経験点38,400
中立にして悪/超小型サイズのアンデッド
イニシアチブ +7; 感覚 暗視60フィート、トゥルー・シーイング; 〈知覚〉+27
アーマー・クラス 25、接触21、立ちすくみ21(+1回避、+4外皮、+2サイズ、+3【敏】、+5不浄)
ヒット・ポイント 142(15d8+75)
頑健 +15、反応 +15、意志 +21
防御能力 エネルギー放出に対する抵抗+5、不浄の恩寵、黄泉がえり; ダメージ減少 20/―; 完全耐性 [強酸]、[雷撃]、[氷雪]、アンデッドの種別特性、(ポリモーフ)、魔法
弱点 ヴォーパルに対する脆弱性、休眠
移動速度 飛行30フィート(完璧)
接敵面 2・1/2フィート; 間合い 0フィート
特殊攻撃 魂喰らい
擬似呪文能力 (術者レベル20; 精神集中+25)
常時:トゥルー・シーイング
回数無制限:ウェイル・オヴ・ザ・バンシー(デミリッチを中心とした半径20フィートの拡散; 難易度24)、テレキネシス(難易度20)、グレーター・ビストウ・カース(難易度21)
【筋】6、【敏】17、【耐】―、【知】21、【判】20、【魅】21
基本攻撃 +11; 戦技ボーナス +12; 戦技防御値 30
特技 《イニシアチブ強化》、《鋭敏感覚》、《回避》、《かすめ飛び攻撃》 (B) 、《強行突破》、《神速の反応》、《能力熟練:魂喰らい》、《鋼の意志》、《防御的戦闘訓練》
技能 〈隠密〉+24、〈呪文学〉+23、〈真意看破〉+27、〈知覚〉+27、〈知識:次元界〉+15、〈知識:宗教〉+18、〈知識:神秘学〉+23、〈知識:ダンジョン探検〉+20、〈知識:歴史〉+15、〈はったり〉+20、〈飛行〉+23
言語 アクロ語、共通語、巨人語、地獄語、奈落語、竜語
魂喰らい(超常)/Devour Soul 1回の標準アクションとして、デミリッチは300フィート以内の間合いにいる生きているクリーチャー1体の魂を、その頭蓋骨の周りにある10個の特別な宝石の1つに閉じ込めることができる。目標が難易度24の頑健セーヴに成功したなら、目標は永続的な負のレベル2を得る。セーヴに失敗したなら、その魂はデミリッチの頭蓋骨にある宝石の1つに即座に吸い込まれる。その魂は宝石の中に囚われている間、トゥルー・シーイングの影響下にない限りはかすかな光としてしか見えることはない。魂の抜けた肉体はすぐに腐敗してぼろぼろになってしまい、1ラウンドの間に塵になってしまう。死亡したクリーチャーの魂が宝石の中に囚われている限り、直接の神の介在をもってしてもその命を救うことはできない。魂を収めた宝石はデミリッチを破壊することで回収することができ、中にある魂を来世へ解き放つためにその宝石を砕くこともできるし、リザレクションやトゥルー・リザレクションによってその魂と肉体を取り戻すために、通常の物質要素の代わりとして使用することもできる。24時間が経過すると、デミリッチは宝石に囚われた魂を消費してその魂のヒット・ダイスごとに1d6ヒット・ポイントを回復することを選ぶことができる。そうなると、ウィッシュあるいはミラクルのみでしか死亡した魂を救うことができなくなる。セーヴ難易度は【魅力】に基づいており、《能力熟練》特技により+2のボーナスが加えられている。
グレーター・ビストウ・カース(擬呪)/Greater Bestow Curse この擬似呪文能力はビストウ・カースのように機能するが、以下に示す中から1つの効果を持つ; 能力値1つを-12する; 能力値2つを-6する; 攻撃ロール、セーヴ、判定に-8のペナルティを与える; 通常通り動作する事ができる確率が25%になる。この能力は6レベル呪文のように扱う。
魔法に対する完全耐性(超常)/Immunity to Magic デミリッチは呪文抵抗が可能なあらゆる呪文および擬似呪文能力に完全耐性を有する。加えて、特定の呪文はこのクリーチャーに対して以下のような異なる機能を示す。
ディスペル・イーヴル呪文は2d6ポイントのダメージを与える。セーヴィング・スローは行えない。
パワー・ワード・キルがエーテル状態の術者によって唱えられると、デミリッチが頑健セーヴに失敗すると50ポイントのダメージを与える(その呪文がセーヴィング・スローを行えるかのように難易度を計算する)。
シャター呪文は2術者レベルごとに1d6ポイント(最大10d6)のダメージを与える。セーヴィング・スローは行えない。
黄泉がえり(超常)/Rejuvenation 破壊されたデミリッチは2d6日で復活する。デミリッチを完全に破壊するには、ハロウ呪文の効果範囲の中でその残骸に聖水をかけなければならない。破壊を完遂するためにはホーリィ・ワードかディスペル・イーヴルを発動しなければならない。術者レベルが難易度10+デミリッチのヒット・ダイスの術者レベル判定に成功したならば、デミリッチは完全に破壊される。
念動力の嵐(超常)/Telekinetic Storm テレキネシス擬似呪文能力の特殊な使い方として、デミリッチは宝物、塵、骨、その他の固定されていない瓦礫をその頭蓋骨の周りで渦を巻く嵐の中で激しくかき回すことができる。この嵐はデミリッチの頭蓋骨を中心とした半径20フィート拡散のフォッグ・クラウドのように視界を覆う。この嵐の中に入ったクリーチャーはデミリッチのターンにおいて12d6ポイントの殴打ダメージを被る(反応セーヴ難易度20に成功すれば半減ダメージ)。デミリッチは精神集中によりこの嵐を無期限に持続することができる。
休眠(変則)/Torpor デミリッチはそこにある残骸や宝物が荒らされない限り、侵入者に対して一切のアクションを取らない。
不浄の恩寵(超常)/Unholy Grace デミリッチはそのセーヴにその【魅力】修正値に等しいボーナスと、アーマー・クラスに同量の不浄ボーナスを得る。
ヴォーパルに対する脆弱性(変則)/Vorpal Susceptibility いかなる種類のヴォーパル武器であっても、デミリッチのダメージ減少を無視する。
終わる事なき不死の年月の中で、その内観を愛し、終わる事無き日々の連続に相対するために目覚めることをしないリッチもいる。その肉体から離れたところにその意識を投じ、定命の同族から遥か離れて、次元界や現実界をさまよい歩く者もいる。魂の活力を失った、そのようなリッチの物理的な肉体は、何百年かかけて腐敗に屈してしまう。そのとき、リッチの頭蓋骨だけが完全なまま残される。しかし不死とのつながりは、最終的な分解からリッチの残滓を守る。リッチの知性の名残がその頭蓋骨の中に残り、心乱されたなら当惑するほどの激しい怒りが到来する。リッチの生き残ろうとする意志の残りがこの頭蓋骨を強力にし、いかなる鋼鉄よりも硬くする。リッチの力に対する強欲と渇望が、この頭蓋骨にある宝石の成長の原因となる。最後に、リッチの魔力のほんの僅かな残滓だけが残るのだが、怒りのために覚醒したデミリッチは、自身の最後の遺品を汚す者から魂そのものを取り除くだけの十分な力を内包している。
リッチがデミリッチへと緩やかに退行している間に、リッチの経箱は必ず役に立たなくなり、リッチの肉体が崩れて塵と消えないとしても、最後の魔力の残りも消費されてしまう。しかし経箱の保存能力なしであっても、デミリッチはその存在をしっかりと掴んでいる。強力で緻密な魔法の使用によってのみ、デミリッチとその残滓を完ぺきに破壊することができるのだ。
軽率な冒険者にとって、デミリッチはリッチのかつての私室にある塵と骨以上には見えない。実際心が乱されるまで、デミリッチは侵入者にぼんやりとした認識しか持たないし、その存在を無視する。デミリッチの所有物を盗んだり、残滓の心を乱したり、その領域を破壊したりするようなことがあれば、デミリッチのまどろんだ精神は覚醒し、虚空に舞い上がってウェイル・オヴ・ザ・バンシーを発してから着地する。侵入者が撤退するなら、頭蓋骨は休眠状態に戻る。しかし彼らがその場に留まるなら、この頭蓋骨は再び浮かび上がり、視界にある全てのものが死滅するまで休眠状態に入ることはない。侵入者には幸いなことに、賢くも逃亡した者たちをデミリッチが追いかけることは決してない。
ほとんどのデミリッチは意志ではなく、無気力からその状態を獲得する。デミリッチが意味ある行動にその身体を動かすことをしない10年ごとに、その頭蓋骨以外の物質的な肉体が塵へと腐敗する確率が累積して1%存在する。能動的に行動することで、この変化する確率は0%にリセットされる。一度リッチの肉体が腐敗すると、リッチの知力は通常通り経箱の中に戻る。しかし頭蓋骨がリッチの意識の帰還を拒絶し、リッチは1d10年の間衰えている経箱に囚われたままでいる。この間に(例えば徘徊する冒険者によって)リッチの身体が破壊されたりバラバラにされたりすると、リッチの経箱は新しい肉体を作り、通常通り知性が経箱から離れ、リッチは命を取り戻す。しかしリッチの死体が手付かずのままであるなら、経箱の魔法は破滅的な失敗を迎え、リッチの魂は解き放たれ、経箱に5d10ポイントのダメージが及ぼされる。経箱が物理的に壊れずにいたかどうかにかかわらず、リッチの命なき頭蓋骨の中との回路が途切れることでエネルギーは解き放たれ、リッチの魂の最後の残滓がデミリッチに変じることになる。リッチの魂自身は完全に破壊されているか、最後の報酬か罰に到達したか、永遠に多次元宇宙の縁を彷徨うことを強制されるかのいずれかである。
彷徨うリッチにとってこの過程は似通ったものだが、リッチが肉体に知性を戻すことなく過ごした何十年という歳月に基づいている。リッチの肉体が腐敗している間もその精神は増大を続けており、経箱に囚われるのは肉体が痛んでいるがまだデミリッチにはなっていない間にリッチが戻ろうとする場合のみである。彷徨うリッチが帰還する前にリッチの経箱が駄目になると、その頭蓋骨はデミリッチとなり、リッチの精神は終末の日まで彷徨う運命となる。
普通と異なる状況のもとでは、リッチの完全な意識がデミリッチの中でその変質を生き残ったり、リッチの彷徨う知性が宝石に彩られた頭蓋骨に戻ることがある。そのようなクリーチャーがアウェイクンド・デミリッチ(覚醒したデミリッチ)であり、デミリッチの力とほぼ不死身な特性にリッチの精神と呪文発動能力を兼ね備える。アウェイクンド・デミリッチはかつてのリッチとしての呪文発動能力をすべて持つ上、ボーナス特技として《物質要素省略》と《呪文動作省略》を得る。アウェイクンド・デミリッチは元々のリッチのヒット・ダイスと、デミリッチの最小値よりも高い精神能力値を保持する。彼らは休眠を除き、デミリッチの特殊能力と防御能力をすべて持つが、元のリッチを超える呪文発動能力や精神能力値を持つことはない。アウェイクンド・デミリッチは16か元のリッチの脅威度+3の、いずれか高い方の脅威度を持つ。