悪者は自身が英雄の家族を脅かす時己の運が尽きる事を理解しているように見えない。結局、窮地に陥っているチャンピオンにとって危機に陥っている愛する者を目に映している時ほどに最後の力を奮い立たせるものはない。協力関係とは、英雄という礎であり、英雄がなれる礎である。
この項では君がプレイヤー・キャラクターの為の動的で重要な協力関係を創造するのを手助けする。PCと鍵となるNPCとの協力関係を築くことは、そのPCに独特の有利と恩恵を順次与えることができる――その協力関係が好意的なものか、対立的なものかに拘わらず。
PCが重要なNPCに初めて会うとき(NPCはまだ君のキャラクターのバックストーリーの一部ではないと仮定して)、GMは、君のPCはそのNPCと協力関係を築けることを君に知らせるかもしれない。そうすることに興味があるのならば、君のキャラクター・シートにNPCの名前、そのNPCが持つ現在の協力関係値、協力関係が友好か対立かを記録する。通常、新しい接触における君の協力関係値は君の【魅力】修正値に等しいが、バックストーリーに関連しているキャラクターの協力関係値はより高い協力関係値を持って開始するとGMは決定するかもしれない。
NPCとの関係は友好か、対立である――君はどの種類を追いかけるべきかを選ぶ。様々なゲーム内のイベントによって1つのタイプからもう片方と協力関係を自発的に変えることができる。
君のNPCとの協力関係レベルは協力関係値に基づき、プレイ中に増える(協力関係を育てるを参照せよ)。君とNPCの協力関係が新しいレベルになるとき、君は新しい利益を得る。
知人/Association:君とNPCはお互い知っており、しかし重要な絆があるほど十分知ってはいない。
友情/反目/Friendship/Competition:君はNPCの良い友達であるか、彼と反目していることで知られている。君が初めてNPCとこの協力関係レベルを得るとき、君のパーティは200XPを得る。君がキャンペーンでこの利益を初めて得るとき、君のパーティはさらに200XPを得る。バックストーリーからの既存の協力関係の多くはこのレベルから始まり、プレイの開始時に達しているため、そのような協力関係は君に経験点を与えない。
親友/仇敵/Fellowship/Rivalry:深い相互の尊敬と賞賛を通して、または競争と対立の強い感覚を通して、君にはNPCとの強い関係がある。相手のNPCがキャンペーンで生きていて活動している限り、すべての【魅力】基準の技能判定に+1の士気ボーナスを得る。君が初めてあるNPCとこの協力関係レベルを得るとき、君のパーティは600XPを得る。君がキャンペーンでこの利益を初めて得るとき、君のパーティはさらに600XPを得る。
献身/敵愾/Devotion/Enmity:君とNPCが互いに献身的か能動的に対抗している。君が初めてあるNPCとこの協力関係レベルを得るとき、君のパーティは1,600XPを得る。君がキャンペーンでこの利益を初めて得るとき、君のパーティはさらに1,600XPを得る。
NPCとの協力関係がこの強さに達するとき、君の協力関係が友好か対立かに拘わらず、また、これが最初の協力関係か一連の協力関係の強さの最新のものであるかどうかに拘わらず、君にボーナス特徴を与える。この特徴の性質はGMによって決定され、NPCとキャンペーンに特有である(例えば、高名なNPCファイターからのボーナス特徴は、呪文難易度の強化よりも戦闘についてだろう)。NPCがキャンペーン中生きていて活動的である限りこの特徴は保たれる; NPCが死んだり、引退したり、キャンペーンの一員としてもはや活動的でないならば、君は特徴を失う。
協力関係からのボーナス経験点は他のキャンペーン基準の経験点報酬と同様、全てのPCの間で分配される。特定のNPC個人と特定の新しい協力関係レベルに複数回達しても(君がNPCとの協力関係レベルを減少させるか、性質を変えて、後退をもたらす場合など)君は経験点ボーナスを得ることはできない。
キャンペーン特徴:GMがこのキャンペーン用のキャンペーン特徴を使っており、君が特定のNPCと関連しているキャンペーン特徴を持っている場合、君のそのNPCとの協力関係値は1回だけ4ポイント上昇する。
魅力:NPCとの基本協力関係値は君の【魅力】修正値と等しいため、君の【魅力】能力値が永続的に変化する時(【魅力】吸収や、ヘッドバンド・オヴ・アリュアリング・カリズマのような)、君のNPCとの協力関係値は変化する。能力値ダメージやイーグルズ・スプレンダーのような呪文によるボーナスに依って一時的に変化する場合、協力関係値は変わらない。
交友:キャラクター・レベルを得るたびに、君はキャンペーンでいまだ活動しているNPC一人の協力関係値を1ポイント上昇できる。
贈り物と侮辱:特別な贈り物はNPCとの友好の協力関係値を上昇させることができ、完璧にできた侮辱は対立の協力関係値を上昇することができる。贈物と侮辱は何でも良いものであってはならない――各NPCは異なるものに対してばらばらの反応をする。君が協力関係を樹立するとき、GMはあるNPCに対する適切な贈り物か侮辱を示唆すべきである。プレイにおいてNPCを観察することで他の関連した贈り物や侮辱を学ぶことができる。
キャラクター・レベルを得るたびに、君は協力関係にあるNPCそれぞれに一つの特別な贈り物を与えたり、一つの完璧な侮辱を吐くことができる。贈り物は君が見つけた、作成した、あるいは購入したアイテムである。ほとんどの場合、それが真心ある贈り物である限り、アイテムのコストとは無関係である。
正しい種類の贈り物や正しい侮辱を考えるとき、GMに自分の意図を教え、〈交渉〉判定(贈物の場合)か〈威圧〉判定(侮辱の場合)を行うこと。君が贈り物か侮辱を特にうまく実際にロールプレイするならば、GMはこの判定に+4のボーナスを与えてもよい。君の対応のロールプレイが貧困である、もしくは十分時期が悪すぎる場合、(例えば、戦闘の途中に贈り物を与えようとするなど)、GMは判定に-4のペナルティを与えるかもしれない。この判定の難易度は君の現在のNPCとの協力関係値に等しい。成功したら、君のそのNPCとの協力関係値は1ポイント上昇する。難易度を10以上超えるならば、代わりに2ポイント上昇する。失敗は変化がないことを意味する。
特別なイベント:友人を処刑から救ったり、人前で恥をかかせるような、キャンペーンでの特定のイベントは君のNPCとの協力関係値を変えることができるかもしれない。これらが起こるときはGMは君にそうした調整を知らせるべきである。これらのイベントは、概して君のNPCとの協力関係値を1から5上昇させるが、特に劇的なイベントは最高10まで上昇させることができる。
下記のリストは、キャラクターにとって重要になりそうな身内との協力関係と、冒険の契機、ロールプレイの指針、協力関係が時間と共に成長していくような方法である。
祖先または親代わりの人(師匠や先生のような)かどうかに拘わらず、起源や過去に対するキャラクターの責務や責任の感覚を、親は体現する。
冒険のフック:若いキャラクターにとって親は、家や他の何らかの種類の奉仕や義務の遂行が必要となっている場所に戻せる力を持つ権限の体現だ。年長のキャラクターにとって、親はこれまでの全ての負い目と親切を返すべき代表となる。いくつかの冒険のフックは以下を含む:
ロールプレイの指針:大部分の親は、子供を導くよう駆られている――時折は、十分大人になってさえも。君が父親の呪文書を勉強することで魔法を学び、今では彼の能力を凌いだならば、彼は魔法の適切な使い方についての助言と「授業」を提供するかもしれない。君の母に世界の出来事についての知識があれば、彼女は君が危険な探求を引き受けるのを防ごうと、重要な情報を控えるかもしれない。競争者である親は協力関係の維持と、究極の目的の為の君の操作の狭間を揺れ動くかもしれない。
協力関係の成長:成長を示す最も簡単な方法の1つは、親が君の人生に直接的に関わらなくなっていくことだ。君が高いレベルと多くの名声を得るにつれ、君の両親は君が有能な大人であることを認めていくかもしれない。君の持つ技能に対する承認によって、母は保護者から師匠へと変わるかもしれない。君の両親は絶えず試験をする、善意ではあるが憤慨させるような敵対者となるかもしれない。才能で劣った競争者である父は君を恩知らずだと信じているため君と対立するかもしれないし、キャンペーンの悪党とさえなるかもしれない。
兄弟姉妹の関係は、長年の間民間伝承と神話の基礎となっており、正当な理由がある。親とは異なり、兄弟姉妹は君の直接的な仲間であり、君の過去の行為と将来の可能性に直面することを強制させる生きた鏡である。
冒険のフック:兄弟姉妹の現在の社会的地位が、財務体質が、または選択した職業が君のものとどれだけ掛け離れていようと、血縁と家族の絆は彼を助けるよう君に義務付けることがある。一部の冒険のフックは以下を含む:
君の兄弟は有力な家族いくつかとの見合い結婚を考慮している。どの花嫁が家にとって価値があり、自分にとって良い配偶者であるかについて突き止めるよう調査して欲しいと彼は君に頼む。
君の姉妹は珍しい物質呪文構成要素を利用するために危険な探検に出ると告げて以来帰っていない。彼女を見つけること――そして彼女が死んでいるあらば、彼女が請け負った労働を完了させること――は君の義務である。
君の兄弟は両親を感動させるとついに決め、家族の財産を取り戻すために強力なモンスターを探しだし殺すのに君の助力を求める。一人で行くならば、彼は生還しないだろう。
モンスターに荒らされている鉱山のある不毛の地を買うことで、君の無鉄砲な弟たちは詐取された。彼らは現在虜であり、彼らが死ぬ前に君は介入しなければならない。
長い間行方不明であった君の兄弟の帰還と同時に、不可解な犯罪が頻出する。君の兄弟は犯罪に関与しているのだろうか、それとも本当の原因に関する情報を持っているのだろうか。
ロールプレイの指針:兄弟の関係を実際にロールプレイする上でもっとも重要な面は、君から見ての彼らの年齢を知ることである。弟は性根は良いが、君に認めてもらおうと向こう見ずになっているかもしれない。たとえ君が戦いと探求において自分自身を証明したとしても、兄から権威ある存在の役割を捨てさせるのは難しいかもしれない。君が親を失っている場合は、兄が保護者の役割を引き受けるかもしれない。間の兄弟は調停者となることもあるし、残りの家族によって静かに監視されていることもあるし、その地位を楽しんでいるか憤慨しており、おそらく家族の他のメンバーから注意を引こうと振る舞うかもしれない。
協力関係の成長:これは時に、兄弟姉妹がどのように君の最後の努力に反応したかに依る。君の兄弟が、君がその兄弟の犯罪の泥を被るのを黙認するが、土壇場で戻って来て君の汚名を晴らす場合、彼は古い習慣をやめようとしているのかもしれない。兄弟の冒険家は君の持つキャラクター・クラスのレベルを取得することで、君の考えからの理解を得ようとするかもしれない。
幼年期のライバルは、君をいじめたものであったり、君と栄誉を競い合った同じ師匠の弟子であったり、君の恵まれた機会に憤慨するか君の劣った出生をあざ笑う同じ分野の人であるかもしれない。このライバルは、公然と君のことが嫌いかもしれないし、君の転落を計画している間、君を好いているふりをするかもしれないし、君を尊敬しているが君と衝突する目的を持っているかもしれない。陰険な攻撃、排他的な集団、仲間のプレッシャーと噂は彼女の武器である――そのライバルは長い間君のことを知っており、君のことを悩ましたり気を散らしたりするために押すボタンについて知っている人物だ。
冒険のフック:そのライバルが温和か激怒しやすく暴力的であるかにかかわらず、この人は君の過去に強い関わりがあり、沢山の思い出の中核である。いくつかの冒険のフックがある:
年老いた師匠は病にかかったか、他界し、そして君とライバルは師匠との問題を整理するために呼び出された――そして恐らく曖昧な遺言を成し遂げることになる。
君の故郷に対する脅威のため君は対処に駆けつけたが、君の古くからのライバルが問題の解決方法についての異なる危険な発想を持ってそこにいると分かることになる。
ライバルは予想外にも君の人生に再び現れ、償わせてくれと望む。これは誠実な変化であるかもしれないし、信用のための策略かもしれないし、君に恥をかかせる更なる試みであるかもしれない。
君のライバルは別の冒険集団のリーダーで、伝説のアーティファクトを取り戻すためのレースや政治的褒美を巡っての公式戦といった挑戦を君のパーティに挑む。
ライバルは探求を行ってもらおうと君を雇い入れたがっているが、詳細は不明であり、最後に雇ったグループに何があったのかを彼女は君に話さない。
ロールプレイの指針:この種類の協力関係では、君はライバルとの元々の衝突を確認しなければならない。おそらく身体的に弱かったので、君は格好の目標であった。おそらく君は異なる宗教であったか、異なる種族、異なる性別か、異なる種類の魔法を行っていた。おそらく君はこの対立の扇動者(故意か無意識か)で、そのライバルは大元の犠牲者であり、君は自身の悪行の結果に対処している。
この知識を以て、君に対するライバルの振る舞いを正当化する方法を見つけること――君に弱さを克服するよう、道徳的に優れた宗教へ転向するよう、異なる魔法系統の利益を理解するよう推奨するなど。君はこれらの理由に同意しなくとも良いし、これらの理由は君を怒らせるかも、恥じさせるかも、そして復讐に燃えさせるかもしれないが、これらは対立用のロールプレイに拍車をかける。
協力関係の成長:ライバルの主要な動機付けを特定することは、彼に対して形勢逆転をする方法となりうる。ライバルの舞台で彼を破ることによって君は協力関係の上で格上の人となる。暴力的なライバルに於いては、これによって彼の仲間や中立の立場だった一行が君の側につき、ライバルの先導者に対し牙を剥く事に納得さえするかもしれない。問題がライバルの弱さや不安定さから生じるならば、対立の源に挑むか、友人になろうと誠実な試みをすることは、ライバルを忠実な盟友へと変えるかもしれない――互いを嫌っている2つのパーティから始まる関係の多くは、対立から友情へと育つだけだ。
ロマンチックなもつれは、夢を実際にロールプレイすることの要素である。これらは、ドラマ、緊張、興奮を加え、前例のないレベルまでキャンペーンを高めてくれる。おそらく、君の配偶者と君の関係で最も重要な側面は2人がどのように出会ったかだろう。更にまた、キャンペーンでの君の配偶者の役割は君と他のPCに影響を及ぼす。君のパラディンがパーティのクレリックと恋に落ちるとき、結婚はグループに逆に影響を与えないかもしれない――しかし、君が好きな町で宿屋の主人と結婚するならば、それは座りっきりの生活と、君の仲間の冒険者と君の配偶者のコミュニティの間で分かれた忠義を導くかもしれない。
冒険のフック:特定の地域を君のPCが拠点としている可能性に拘わらず、配偶者はいくつかの強い冒険のフックを提供することができる。あり得るフックに含まれるのは:
有力な家族の承認なしに、君と君の配偶者は秘密裏に結婚した。君は、新たな姻戚の財政的、および社会的な地位(そして君への印象)を向上するであろう探求によって彼らに自分の価値を証明しなければならない。
商人である配偶者はあるメッセージまたはアイテムを他の商人に届けなければならないが、それは暗殺を企てている盗賊ギルドのメンバーの間での暗号化された書状であると君は理解する。君の配偶者に対する報復を招かないような方法で、君はその攻撃を止めなければならない。
信仰の術者の配偶者は君と結婚することによって、曖昧な信仰の教義を、偶然にも知らずに冒涜し全てのクラス能力を失った。教会のために君を捨てるのではなく、君との結婚の特別な免除を嘆願するために高位の寺院へ旅立つと君の配偶者は言って譲らない。
ロールプレイの指針:キャラクターとしての配偶者の主要な運用は、通常協力関係の相方という幸福である。冒険しているカップルにとってこれはお互いの強さを独自に補う特技、呪文を選ぶことを意味するかもしれない。因習的な職業において、これは有用な伝手と関係の向上を意味するかもしれない。健康的でない結婚においては、配偶者は競争相手であり、相方が密かに君から冒険者装備を盗むといったちょっとした破壊活動、あるいは配偶者がライバルや敵に情報を流すといったそれ以上の悪意、の犠牲者に君はなるかもしれない。
協力関係の成長:結婚した冒険者は、安全と安定への欲望と、収入と栄光への必要性の間で均衡を取らなければならない。君の時間と資源に頼る事で、善意の配偶者は君の冒険の習慣に影響を与えられる。愛情のこもった結婚でさえ、君の冒険に直面すれば摩擦が生じるかもしれない。子供を育てる上での責任についての質問――特に両親共々冒険を続ける場合――は対立と軋轢を引き起こすかもしれない。因習は君か配偶者に重荷を強いるかもしれない。君は単に結婚を使い魔のように、つまり使いたい時にだけ思い出して、それ以外では比喩的な背負い袋に詰め込むようなもののように扱うことはできない。
故意に友好から対立に変えたい場合、侮辱やNPCの拒否でそれを行うことができる。またこれは自動的に君のそのNPCとの協力関係値を半分へと減少させる。
対立から友好へ協力関係を変更したい場合、君はNPCに贈り物を提供しなければならず、通常の贈り物判定より難易度が10高い〈交渉〉判定を行わなければならない。成功したら、協力関係は友好へ変わるが、君のそのNPCとの協力関係値を半分へと減少させる。君が10未満で失敗するならば、協力関係は依然として対立のままだが、君はそのNPCとの協力関係値を1減少しても良い(君のライバル関係を弱めることを表す)。10以上の差で失敗するならば、協力関係の性質と協力関係値は変化しない。