として全ての世界を綺麗に拭いさる、という予言である。実際にはクトゥルフは崇拝する人と他の者の違いに気がつくことはまずないが、カルティストは、正しい服従と忠誠によってこの運命を免れると信じている。
クトゥルフのカルトは、大変動、夢、星と関係しており、彼の聖印は開いた目を囲んでいる複雑なルーンである。クトゥルフの神殿は殺風景で巨大な建築様式の堅固な建造物であるが、大部分の忠実な支持者はそのような神殿を建設するための資源を欠いており、代わりに出来る事を行い、地下室や小屋や僻地の荒野の空白に私的な聖堂を隠している。クトゥルフのクレリックは混沌、悪、狂気、虚空の領域と闇の綴れ織、狂気、悪夢、星の副領域の使用権を得る。彼の好む武器はダガーである――しばしばカーヴしている刃である。
この実体はぼろぼろのローブの下に隠されるスケルトンの人間の形であるように見えるが、動揺させるような非人間的な優美さを以て動く。
経験点6,553,600
混沌にして悪/中型サイズの異形(悪、グレート・オールド・ワン、混沌)
イニシアチブ +26; 感覚 異形(混沌、悪、グレート・オールド・ワン)60フィート、トゥルー・シーイング; 〈知覚〉+47
オーラ 名状しがたき存在(300フィート、難易度40)
アーマー・クラス 48、接触37、立ちすくみ31(+1回避、+11外皮、+10洞察、+16【敏】)
ヒット・ポイント 731(34d8+578); 高速治癒25
頑健 +28、反応 +27、意志 +29
防御能力 狂気(難易度40)、不死、フリーダム・オヴ・ムーヴメント; ダメージ減少 15/エピックおよび秩序; 完全耐性 [音波]、[氷雪]、[精神作用]効果、生命力吸収、石化、[即死]効果、能力値吸収、能力値ダメージ、病気、麻痺、老化; 抵抗 [強酸]30、[雷撃]30、[火炎]30; 呪文抵抗 40
移動速度 80フィート; エア・ウォーク
近接 ボロボロの鞭(×4)=+41(2d8+7、加えて“出血”)
接敵面 5フィート; 間合い 40フィート
特殊攻撃 顔見世、黄色の印、黄褐色の夢、急所攻撃+10d6、出血攻撃(1d6)、神話パワー(10回/日、活性+1d12)
擬似呪文能力 (術者レベル29; 精神集中+42)
常時―エア・ウォーク、タンズ、トゥルー・シーイング、フリーダム・オヴ・ムーヴメント
回数無制限―アストラル・プロジェクション、インサニティ(難易度30)、ウィッシュ(神)(下記参照)、ヴェイル、エナヴェイション(神)、センディング(神)、グレーター・ディスペル・マジック、ディメンジョン・ドア(神)、ドリーム(神)、ナイトメア(神)(難易度28)、ミラージュ・アーケイナ(難易度28)
3回/日―インタープラネタリー・テレポート、マス・サジェスチョン(難易度29)、ディマンド(難易度31)、呪文高速化フィーブルマインド、プロジェクト・イメージ(難易度30)
1回/日―シンボル・オヴ・インサニティ(難易度31)、シンボル・オヴ・ウィークネス(難易度30)、シンボル・オヴ・スタニング(難易度30)、シンボル・オヴ・ストライフ(難易度32)、シンボル・オヴ・デス(難易度31)、シンボル・オヴ・パースウェイジョン(難易度29)、シンボル・オヴ・フィアー(難易度29)、シンボル・オヴ・ペイン(難易度28)
【筋】24、【敏】43、【耐】44、【知】35、【判】31、【魅】36
基本攻撃 +25; 戦技ボーナス +41; 戦技防御値 69(足払いされない)
特技 《一撃離脱》、《回避》、《擬似呪文能力高速化:フィーブルマインド》、《強行突破》、《クリティカル強化:ボロボロの鞭》、《クリティカル熟練》、《軽妙なる戦術》、《攻防一体》、《渾身の一打》、《渾身の一打強化》、《上級渾身の一打》、《上級フェイント》、《大旋風》、《フェイント強化》、《武器の妙技》、《迎え討ち》、《よろめき化クリティカル》
技能 〈威圧〉+50、〈隠密〉+53、〈軽業〉+53(跳躍は+73)、〈芸能:演劇〉+47、〈呪文学〉+49、〈真意看破〉+44、〈知覚〉+47、〈知識:貴族〉+49、〈知識:神秘学、地理、歴史、地域〉+46、〈手先の早業〉+50、〈はったり〉+47、〈変装〉+47、〈魔法装置使用〉+47; 種族修正 +20跳躍での〈軽業〉
言語 アクロ語; テレパシー100フィート、タンズ
その他の特殊能力 異次元的洞察
黄褐色の夢(超常)/Fulvous Dreams ハスターが自身のナイトメアの擬似呪文能力を黄の印を見た事があるクリーチャーに使用したとき、そのクリーチャーを、吐き気を催す黄色と、退廃、恥、そして拡散する無秩序の圧倒的な感覚の厚みで彩られた恐怖の夢で冒しもする。ナイトメアの効果に加え目標は難易度40の意志セーヴを行うか、黄の印を探すことを強要され、自身の資源と行動をその強迫観念に傾注しなければならない。強迫観念に駆られている間、目標は意志セーヴィング・スロー、シンボル呪文に対してのセーヴィング・スロー、精神集中判定、【判断力】に基づく技能判定に-4のペナルティを受ける。この強迫観念の効果は、犠牲者が黄の印を確認すると直ちに終了する。これは[精神作用]、呪い効果である。セーヴ難易度は【魅力】に基づいている。
不死(変則)/Immortality ハスターが殺害されると、ローブを支えていた形が存在するのを突然やめたかのように、彼の外形を覆っている布のローブは突如地面に落ちる。ローブは地面で自立行動しないが、それに触る人型生物のクリーチャーはローブを着たいという衝動に抵抗するために難易度40の意志セーヴを行わなければならない。ローブの着用は全ラウンド・アクションであり、機会攻撃を誘発する。一度ハスターのローブを身に着けるならば、クリーチャーは即座に滅び、その体は破壊される。トゥルー・リザレクションを通じて戻ってきたかのように、ハスターは再び生きる。捨てられたローブが24時間以内に身に着けられないならば、ローブは消え、かすかな黄色の汚れを残す。この場合、状況が良くなるまで、もしくは、うっかり者のカルティストもしくは馬鹿者がハスターを再び呼ぶまで、ハスターは物理的な肉体を発現できない。セーヴ難易度は【魅力】に基づいている。
顔見世(超常)/Reveal Visage 即行アクションとして、ハスターは隣接するクリーチャー1体に彼のローブの下にある真なる姿を明らかにできる。クリーチャーは難易度40の意志セーヴに成功するか1d4ラウンドの間麻痺状態となり、麻痺状態が続く各ラウンドのターン終了時に1d4ポイントの【判断力】吸収を受けなければならないが、その開示は記憶が残せない程に凄まじい。これは[精神作用]、[恐怖]効果である。セーヴ難易度は【魅力】に基づいている。
ボロボロの鞭(変則)/Tattered Lash ハスターは彼のぼろぼろの黄色いローブの長い帯で攻撃をする。これらの帯は40フィートの間合いを持ち、主要肉体斬撃攻撃である。帯からの出血ダメージはこれに累積する(最大10d6ポイントの出血ダメージ)。ハスターがこれらの武器で攻撃するとき狂気状態の目標は立ちすくみ状態であるかのように扱う。
名状しがたき存在(超常)/Unspeakable Presence ハスターの名状しがたき存在に対する難易度40の意志セーヴに失敗することは、ランダムに狂気に罹患させる。すでに狂気を得ているクリーチャーはこの範囲に留まる限り混乱状態となる。セーヴ難易度は【魅力】に基づいている。
ウィッシュ(擬呪)/Wish ハスターは回数無制限に擬似呪文能力としてウィッシュを使えるが、彼はそれを他のクリーチャーの望みを叶えるためだけに使用でき、クリーチャー1体につき1回のみである。常に、これらの望みの結果はハスターの課題を進めるのに役立つ。
黄の印(超常)/Yellow Sign 1日1回フリー・アクションとして、ハスターは固体の表面に触れ、黄の印をそこに刻むことができる。一旦刻まれると、黄の印は1年間残り続けるが、ハスターの遠き世界からの光が星として夜空で輝くときの特定の夜にだけ起動する。起動している黄の印を見たクリーチャーはハスターによって支配されることを避けるために難易度40の意志セーヴに成功しなければならない(ドミネイト・モンスターと同様); セーヴに成功したか否かに拘らず、クリーチャーは24時間その黄の印に対して再びセーヴをする必要はない。クリーチャーがこの支配効果の下にある間、クリーチャーの【魅力】吸収と【魅力】ダメージの合計が【魅力】修正値と等しいならば、直ちに死に、犠牲者がハスターのぼろぼろのローブを身に着けたかのように、ハスターが死体の場所に物理的に現れることができる(不死を参照)。黄の印はディスペル・ケイオス、ディスペル・イーヴル、イレイズで取り除くことができ、術者は難易度35の術者レベル判定に成功する必要がある。メイジズ・ディスジャンクションは自動的に黄の印を取り除くことができる。これは[精神作用]効果である。セーヴ難易度は【魅力】に基づいている。
ハスターはグレート・オールド・ワンの中で最も不可解なものである。実際、ハスターとして知られる実体は実は外なる神であるかもしれない。この実体の物理的な顕現は黄衣の王として知られており、大抵の者はこのクリーチャー――黄色の外套で覆われているなんとなく人間の形をしている者――をハスター本人と同一であると考えているが、多くの学者は、黄衣の王は物理的な世界の住人の中で動くために真なるハスターが用いる化身以外の何者でもないと信じている。ハスター自身は、怪物的なハリ湖の岸にあるカルコサと呼ばれる遠い世界に棲まうといわれており、カルコサの星の悪意ある光がある惑星の夜空で見えるとき、その惑星上での彼の力は最も強くなる。
ハスターの教団は主に、生きることに飽いて、人生への満足を達成する為のより常軌を逸した奇怪で自滅的な方法を探している頽廃的な貴族、脚本家、選民で成り立っている。彼の神殿は贅沢で過剰である――オペラ・ハウスや邸宅、そして秘密裏に最高の娯楽に耽る為の隠れ家を含む似たそれにようなものである。彼のカルティストは彼らの集会へ罪のない人を連れていくのに特に熱心であり、無辜の者を黄の印に晒して彼らの体と心が黄衣の王が世界を歩けるポータルとして用いられるようにする。
ハスターのカルトは頽廃、無秩序、ニヒリズムと関係があり、邪印は黄の印である。この邪印の最低の種類は非魔法的な――そしてどこか不正確な――印章の表現物であるが、しかし完全に機能する黄の印を作成する方法を強力なカルトは備えている。ハスターによって作られるものとは異なり、カルトによって作られた黄の印は、難易度23の意志セーヴによって抵抗することができる(9レベル呪文であるかのように)。ハスターのクレリックは混沌、悪、ルーン、虚空の領域と、闇の綴れ織、言語、星、保護の副領域の使用権を持つ。ハスターの好む武器はレイピアである。
経験点3,276,800
混沌にして中立/大型サイズの魔獣(グレート・オールド・ワン、混沌、水棲、他次元界)
イニシアチブ +22; 感覚 暗視60フィート、擬似視覚120フィート、夜目; 〈知覚〉+43
オーラ 名状しがたき存在(300フィート、難易度33)、有毒ブレス(30フィート、難易度41)
アーマー・クラス 45、接触27、立ちすくみ37(+18外皮、-1サイズ、+10洞察、+8【敏】)
ヒット・ポイント 645(30d10+480); 高速治癒20
頑健 +33、反応 +25、意志 +22
防御能力 狂気(難易度41)、トゲ、不死; ダメージ減少 15/エピックおよび秩序; 完全耐性 [氷雪]、[精神作用]効果、生命力吸収、石化、[即死]効果、毒、能力値吸収、能力値ダメージ、病気、麻痺、老化; 抵抗 [強酸]30、[火炎]30; 呪文抵抗 38
移動速度 50フィート、水泳120フィート、エア・ウォーク
近接 噛みつき=+44(4d8+22/19~20)、爪(×2)=+44(2d8+22/19~20)、針=+44(3d6+22/19~20、加えて“毒”)、触手髭 =+39(4d6+22、加えて“つかみ”)
接敵面 10フィート; 間合い 10フィート
特殊攻撃 強力打撃(噛みつき、かぎ爪、針、触手髭)、締めつけ(4d6+22)、神話パワー(10回/日、活性+1d12)、毒、毒化クリティカル、報復夢
擬似呪文能力 (術者レベル27; 精神集中+35)
常時:エア・ウォーク
回数無制限:ウィンド・ウォーク、クラウドキル(神)(難易度23)、グレーター・ディスペル・マジック、ディメンジョン・ドア(神)、トランスミュート・ロック・トゥ・マッド、ドリーム(神)、ナイトメア(神)(難易度23)、ハリューサナトリ・テレイン、プレイン・シフト(神)
3回/日:ディマンド、呪文高速化フィーブルマインド(難易度23)、ホリッド・ウィルティング(難易度26)
1回/日:コントロール・ウェザー(神)、シンボル・オヴ・インサニティ(難易度26)、ツナミAPG、M(難易度26)
【筋】40、【敏】27、【耐】42、【知】22、【判】30、【魅】27
基本攻撃 +30; 戦技ボーナス +46(+50突き飛ばし、組みつき、または蹴散らし); 戦技防御値 74(対突き飛ばし、または蹴散らし76、対足払い78)
特技 《イニシアチブ強化》、《擬似呪文能力高速化:フィーブルマインド》、《強打》、《クリティカル強化:噛みつき》、《クリティカル強化:爪》、《クリティカル強化:針》、《クリティカル熟練》、《蹴散らし強化》、《出血化クリティカル》、《上級蹴散らし》、《上級突き飛ばし》、《突き飛ばし強化》、《鋼の意志》、《鋼の意志強化》、《迎え討ち》
技能 〈隠密〉+37、〈呪文学〉+36、〈水泳〉+56、〈知覚〉+43、〈知識:自然、宗教、神秘学、歴史〉+36
言語 アクロ語、水界語、竜語; テレパシー100フィート
その他の特殊能力 異次元的洞察、水陸両生
毒化クリティカル(超常)/Critical Poisoning ボクルグが針でクリティカル・ヒットを与えたら、3服の毒を敵に注入する(これはセーヴ難易度を4増加させる)。通常であれば完全耐性を持っている敵はこの方法によるボクルグの毒から影響を受けるが、1服の毒だけ注入されたかのようにこの毒化を扱う。
不死(変則)/Immortality ボクルグが殺されると、彼の体は即座にのたうち始め1d4ラウンドの間そうし続ける。この間に彼は間合い内のランダムな目標へ1回の針攻撃を行う。終わると、体は静かになり始め、水に溶け蒸発していく。ボクルグはその後すぐさま夢の次元の彼の領域へ戻り休息し、複雑な儀式を通じて起こされない限り、何百年もの間昏睡状態でいる。
ボクルグの体を破壊するような効果(ディスインテグレイトなど)は、上記したように単に彼の残骸を水にして蒸発させるだけであるが、このような方法では、超常的な蒸発の前の鞭と針を防ぐ。
毒(変則)/Poison 針・致傷型; セーヴ 頑健・難易度41; 頻度 1回/ラウンド(6ラウンド間); 効果 2d4【判断力】ダメージ; 治癒 3回連続のセーヴ成功。【判断力】値に等しい【判断力】ダメージを受けているクリーチャーは自動的にランダムに狂気の影響を得る(Pathfinder RPG GameMastery Guide 250)。このセーヴ難易度は【耐久力】に基づいている。
トゲ(変則)/Spines ボクルグに対して近接攻撃をするクリーチャーは難易度33の反応セーヴに成功するかグレート・オールド・ワンを覆っている多数の素早く反応するトゲに打たれなければならなず、2d6+15ポイントのダメージを受ける。間合い武器を用いることは攻撃者をこのような危険にさらさない。セーヴ難易度は【敏捷力】に基づいている。
有毒ブレス(超常)/Toxic Breath ボクルグのブレスは有毒である。このグレート・オールド・ワンは水上にいるときは、一時的な発狂と幻覚を引き起こす見えない毒ガスの半径30フィートの雲に覆われている。このオーラの範囲内でターンを開始するクリーチャーは難易度41の意志セーヴに成功するか1ラウンドの間混乱状態とならなければならない。呼吸を止めているか呼吸の必要がないクリーチャーはこのセーヴィング・スローに対して+4のボーナスを得る。これは[精神作用]、毒効果である。セーヴ難易度は【耐久力】に基づいている。
名状しがたき存在(超常)/Unspeakable Presence ボクルグの名状しがたき存在に対する難易度33の意志セーヴに失敗することは、犠牲者に絶望と運命に圧倒されることを引き起こさせる――効果の範囲内に残り続ける限り全ての攻撃ロール、セーヴィング・スロー、能力値判定、技能判定、武器のダメージ・ロールに-4のペナルティを受ける。セーヴ難易度は【魅力】に基づいている。
報復夢(超常)/Vengeful Dreams これまでにボクルグにダメージを与えたか彼のクレリックの一人を殺害したクリーチャーは、クリーチャーとボクルグの距離、次元界の境界の向こうでさえも関係なくこのグレート・オールド・ワンの報復に燃えた夢の目標となる。目標に対して報復夢を使用するために、ボクルグはナイトメアの擬似呪文能力で目標に影響を与えることに成功しなければならない; 目標は常にボクルグと親密で、ボクルグは犠牲者の体の一部を持っているように常に扱われ、ナイトメアに対するセーヴィング・スローに-15のペナルティを受ける。犠牲者がナイトメアに対してセーヴに失敗すると、恐怖の夢は生きたまま犠牲者を食らうボクルグの幻視を展開する。犠牲者はそれから生き、意識があり、このグレート・オールド・ワンに消化されている事に気付いているままであり、ボクルグが犠牲者の終生の友、故郷、仲間、そして家族全ての遺体を破壊している事にも同様に気付く。犠牲者はナイトメアから目覚めるとき、難易度33の意志セーヴに成功するか報復夢から3d6ポイントの【判断力】吸収を受けなければならない。吸収により目標の【判断力】が0になった場合、自動的にランダムに狂気の影響を得る。一度ボクルグがクリーチャーに対してこの能力を使うと、そのクリーチャーが再びボクルグにダメージを与えるか、彼のクレリックの一人を殺害するまで、再び使用することができない。これは[精神作用]効果である。セーヴ難易度は【魅力】に基づいている。
「ウォーター・リザード」ボクルグは夢の次元の遠く侘しい隅、名もなき湖の周囲にある、かつては栄えたが現在は荒れ果てた不毛の土地に生息している――領地はかつて広大な人間の帝国によって支配されていたが、現在はウォーター・リザードの恐ろしい両生類の手下によって支配されている。ボクルグ自身は巨大なクリーチャーであり、のたうつ巻きひげと針が先端に付いた長い尾を持ちおおよそイグアナに似ている形状をしたモンスターである。ボクルグは超高速で近くに広げたりひっこめたりすることのできる長い棘を、彼を覆う鱗に隠している。
ボクルグは水中深くの彼の隠れ家で眠ることに大部分の時間を費やす。この湖に注ぐ川はないし、海に流れ出てもいない。それでもこの凪いだ不気味な水は腐敗せず濁ることもないため、地下深くのどこかへつながっていることを暗示している。そうした暗い秘密の水路を通ってボクルグは夢の次元の湖と川へと通絡し、彼のプレイン・シフトの能力によって彼の思う通りの他の領土へのアクセスが可能である。
ボクルグは崇拝よりも恐れから祀られており、旅する夢想家が悪夢の中でボクルグのカルトに出くわすとき、その夢想家は起きている世界にこの恐ろしい信仰を知らずに広めるかもしれない。ボクルグの神殿は遠い湖の岸で見つかったり、大きな沼地に隠されている。人間は彼を崇拝しているが、ボガード、リザードフォーク、マーシュ・ジャイアント、その他沼地に住む種族――特に侵略軍、対立している部族、冒険者の集団といった侵略者によって苦しめられている人々――も崇拝する。
ボクルグは混沌にして中立であるが、彼の崇拝者のほぼ全員は混沌にして中立か混沌にして悪である。稀に混沌にして善のボクルグの崇拝者もいる――これらの多くは、ボクルグを鎮め続け確実に眠り続けさせようとする妄想の異教徒または擁護者である。これらの異教徒と信仰の部外者は熱心で伝統的な崇拝者によって情け容赦なく追いつめられる。
ボクルグのカルトは、復讐、嵐、水と関連しており、その聖印は長く蜷局を巻いた尾を持つ緑のリザードである――ボクルグ自身をイメージしている。彼の最大の神殿には彼の姿の異常に写実的な像が複数あしらわれており、カルトが保全している像を通してボクルグは彼方の住まいから周囲を見渡し、動かして生贄を得ることさえ出来る。ボクルグのクレリックは混沌、破壊、水、天候の領域と災害、大海、激怒、嵐の副領域の使用権を得る。ウォーター・リザードの好む武器はランサーである; 彼の支持者はグレート・オールド・ワンの針の尾に似ているために、ランサーの刃を鍛える。