弓の活用法を究めんとする者は時としてアーケイン・アーチャー(秘術の射手)の道を突き進む。アーケイン・アーチャーは、正確無比に目標に攻撃を加える能力を持ち、矢に強力な呪文を注入することができる、遠隔戦闘の達人である。アーケイン・アーチャーが放った矢は異様なありえない角度から飛来し、角を回りこんで敵に攻撃を加え、強固な物体をすり抜けて遮蔽の向こうで震える敵に命中する。能力が高まると、アーケイン・アーチャーは極めて強力な敵でさえも致死の一射をもって打ち倒すことができる。
レンジャーとウィザード双方の訓練を積んだ者がアーケイン・アーチャーとして優れるが、それ以外のマルチクラスの組み合わせがいないわけではない。アーケイン・アーチャーはエルフが赴くところならどこででも見かけられる可能性があるが、必ずしもそのすべてがエルフの友というわけではない。多くの、とりわけハーフエルフのアーケイン・アーチャーはエルフの伝統を、まったくの私利私欲のために、あるいはより悪いことには自分たちが執着する伝統そのものを持つエルフに対して、使っている。
役割:アーケイン・アーチャーは遠距離から死をもたらし、仲間たちが近接戦闘に突入する間に相手を吹き飛ばす。敵に矢の雨を降らせる手腕を持つアーケイン・アーチャーは遠隔戦闘の頂点を体現する。
属性:アーケイン・アーチャーはどのような属性でもありうる。エルフまたはハーフエルフのアーケイン・アーチャーは束縛を嫌う傾向にあるため、秩序属性であることはまれである。同様に悪属性のエルフのアーケイン・アーチャーは一般的でなく、大抵の場合善属性か中立属性のキャラクターがアーケイン・アーチャーの道を突き進む。
アーケイン・アーチャーになるためには、キャラクターは以下の基準すべてを満たさなければならない。
基本攻撃ボーナス:+6。
特技:《武器熟練:ショートボウもしくはロングボウ》、《近距離射撃》、《精密射撃》。
アーケイン・アーチャーのクラス技能(と各技能の対応能力)は、〈隠密〉【敏】、〈騎乗〉【敏】、〈生存〉【判】、〈知覚〉【判】。
レベルごとの技能ランク:4+【知力】修正値。
1日の呪文数 | ||||||
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1 |
+1 |
+1 |
+1 |
+0 |
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2 |
+2 |
+1 |
+1 |
+1 |
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3 |
+3 |
+2 |
+2 |
+1 |
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4 |
+4 |
+2 |
+2 |
+1 |
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5 |
+5 |
+3 |
+3 |
+2 |
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6 |
+6 |
+3 |
+3 |
+2 |
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7 |
+7 |
+4 |
+4 |
+2 |
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8 |
+8 |
+4 |
+4 |
+3 |
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9 |
+9 |
+5 |
+5 |
+3 |
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10 |
+10 |
+5 |
+5 |
+3 |
以下のすべてがアーケイン・アーチャー上級クラスのクラス特徴である。
武器と防具の習熟:アーケイン・アーチャーはすべての単純武器と軍用武器、軽装鎧と中装鎧、盾に習熟している。
1日の呪文数/Spells per Day:指示されたレベルの時点で、アーケイン・アーチャーはこの上級クラスに就く前に属していた秘術呪文発動能力のあるクラスのレベルが上がったかのように、1日に使える呪文数が増える。しかし、追加の1日の呪文数、追加修得呪文数(準備しない呪文の使い手の場合)、呪文を発動する際の有効レベルの上昇以外に、そのクラスのレベルが上がっていたなら得られたはずの他の利益を得ることはない。キャラクターがアーケイン・アーチャーになる前に複数の呪文発動能力のあるクラスをとっていたなら、レベルの上昇があるたび、その新たなレベルをどのクラスに、1日の呪文数を決定するために適用するか決めなければならない。
アロー強化(超常)/Enhance Arrows:クラス・レベルが1レベルにおいて、アーケイン・アーチャーがつがえて放った魔法の力を持たぬアローはすべて魔力を帯び、+1の強化ボーナスを得る。通常の方法で作成する魔法の武器と異なり、アーチャーはこの能力を使うのに金銭を消費しない。しかし、アーチャーの魔法のアローは自分で使う時しか働かない。
加えて、アーケイン・アーチャーのアローは追加のレベルを得るにつれていくつかの追加能力を得る。1日1回、アーケイン・アーチャーが呪文を準備する際、もしくは準備しない呪文の使い手の場合は8時間の休息の後に、エレメンタル能力、エレメンタル・バースト能力、属性能力を変更できる。
3レベル以降、アーケイン・アーチャーが発射した魔法の力を持たぬアローはすべて以下のエレメンタル関連の能力の内の1つを得る:ショック、フレイミング、フロスト。
5レベル以降、アーケイン・アーチャーが発射した魔法の力を持たぬアローはすべてディスタンス能力を得る。
7レベル以降、アーケイン・アーチャーが発射した魔法の力を持たぬアローはすべて以下のエレメンタル・バースト能力の内の1つを得る:アイシー・バースト、ショッキング・バースト、フレイミング・バースト。この能力はクラス・レベル3の時点で得る能力と置き換わる。
9レベル以降、アーケイン・アーチャーが発射した魔法の力を持たぬアローはすべて以下の属性関連の能力の内の1つを得る:アクシオマティック、アナーキック、アンホーリィ、ホーリィ。アーケイン・アーチャーは自分の属性の対抗属性の能力を選ぶことはできない(例えば、秩序にして善属性のアーケイン・アーチャーは武器の特殊能力としてアナーキックとアンホーリィを選ぶことはできない)。
魔法のボウによって授けられるボーナスはこの能力で強化されているアローにも通常通り適用される。高い方のボーナスだけが適用される。重複する能力は累積しない。
呪文の矢(超常)/Imbue Arrow:クラス・レベルが2レベルになると、アーケイン・アーチャーはアローに効果範囲型呪文を込める能力を得る。このアローを撃つと、その呪文の効果範囲は通常なら術者を中心とするしかできない呪文であっても、アローの着地点が中心となる。この能力により、アーチャーは呪文の距離ではなく、ボウの射程まで呪文を届けられるようになる。この方法で発動された呪文はその呪文の標準の発動時間を使用し、アーケイン・アーチャーは発動の一部としてアローを発射できる。アローは発動が完了したラウンドに発射しなければならず、さもないと、呪文は無駄になってしまう。アローが外れたら、呪文は無駄になってしまう。
敵追いの矢(超常)/Seeker Arrow:クラス・レベルが4レベルになると、アーケイン・アーチャーは射程内にいる自分が知っている目標に向かってアローを放つことができ、このアローは、たとえ角を曲がってでも、目標のもとへ達する。よけることのできない障害物があるか、射程を超えるかしなければ、このアローの飛行を妨害することはできない。この能力は遮蔽や視認困難の修正を無効化するが、それ以外は通常通りに攻撃をロールする。この能力の使用は1回の標準アクションであり、アローを発射するのはアクションの一部である。アーケイン・アーチャーはクラス・レベル4の時点でこの能力を1日に1回使用でき、4レベルを超える2レベルごとに追加で1日に1回使用できる(最大で10レベル時の4回)。
壁抜けの矢(超常)/Phase Arrow:クラス・レベルが6レベルになると、アーケイン・アーチャーは1日に1回、射程内にいる自分の知っている目標に向かってアローを放つことができる。このアローは途中にある魔法の力を持たぬ障壁や壁を突き抜けて、真っ直ぐ目標のもとへ達する(魔法の障壁はこのアローを止めてしまう)。この能力は遮蔽、視認困難、鎧や盾の修正を無視するが、それ以外は通常通りに攻撃をロールする。この能力の使用は標準アクションであり、アローを発射するのはアクションの一部である。アーケイン・アーチャーはクラス・レベル6の時点でこの能力を1日に1回使用でき、6レベルを超える2レベルごとに追加で1日に1回使用できる(最大で10レベル時の3回)。
矢の雨(超常)/Hail of Arrows:クラス・レベルが8レベル以上のアーケイン・アーチャーは1日に1回、通常の攻撃の代わりに、射程内にいる最大で自分のアーケイン・アーチャー・レベルごとに1体までの目標それぞれに対してアローを1本ずつ発射することができる。それぞれの攻撃には、そのアーチャーの一番高い攻撃ボーナスを使い、敵1体に対しては1本のアローしか発射できない。
必殺の矢(超常)/Arrow of Death:クラス・レベルが10レベルになると、アーケイン・アーチャーは特殊なタイプの“スレイング・アロー”を作ることができる。このアローの攻撃でダメージを受けた場合、目標は頑健セーヴ(難易度20+アーケイン・アーチャーの【魅力】修正値)を行なわなければならず、失敗すると即座に死亡する。1本の“スレイング・アロー”を作るには1日かかり、このアローはそれを作ったアーチャーが使う時しか働かない。“スレイング・アロー”の魔力は1年しか持続せず、アーチャーはこうしたアローを一度に1本しか持つことはできない。