君は防具や武器といった、特定のアイテム類を製作することに長けている。〈知識〉や〈職能〉や〈芸能〉と同様、〈製作〉も実際にはいくつもの別々の技能である。君は複数の〈製作〉技能に別個にランクを割り振って取ることができる。一般的な〈製作〉技能には、錬金術、防具、かご、本、弓、能書法、大工、織物、衣類、ガラス、装身具、なめし革、錠前、絵描き、陶芸、彫刻、船、靴、石工、罠、武器といったものがある。
〈製作〉技能はもっぱら何かを作り出すためのものである。そうでない場合、その技能は〈製作〉ではなく〈職能〉に含まれる公算が高い。
判定:君はその手仕事を生業として、仕事に打ち込んだ1週間につき、判定結果の約半分に等しい枚数の金貨を稼ぎ、それなりの生活を送ることができる。君は商売道具の使い方、製作に必要な日々の作業のやり方、未熟な助手の監督のやり方、よくある問題の取り扱い方を知っている(未熟練労働者や徒弟は、1日あたり平均で銀貨1枚を稼ぐ)。
しかし、〈製作〉技能の基本的な機能は、君が適切な種類のアイテムを作ることができるようになることにある。難易度は作り出すアイテムの難しさによる。難易度、君の判定結果、そしてアイテムの価格によって、そのアイテムを作るのにどのくらい時間がかかるのかが決まる。同様に、アイテムの最終価値によって原材料費も決まる。
ファブリケイトの呪文を使って、〈製作〉判定を実際に行なうことなく〈製作〉判定と同様の結果を達成することのできる場合もある。高度な職人芸が必要な作品を作るためにこの呪文を使う場合は、やはり適切な〈製作〉技能の判定を行なわなければならない。
アイアンウッドの呪文の使用と組み合わせて木工関連の〈製作〉判定を行なえば、鉄の強さを持つ木製のアイテムを作ることができる。
マイナー・クリエイションの呪文を使って複雑なアイテムを作成するためには、適切な〈製作〉判定に成功しなければならない。
どんな製作でも、成功率を最大にするには職人道具が必要である。間に合わせの道具で代用する場合、判定に-2の状況ペナルティが課される。逆に、高品質の職人道具を使えば、+2の状況ボーナスが得られる。
アイテムを作るためにどのくらいの時間や金額がかかるか決定するには、以下の手順に従うこと。
1.アイテムの価格を銀貨で求める(1GP=10SP)。
3.アイテムの価格の1/3を原材料費として支払う。
4.週間の仕事を表す技能判定を行なう。判定に成功したら、判定の結果と難易度を掛ける。結果×難易度がアイテム価格を銀貨に換算した数値に達したなら、アイテムは完成したことになる。この結果×難易度がアイテム価格を銀貨に換算した数値の2倍か3倍に達した場合、1/2や1/3の時間で仕事を終えたことになる。要するに価格のn倍であれば、1/nの時間で終わるのである。結果×難易度がアイテム価格を銀貨に換算した数値に満たなかった場合、その数値は1週間で進展した作業量を示している。この結果を記録し、次の週の判定を行なうこと。以後、合計がアイテム価格を銀貨に換算した数値に達するまで、1週間ごとに作業を進めていくように。
判定に4以下の差で失敗した場合、その週はまったく進展しなかったということになる。5以上の差で失敗した場合、原材料の半分が台無しになってしまい、元々の原材料費の半分を再び支払わなければならない。
1日単位での進展:週単位ではなく、1日単位で判定を行なうこともできるが、その場合、作業の進展(結果×難易度)は1週間の日数によって分割する必要がある。
高品質のアイテムの作成:君は高品質のアイテムを作ることもできる。高品質のアイテムには武器もあれば、鎧、盾、道具もある――どれもみな、できばえが優れているため使用にボーナスが付くアイテムである。高品質のアイテムを作る際には、通常のアイテムに加えて、“高品質であるということ”そのものを、まるで別個のアイテムであるかのように作成することになる。“高品質であるということ”は、それ自体に価格(武器なら300GP、鎧や盾なら150GP。高品質の道具の価格については『装備』を参照)と20の〈製作〉難易度がある。基本となるアイテム自体と“高品質であるということ”の両方が完成すれば、高品質のアイテムのできあがりである。“高品質であるということ”を作る際に支払うコストは、上記に示した“高品質であるということ”の価格の1/3である。
アイテムの修理:君はアイテムを一から作る場合と同じ難易度でそのアイテムを修理できる。アイテムを修理するための費用はそのアイテムの価格の1/5である。
アイテム |
製作難易度 | |
---|---|---|
15 | ||
20 | ||
25 | ||
鎧、盾 |
||
12 | ||
15 | ||
15+(2×【筋力】等級) | ||
機械的な罠 |
さまざま * | |
15 | ||
12 | ||
15 | ||
18 | ||
さまざま |
5 | |
標準的なアイテム(鉄製の鍋など) |
さまざま |
10 |
質のよいアイテム(鐘など) |
さまざま |
15 |
さまざま |
20 |
アクション:この技能の使用自体が何らかのアクションだということはない。〈製作〉判定は日や週の単位で行なわれる(上記参照)。
再挑戦:可能だが、5以上の差で失敗するたびに、原材料の半分が台無しになってしまい、元々の原材料費の半分を再び支払わなければならない。
特殊:アイテムを製作する際、製作者は表にある難易度を自ら進んで+10しても構わない。そうすれば、より速やかにアイテムを完成させられる(作業の進展を計算する際、より高い難易度を〈製作〉判定結果に掛け合わせることになるので)。難易度を上昇させるかどうかは、その週なり日なりの判定を行なう前に決定せねばならない。
〈製作:錬金術〉でアイテムを作るには、錬金術用具を持っていなければならない。都市で作業を行なう場合、アイテムを作るための材料費の一部として必要なものを買うことができるが、所によっては錬金術用具を手に入れるのが困難だったり不可能だったりすることもある。錬金術実験用具を購入し維持しているなら(その作業のための完璧な道具を持っているという有利な条件を満たすので)、〈製作:錬金術〉判定に+2の状況ボーナスが得られるが、この技能で作るアイテムの価格は変わらない。