自らの能力を破壊的な魔法の爆弾を作り出すことに特化するアルケミストもいれば、すべての毒を修得していくものもおり、変異薬を拡張しその秘められた力を解き明かしていくものもいる。科学と魔法、爆発と呪文学の境界に立つアルケミストはキャラクター・クラスの中でも独特の位置を占める。
以下の新しい発見は前提条件を満たすアルケミストならば自由に選択できる。アスタリスク(*)の印のついた爆弾を修正する発見は累積しない。そのような発見は個々の爆弾に1つしか適用できない。
足留め爆弾(超常)*/Tanglefoot Bomb:足留め爆弾が直接命中したクリーチャーは爆弾の難易度でセーヴを行い、失敗すると足留め袋のセーヴに失敗したかのように絡みつかれた状態になり地面に接着される。飛散範囲にいるクリーチャーがセーヴに失敗すると、絡みつかれた状態になるが地面に接着はされない。これらのセーヴに成功すれば何の効果もない。
癒しの接触(変則)/Healing Touch:アルケミストは他のクリーチャーを癒す能力を得る。アルケミストは標準アクションにより、接触したクリーチャーに任意治癒の発見の効果を1ラウンド分与えることができる。これは1日の任意治癒の制限に数えられる。任意治癒の1日のヒット・ポイント回復量の制限は5×アルケミスト・レベルに増加する。この能力はアルケミストと同じ種別のクリーチャー(人型生物、アンデッド、その他)にしか作用しない。アルケミストは最低6レベルで任意治癒の発見かクラス能力を持っていなければこの発見を選択できない。
疫病爆弾(超常)*/Plague Bomb:このアルケミストの爆弾が発する煙はフォッグ・クラウドの代わりにコンテイジョンの効果を爆弾の飛散範囲の2倍の領域にレベルにつき1ラウンドの間コピーする。アルケミストは最低8レベルで、煙爆弾の発見を持っていなければこの発見を選択できない。
大いなる進化薬(超常)/Grand Cognatogen:アルケミストの進化薬は今や+6外皮ボーナス、1つの精神能力値(【知力】、【判断力】、【魅力】)への+8錬金術ボーナス、2つめの精神能力値への+6錬金術ボーナス、3番目の精神能力値への+4錬金術ボーナスを与える。アルケミストは進化の持続時間中に【筋力】、【敏捷力】、【耐久力】に-2ペナルティを負い、効果終了時にそれらの能力値へ2ポイントの能力値ダメージを受ける。アルケミストは最低16レベルで上級進化薬の発見かクラス特徴をもたなければこの発見を選択できない。
寄生する双子(変則)/Parasitic Twin:vestigial limbs(訳注:退化した腕/Vestigial Armのことか)はアルケミストの胴体に寄生する、頭部、胴体、(vestigial limbの発見による)二つの腕からなる双子の一部となった。通常、この双子はアルケミストの肉体の中で大部分を休眠させており、腕の動きは退化した腕の発見によるように見えるが、アルケミストは標準アクションによりこの双子を表すか隠すことができる。この双子は無防備状態で、アルケミストの完全な従僕であり、害をなす対象にならない。1日に1回、アルケミストは精神効果に屈服し、気絶状態、無防備状態、または(チャーム・パースン、フィーブルマインド、ホールド・パースンなどにより)自分のアクションを決定できない状態になったときにセーヴィング・スローをやり直すことができ、成功するとこの双子がその効果を吸収して、アルケミストは効果を無視することができる。この能力を使用するとアルケミストは吸収した効果の持続時間だけ不調状態になる(双子から効果が取り除かれると不調状態は終了する)。この間、双子の腕は使えなくなるが、(vestigial limbsにはめられた指輪などの)受動的な効果は通常は持続する。アルケミストは退化した腕の発見を2つ持っていなければこの発見を選択できない。
混乱爆弾*(超常)/Confusion Bomb:アルケミストの爆弾は標的の敵味方の認識を捻くる。混乱爆弾が直接命中したクリーチャーは爆弾のダメージに加え、アルケミストの術者レベルにつき1ラウンドの間コンフュージョンの効果を受ける。通常の爆弾のダメージから 2d6 を減じること(例えば通常 6d6+4 ポイントのダメージを与える爆弾は 4d6+4 ダメージとして扱う)。アルケミストは最低8レベルでなければこの発見を選択できない。
腫瘍の使い魔(変則)/Tumor Familiar:アルケミストは微小または超小型の腫瘍を通常は自身の背か腹に引き起こす。アルケミストは標準アクションで腫瘍を別のクリーチャーであるかのように自身の肉体から切り離すことができる。腫瘍は使い魔にできる何らかの動物(バット、キャットなど)に漠然と似ており、独立したクリーチャーのように動きまわる。腫瘍は標準アクションでアルケミストの肉体にくっつくことができる。腫瘍は似ている動物の能力を全て備え(例えば、バットのような腫瘍は飛べる)、アルケミストの術者レベルを基準として使い魔の能力を使用できる(使い魔の能力のいくつかはアルケミストには役立たないかもしれないが)。腫瘍はくっついていると離れているとを問わず、アルケミストの使い魔として振る舞う(技能ボーナスや《鋭敏感覚》特技を提供する)。アルケミストにくっついているとき、腫瘍は高速治癒5を得る。アルケミストのエキスと変異薬は使い魔の呪文共有能力と接触呪文伝達に関して呪文とみなす。腫瘍の使い魔が失われるか死亡した場合、1週間が経過した後、アルケミスト・レベルにつき 200gp のコストを費やし特別な手順を踏まえることで取り替えることができる。この儀式が完成するには8時間かかる。
触手(変則)/Tentacle:アルケミストは身体から腕の長さで物をつかむことのできる触手を生やす。この触手は完全にアルケミストの制御下にあり、魔法かだぶだぶの服でなければ隠すことができない。触手はアルケミストに1ラウンドに可能な何らかの追加攻撃やアクションを与えるわけではないが、アルケミストは触手でつかみ能力つきの攻撃(中型のアルケミストは1d4ダメージ、小型は1d3ダメージ)を行える。触手はアルケミストの元々の腕と同様にアイテムをつかんだり操ったりできる(例えば、アルケミストは1つの腕で武器を振るい、触手でポーションを掴み、第三の腕(訳注:おそらく退化した腕のコピペミス、別の腕か)で爆弾を投擲することが許される)。腕と違って触手は魔法のアイテムのスロットを持たない。
進化薬(超常)/Cognatogen:アルケミストは変異薬のように1つの肉体能力値を代償に1つの精神能力値を高める進化薬を調合する能力を得る。進化薬が【知力】を高めるなら【筋力】に、【判断力】を高めるなら【敏捷力】に、【魅力】を高めるなら【耐久力】にペナルティを受ける。それ以外の点では、この能力は(外皮ボーナスを含め)変異薬と同様に機能する。アルケミストはいつでも変異薬を準備する代わりに進化薬を準備できる。両者は実質的に同じものであるかのように変異薬の全ての制限は進化薬にも適用される。アルケミストは1度に1つの変異薬か進化薬しか持ち歩けない。アルケミストが所持していない進化薬は不活性化し、製作したアルケミスト以外が飲むと不調状態になる。進化薬の効果が終了するとき、アルケミストは進化薬からペナルティを受けていた能力値に2ポイントの能力値ダメージを受ける。変異薬注入の発見と持続変異薬クラス特徴は進化薬にも働く。
上級進化薬(超常)/Greater Cognatogen:アルケミストの変異薬(訳注:cognatogenの誤り)は今や+4外皮ボーナス、1つの精神能力値(【知力】、【判断力】、【魅力】)への+6錬金術ボーナス、2つめの精神能力値への+4錬金術ボーナスを与える。アルケミストは進化薬の持続時間中に対応する2つの肉体能力値に-2ペナルティを負い、効果終了時にそれらの能力値へ2ポイントの能力値ダメージを受ける。アルケミストは最低12レベルと進化薬の発見かクラス特徴を持たなければこの発見を選択できない。
閃光爆弾(超常)*/Blinding Bomb:アルケミストは爆弾を作るときに、猛烈な光を爆発させることを選べる。閃光爆弾が直接命中したクリーチャーは頑健セーヴに失敗すると1分間盲目状態になる。飛散範囲にいるクリーチャーはこのセーヴに失敗すると1分間目が眩んだ状態になる。これは[光]効果である。アルケミストは最低8レベルでなければこの発見を選択できない。
臓器保存(変則)/Preserve Organs:アルケミストは重要な臓器の保存法と致命傷の可能性を減じて守る術を学ぶ。アルケミストがクリティカル・ヒットか急所攻撃を被るとき、25%の確率で通常のダメージとなる。この効果は(鎧のフォーティフィケイション能力など)同様にクリティカル・ヒットと急所攻撃を避ける能力とは累積しない。アルケミストはこの発見を3回まで選択でき、その効果は累積して確率は50%および75%に増加する。
掃射爆弾(超常)/Strafe Bomb:アルケミストは爆弾を爆発ではなく40フィートの直線に飛散するように投擲できる。この直線はアルケミストを起点とし、アルケミストの選択した方向へ伸びる。アルケミストはこの直線上のマスにいる1体のクリーチャーを目標に指定して攻撃ロールを行い、その他の全てのマスは飛散ダメージを受ける。アルケミストが爆散爆弾の発見を持っており、掃射爆弾と組み合わせるなら、飛散ダメージを受ける直線は40フィートから80フィートに伸びる。
退化した腕(変則)/Vestigial Arm:アルケミストは胴体から新しい腕(右腕または左腕)を生やす。この腕は完全にアルケミストの制御下にあり、魔法かだぶだぶの服でなければ隠すことができない。この腕は武器を振るうことができ、アルケミストの攻撃手段の一部として(二刀流を使用して)攻撃を行えるが、アルケミストに1ラウンドに可能な何らかの追加攻撃やアクションを与えるわけではない。この腕はアルケミストの元々の腕と同様にアイテムをつかんだり操ったりできる(例えば、アルケミストは1つの腕で武器を振るい、別の腕ではポーションを掴み、さらに三本目の腕で爆弾を投擲することが許される)。この腕は独自の“手”と“指輪”の魔法のアイテム・スロットを持つ(しかし、アルケミストはまだ一度に2つの指輪と両手の魔法のアイテムしか装着できない)。アルケミストはこの発見を2回まで選択できる。
翼(変則)/Wings:アルケミストは1日に術者レベルにつき1分間、フライを使用したかのように空を飛ぶことのできる、鳥かコウモリか虫のような便利な翼を得る。この分数は連続している必要はないが、1分単位で使用しなければならない。アルケミストはこの発見を複数回選択でき、そのたびに1日に飛べる時間が術者レベルと等しい分数だけ増加する。この飛行は変則的能力である。アルケミストは最低6レベルでなければこの発見を選択できない。
ドッペルゲンガー・シミュレイクラム(超常)/Doppelganger Simulacrum:アルケミストはシミュレイクラム、自分の肉体の魂のない複製を作り、自らの意識を投影する方法を学ぶ。アルケミストは全ラウンド・アクションで意識を元の肉体からアルケミストと同じ次元界に存在する一体のドッペルゲンガー・シミュレイクラムに移すことができる。シミュレイクラムが殺されると、アルケミストは自動的に元の肉体に戻る。アルケミストは元の肉体が殺されると死ぬ。未使用のシミュレイクラム(アルケミストの元の肉体を含む)は生気のない死体のように見えるが、腐敗はしない。複製の作成には 1,000gp の錬金術物質構成要素と1週間の培養が必要である。アルケミストは最低10レベルで錬金術シミュレイクラムの発見をもたなければこの発見を選択できない。作成されたシミュレイクラムはクリーチャーであり超常効果ではない。
留まる魂(変則)/Lingering Spirit:アルケミストは肉体と霊魂の結びつきに詳しく、常人よりはるかに長く死の縁に留まる。アルケミストはヒット・ポイントへのダメージで死亡するかを判断するにあたり【耐久力】を通常より10ポイント大きく扱う(例えば、この発見を持つ【耐久力】が10のアルケミストは、ヒット・ポイントが-10ではなく-20になるまで死亡しない)。アルケミストは【耐久力】が0に減少するか、同等の効果(能力値ダメージ、能力値吸収、【耐久力】ペナルティ、その他による)により気絶状態となり昏睡するが、死亡するのは追加で5ポイントの【耐久力】ダメージ、吸収、ペナルティを受けた後である(事実上、これらの攻撃ではアルケミストは【耐久力】が-5になるまで死亡しない)。アルケミストは最低4レベルなければこの発見を選択できない。
任意治癒(変則)/Spontaneous Healing:アルケミストは高速に傷を癒す能力を得る。アルケミストは高速治癒の能力を使用したかのように、1ラウンドにつき5ヒット・ポイントをフリー・アクションで癒すことができる。アルケミストはこの能力により1日に2アルケミスト・レベルにつき5ヒット・ポイントを癒すことができる。アルケミストがヒット・ポイントへのダメージによって気絶状態になり、この能力がまだ利用可能な場合、アルケミストが意識を取り戻すか、1日に利用可能な能力を使い果たすまで、この能力は毎ラウンド自動的に起動する。
瓶詰め粘体(超常)/Bottled Ooze:アルケミストはエキスを準備した瓶を使って粘体のサンプルを密封保存する方法を学んだ。アルケミストはエキスを活性化させて30フィート以内のマスにこのボトルを投げ込むことで、粘体を解放して最も近くにいるクリーチャーを攻撃させることができる。この粘体はアルケミストが制御しているわけではないが、それ以外は招来されたクリーチャーとして扱う。粘体は術者レベルにつき1ラウンド存在し、持続時間が過ぎると腐敗して粉になる。アルケミストが注入の発見を持っている場合、他のキャラクターも注入された標本を使うことができる。瓶詰め粘体を作るには粘体の脅威度に等しいレベルのエキス・スロットが必要となる(したがって脅威度4のグレイ・ウーズは4レベル・エキスを使用する)。アルケミストは最低6レベルでなければこの発見を選択できない。
変異薬(超常)/Mutagen:この発見はアルケミストに変異薬のクラス特徴を与える(この発見は錬心術師のような変異薬能力を持たないアルケミスト・アーキタイプに通常の変異薬を学ばせる)。
ミイラ化(変則)/Mummification:アルケミストは自らの肉体を保存してミイラ化し、自身をアンデッドのようなクリーチャーに変じる知識を修得した。この発見を学んだ後、アルケミストは30日間にわたり特別な食事、厳しい運動、穏やかな錬金術毒の茶による養生法を執り行わなければならない。この養生法の終わりにアルケミストは24時間の気絶状態に陥り、“生けるミイラ”として覚醒する。アルケミストの種別は変わらないが、[氷雪]、非致傷ダメージ、麻痺、睡眠への完全耐性を得る。アルケミストは最低10レベルで臓器保存の発見を持っていなければこの発見を選択できない。
陽光爆弾(超常)*/Sunlight Bomb:アルケミストは閃光爆弾として機能する、太陽光と同等の灼光を放つ爆弾を投擲できる。アンデッド、粘体、 スライム、カビ、菌類、その他太陽光から害を受けるクリーチャーや環境は爆弾からダイスにつき+2ダメージを受ける。太陽光から害を受けるアンデッドはセーヴに失敗すると1ラウンドの間よろめき状態になる。アルケミストは最低10レベルで閃光爆弾の発見を持っていなければこの発見を選択できない。
錬金術シミュレイクラム(超常)/Alchemical Simulacrum:アルケミストはレッサー・シミュレイクラムを作り出す能力を得る。これはシミュレイクラムのヒット・ダイスにつき 100gp の錬金術物質要素と培養のための24時間が必要であることと、殺されると雪ではなく腐敗した屍肉になること以外はレッサー・シミュレイクラム* のように働く。アルケミストは最低8レベルでなければこの発見を選択できない。作られたシミュレイクラムはクリーチャーであり、超常効果ではない。
上級錬金術シミュレイクラム(超常)/Greater Alchemical Simulacrum:アルケミストはシミュレイクラムを作成する能力を得る。これはシミュレイクラムのヒット・ダイスにつき 100gp の錬金術物質要素と培養のための24時間が必要であることと、殺されると雪ではなく腐敗した屍肉になること以外はシミュレイクラムのように働く。アルケミストは最低14レベルで錬金術シミュレイクラムの発見を持っていなければこの発見を選択できない。作られたシミュレイクラムはクリーチャーであり、超常効果ではない。
錬金術ゾンビ(超常)/Alchemical Zombie:アルケミストはあたかも錬金術の力によるゾンビのように比較的完全な死体を動かす能力を得る。このプロセスには1時間と動かす死体の 1HD につき 100gp の錬金術の試薬が必要となる。死んだクリーチャーはゾンビ・テンプレートを得る。アルケミストはこの方法で作られたゾンビたちを制御するにあたり、アニメイト・デッドによって作られたアンデッドのように数える。アルケミストは最低8レベルでなければこの発見を選択できない。作られたゾンビはクリーチャーであり、超常効果ではない。
クローン使いは新たな生命を作り出す方法を理解するために既存のクリーチャーの複製を練習している。クローン使いのクラス特徴は以下の通り。
爆弾:クローン使いの爆弾のダメージ・ダイスは通常より1段階小さくなる(通常の爆弾は d4、振動爆弾は d3 といったふうに)。この能力は通常のアルケミストの爆弾と置き換える。
レッサー・シミュレイクラム/lesser simulacrum:7レベルの時点で、クローン使いは3レベル・エキス処方としてレッサー・シミュレイクラムを処方書に加える。
再誕/Rebirth:8レベルの時点で、クローン使いは自分が殺されたときに覚醒する自身のクローンを準備できる。クローンを製作するには 5,000gp と1週間の作業に追加して3週間の培養期間を必要とする。クローン使いが死んだら、自分自身にクローンを使用したかのようにクローンは覚醒する。クローン使いは1度に1体まで不活性クローンを持つことができる。クローン使いに作成された未使用のクローンは腐敗しない。この能力は毒に対する抵抗+6および毒に対する完全耐性と置き換える。
シミュレイクラム:13レベルの時点で、クローン使いは5レベル・エキス処方としてシミュレイクラムを処方書に加える。
クローン:16レベルの時点で、クローン使いは6レベル・エキス処方としてクローンを処方書に加える。
発見:以下の発見はクローン使いアーキタイプを補完する:錬金術シミュレイクラム*、ドッペルゲンガー・シミュレイクラム*、臓器保存*、寄生する双子*。
解剖学を学び、その知識を癒すことに用いるアルケミストが外科医である。外科医のクラス特徴は以下の通り。
注入薬/Infused Curative:2レベルの時点で、外科医のキュア呪文のエキスは自動的に注入の発見を使用したかのようにアルケミスト以外にも使用できるようになる。外科医はエキスを準備するとき、いくつかあるいは全ての注入薬を不活性化し、別のエキスと置き換えてもよい(使用されるまではアルケミストの1日のエキス・スロットを占領し続ける注入と異なり)。この能力は毒の使用と置き換える。
麻酔薬/Anaesthetic:5レベルの時点で、外科医は鎮痛剤を使用した〈治療〉技能の使い方を学ぶ。外科医はボーナス特技として《技能熟練:治療》を得る。外科医による、患者に害を及ぼすリスクを伴う(刺の摘出など)〈治療〉技能の使用は、最小ダメージしか与えない。この能力は毒に対する抵抗+4と置き換える。
死を乗り越える力/Power Over Death:10レベルの時点で、外科医は4レベル・エキスとしてブレス・オヴ・ライフを処方書に加える。外科医の注入薬の能力はこのエキスに適用できる。この能力は毒に対する完全耐性と置き換える。
発見:以下の発見は外科医アーキタイプを補完する:生命霊薬、癒しの接触*、注入、任意治癒*。
死体蘇生者は死体に疑似生命を注入する方法を発見したアルケミストである。その仕事の多くは死霊術士と共に生者と死者の世界の狭間にある素晴らしい境界を探索する。死体蘇生者のクラス特徴は以下の通り。
爆弾:死体蘇生者の爆弾のダメージ・ダイスは通常より1段階小さくなる(通常の爆弾は d4、振動爆弾は d3 といったふうに)。この能力は通常のアルケミストの爆弾と置き換える。
簡易蘇生/Simple Reanimation:7レベルの時点で、死体蘇生者は3レベル処方としてレッサー・アニメイト・デッド*を処方書に加える。死体蘇生者はこのエキスを使用するとき、エキスを飲むのではなく、 活性化したい死体に注ぐと、1時間後に死体蘇生者の制御下にあるアンデッド・クリーチャーとして覚醒する。このエキスはゾンビしか作れない(ゾンビのヴァリアントを含む)。この能力はこのレベルの爆弾のダメージ上昇と置き換える。
クリエイト・アンデッド:13レベルの時点で、死体蘇生者は4レベル処方としてクリエイト・アンデッドを処方書に加える。死体蘇生者はこのエキスを使用するとき、エキスを飲むのではなく、 活性化したい死体に注ぐと、1時間後に死体蘇生者の制御下にあるアンデッド・クリーチャーとして覚醒する。このエキスは肉体をもつアンデッドしか作れない。この能力はこのレベルの爆弾のダメージ上昇と置き換える。
クリエイト・グレーター・アンデッド:15レベルの時点で、死体蘇生者は5レベル処方としてクリエイト・グレーター・アンデッドを処方書に加える。その他の点はクリエイト・アンデッドのエキスと同様に働く。この能力はこのレベルの爆弾のダメージ上昇と置き換える。
発見:以下の発見は死体蘇生者アーキタイプを補完する:錬金術ゾンビ*、生命霊薬、永遠ポーション、ミイラ化*、臓器保存*。
精神感応者は意識の状態変化の探知と他の存在の諸次元界についての知識を用いる。精神感応者のクラス特徴は以下の通り。
爆弾:精神感応者の爆弾のダメージ・ダイスは通常より1段階小さくなる(通常の爆弾は d4、振動爆弾は d3 といったふうに)。この能力は通常のアルケミストの爆弾と置き換える。
予知/Precognition:5レベルの時点で、精神感応者は2レベル処方としてオーギュリイを処方書に加える(このエキスは信仰焦点具を必要としない)。この能力は毒に対する抵抗+4と置き換える。
霊媒感覚/Psychic Senses:8レベルの時点で、精神感応者は3レベル処方としてクレアオーディエンス/クレアヴォイアンス、ディテクト・スクライング、スクライング、スピーク・ウィズ・デッドを処方書に加える(スクライングのエキスは焦点具または信仰焦点具を必要としない)。精神感応者がスピーク・ウィズ・デッドのエキスを使用すると、死体と会話するというより、死体の内に留まっている霊の声を聞く力を得るが、それ以外は呪文と同様に働く。この能力は毒に対する抵抗+6と置き換える。
幽体離脱/Remote Consciousness:10レベルの時点で、精神感応者は4レベル処方としてドリーム、レッサー・アストラル・プロジェクション*、ナイトメア、プレイン・シフト、センディング、テレパシック・ボンドを処方書に加える(プレイン・シフトのエキスは焦点具を必要としない)。この能力は毒に対する完全耐性と置き換える。
上級予知/Greater Precognition:15レベルの時点で、精神感応者は5レベル処方としてモーメント・オヴ・プレシャンスを処方書に加える。この能力はこのレベルの爆弾のダメージ上昇と置き換える。
予知体得/Master Precognition:17レベルの時点で、精神感応者は6レベル処方としてフォアサイトを処方書に加える。この能力はこのレベルの爆弾のダメージ上昇と置き換える。
発見:以下の発見は精神感応者アーキタイプを補完する:混乱爆弾*、永遠ポーション、ポーション強化、留まる魂*、狂気爆弾。
生体解剖者は肉体の機能をより深く理解するために学ぶ。外科医と異なるのは、生体解剖者のゴールは治療ではなく、むしろほとんどの人々が邪悪と見なすであろう実験と知識そのものだという点である。生体解剖者のクラス特徴は以下の通り。
急所攻撃:1レベルの時点で、生体解剖者は同レベルのローグと同様の急所攻撃能力を得る。もしこのキャラクターが既に別のクラスから急所攻撃を得ていたなら、急所攻撃の追加のダメージ・ダイス数を決定するにあたり、それらのクラスのレベルをローグ・レベルに加える(例えば、アルケミスト1/ローグ1のキャラクターは2レベル・ローグのように急所攻撃+1d6 を持つ。アルケミスト2/ローグ1のキャラクターは3レベル・ローグのように急所攻撃+2d6 を持つ)。この能力は爆弾を置き換える。
拷問者の目/Torturer's Eye:2レベルの時点で、生体解剖者は1レベル処方としてデスウォッチを処方書に加える。
冷酷な解剖学者/Cruel Anatomist:3レベルの時点で、生体解剖者は〈治療〉技能ボーナスの代わりに〈知識:自然〉技能ボーナスを使用してもよい。
拷問的な変化/Torturous Transformation:7レベルの時点で、生体解剖者は2レベル処方としてアンスロポモーフィック・アニマルを処方書に加える。このエキスは2時間の外科的処置の一部としてこのエキスを動物にふりかけて使用する。外科的処置の一部としてこのエキスを複数回使用した場合、使用回数の分だけ持続時間を乗じる。
9レベルの時点で、生体解剖者は3レベル処方としてアウェイクンとベイルフル・ポリモーフを処方書に加える。これらのエキスは24時間の外科的処置の一部として目標に降りかける(もしくは体内に埋め込む)ことで使用する。生体解剖者は 7,500gp の費用でアンスロポモーフィック・アニマルを永続化できる。
15レベルの時点で、生体解剖者は5レベル処方としてリジェネレイトを処方書に加える。
出血攻撃:生体解剖者は発見を得るときに代わりに同名のローグの技を選んでもよい。
弱体化打撃:10レベル以降、生体解剖者は発見を得るときに代わりに同名のローグの技を選んでもよい。
発見:以下の発見は生体解剖者アーキタイプを補完する:錬金術シミュレイクラム*、毒集中、ドッペルゲンガー・シミュレイクラム*、変異薬注入、寄生する双子*、臓器保存*、触手*、腫瘍の使い魔*、退化した腕*、翼*。
アルケミストのいくらかは変わったクリーチャーを保存して集めることに夢中になる。こうした標本保存者は瓶詰めの動物や怪物を教授資料として用いるが、アルケミストの特権として短時間これらを蘇生して戦わせる方法も学んでいる。標本保存者のクラス特徴は以下の通り。
瓶詰めの友I/Bottled Ally I:2レベルの時点で、標本保存者は〈動物使い〉をクラス技能に、1レベル処方としてサモン・ネイチャーズ・アライIを処方書に加える。標本保存者はこのエキスを準備するときに、実際に瓶の中に小さな標本を準備している。(術者がこの呪文を発動するのと同様に、標本保存者は実際にエキスを使用するまでクリーチャーを選ぶ必要はない)。標本保存者が瓶を開けると、標本は通常のサイズに戻って動き出し、招来されたクリーチャーのように標本保存者に従う。持続時間が過ぎると、標本のクリーチャーは腐敗して粉になる。標本保存者が注入の発見を持っているなら、別のクリーチャーも注入された標本を使用できる。《招来クリーチャー強化》特技はこれらの標本にも適用される。この能力は毒の使用と置き換える。
瓶詰めの友II:5レベルの時点で、標本保存者は2レベル処方としてサモン・ネイチャーズ・アライIIを処方書に加える。この能力は毒に対する抵抗+4と置き換える。
瓶詰めの友III:8レベルの時点で、標本保存者は3レベル処方としてサモン・ネイチャーズ・アライIVを処方書に加える。この能力は毒に対する抵抗+6と置き換える。
瓶詰めの友IV:10レベルの時点で、標本保存者は4レベル処方としてサモン・ネイチャーズ・アライVを処方書に加える。この能力は毒に対する完全耐性と置き換える。
瓶詰めの友V:14レベルの時点で、標本保存者は5レベル処方としてサモン・ネイチャーズ・アライVIIを処方書に加える。この能力は持続変異薬と置き換える。
瓶詰めの友VI:18レベルの時点で、標本保存者は6レベル処方としてサモン・ネイチャーズ・アライIXを処方書に加える。この能力は18レベルの発見と置き換える。
発見:以下の発見は標本保存者アーキタイプを補完する:瓶詰め粘体*、臓器保存*、触手*、退化した腕*、翼*。
多くのアルケミストは精神能力を犠牲にして肉体能力の強化するために変異薬を用いるが、ある者は錬金術をその逆──精神の力と記憶を強化するために用いる。錬心術師の精神は信じがたいレベルに達するが、肉体を弱らせる効果が長く留まる。錬心術師のクラス特徴は以下の通り。
進化薬/Cognatogen:1レベルの時点で、錬心術師は進化薬の発見を得たように進化薬の作り方を学ぶ。この能力は変異薬と置き換える(錬心術師は変異薬*の発見を選択しなければ変異薬を作ることができない)。
完璧な記憶/Perfect Recall:2レベルの時点で、錬心術師は自身の記憶を磨く。錬心術師は〈知識〉判定を行うとき【知力】ボーナスを2回加えてもよい。この結果、〈知識:歴史〉5ランクと+2【知力】ボーナスをもつ錬心術師はこの能力を使用して合計+9(5+2+2)で技能判定を行う。錬心術師は何かを思い出す【知力】判定にもこの能力を使用できる。この能力は毒の使用と置き換える。
ボーナス特技:錬心術師は発見を得るとき、代わりに《技能熟練》(〈魔法装置使用〉、〈変装〉、〈治療〉、〈知識:どれでも〉、〈真意看破〉、〈呪文学〉)を得てもよい。
言語:錬心術師は発見を得るとき、代わりに3つの言語を学んでもよい。
発見:以下の発見は錬心術師アーキタイプを補完する:大いなる進化薬*、上級進化薬*、変異薬注入。
錬丹術士は錬金術的調合薬と生体エネルギーの制御によって不死性を得ることを望み、薬学、食事法、自己浄化を学んでいる。錬丹術士は肉体の働きについての知識を高め、珍しい肉体的能力を発見した。
呼吸法体得/Breath Mastery:1レベルの時点で、錬丹術士は肉体の中の生命エネルギーの流れと呼吸の制御法を身につける。錬丹術士は準備することなく【耐久力】に等しい分数まで息を止めることができる(この時間を過ぎると【耐久力】判定を開始し窒息のリスクを負う)。全ラウンド・アクションを使用して準備を行うのであれば、この時間は【耐久力】につき1時間に増加する。錬丹術士は食料と水の欠乏によりペナルティを負うまでの期間が通常の2倍となる。錬丹術士は移動アクションによって仮死状態になることができ、これは気絶状態であり完全に死んでいるように見えるが、この状態になるときに錬丹術士が定めた時間か状態になると覚醒する。この能力は万能投擲術と置き換える。
ボーナス特技:錬丹術士はアルケミストの発見を得るとき、代わりに《鋭敏感覚》、《気の力追加》、 《頑健無比》、《クリティカル強化:素手打撃》、《イニシアチブ強化》、《素手打撃強化》、《鋼の意志》、《神速の反応》、《朦朧化打撃》、《武器熟練:素手打撃》のいずれかを選んで得てもよい。
病気に対する抵抗/Disease Resistance:3レベルの時点で、錬丹術士は病気に抵抗する全てのセーヴィング・スローにアルケミスト・クラスの毒に対する抵抗と等しいボーナスを得る。“毒に対する完全耐性”クラス特徴を得るとき、同様に病気に対する完全耐性を得る。この能力は即行錬金術と置き換える。
直感回避:6レベル以降、錬丹術士は知覚する前に危険に対処するという、通常なら不可能な技を身につける。アーマー・クラスへの【敏捷力】ボーナスを失わない限り、不可視状態の敵に攻撃されたとしても立ちすくみ状態にならない。しかしながら、動けない状態になるか、敵がフェイントを成功させた(〈はったり〉を参照)なら、アーマー・クラスへの【敏捷力】ボーナスは失われる。錬丹術士がすでに他のクラスから直感回避を獲得していた場合、代わりに直感回避強化(ローグを参照)を獲得する。この能力は即行毒と置き換える。
発見:以下の発見は錬丹術士アーキタイプを補完する:進化薬*、生命霊薬、大いなる進化薬*、上級進化薬*、留まる魂*、ミイラ化*、任意治癒*。
アスタリスク(*)の印のついた発見は Ultimate Magic で追加されたものである。