ウィッチはその不気味な能力と強力な呪術のため尊敬され同じくらい恐れられる、神秘と力のクリーチャーである。幾人もの術者が古代の大書、生来の血脈に宿る力、神や女神への信仰を頼りにする中、ウィッチは別のところに目を向け、知られざるものとの霊的交感から力を得る。ウィッチの使い魔は異界の存在との契約の一部として贈られ、彼女が能力を受け取る導管として機能する。その力を得る程に、多くのウィッチはその秘術能力が何からもたらされたのかを探し出していき、最終的にはその正確な根源を理解するようになるが、同時に多くのウィッチは幸福にもどのような恐ろしい力が自らの手とまじないを導いているのか気付いていないままだ。そうしたウィッチにとっては、ただ力を持つだけで十分であり、いつかどこかで支払うべき代償があったとしたら――あるがままに。
本項にはウィッチの新しい呪術、新しい守護者テーマ、そしていくつかのウィッチのアーキタイプが含まれている。各アーキタイプはいくつかのウィッチの呪術を推奨しているが、これらは必須ではなく、キャラクターのイメージを豊かにするためのものだ。
以下の呪術はすべてのウィッチに利用可能であり、標準の呪術のルールに従う。呪術へ抵抗するためのセーヴは10+ウィッチ・レベルの1/2+ウィッチの【知力】修正値である。
獣脅し(超常)/Unnerve Beast:目標は動物を不快にさせる(意志・無効)。動物は犠牲者の面前で猛り狂う──馬は跳ね上がり、犬は吠え噛みつき、雄牛は突撃するといったように。この呪術はウィッチの【知力】修正値につき1時間持続する。この呪術に対してセーヴしたクリーチャーは1日の間この呪術から影響を受けない。動物の反応は[精神作用](魅惑)効果だが、この目標に対する呪術についてはそうではない。
傷痕(超常)/Scar:この呪術は、額に一文字くらいの単純な何かの形をした傷痕を刻んだり、体にシミや火傷のような跡を残すなど、接触した目標1体にウィッチの選択した酷い呪いの傷痕を与える。目標は意志セーヴによりこの呪術に抵抗できる。これらの傷痕は目標の感覚に干渉せず、能力の使用を妨げないが、社交性に影響を与える可能性はある。これらの傷は変装や変身の間も持続する。ウィッチは最大で距離1マイル以内にいる傷つけられた目標に自身の呪術を使用でき、スクライングあるいは類似の占術呪文に際し、その目標の肉体の一部を持っているものとみなされる。ウィッチは移動アクションにより、どの距離からでも目標からこの呪術を撤退させることができる。ウィッチは【知力】ボーナスと同数まで呪いの傷痕を維持できる。この限界に達したら、ウィッチは新たな傷痕を刻むために、現在の犠牲者から傷痕を取り除かなければならない。リムーヴ・カースはこの傷痕を取り除くことができる。
凶兆の獣(超常)/Beast of Ill-Omen:ウィッチは自身の使い魔に奇妙な魔法を吹き込み、使い魔が次に遭遇する敵に小さな呪いをかける。敵は意志セーヴに失敗するとベイン(ウィッチ・レベルを術者レベルとする)の影響を受ける。ウィッチは最大で60フィートの距離にいる使い魔にこの呪術を使用できる。影響を受けた敵は効果を起動した使い魔から60フィート以内の距離にいなければならず、60フィートより離れた距離から使い魔を見ても何の効果もない(敵と使い魔の距離が60フィート以下に縮まれば、この呪術の影響を受ける)。ベインは使い魔に最も近いクリーチャーに影響を与える(同距離のクリーチャーが2体以上存在するときは、イニシアチブの最も高いクリーチャーに影響する)。セーヴに成功したかどうかに拘わらず、目標は24時間の間ベイン効果の目標とならない(目標となるクリーチャーを決定するとき無視される)。
子供の匂い(変則)/Child-Scent:ウィッチは鋭敏嗅覚を得る。ただし、人型生物の子供と動物の幼体にのみ働く。したがって、ウィッチは子供の秘密基地や子狼の巣を嗅ぎつけるが、その子の両親や母狼には気づかない。
水中肺(超常)/Water Lung:空気を呼吸する目標は水中で呼吸できるようになる。また、目標が(水棲)なら、空気を呼吸できるようになる。この効果は1分間続く。ウィッチが自分自身にこの呪術を使用する場合、ウィッチは眠っている間も呪術を維持し、水中で安全に眠ることができる。
物掴む髪(超常)/Prehensile Hair:ウィッチの髪(または眉)は最大で長さ10フィートまで伸ばしたり、通常の長さまで縮めることができ、ウィッチの【知力】と同値の【筋力】をもつ四肢であるかのように扱うことができる。ウィッチの髪は10フィートの間合いをもち、1d3(小型のウィッチの場合1d2)ポイントのダメージを与える、二次的肉体攻撃として使用できる。ウィッチの髪は人間の手と同じくらい器用に物体(武器を除く)を操ることができる。髪を二房に分けたり、別々のクリーチャーを攻撃することはできない。ウィッチから切り離された髪は消滅する。髪がどれほど重いものを持ち上げても、ウィッチの頭部や首には負担がかからない。ウィッチは1日にレベル毎に1分の間髪を操ることができる。これらは連続している必要はないが、1分単位で使用しなければならない。一般的な男性のウィッチであれば、この呪術を使うときに髭か眉を操ることもできる。
爪(変則)/Nails:ウィッチの爪は長く鋭く、1d3(小型のウィッチの場合1d2)ポイントのダメージを与える肉体武器として使用できる。この攻撃は二次的攻撃である。手入れをするならウィッチの爪は1d4日で通常のサイズに再生する。
毒浸し(擬呪)/Poison Steep:ウィッチは瑞々しい果実やその他の美味な食材を大鍋で煮こむことで、食べたものにポイズンと同様の効果を与える腐敗毒を作ることができる。毒素を煮こむには合計で1時間かかり、最大で1ポンドの食物を浸すことができる。この食物は24時間の間毒として働き、他のものに毒素を移すことはできない。この食物は普通の味がするが、魔法には毒として反応する。この呪術を選ぶには、ウィッチは大鍋の呪術を得ていなければならない。
沼地のハグ(擬呪)/Swamp Hag:沼地、泥濘地、沼沢地、およびこれらと同様の地勢の地形を行く間、ウィッチはドルイドの跡なき足取り能力のように痕跡を残さない。ウィッチはこれらの泥と流砂を通常の地面のように歩くことができる。
野生の言葉(超常)/Feral Speech:ウィッチはスピーク・ウィズ・アニマルズを使用したように動物と会話する能力を得る。呪術を使用する際に両生類、鳥類、魚類、爬虫類、哺乳類からいずれか1つの種別を決定し、その種別の動物とのみ会話できる。この効果はウィッチの声が届く限り働く。この呪術は動物がウィッチに何らかの話をするよう仕向けるわけではない。12レベルの時点で、ウィッチはこの呪術を蟲との会話に使用できるようになる。
10レベルの開始時点および以降2レベル毎に、ウィッチは以下の上級呪術を新しい呪術を得るときに選択できる。
隠れ家(擬呪)/Hidden Home:ウィッチはミラージュ・アーケイナを使用したかのように、自宅を隠したり偽装したりすることができる。この呪術を使う前に、ウィッチは1日を費やしておよそ40,000平方フィート(約200フィート×200フィート)の自宅の領域の境界を定めなければならない。その後、ウィッチはこの領域の外観を変えるために、その内側から標準アクションでこの呪術を使用する。幻影はウィッチが変更するか破棄するかするまで持続する。ウィッチはこの能力で一度に1つの“自宅”しか持てない。
化膿する傷(超常)/Infected Wounds:目標の傷は化膿する(頑健・無効)。目標は1日ごとに1ポイントの【耐久力】ダメージを受ける。初日以降、目標は1日ごとに1回化膿から回復するためのセーヴを行える。これは[病気]効果である。
獣の目(超常)/Beast Eye:ウィッチは100フィート以内の動物の感覚器に自身の感覚を投影することができる。動物の行動を制御できるわけではない。ウィッチは標準アクションで感覚の投影を行い、維持することで、実際にいる場所から遠く離れたものを見ることができる。感覚を自分の肉体に戻すのはフリー・アクションである。通常の動物はこの能力に対してセーヴィング・スローを行わないが、動物の相棒、パラディンの乗騎その他同様の特別な動物は意志セーヴを行う。ウィッチは自分の使い魔が動物であるならこの能力を自分の使い魔に使用できる。魔女団の呪術を持つウィッチがこの能力を制御している間、10フィート以内にいる魔女団の呪術を持つすべてのウィッチは、この動物を通してものを見ることができる。ウィッチはこの能力を1日にレベル毎に1分の間使用できる。これらは連続している必要はないが、1分単位で消費しなければいけない。
氷の墓標(超常)/Ice Tomb:氷と凍てつく風の嵐が目標を覆う(3d8[氷雪]ダメージ(頑健・半減))。目標はセーヴに失敗すると氷が保たれる限り麻痺状態かつ気絶状態になるが、食事と呼吸が不要になる。氷は20ヒット・ポイントをもち、破壊すれば中のクリーチャーは解放されるが、解放後1d4ラウンドはよろめき状態となる。目標はセーヴィング・スローに成功したかどうかに拘わらず、1日の間この呪術の対象にできない。
霜(超常)/Hoarfrost:目標はゆっくりと肉体に食い込んでいく霜の針に覆われる(頑健・無効)。目標は青ざめ、死ぬまで1分毎にセーヴを行わねばならず、失敗すると1ポイントの【耐久力】ダメージを受ける。セーヴに成功すれば回復する。ブレイク・エンチャントメント、ディスペル・マジック、リムーヴ・カース、および同種の呪文はこの効果を終了させる。セーヴに成功した対象は1日の間この呪術の完全耐性を得る。これは[氷雪]効果である。
食人料理(超常)/Cook People:ウィッチは生死を問わず知性を持つ人型生物を大鍋で調理することで、素晴らしい呪文を作りだすことができる。この呪術を使用すると、ウィッチはおいしいシチュー、クッキー生地、ペーストリーその他のデザートから選択した1食分の食物を作りだす。犠牲者の調理には1時間かかる。この食物を食べると、1時間、以下の利益のうち1つを得られる:エイジ・レジスタンス、ベアズ・エンデュアランス、ブルズ・ストレンクス、キャッツ・グレイス、イーグルズ・スプレンダー、フォクセス・カニング、ニュートラライズ・ポイズン(瞬間)、アウルズ・ウィズダム、リムーヴ・ディジーズ(瞬間)。あるいはウィッチはパン生地を1時間ホムンクルスのように動く小さな人間のようなクリーチャーに成形できる。ウィッチは大鍋の呪術を持っていなければこの呪術を選択できない。この呪術を使用するか、この食物を知っていながら食べるのは邪悪な行為である。
魔女の醸造/Witch's Brew(変則):ウィッチは2倍の費用を消費して1日に2つのポーションを大鍋で作成できる。15レベルにおいて、3倍の費用を消費して3つのポーションを作成できる。大鍋の呪術を持つウィッチでなければこの呪術は選択できない。
夢での会話(擬呪)/Speak in Dreams:ウィッチはドリームを使用したかのようにクリーチャーと連絡できる。ウィッチはこの能力を1日に【知力】ボーナスに等しい数の対象に使用できるが、その対象それぞれと望む限りの時間ずっと夢の会話を行うことができる。
18レベルの開始時点および以降2レベル毎に、ウィッチは以下の大いなる呪術を、新しい呪術を選択できるときに選んでよい。
恐ろしい予言(超常)/Dire Prophecy:ウィッチは目標を呪い死を運命づける(意志・無効)。呪いが持続する限り、目標はアーマー・クラス、攻撃ロール、セーヴ、能力値判定、技能判定に-4ペナルティを受ける。呪いが持続する間、ウィッチは犠牲者に呪いの完全な力を一気にもたらして呪いを終了させることができる。この場合犠牲者はウィッチの術者レベルに等しいペナルティをアーマー・クラスまたはいずれか1回の攻撃ロール、戦技判定、対抗能力値あるいは技能判定、セーヴィング・スローに受ける。ウィッチはロールが行われる前にこのペナルティを適用するか決めなければならない。ウィッチの目標への視線が遮られた場合、呪いの完全な力はGMが最も適切だと考える致命的な状況で下される。目標は1度に1つの恐ろしい予言しか被らない。目標となったクリーチャーはセーヴが成功したかどうかに拘わらず、1日の間この呪術の目標にならない。これは[呪い]効果である。
魔女の小屋(超常)/Witch's Hut:ウィッチはアニメイト・オブジェクツのように小屋、小さな家、幌馬車、テント、または同様の構造物を動かすことができる。この小屋はハグサイズ(約15フィート×15フィート)のものまでできる。動く小屋の硬度は8増加し、ヒット・ポイントは倍になる。ウィッチは小屋に以下の命令ができる:警戒しろ(小屋は120フィート以内の侵入者をウィッチの〈知覚〉修正値を用いて監視し、発見すると金切り声を上げる)、隠れろ(すべての入り口はイリューソリイ・ウォールで隠され、アーケイン・ロックで閉ざされる)、動け(大きな鳥か骨の足により、60フィートの速度でウィッチに直接ついてまわる。「100フィート離れてついてこい」といった指示には従う)。小屋はウィッチが中断するか別のものを動かすまで24時間動きつづける。どちらの場合でも小屋は止まった場所で非魔法的な状態に戻る。
霊の召喚(擬呪)/Summon Spirit:ウィッチはグレーター・プレイナー・アライを発動したかのように18ヒット・ダイス以下の人型生物のゴーストを呼び出す。このゴーストは固有の人格と目的を持っているが、ウィッチとの契約には応じる。ウィッチとの契約に調印するため、ゴーストは1レベルの一時的な負のレベル(これはゴーストの奉仕への対価に加える)にあたる生命力を要求する。この負のレベルはゴーストがウィッチに奉仕し続ける限り持続する。ウィッチは標準アクションで契約を終えることができ、負のレベルは速やかに取り除かれる。
オカルト/Occult:2―ディテクト・アンデッド、4―コマンド・アンデッド、6―トワイライト・ナイフ、8―ブラック・テンタクルズ、10―スネーク・スタッフ、12―クリエイト・アンデッド、14―ウェイヴズ・オヴ・イグゾースチョン、16―トラップ・ザ・ソウル、18―ゲート。
狂気/Insanity:2―メモリー・ラプス、4―ヒディアス・ラフター、6―ディストラクティング・カコフォニー、8―コンフュージョン、10―マインド・フォッグ、12―エンヴィアス・アージ、14―インサニティ、16―シンボル・オヴ・インサニティ、18―オーヴァーウェルミング・プレゼンス。
死/Death:2―デスウォッチ、4―ブレッシング・オヴ・カレッジ・アンド・ライフ、6―スピーク・ウィズ・デッド、8―レスト・エターナル、10―サフォケーション、12―サークル・オヴ・デス、14―フィンガー・オヴ・デス、16―シンボル・オヴ・デス、18―パワー・ワード・キル。
前兆/Portents:2―イル・オーメン、4―ロケート・オブジェクト、6―ブラッド・バイオグラフィ、8―ディヴィネーション、10―コンタクト・アザー・プレイン、12―レジェンド・ローア、14―ヴィジョン、16―モーメント・オヴ・プレシャンス、18―フォアサイト。
祖霊/Ancestors:2―ブレス、4―エイド、6―プレイヤー、8―ブレッシング・オヴ・ファーヴァー、10―コミューン、12―グレーター・ヒロイズム、14―レフュージ、16―ユーフォリック・トランクィリティ、18―ウィアード。
月/Moon:2―ダークネス、4―ダークヴィジョン、6―アウルズ・ウィズダム、8―ムーンストラック、10―アスペクト・オヴ・ザ・ウルフ、12―コントロール・ウォーター、14―ルナ・ヴェイル、16―ホリッド・ウィルティング、18―メテオ・スウォーム。
治癒/Healing:2―リムーヴ・フィアー、4―レッサー・レストレーション、6―リムーヴ・ディジーズ、8―レストレーション、10―クレンズ、12―ピラー・オヴ・ライフ、14―グレーター・レストレーション、16―マス・キュア・クリティカル・ウーンズ、18―トゥルー・リザレクション。
時/Time:2―ヴェントリロキズム、4―サイレンス、6―ヘイスト、8―スリーフォールド・アスペクト、10―テレポート、12―ディスインテグレイト、14―エクスペンド、16―テンポラル・ステイシス、18―タイム・ストップ。
光/Light:2―ダンシング・ランタン、4―コンティニュアル・フレイム、6―デイライト、8―レインボー・パターン、10―ファイアー・スネーク、12―シロッコ、14―サンビーム、16―サンバースト、18―ファイアリー・ボディ。
復讐/Vengeance:2―バーニング・ハンズ、4―バーニング・ゲイズ、6―ペイン・ストライク、8―シャウト、10―シンボル・オヴ・ペイン、12―マス・ペイン・ストライク、14―ファンタズマル・リヴェンジ、16―インセンディエリ・クラウド、18―ウィンズ・オヴ・ヴェンジャンス。
冬/Winter:2―アンシェイカブル・チル、4―レジスト・エナジー([氷雪]のみ)、6―アイス・ストーム、8―ウォール・オヴ・アイス、10―コーン・オヴ・コールド、12―フリージング・スフィアー、14―コントロール・ウェザー、16―ポーラー・レイ、18―ポーラー・ミッドナイト。
星/Stars:2―フェアリー・ファイアー、4―ダスト・オヴ・トワイライト、6―ガイディング・スター、8―ワンダリング・スター・モーツ、10―ドリーム、12―クローク・オヴ・ドリームズ、14―サークル・オヴ・クラリティ、16―ユーフォリック・トランクィリティ、18―アストラル・プロジェクション。
魅了/Enchantment:2―アンナチュラル・ラスト、4―カーム・エモーションズ、6―アンアダルトレイテッド・ローシング、8―オーヴァーウェルミング・グリーフ、10―ドミネイト・パースン、12―ギアス、14―ユーフォリック・トランクィリティ、16―ディマンド、18―ドミネイト・モンスター。
霊/Spirits:2―ゴーストベイン・ダージュ、4―インヴィジビリティ、6―スピーク・ウィズ・デッド、8―スピリチュアル・アライ、10―マス・ゴーストベイン・ダージュ、12―シャドウ・ウォーク、14―イセリアル・ジョーント、16―プレイナー・アライ、18―イセリアルネス。
海の魔女の大洋や回転する波と親和性を結んでいる。その魔術は月、湖、水、そして風に関係しており、海かその近くにいるときは概ね平和である。
守護者/Patron:海の魔女は水と対立するようなテーマや関心を持つ守護者(例えば地や火)を選ぶことができない。
呪文/Spells:海の魔女は守護者呪文のいくつかを以下と置き換える:2―タッチ・オヴ・シー、4―ガスト・オヴ・ウィンド、6―ウォーター・ブリージング、8―コントロール・ウォーター、10―クラウドキル、12―コントロール・ウィンズ、14―コントロール・ウェザー、16―ヴォーテックス、18―ツナミ。これらは守護者呪文と置き換える。
ノウ・ディレクション(擬呪)/Know Direction:海の魔女は大きな水域(少なくとも直径1マイル以上の湖)の近くにいるとき、擬似呪文能力としてノウ・ディレクションを発動することができる。
海生生物との共感(変則)/Sea Creature Empathy:海の魔女は水中に住む動物や、海岸や川・湖の岸を棲処とする動物の態度を、野生動物との共感を使用したかのように変更できる。この動物には鳥も含まれる。海の魔女はこの能力において、ウィッチ・レベルをドルイド・レベルとして扱う。海の魔女が野生動物との共感を他のクラスから得ていた場合、それらの種類のクリーチャーへの野生動物との共感のボーナスを決定するにあたり、ウィッチ・レベルをそのクラス・レベルに加える。この能力はウィッチの1レベルの呪術と置き換える。
呪術:以下の呪術は海の魔女アーキタイプを補完する:水中肺、飛翔、魅了。
上級呪術:以下の上級呪術は海の魔女アーキタイプを補完する:隠れ家、天候制御、ハグの目。
大いなる呪術:以下の大いなる呪術は海の魔女アーキタイプを補完する:自然災害。
ウィッチの中には、他者の世話に専念し、その技を医術に制限するものたちがいる。彼らは田舎の集落においてはしばしばクレリックのような位置を占め、地方をさまよいながらいくつかの小社会で必要とされるサービスをする。
守護者/Patron:通常、垣根の魔女の守護者は治癒である。
任意治癒(超常)/Spontaneous Healing:垣根の魔女は蓄えられた呪文のエネルギーを、その時点では準備していなかった癒しの呪文へと導くことができる。ウィッチはオリソン(訳注:キャントリップの誤り)ではない準備済みの呪文を“失う”ことで、そのレベル以下のキュア呪文を発動することができる。このキュア呪文を修得していない場合でさえ、ウィッチはこの能力を使用できる。この能力はウィッチの4レベルの呪術と置き換える。
共感療法(超常)/Empathic Healing:垣根の魔女は病や毒に侵された目標に奉仕することで、災厄がウィッチ自身を苛むよう変えることができる。ウィッチは1回の標準アクションとして、毒に侵された目標を看病しなければならない。目標は通常通り次の毒に抗うためのセーヴィング・スローを行うが、セーヴに失敗するとウィッチが代わりに毒の効果を受ける。ウィッチは1時間費やすことで、病気に侵された目標を世話することができる。目標は通常通り次の病に抗うためのセーヴィング・スローを行うが、セーヴに失敗するとウィッチが代わりに病気の効果を受ける。ウィッチは実際に毒や病に侵された状態になるのではない(伝染せず、回復の必要もない)が、そうなったかのように災厄の効果を受ける。ウィッチは通常この能力を死に瀕したものの命を長らえ、回復の時間を与えるために使う。ウィッチが病気または毒への完全耐性を持っていたとしてもこの能力にそれらの効果は作用しない。この能力はウィッチの8レベルの呪術と置き換える。
呪術:以下の呪術は垣根の魔女アーキタイプを補完する:大鍋、タンズ、治癒、野生の言葉。
上級呪術:以下の上級呪術は垣根の魔女アーキタイプを補完する:上級治癒、天候制御、魔女の醸造。
大いなる呪術:以下の大いなる呪術は垣根の魔女アーキタイプを補完する:生命付与者。
すべてのウィッチは使い魔と親密に繋がっているが、獣の盟友の技は使い魔との絆と、使い魔を通じて守護者との結びつきを深めることに特化している。
特技転送(変則)/Transfer Feats:獣の盟友は新たな特技を学ぶことができるとき、自分の代わりに使い魔にボーナス特技を学ばせることを選んでもよい。使い魔は特技の前提条件を満たさねばならない。使い魔が失われるか死亡した場合、ウィッチは特技スロットを取り戻し、自分のために使用するか、新たな使い魔のために使用するか選ぶことができる。
使い魔強化(超常)/Enhanced Familiar:4レベルの時点で、獣の盟友と使い魔の結びつきは力強くなる。使い魔の能力を決定するにあたり、実際のウィッチ・レベルより1レベル高いものとして扱う。この能力は4レベルの呪術と置き換える。
使い魔形態(擬呪)/Familiar Form:8レベルの時点で、獣の盟友はビースト・シェイプIIを使用したかのように、使い魔の姿(またはそのより大きなサイズのバージョンや類似した動物)になることができる。例えば、ラットの使い魔をもつウィッチは超小型のラット、小型のラット、小型テンプレート付きのダイア・ラット、またはより大きなげっ歯類になれる。キャットの使い魔を持つウィッチは小型のキャットや、より大きなタイガーやライオンのようなネコ科の動物になれる。モンキーの使い魔をもつウィッチは小型のモンキーか大型のゴリラなどになることができる。ウィッチは1日にレベルにつき1分間この能力を使用できる。この能力は8レベルの呪術と置き換える。
対なる魂(超常)/Twin Soul:10レベルの時点で、ウィッチか使い魔が重傷を負うか死にかけたとき、瀕死状態の側の魂は直ちにもう一方の肉体に転送される。二つの魂は生き残った肉体を平和に共有し、自由に交信して、それぞれの思考能力と目的を保つことができる。元の肉体の持ち主は、移動アクションによって、受け入れた魂に一時的に肉体を明け渡したり取り戻すことができる。両者はこの状態を無期限に維持できる。また接触することで受け入れた魂を元の肉体(利用可能であるなら)に戻すことができる。適当な器(クローンのような)に移ったり、マジック・ジャー(容器のない)を使用するなら別の肉体を手に入れることもできる。この能力は10レベルの上級呪術と置き換える。
呪術:以下の呪術は獣の盟友アーキタイプを補完する:凶兆の獣、護り、魅了、野生の言葉。
上級呪術:以下の上級呪術は獣の盟友アーキタイプを補完する:獣の目。
大いなる呪術:以下の大いなる呪術は獣の盟友アーキタイプを補完する:強制的転生。
墓歩きは死霊術士と多くの共通点を持ち、死者のオカルト的操作に取りつかれている。特にゾンビのような知性のないアンデッドを好む。一般的な死霊術士と異なるのは、墓歩きは凄まじい力をもつ下劣な霊を生じさせることができ、その創造物はその意思の及ぶ限り存在し続ける点だ。
呪文/Spells:墓歩きは守護者呪文のいくつかを以下と置き換える:4―コマンド・アンデッド、6―アニメイト・デッド、12―クリエイト・アンデッド、14―コントロール・アンデッド、16―クリエイト・グレーター・アンデッド、これらは守護者呪文と置き換える。
パペット/Poppet:墓歩きは人皮を縫って骨の欠片や指の爪、墓の土を詰めこんだ生命のない筋張ったパペットを各々持ち歩いている。墓歩きの呪文はこのパペットに潜む悪霊の知恵からもたらされ、その呪文保持能力はウィッチの呪文が使い魔からもたらされるのと同じ方法で作用する。墓歩きは毎日呪文を準備するためにパペットと交感しなければならず、パペットの蓄えていない呪文は準備できない。この能力はウィッチの使い魔と置き換える。墓歩きの使い魔は以下の能力が異なる。
接触呪文伝達(超常)/Deliver Touch Spells:3レベル以降、墓歩きはパペットを接触呪文の伝達に使える。接触呪文を発動した後でウィッチは1全ラウンド・アクションを使用して、パペットを目標の姿にして針で刺すことができ、呪文は遠隔接触攻撃として伝達される。この目標は冒涜のオーラの範囲内にいなければならない(以下を参照)。
冒涜のオーラ(超常)/Aura of Desecration:1レベルの時点で、墓歩きは半径20フィートの邪悪な力のオーラを発することができる。このオーラは負のエネルギー放出の難易度と《アンデッド退散》への抵抗を+1し、3レベルおよび続く2レベルごとに、オーラの半径は5フィート増加し、20レベルのとき最大で70フィートになる。この能力はウィッチの1レベルの呪術と置き換える。
骨の奴隷(超常)/Bonethrall:1レベルの時点で、墓歩きは冒涜のオーラ内のアンデッド・クリーチャーに意識を集中し制御することができる(意志・無効、呪術の難易度を使用すること)。セーヴに失敗したクリーチャーは、コマンド・アンデッドを使ったかのようにウィッチの制御下に置かれる(一度制御を確立すると、アンデッドはウィッチのオーラの外側でも制御される)。知性のあるアンデッドはウィッチの制御に抵抗する新しいセーヴィング・スローを毎日行うことができる。ウィッチは術者レベルにつき1HDまでのアンデッドを制御できる。アンデッド・クリーチャーが別のクリーチャーの制御下に入り、命令が衝突した場合、【魅力】の対抗判定をしなければならない。この能力はウィッチの4レベルの呪術と置き換える。
アンデッド憑依(擬呪)/Possess Undead:墓歩きは冒涜のオーラの内側にいるアンデッドの従者のうち1体を、マジック・ジャーを使ったかのように直接制御することができる。ウィッチのパペットはこの能力のための魂の保管所として機能する。従者はこの能力へのセーヴィング・スローを行えない。この能力はウィッチの8レベルの呪術と置き換える。
呪術:以下の呪術は墓歩きアーキタイプを補完する:凶兆の獣、邪眼、不運。