ウィッチはその不気味な能力と強力な呪術のため尊敬され同じくらい恐れられる、神秘と力のクリーチャーである。幾人もの術者が古代の大書、生来の血脈に宿る力、神や女神への信仰を頼りにする中、ウィッチは別のところに目を向け、知られざるものとの霊的交感から力を得る。ウィッチの使い魔は異界の存在との契約の一部として贈られ、彼女が能力を受け取る導管として機能する。その力を得る程に、多くのウィッチはその秘術能力が何からもたらされたのかを探し出していき、最終的にはその正確な根源を理解するようになるが、同時に多くのウィッチは幸福にもどのような恐ろしい力が自らの手とまじないを導いているのか気付いていないままだ。そうしたウィッチにとっては、ただ力を持つだけで十分であり、いつかどこかで支払うべき代償があったとしたら――あるがままに。
本項にはウィッチの新しい呪術、新しい守護者テーマ、そしていくつかのウィッチのアーキタイプが含まれている。各アーキタイプはいくつかのウィッチの呪術を推奨しているが、これらは必須ではなく、キャラクターのイメージを豊かにするためのものだ。
以下の呪術はすべてのウィッチに利用可能であり、標準の呪術のルールに従う。呪術へ抵抗するためのセーヴは10+ウィッチ・レベルの1/2+ウィッチの【知力】修正値である。
10レベルの開始時点および以降2レベル毎に、ウィッチは以下の上級呪術を新しい呪術を得るときに選択できる。
18レベルの開始時点および以降2レベル毎に、ウィッチは以下の大いなる呪術を、新しい呪術を選択できるときに選んでよい。
ウィッチは以下の守護者を代わりに選んでもよい。
オカルト/Occult:2―ディテクト・アンデッド、4―コマンド・アンデッド、6―トワイライト・ナイフ、8―ブラック・テンタクルズ、10―スネーク・スタッフ、12―クリエイト・アンデッド、14―ウェイヴズ・オヴ・イグゾースチョン、16―トラップ・ザ・ソウル、18―ゲート。
狂気/Insanity:2―メモリー・ラプス、4―ヒディアス・ラフター、6―ディストラクティング・カコフォニー、8―コンフュージョン、10―マインド・フォッグ、12―エンヴィアス・アージ、14―インサニティ、16―シンボル・オヴ・インサニティ、18―オーヴァーウェルミング・プレゼンス。
死/Death:2―デスウォッチ、4―ブレッシング・オヴ・カレッジ・アンド・ライフ、6―スピーク・ウィズ・デッド、8―レスト・エターナル、10―サフォケーション、12―サークル・オヴ・デス、14―フィンガー・オヴ・デス、16―シンボル・オヴ・デス、18―パワー・ワード・キル。
前兆/Portents:2―イル・オーメン、4―ロケート・オブジェクト、6―ブラッド・バイオグラフィ、8―ディヴィネーション、10―コンタクト・アザー・プレイン、12―レジェンド・ローア、14―ヴィジョン、16―モーメント・オヴ・プレシャンス、18―フォアサイト。
祖霊/Ancestors:2―ブレス、4―エイド、6―プレイヤー、8―ブレッシング・オヴ・ファーヴァー、10―コミューン、12―グレーター・ヒロイズム、14―レフュージ、16―ユーフォリック・トランクィリティ、18―ウィアード。
月/Moon:2―ダークネス、4―ダークヴィジョン、6―アウルズ・ウィズダム、8―ムーンストラック、10―アスペクト・オヴ・ザ・ウルフ、12―コントロール・ウォーター、14―ルナ・ヴェイル、16―ホリッド・ウィルティング、18―メテオ・スウォーム。
治癒/Healing:2―リムーヴ・フィアー、4―レッサー・レストレーション、6―リムーヴ・ディジーズ、8―レストレーション、10―クレンズ、12―ピラー・オヴ・ライフ、14―グレーター・レストレーション、16―マス・キュア・クリティカル・ウーンズ、18―トゥルー・リザレクション。
時/Time:2―ヴェントリロキズム、4―サイレンス、6―ヘイスト、8―スリーフォールド・アスペクト、10―テレポート、12―ディスインテグレイト、14―エクスペンド、16―テンポラル・ステイシス、18―タイム・ストップ。
光/Light:2―ダンシング・ランタン、4―コンティニュアル・フレイム、6―デイライト、8―レインボー・パターン、10―ファイアー・スネーク、12―シロッコ、14―サンビーム、16―サンバースト、18―ファイアリー・ボディ。
復讐/Vengeance:2―バーニング・ハンズ、4―バーニング・ゲイズ、6―ペイン・ストライク、8―シャウト、10―シンボル・オヴ・ペイン、12―マス・ペイン・ストライク、14―ファンタズマル・リヴェンジ、16―インセンディエリ・クラウド、18―ウィンズ・オヴ・ヴェンジャンス。
冬/Winter:2―アンシェイカブル・チル、4―レジスト・エナジー([氷雪]のみ)、6―アイス・ストーム、8―ウォール・オヴ・アイス、10―コーン・オヴ・コールド、12―フリージング・スフィアー、14―コントロール・ウェザー、16―ポーラー・レイ、18―ポーラー・ミッドナイト。
星/Stars:2―フェアリー・ファイアー、4―ダスト・オヴ・トワイライト、6―ガイディング・スター、8―ワンダリング・スター・モーツ、10―ドリーム、12―クローク・オヴ・ドリームズ、14―サークル・オヴ・クラリティ、16―ユーフォリック・トランクィリティ、18―アストラル・プロジェクション。
魅了/Enchantment:2―アンナチュラル・ラスト、4―カーム・エモーションズ、6―アンアダルトレイテッド・ローシング、8―オーヴァーウェルミング・グリーフ、10―ドミネイト・パースン、12―ギアス、14―ユーフォリック・トランクィリティ、16―ディマンド、18―ドミネイト・モンスター。
霊/Spirits:2―ゴーストベイン・ダージュ、4―インヴィジビリティ、6―スピーク・ウィズ・デッド、8―スピリチュアル・アライ、10―マス・ゴーストベイン・ダージュ、12―シャドウ・ウォーク、14―イセリアル・ジョーント、16―プレイナー・アライ、18―イセリアルネス。
海の魔女の大洋や回転する波と親和性を結んでいる。その魔術は月、湖、水、そして風に関係しており、海かその近くにいるときは概ね平和である。
守護者/Patron:海の魔女は水と対立するようなテーマや関心を持つ守護者(例えば地や火)を選ぶことができない。
呪文/Spells:海の魔女は守護者呪文のいくつかを以下と置き換える:2―タッチ・オヴ・シー、4―ガスト・オヴ・ウィンド、6―ウォーター・ブリージング、8―コントロール・ウォーター、10―クラウドキル、12―コントロール・ウィンズ、14―コントロール・ウェザー、16―ヴォーテックス、18―ツナミ。これらは守護者呪文と置き換える。
ノウ・ディレクション(擬呪)/Know Direction:海の魔女は大きな水域(少なくとも直径1マイル以上の湖)の近くにいるとき、擬似呪文能力としてノウ・ディレクションを発動することができる。
海生生物との共感(変則)/Sea Creature Empathy:海の魔女は水中に住む動物や、海岸や川・湖の岸を棲処とする動物の態度を、野生動物との共感を使用したかのように変更できる。この動物には鳥も含まれる。海の魔女はこの能力において、ウィッチ・レベルをドルイド・レベルとして扱う。海の魔女が野生動物との共感を他のクラスから得ていた場合、それらの種類のクリーチャーへの野生動物との共感のボーナスを決定するにあたり、ウィッチ・レベルをそのクラス・レベルに加える。この能力はウィッチの1レベルの呪術と置き換える。
呪術:以下の呪術は海の魔女アーキタイプを補完する:水中肺、飛翔、魅了。
上級呪術:以下の上級呪術は海の魔女アーキタイプを補完する:隠れ家、天候制御、ハグの目。
大いなる呪術:以下の大いなる呪術は海の魔女アーキタイプを補完する:自然災害。
ウィッチの中には、他者の世話に専念し、その技を医術に制限するものたちがいる。彼らは田舎の集落においてはしばしばクレリックのような位置を占め、地方をさまよいながらいくつかの小社会で必要とされるサービスをする。
守護者/Patron:通常、垣根の魔女の守護者は治癒である。
任意治癒(超常)/Spontaneous Healing:垣根の魔女は蓄えられた呪文のエネルギーを、その時点では準備していなかった癒しの呪文へと導くことができる。ウィッチはオリソン(訳注:キャントリップの誤り)ではない準備済みの呪文を“失う”ことで、そのレベル以下のキュア呪文を発動することができる。このキュア呪文を修得していない場合でさえ、ウィッチはこの能力を使用できる。この能力はウィッチの4レベルの呪術と置き換える。
共感療法(超常)/Empathic Healing:垣根の魔女は病や毒に侵された目標に奉仕することで、災厄がウィッチ自身を苛むよう変えることができる。ウィッチは1回の標準アクションとして、毒に侵された目標を看病しなければならない。目標は通常通り次の毒に抗うためのセーヴィング・スローを行うが、セーヴに失敗するとウィッチが代わりに毒の効果を受ける。ウィッチは1時間費やすことで、病気に侵された目標を世話することができる。目標は通常通り次の病に抗うためのセーヴィング・スローを行うが、セーヴに失敗するとウィッチが代わりに病気の効果を受ける。ウィッチは実際に毒や病に侵された状態になるのではない(伝染せず、回復の必要もない)が、そうなったかのように災厄の効果を受ける。ウィッチは通常この能力を死に瀕したものの命を長らえ、回復の時間を与えるために使う。ウィッチが病気または毒への完全耐性を持っていたとしてもこの能力にそれらの効果は作用しない。この能力はウィッチの8レベルの呪術と置き換える。
呪術:以下の呪術は垣根の魔女アーキタイプを補完する:大鍋、タンズ、治癒、野生の言葉。
上級呪術:以下の上級呪術は垣根の魔女アーキタイプを補完する:上級治癒、天候制御、魔女の醸造。
大いなる呪術:以下の大いなる呪術は垣根の魔女アーキタイプを補完する:生命付与者。
すべてのウィッチは使い魔と親密に繋がっているが、獣の盟友の技は使い魔との絆と、使い魔を通じて守護者との結びつきを深めることに特化している。
特技転送(変則)/Transfer Feats:獣の盟友は新たな特技を学ぶことができるとき、自分の代わりに使い魔にボーナス特技を学ばせることを選んでもよい。使い魔は特技の前提条件を満たさねばならない。使い魔が失われるか死亡した場合、ウィッチは特技スロットを取り戻し、自分のために使用するか、新たな使い魔のために使用するか選ぶことができる。
使い魔強化(超常)/Enhanced Familiar:4レベルの時点で、獣の盟友と使い魔の結びつきは力強くなる。使い魔の能力を決定するにあたり、実際のウィッチ・レベルより1レベル高いものとして扱う。この能力は4レベルの呪術と置き換える。
使い魔形態(擬呪)/Familiar Form:8レベルの時点で、獣の盟友はビースト・シェイプIIを使用したかのように、使い魔の姿(またはそのより大きなサイズのバージョンや類似した動物)になることができる。例えば、ラットの使い魔をもつウィッチは超小型のラット、小型のラット、小型テンプレート付きのダイア・ラット、またはより大きなげっ歯類になれる。キャットの使い魔を持つウィッチは小型のキャットや、より大きなタイガーやライオンのようなネコ科の動物になれる。モンキーの使い魔をもつウィッチは小型のモンキーか大型のゴリラなどになることができる。ウィッチは1日にレベルにつき1分間この能力を使用できる。この能力は8レベルの呪術と置き換える。
対なる魂(超常)/Twin Soul:10レベルの時点で、ウィッチか使い魔が重傷を負うか死にかけたとき、瀕死状態の側の魂は直ちにもう一方の肉体に転送される。二つの魂は生き残った肉体を平和に共有し、自由に交信して、それぞれの思考能力と目的を保つことができる。元の肉体の持ち主は、移動アクションによって、受け入れた魂に一時的に肉体を明け渡したり取り戻すことができる。両者はこの状態を無期限に維持できる。また接触することで受け入れた魂を元の肉体(利用可能であるなら)に戻すことができる。適当な器(クローンのような)に移ったり、マジック・ジャー(容器のない)を使用するなら別の肉体を手に入れることもできる。この能力は10レベルの上級呪術と置き換える。
呪術:以下の呪術は獣の盟友アーキタイプを補完する:凶兆の獣、護り、魅了、野生の言葉。
上級呪術:以下の上級呪術は獣の盟友アーキタイプを補完する:獣の目。
大いなる呪術:以下の大いなる呪術は獣の盟友アーキタイプを補完する:強制的転生。
墓歩きは死霊術士と多くの共通点を持ち、死者のオカルト的操作に取りつかれている。特にゾンビのような知性のないアンデッドを好む。一般的な死霊術士と異なるのは、墓歩きは凄まじい力をもつ下劣な霊を生じさせることができ、その創造物はその意思の及ぶ限り存在し続ける点だ。
呪文/Spells:墓歩きは守護者呪文のいくつかを以下と置き換える:4―コマンド・アンデッド、6―アニメイト・デッド、12―クリエイト・アンデッド、14―コントロール・アンデッド、16―クリエイト・グレーター・アンデッド、これらは守護者呪文と置き換える。
パペット/Poppet:墓歩きは人皮を縫って骨の欠片や指の爪、墓の土を詰めこんだ生命のない筋張ったパペットを各々持ち歩いている。墓歩きの呪文はこのパペットに潜む悪霊の知恵からもたらされ、その呪文保持能力はウィッチの呪文が使い魔からもたらされるのと同じ方法で作用する。墓歩きは毎日呪文を準備するためにパペットと交感しなければならず、パペットの蓄えていない呪文は準備できない。この能力はウィッチの使い魔と置き換える。墓歩きの使い魔は以下の能力が異なる。
冒涜のオーラ(超常)/Aura of Desecration:1レベルの時点で、墓歩きは半径20フィートの邪悪な力のオーラを発することができる。このオーラは負のエネルギー放出の難易度と《アンデッド退散》への抵抗を+1し、3レベルおよび続く2レベルごとに、オーラの半径は5フィート増加し、20レベルのとき最大で70フィートになる。この能力はウィッチの1レベルの呪術と置き換える。
骨の奴隷(超常)/Bonethrall:1レベルの時点で、墓歩きは冒涜のオーラ内のアンデッド・クリーチャーに意識を集中し制御することができる(意志・無効、呪術の難易度を使用すること)。セーヴに失敗したクリーチャーは、コマンド・アンデッドを使ったかのようにウィッチの制御下に置かれる(一度制御を確立すると、アンデッドはウィッチのオーラの外側でも制御される)。知性のあるアンデッドはウィッチの制御に抵抗する新しいセーヴィング・スローを毎日行うことができる。ウィッチは術者レベルにつき1HDまでのアンデッドを制御できる。アンデッド・クリーチャーが別のクリーチャーの制御下に入り、命令が衝突した場合、【魅力】の対抗判定をしなければならない。この能力はウィッチの4レベルの呪術と置き換える。
アンデッド憑依(擬呪)/Possess Undead:墓歩きは冒涜のオーラの内側にいるアンデッドの従者のうち1体を、マジック・ジャーを使ったかのように直接制御することができる。ウィッチのパペットはこの能力のための魂の保管所として機能する。従者はこの能力へのセーヴィング・スローを行えない。この能力はウィッチの8レベルの呪術と置き換える。
呪術:以下の呪術は墓歩きアーキタイプを補完する:凶兆の獣、邪眼、不運。
上級呪術:以下の上級呪術は墓歩きアーキタイプを補完する:化膿する傷、氷の墓標、蝋像。
大いなる呪術:以下の大いなる呪術は墓歩きアーキタイプを補完する:死の呪い、霊の召喚。