毒 Poisons

毒は生きているクリーチャーの肉体が持つあるべき機能を阻害し、傷や死をもたらす物体で、一般にほんのわずかな量で効果を示す。毒の目標はセーヴィング・スローに成功することで抵抗することができる。毒はディレイ・ポイズンやニュートラライズ・ポイズンのような呪文で効果を遅らせたり治療したりすることもできる。毒には4分類に別れ、目標にどのように到達するかによって接触、摂取、吸入、致傷に分けられる。

接触：これらの毒は、クリーチャーの生身の肌に触れたときに作用する。この種の毒は致傷毒として用いることができる。接触毒は、通常、1分の潜伏期間と1分の頻度を持っている。

摂取：これらの毒は、毒を飲食したクリーチャーに作用する。摂取毒はたいてい10分の潜伏期間と1分の頻度を持つ。

吸入：これらの毒は、このような毒を含むエリアに入ったクリーチャーに作用する。ほとんどの吸入毒は1服当たり10フィート立法の体積を満たす。毒の中にいる間、それを吸い込まないように息を止めることができる。息を止めている間は50％の確率で、毒に対する頑健セーヴを行わずに済む。息を止めることと、窒息に関する記述は環境を参照のこと。呼吸をする代わりに息を止めている間に息を止め続けるために行う【耐久力】判定に失敗すると、呼吸を再開する（範囲内にいるならば吸引毒の効果の目標となる）まで窒息し始める。

致傷：これらの毒は主に、この毒を持つクリーチャーの攻撃か毒に覆われた武器を通して身体に入り込む。致傷毒はたいてい潜伏期間がなく、頻度は1ラウンドである。

毒の適用 Applying Poison

武器やその他の物体に塗布された毒1服分は、目標1体にのみ効果を及ぼす。毒の塗られた武器や物体は、（目標が触れる前にぬぐい取られるか）武器が命中したり物体に誰かが触れるまで毒を帯びたままである。

毒を武器に塗る、あるいは単純に毒を使用することは標準アクションである。キャラクターは毒を使用するのに5％の確率で自分自身を毒に晒してしまう可能性があり、その毒に対して普通に抵抗しなければならなくなることがある。この場合、毒は消費されない。キャラクターが毒を仕込んだ武器で攻撃するときはいつも、攻撃ロールで出目1をロールすると、自分が使用していた毒に冒される。武器がクリーチャーに命中するか使用者によって触れられた場合、毒は消費される。キャラクターが（アサシン上級クラスやアルケミスト標準クラスのように）毒の使用クラス能力を持っていれば、偶然に自分自身に毒を受けてしまうようなことはない。

毒の複数服用 Multiple Doses of Poison

他の災厄と違って、同じ毒は累積する。すなわち毒の難易度と持続時間は有効な服用を組み合わせることになる。

毒に対する最初のセーヴィング・スローは毒が累積するかどうかを意味する――その毒は君に効果を及ぼさず、その後の毒は独立に扱われる。同様に、（セーヴに成功したり毒の持続時間が経過するなどで）毒が治療されたり進行しきったなら、累積は生じない。しかし同じ種類の毒で再度攻撃を受けた際に君の体内に残る毒が未だ有効で、君が新しい毒に対する最初のセーヴに失敗したなら、その毒は累積する。累積には、毒の進行が完了するまで持続する2つの効果がある。

持続時間の増加：毒の持続時間は頻度項に掲載された値の半分だけ増加する。

難易度の増加：毒の持続時間（訳注：おそらく難易度の誤植）は＋2だけ増加する。

これらの増加は累積する（3度目の毒は頻度項の持続時間の半分だけ増加し、難易度も＋2だけ増加する、といったように）。同じ毒の影響を何服分も受けた場合、君は頻度項で要求された時に毒の服用毎に1回のセーヴを行うのではなく、この通常より高い難易度で1回だけセーヴィング・スローを行うだけでよい。

毒を複数服用しても、毒の治療項は変化しない。治療項に記載された条件を満たせば、この毒の全ての服用が終了する。

致傷や接触によって引き起こされる毒は一度に一服以上与えることができない（武器に塗布された毒はぬぐい去るか攻撃が成功するまで持続するからだ）。吸入毒は同時に複数用いることができる。

（グリーンブラッド・オイルをダガーに塗り、中型スパイダー毒をショート・ソードに塗ったアサシンなどによる）異なる毒を服用しても累積しない――それらの効果はそれぞれ別に管理する。

例：ファイターが3体の中型スパイダー（噛みつき攻撃が命中すると中型スパイダー毒で冒す）に遭遇している。通常、中型スパイダー毒の頻度は4ラウンドで難易度は14である。最初のラウンド、スパイダー3体全てが噛みつき攻撃を命中させ、ファイターは3回のセーヴ全てに失敗した。2服目と3服目はそれぞれ合計持続時間を2ラウンド（頻度4ラウンドの半分）だけ、セーヴ難易度を＋2だけ増加させる。それにより合計持続時間は8ラウンド（4＋2＋2）、難易度は18（14＋2＋2）となる。幸い、中型スパイダー毒はたった1回のセーヴに成功すれば治療される。これは一度に3服分と戦っているこのファイターであっても例外ではない。

例：今回、このファイターは中型スパイダー毒に対して最初のセーヴを2回行い、1服のみが体内で効果を表している。彼は自分のターンでセーヴに失敗した。スパイダーらのターンにおいて2体の噛みつき攻撃が命中し、彼は両方のセーヴに失敗した。これにより時速時間は8ラウンドとなり難易度は18になった。これはちょうど、同じラウンドで3つのセーヴに失敗したものと同様である。

毒の製作 Crafting Poison

君は〈製作：錬金術〉技能を用いて毒を作成することができる。毒を作成するための難易度はその頑健セーヴ難易度に等しい。毒の作成中に〈製作〉技能判定で出目1をロールすると、君はその毒に冒される。このことによって毒は消費されない。君が毒の使用クラス特徴を持つ場合、毒を使用する際に誤って自分を毒に冒す危険はない。

次ページに掲載される毒の例は、町で一般に使用できるありふれた毒の類いである。もちろん、ほとんどの都市には毒の売り買いや製作に関する法律がある。

全文検索 目的別索引 ？