このクリーチャーはコウモリの翼の付いた黒ずんだフィーンドの頭部である。顎と頭皮から触手がぶら下がり、牙の生えた口はあんぐりと開け放たれている。
経験点600
中立にして悪/小型サイズの来訪者(悪、他次元界)
イニシアチブ +1; 感覚 暗視60フィート; 〈知覚〉+7
アーマー・クラス 15、接触12、立ちすくみ14(+3外皮、+1サイズ、+1【敏】)
ヒット・ポイント 19(3d10+3)
頑健 +4、反応 +4、意志 +2
移動速度 飛行30フィート(良好)
近接 噛みつき=+5(1d4、加えて“毒”)
特殊攻撃 金切り声、接吻、毒
【筋】10、【敏】13、【耐】13、【知】5、【判】12、【魅】8
基本攻撃 +3; 戦技ボーナス +2; 戦技防御値 13
特技 《技能熟練:隠密》、《武器の妙技》
技能 〈威圧〉+5、〈隠密〉+8、〈知覚〉+7、〈飛行〉+13
言語 地獄語
出現環境 気候問わず/地形問わず
編成 2体、小集団(3~6)、大軍(7~12)
宝物 なし
接吻(超常)/Kiss ヴァルグイユは無防備状態の目標に対して(機会攻撃を誘発する)近接接触攻撃に成功することで接吻を行なえる。効果を受けた相手は難易度16の頑健セーヴに成功せねばならず、失敗すると恐るべき変化が始まり、24時間以内(そして大抵はそれよりも早い形質変化の段階ごとにそれぞれ1d6時間を費やす)にヴァルグイユへと形質変化してしまう。まず、最初の1d6時間後にすべての頭髪を失う。更にその1d6時間後、耳が皮の翼に変わり始め、おとがいと頭皮から触手が伸び始める。そして歯が長くなり尖った牙になる。続く1d6時間の間に犠牲者は【知力】と【魅力】をそれぞれ1時間ごとに1ポイント恒久的に吸収される(最低で3まで)。この変化はその1d6時間後に完成し、頭部は胴体からちぎれ(胴体は即座に死亡する)ヴァルグイユになる。この変化は太陽光あるいは3レベル以上の[光]呪文により中断されるが、変化を止めるためにはリムーヴ・ディジーズや類似する効果が必要である。この変化は病気効果である。このセーヴ難易度は【耐久力】修正値に基づいて算出されており、+4の種族ボーナスを含んでいる。
毒(超常)/Poison 噛みつき・致傷型; セーヴ 頑健・難易度12; 頻度 1回のみ; 効果 噛みつきによるダメージは魔法による治癒によってのみ回復する(呪文の使い手は難易度20の術者レベル判定に成功しなければならない); 治癒 1回のセーヴ成功。このセーヴ難易度は【耐久力】修正値に基づいて算出されている。
金切り声(超常)/Shriek ヴァルグイユは噛みつき攻撃を行なう代わりに、耳まで裂けた大きな口をくわっと開き、金切り声を上げることができる。ヴァルグイユの60フィート以内におり、その金切り声を聞き、その姿をはっきりと見ることのできる者は(ヴァルグイユでなければ)、難易度12の頑健セーヴに成功しないと2d4ラウンドの間、あるいは当のヴァルグイユに攻撃されるか、当のヴァルグイユが上記の距離以上に離れるか視界内からいなくなるまで、麻痺状態になる。セーヴに成功したクリーチャーは24時間の間、同じ個体のヴァルグイユの金切り声の影響を再び受けることはない。このセーヴ難易度は【耐久力】修正値に基づいて算出されている。
ヴァルグイユは人間の頭よりも大きく、一般に体高は12~20インチ(約30~51cm)、翼を広げた幅は15~30インチ(約38~76cm)である。ヴァルグイユは物質界の原住生物ではないにも関わらず、しばしば物質界にて目撃され、墓場や古戦場などの死と腐敗の残滓を見出せるようなあらゆるところに住み着いている。このぞっとするような怪物はフィーンドの住まう外方次元界の出身で、苛む新鮮な魂を求めて奇妙な呪われし空を休むことなくぱたぱたとはばたいている。こうした悪夢のような領域で、ヴァルグイユはレイヴン(ワタリガラス)やヴァルチャー(ハゲタカ)に似た役割を果たしているが、苦痛と苦悶をもたらすことに腐肉あさりのいかなる鳥であろうとも比肩しえぬと思われるほどのよこしまな喜びを抱いて、この役割の効果を高めている。
ヴァルグイユは相手に急降下して攻撃をしかけ、金切り声を上げて麻痺状態にした後、ずらりと並んだかみそりのように鋭い牙で噛みつく。複数のヴァルグイユが共通の目的を持って仲間として戦う場合、ヴァルグイユは噛みつきと金切り声で犠牲者を圧倒し、ずたずたに引き裂いてしまう。
ヴァルグイユの低い能力とぞっとするような増殖方法は危険な組み合わせとなり得る。ヴァルグイユは比較的物質界に招来しやすく、一度招来してしまえば、たちまちのうちに増殖でき、接吻の犠牲となった者からぞっとするような同類をいくらでも作り出せるのだ。このようにして物質界で作り出されたヴァルグイユであろうと(他次元界)のクリーチャーであることに変わりはなく、そのため適切な魔法によって放逐することができる。