たいていのクレリックは2つの領域あるいはそれらの神の副領域を得る。だが、多くの宗教と哲学に及ぶ信仰の様相の中には、それらの領域の1つを放棄し専門化するクレリックがいる。
十字軍戦士は宗教の神聖な場所を守りぬく用意のある教会の好戦的な部門と、自らの真理に仇なす者たちに対して速やかに復讐する部門を担当する。
低下した呪文発動/Diminished Spellcasting:十字軍戦士はただ1つだけの領域を選び、通常より1少ないそれぞれのレベルの呪文を得る。もしその数値が0に下がった場合、十字軍戦士はそのレベルの領域呪文を発動することができるが、それ以外の呪文については【判断力】がボーナス呪文を得られるほど高い場合にのみ発動することができる。
ボーナス特技:十字軍戦士は1レベル時と、5レベルとそれ以降の5レベルごとに、ボーナス特技を得る(最大で20レベルの6つ)。これらのボーナス特技は以下の表から選択されなくてはならない:《軍用武器習熟》、《救いの盾》、《盾攻撃強化》、《盾熟練》、《タワー・シールド習熟》、《武器熟練》*、《鎧習熟:重装》。10レベルにおいて、十字軍戦士は以下からも特技を選択することができるようになる:《クリティカル強化》*、《上級盾熟練》、《上級武器熟練》*、《盾開眼》、《盾のぶちかまし》、《特殊武器習熟》、《武器開眼》*。20レベルにおいて、十字軍戦士は以下からも特技を選択することができるようになる:《上級盾開眼》、《上級武器開眼》*。
アスタリスク(*)のマークが付いたボーナス特技は十字軍戦士の神格の好む武器に適用されなくてはならない。十字軍戦士はこれらのボーナス特技において、クラスやレベルを基準とする前提条件を満たす必要はない。
部隊の祝福(超常)/Legion's Blessing:8レベル時に、十字軍戦士は味方の大きな集団にすぐに有益な呪文を授ける能力を得る。全ラウンド・アクションとして十字軍戦士は自身のクレリック・レベルの半分に等しい数のクリーチャーに対して、距離が接触の無害な呪文1つの効果を授けることができる。呪文の距離は接触のままであるため、呪文が発動されるときすべての同意する目標は十字軍戦士の間合いの中にいなければならない。部隊の祝福を使うことは準備された呪文を費やすが、キュアやインフリクト呪文を任意発動する時のように、十字軍戦士はその呪文より3レベル高い準備された呪文1つを追加で犠牲にする必要がある。その魔法のエネルギーは部隊の祝福を強力にするために使用されるため、犠牲にされたより高いレベルの呪文は発動されずに失われる。
慈悲深き癒し手は味方を戦わせ続ける為に、彼らを支えて回復させる戦場回復の達人である。
自発的な癒し手/Willing Healer:慈悲深き癒し手は治癒の領域を選択しなくてはならない。慈悲深き癒やし手は2つ目の領域を得ることはない。もしクレリックが神を信仰するなら、その神は治癒の領域を与える神でなくてはならない。慈悲深き癒し手は正のエネルギー放出を選ばなくてはならない。
エネルギー放出(超常):クレリック能力として、慈悲深き癒し手は正のエネルギー放出を選択しなくてはならず、慈悲深き癒やし手は正のエネルギーを放出するときにアンデッドに目標を定めることができない。この能力はそれ以外では同名のクレリック能力とまったく同様に機能する。
衛生兵(変則)/Combat Medic:慈悲深き癒し手は自身以外のクリーチャーを容態安定化させるために〈治療〉の技能を使うときや、治癒呪文を発動するときに機会攻撃を誘発しない。
慈悲深き治療(超常)/Merciful Healing:3レベル時に、慈悲深き癒し手は1人かそれ以上の有害な状態を取り除くために正のエネルギー放出を行うことができる。慈悲深き癒し手は3レベル時に以下の有害な状態の1つを選択する:疲労状態、怯え状態、不調状態。慈悲深き癒し手がエネルギー放出を行うとき、慈悲深き癒やし手はエネルギー放出の爆発の中にいる、慈悲深き癒やし手が癒す生きているクリーチャー1体から選んだ状態を取り除くことができる。6レベル時に、慈悲深き癒やし手は別の状態を選択することができる。慈悲深き癒やし手が3レベルで選択しなかったものか、以下の状態から1つ選択する:幻惑状態、病に侵された状態、よろめき状態。慈悲深き癒やし手は自らのエネルギー放出の爆発の中で選択した状態か慈悲深き癒やし手が3レベルで選択したものを最大2体のクリーチャーから取り除くことができる。9レベル時にもう1つの治療可能な状態を得る。すでに述べた状態か以下の状態から1つを選択する:呪われた状態、過労状態、恐れ状態、吐き気がする状態、毒におかされた状態。慈悲深き癒やし手は爆発の中の1~2体のクリーチャーから、今までに選択した状態ないし今回選択した状態を1つ取り除くことができる。最後に12レベル時において、慈悲深き癒やし手は下のレベルで選択可能な状態か以下の状態から1つを選択する:盲目状態、聴覚喪失状態、麻痺状態、朦朧状態。慈悲深き癒やし手は自身のエネルギー放出の爆発の中にいる1~3体のクリーチャーから、今までに選択した状態ないし今回選択した状態を1つ取り除くことができる。特技と同様にパラディンの慈悲に影響を与える効果はこの能力に影響を及ぼす。
真なる癒し手(超常)/True Healer:8レベルにおいて、慈悲深き癒し手は神聖なるエネルギー放出を行うとき、慈悲深い治療の利益を適用するか、1の出目を振り直すかを選択することができるようになる。自身のエネルギー放出の爆発の中にいる1体、2体、あるいは3体のクリーチャーから自分がどれぐらいのダメージを治療するか確認するロールを行う前に、いずれの利益を得るのか決めなくてはならない。
神聖なる戦略家は、前線からではなく自身の巧妙な戦略と戦術的な洞察力を通して信徒の軍隊を指揮する。
領域/Domains:神聖なる戦略家はただ1つの領域だけを得る。
達人戦術家(変則)/Master Tactician:神聖なる戦略家は、敵に気づくために行う〈知覚〉判定に失敗したとしても、常に不意討ちラウンドに行動できる。しかし、神聖なる戦略家が行動するまでは立ちすくみ状態として扱う。加えて、イニシアチブ判定にクレリック・レベルの半分に等しい値(最低1)のボーナスを得る。レベル20の時点で、神聖なる戦略家のイニシアチブ判定の出目は常に20であると見なされる。神聖なる戦略家の姿を見、声を聞ける仲間は、イニシアチブ判定において神の戦略家のレベルの1/4に等しいボーナスを得る。これは[言語依存]能力である。この能力はエネルギー放出を置き換える。
術者への援助(超常)/Caster Support:神聖なる戦略家は援護アクションでもう1人の信仰呪文の使い手を補助し、神聖なる戦略家の次のターンの開始時までに行う術者レベル判定と精神集中判定に+2の状況ボーナスを与えることができる。このボーナスは4レベルの時点と、以降4レベル毎に+1ずつ増加する(最大で20レベルにおける+7)。この利益を得るために、仲間の術者は神聖なる戦略家に隣接していなくてはならない。術者への援助は秘術呪文の使い手や魔法のアイテムを使用するキャラクターを支援するために使うこともできるが、こういった仲間に対しては通常のボーナスの半分しか与えられない。
戦術的な専門的知識(変則)/Tactical Expertise:8レベルの時点で、神聖なる戦略家はどうすれば戦術的な機会を最もうまく行かせるかを理解するようになる。神聖なる戦略家が挟撃しているか機会攻撃を行うときはいつでも、神聖なる戦略家は攻撃ロールへのボーナスとして、自身の【知力】ボーナスを(もしあれば)加えてもよい。加えて1日1回即行アクションとして、神聖なる戦略家は待機アクションの一部として行ういかなるd20ロールに対しても、1回だけ自身の【知力】修正値をボーナスとして加えることができる。神聖なる戦略家は8レベル以降、2レベル毎に追加で1日に1回、この能力を使うことができる。
伝道師は、世界中に信じる宗教を伝える声である。他の者は信者に信仰を育む立場だが、伝道師はその後見である神格のこれからの栄光を宣言し、周囲の者すべてに明快な声で真理に注意を払うよう、戦に従うよう呼びかけ、そして教会の敵へ対して聖戦をおこす。
一心不乱/Single-Minded:伝道師は教会のもっと深い神秘かもしくは戦争の訓練の微妙な細部より、むしろ自身の技能と宣言に向けて集中した学習を行う。それゆえに、伝道師はたった1つの領域しか選択できず、《盾習熟》と《鎧習熟:中装》を両方とも得られない。
演説家/Public Speaker:伝道師はクラス技能として〈芸能〉を得る。加えて、伝道師は素晴らしい技能と効果を持って自分の声を届かせるように訓練される; 困難な条件の中で伝道師が話すのを聞くための難易度は、クラス・レベル+伝道師の【魅力】修正値と等しい値(最低で0)だけ少なくなる。
説法歌/Sermonic Performance:伝道師は説得力と自分の奉じる神の力を通して、説教と奨励を起こさせる多数の選り抜きの超常能力および擬似呪文能力として演奏を行なう能力を得る。この能力は、〈芸能:朗誦〉を伝道師の演奏の技能として使用し、(特技による相互作用、呪文、上級クラスを含めて)すべての点で同じレベルのバードによって使われる呪芸に類似している。しかしながら、伝道師は以下の種類の呪芸のみを得る:1レベル時に打ち消しの調べ、恍惚の呪芸、勇気鼓舞の呪芸; 9レベル時に武勇鼓舞の呪芸; 15レベル時に英雄鼓舞の呪芸。説法歌は1レベル、9レベル、15レベルのエネルギー放出能力と置き換える。これによりクレリックのエネルギー放出のダメージは、7d6 ポイントが上限となる。
任意発動:伝道師は準備された呪文を犠牲にすることで、キュアあるいはインフリクト呪文を任意発動する能力を得ることはない。しかしながら、伝道師は示されたレベルかそれ以上の準備された呪文を犠牲にすることによって、以下の呪文を任意発動することができる: