火器はまだほとんどのキャンペーンにおいて未だ冒険者の武器庫に新しく追加されたばかりの兵器であるが、その主要な信奉者──ガンスリンガー──は一刻も無駄にせずに刺激的な新しい手法でこれらの武器を実験している。ガンスリンガーは既に多芸なる冒険者だが、さらに以下のアーキタイプは火器の形態に特化するか、その気概を供給するのに意志の力の代わりに人格を使用するか、あるいは戦場において止めようのない絶対を思わせる力を作り出すために火器と重装鎧を融合させるか、いずれかの手法によってクラスに新たな特殊性と戦略を追加する。
これらのアーキタイプのそれぞれは、銃の道を選んだ最初の装甲騎士をあらわす装甲銃士、高貴な銃士の時代を思わせる古典的なマスケットの達人、そしてかつての西部とそれ以降の埃っぽい通りから無数の無法者と早撃ちの名手を再現するピストル使いなど、幻想と歴史の双方にそのルーツを持つ。
ガンスリンガーは通常は重装鎧を使用しないが、従来の武器と銃火の双方から身を守るため鎧を使用し修正する者もいくらか存在する。これらの装甲銃士は自身の硬い保護殻を貫通できるものは皆無であると知りながら焼けつく銃身を携えて戦闘に転がり込み、火器による制裁を与える。
防具の習熟:装甲銃士はタワー・シールドを含むすべての鎧と盾に習熟している。
発露:装甲銃士は以下の発露の組みを交換する。新しい発露の説明にはガンスリンガーのクラス特徴の発露のいずれを新しい発露と置き換えるのかという情報が含まれている。
装甲銃士の不屈(変則)/Gun Tank's Resolve:1レベルの時点で、装甲銃士は最も深刻な攻撃を払うことができる。中装鎧か重装鎧を着用しており、クリティカル・ヒットまたは急所攻撃の対象になったとき、装甲銃士は1気概ポイントを消費して、割り込みアクションとしてクリティカル・ヒットまたは急所攻撃の無効化を試みることができる。1レベルの時点で、装甲銃士は25%の確率でそのようにする。10レベルの時点で、確率は50%に増加する。15レベルの時点で、確率は75%に増加する。装甲銃士の不屈はフォーティフィケイションの防具の特殊能力と累積せず、この防具の特殊能力または同種の効果と連携して働くため、フォーティフィケイションの防具がクリティカル・ヒットまたは急所攻撃を無効化することに失敗した後でさえ、装甲銃士はこの能力を使用することができる。この発露はガンスリンガーの回避の発露と置き換える。
装甲銃士の抵抗(変則)/Gun Tank's Resilience:15レベルの時点で、最低1気概ポイントを残しており、ダメージを半減するか効果を部分的にするための攻撃に対する頑健セーヴィング・スローに成功したとき、装甲銃士はその攻撃からダメージまたはその他の効果を受けない。さらに、装甲銃士は[恐怖]および[精神作用]効果に対するすべてのセーヴィング・スローに+2ボーナスを得る。この発露は飄々の発露と置き換える。
弾丸の反発(変則)/Bullet Defection:装甲銃士は防具を修正および使用して火器の攻撃を止めることに熟達する。2レベルの開始時、中装鎧または重装鎧を着用している装甲銃士は、攻城兵器でない火器および飛散武器の攻撃(アルケミストの爆弾のクラス能力を含む)に対する反発ボーナスとして、鎧のボーナスと鎧の強化ボーナス(あれば)の合計の半分を得る。この能力は接触攻撃を行う呪文、擬似呪文能力、あるいは超常能力に対しては何の効果もない。この能力は軽快と置き換える。
鎧修練(変則):4レベルの時点で、装甲銃士は鎧を着用している間により機動性を高める方法を学ぶ。装甲銃士は鎧を着用しているときは常に鎧の判定ペナルティを1減少し(最小0まで)、鎧による【敏捷力】ボーナス上限を1増加する。以降の4レベルごとに(8、12、および16レベル)このボーナスは1増加し、最大で鎧の判定ペナルティを-4減少し、【敏捷力】ボーナス上限を+4増加する。この能力は同名のファイターのクラス能力と累積する。双方のクラス特徴を有している場合、装甲銃士は2つのクラス特徴の最も有利な利益を得る。この能力はガンスリンガーが4レベルの時点および以降の4レベルごとに得るボーナス特技と置き換える。
ガンスリンガーは自身の武器の気まぐれな力を制御するために常識と手先の器用さを混合した能力を使用する。しかし、いくらかの稀なガンスリンガーは、純粋に意志の力と諦めの知らなさによって自らの選んだ作業を実行しているように見える。これらの謎めいた異邦人はいざという時には腹芸を使って進み続け、時に自身の目的を達成するとすぐに地域から地域へと移動する──だからこの名がついた。
気概(変則):謎めいた異邦人は侮れない力を備えている。謎めいた異邦人は1日の始めに獲得する気概ポイント数を決定するにあたり、【判断力】を用いる代わりに【魅力】を使用する。この能力はその他のすべての点でガンスリンガーの“気概”クラス特徴のように機能する。
集中する狙い(変則)/Focused Aim:1レベルの時点で、即行アクションにより、謎めいた異邦人は1気概ポイントを消費して、ターンの終了時まで自身の行うすべての火器攻撃におけるすべての火器のダメージ・ロールに自身の【魅力】修正値(最小1)に等しいボーナスを得る。7レベルの時点で、的中弾の発露を使用するとき、謎めいた異邦人はこのボーナスを的中弾攻撃のロール中に命中した回数で乗じる。この発露は高速処置の発露と置き換える。
切り込む射撃(変則)/Clipping Shot:11レベルの時点で、火器攻撃に失敗したとき、謎めいた異邦人は1気概ポイントを消費してその攻撃が命中した場合に与えていたであろうダメージの半分を与えることができる(ダメージは通常通りロールする)。謎めいた異邦人は攻撃を行った後でこの発露を使用することを決定し気概ポイントを消費することができる。攻撃に的中弾の発露を使用していた場合にはこの発露は何の効果もない。この発露を使用するのに必要な気概ポイントは《二つ名たる発露》特技、“真なる気概”クラス特徴、または同種の効果によって減少できない。この発露は出血性の傷の発露と置き換える。
幸運(変則)/Lucky:2レベルの開始時、謎めいた異邦人は意志セーヴィング・スローに+1幸運ボーナスを得る。2レベルを超える4レベルごとにこのボーナスは+1増加する(20レベルの時点で最大+5(訳注:計算が合わない))。この能力は軽快と置き換える。
異邦人の幸運(変則)/Stranger's Fortune:5レベルの開始時、謎めいた異邦人は1日に【魅力】修正値に等しい回数まで火器の不発を無効化できる。謎めいた異邦人はこの能力をフリー・アクションにより使用することができる。この能力は銃修練1と置き換える。
ほとんどのガンスリンガーが好みの火器を持つ一方で、排他的に片手火器に特化することを選択する稀な者たちもいる。これらのガンスリンガーはピストル使いと呼ばれ、任意の火器を選択して合理的な習熟によってそれを使用できるという柔軟性を欠いているものの、ピストルおよび同種の火器の射撃は一流である。これらの火器を用いた至近距離での技能と狙いは並ぶものがなく、彼らはこれらの武器でほとんど不発を起こさない。
武器の習熟:全ての火器習熟する代わりに、ピストル使いは片手火器にのみ習熟している。ピストル使いは両手火器および火器の攻城兵器の習熟を得るためには《特殊武器習熟:火器》が必要である。
銃匠:ピストル使いは1レベルの時点でボロボロの火器を選択するときにピストルを選ばなければならない。
近接し致命的に(変則)/Up Close and Deadly:1レベルの時点で、散弾射撃を用いずに片手火器を目標に命中させたとき、ピストル使いは1気概ポイントを使用してその命中に1d6ポイントの追加ダメージを与えることができる。攻撃に失敗した場合、ピストル使いは目標にかすり、とにかく追加ダメージの半分を与える。これは精度に基づくダメージであり、攻撃がクリティカル・ヒットした場合に乗算されない。精度に基づくダメージは5レベルの時点で2d6に、10レベルの時点で3d6に、15レベルの時点で4d6に、20レベルの時点で5d6に増加する。この精度に基づくダメージは急所攻撃およびその他の形態の精度に基づくダメージと累積する。この発露を使用する際に用いるコストは《二つ名たる発露》特技、真なる発露クラス特徴、その他同種の効果によって減少しない。この発露は射撃の名手の発露と置き換える。(第3刷更新)
射撃の名手(変則)/Deadeye:7レベルの時点で、ピストル使いは通常の1レベル・ガンスリンガーの発露である射撃の名手の発露を得る。この発露は驚嘆すべき射撃の発露と置き換える。
二重射撃の打ち倒し(変則)/Twin Shot Knockdown:11レベルの時点で、自身のターン中に1体の目標に2回以上の片手火器攻撃を命中させたとき、ピストル使いは1気概ポイントを消費して、目標を伏せ状態に打ちのめすことができる。ピストル使いは攻撃を行った後で気概ポイントを消費することを選択できる。この発露は出血性の傷の発露と置き換える。
ピストル修練(変則)/Pistol Training:5レベルの開始時、ピストル使いの片手火器の技能は強化される。ピストル使いはダメージ・ロールに自身の【敏捷力】修正値に等しいボーナスを得て、片手火器で不発を起こしたときに不発値を4ではなく2増加させる。以降の4レベルごとに(9、13、および17レベル)、ダメージ・ロールへのボーナスは+1増加する。13レベルの時点で、ピストル使いは片手火器で2度と不発を起こさない。この能力は銃修練1、2、3、および4と置き換える。(第3刷更新)(訳注:能力として機能しなくなるため、エラッタを適用せず)
ピストルおよびその他の片手火器は多くの場合、他の火器よりも隠しやすく高速に装填でき、そしてほとんどの状況で十分なダメージを与える。しかし一部のガンスリンガーはもう少し大きな火力と有効距離を求める。それがマスケットの達人である; これらのガンスリンガーの頂点は目も眩むような速度でマスケットを装填することができ、ピストルを使う同胞を恥とすら考えている節がある。
武器の習熟:全ての火器習熟する代わりに、マスケットの達人は両手火器にのみ習熟している。マスケットの達人は片手火器および火器の攻城兵器の習熟を得るためには《特殊武器習熟:火器》が必要である。
銃匠:マスケットの達人は1レベルの時点でボロボロの火器を選択するときにマスケットを選ばなければならない。
着実な狙い(変則)/Steady Aim:1レベルの時点で、最低1気概ポイントを残している限り、マスケットの達人は移動相当アクションによって両手火器の精度を高めることができる。そのようにする際、マスケットの達人は射撃する火器の射程単位を10フィート増加する。これは射程単位を増加するその他の能力と累積する。この発露はガンスリンガーの回避の発露と置き換える。
高速マスケット(変則)/Fast Musket:3レベルの時点で、最低1気概ポイントを残している限り、マスケットの達人は両手火器を片手火器であるかのように装填することができる。この発露は有用射撃の発露と置き換える。
高速装填/Rapid Reloader:1レベルの時点で、マスケットの達人はボーナス特技として《高速装填:マスケット》を得る。
マスケット修練(変則)/Musket Training:5レベルの開始時、マスケットの達人は両手火器の技能を高める。マスケットの達人はダメージ・ロールに自身の【敏捷力】修正値に等しいボーナスを得て、両手火器で不発を起こしたときに不発値を4ではなく2増加させる。以降の4レベルごとに(9、13、および17レベル)、このボーナスは+1増加する。この能力は銃修練1、2、3、および4と置き換える。(第3刷更新)