砕ける波に響き渡るセイレーンの歌のように、波が君に呼びかける。
ディープ・ワンの腐敗は通常2種類ある。ディープ・ワンの腐敗の最も一般的な原因は、静脈中を流れる休眠状態のデーィプ・ワンの血液である。クトゥルフのようなグレート・オールド・ワンに捧げたカルトの魔法に触れると、君の中にあるこの休眠状態の血脈が目を覚まし、ディープ・ワンへの変身が始まる。また、ディープ・ワン自体の存在に曝されると、深い水域への欲求が引き起こされ、最終的には拷問的な変容が起こる。ディープ・ワンの腐敗に曝露するあまり一般的ではない方法には、儀式的な変容、呪い、極端な場合ではディープ・ワンとの交尾などがある。
ディープ・ワンの腐敗が根付くと、ディープ・ワンの冷たく光のない領域へと誘う呼び声は、君の心の奥で絶え間なく響く鼓動になる。海水に浸かることは君にとってますます重要なものとなる。君は発現レベル毎に少なくとも1時間、海洋または海水に完全に浸っている状態に費やさない日には意志セーヴ(難易度=15+君の発現レベル)を行わなければならない。また[悪]の補足説明を持つ信仰呪文や擬似呪文能力の目標(またはその範囲内にいる)場合にも、この意志セーヴを試みなければならない。
腐敗段階1:意志セーヴに初めて失敗すると、24時間の間、君は自分の制御を失う。感覚を取り戻すと、海洋や海にいることに気がつくか、海にたどり着けない場合は少なくともそのような場所に向かっていることに気がつく。いずれにせよ、君の属性は混沌にして悪の方向へ1段階ずれる。
腐敗段階2:2回目に失敗すると、再び制御を失い行方不明の間に異界の存在と接触したことがわかる。現在そうではない場合、君の属性は混沌にして悪となり、君の種族はディープ・ワン・ハイブリッドに変化する。君がディープ・ワン・ハイブリッドで既に古希を過ぎている場合、種族の能力に応じて最終的な変化を経験し、GMの制御化にあるNPCのディープ・ワンとなる。
腐敗段階3:3回目に失敗すると、最終的な変化を早期に経験し、GMの制御化にあるNPCのディープ・ワンとなる。
ディープ・ワンの腐敗を取り除くには、水と死霊術的な儀式に関する衝動から隔絶した念術的な心身調整が要求され、静脈からディープ・ワンの血を一掃する必要がある。儀式で血脈を育てたディープ・ワンを殺すことが必要になるかもしれない。
恵み:君は主要肉体武器として噛みつき攻撃を得る。この噛みつき攻撃は君のサイズが中型である場合1d6、小型の場合は1d4ポイントのダメージを与える。加えて、君は水中にいる時鋭敏嗅覚能力を得、クリーチャーが出血している限り(出血効果を受けているか、少なくとも1ポイントの刺突または斬撃ダメージを受けたが、治癒も〈治療〉判定に成功もしなかった場合)、〈生存〉判定ではなく〈知覚〉判定を使用して水中を移動するクリーチャーを追跡できる。
忌み:君の口は歯で満たされ、会話を歪めてしまう。また、君の考えは潜在的な獲物の間を飛び回る。君は音声要素または思考要素を持つ呪文に15%の失敗確率を受け、全ての〈芸能〉、〈交渉〉、〈動物使い〉、〈はったり〉、〈変装〉判定に-2のペナルティを受ける。
君のヌルヌルした接触は、犠牲者の呼吸を奪う。
恵み:1日に君の2発現レベル毎に1回、君は接触攻撃で相手を窒息させようと試みることができる。この攻撃が命中したなら、目標は頑健セーヴを行わねばならず、失敗すると水中呼吸の能力を得るが、空気中で呼吸をする能力を直ちに失って、息を止めない限り窒息し始める。この効果は発現レベル毎に1分間だけ持続し、1分毎に再度頑健セーヴを試み、成功すれば効果を無効化することができる。セーヴ難易度は1分毎に2ずつ増加する。
忌み:君は常に塩水に浸されている必要がある。塩水に完全に浸ることなく1日以上過ごすと、君は4d6時間以内に内臓の機能不全と皮膚の痛みを伴うひび割れで苦しみ、死に至る。
恵み:君は2回の爪の肉体攻撃を得る。この爪は君のサイズが中型である場合1d4、小型の場合は1d3ポイントのダメージを与える。
忌み:君は干潮の強い臭いを染み出す。これにより鋭敏嗅覚能力を持つクリーチャーは通常の2倍の距離で君に気が付く。また、君は自身を変装させることが非常に難しくなる――時には完全に不可能となる。また、(水棲)の副種別を持たないクリーチャーに対する〈芸能〉判定と〈交渉〉判定に-4のペナルティを受ける。君の超常的な臭気はネゲイト・アロマ呪文の影響を受けない。
恵み:君は[氷雪]への抵抗5を得る。発現レベルが6となると、深海でも安全に生存できる。
忌み:君の肉は剥がれ、細かい虹色の鱗が現れ、動きが遅くなりぎこちなくなる。陸上にいる間、君は【敏捷力】に-2のペナルティを受ける。
恵み:夜目を得る。発現レベルが5となると、60フィートの暗視を得る。既に暗視を持っている場合、その距離が30フィート増加する。
恵み:君は(水棲)の副種別と水陸両生の特殊能力を得る。また、君は地上移動速度の半分に等しい水泳移動速度を得る。深き者の水泳発現を持つ場合は、水泳移動速度が10フィート増加する。
忌み:君の髪は途切れ途切れに抜け落ち、君の肌はヌルヌルした光沢を帯びる。君は【魅力】に-2のペナルティを受ける。
顎のラインでえらが育つ。
恵み:君は自分の【耐久力】毎に10分間、息を水中で止めておく事ができる。発現レベル3の時点で、君は水中で無制限に呼吸できる。発現レベル7の時点で君は空気中で呼吸できなくなり、水の上では息を止めなければならない(ただし君が持つ【耐久力】毎に10分間、息を止めることができる)。
忌み:えらは吸入型の毒とスティンキング・クラウドのような毒の効果に対する頑健セーヴに、-4のペナルティを与える。
恵み:水中にいる間、君は沈泥、泥、濁った水による視認困難を無視する。発現レベル5では水中で10フィートの非視覚的感知を得る。
忌み:君の目は球根状になり、魚のように成長する。水中にいない間、君は〈知覚〉判定に-2のペナルティを受ける。
君のディープ・ワンの血はゆっくりと濃く流れ、老化を止める。
恵み:君は自分の一般的な種族のものよりもゆっくりと老化する。中年に達するには2倍の時間がかかり、老年と古希に達するには3倍の時間がかかる。発現レベル8で、君は【耐久力】に+2のボーナスを得る。
忌み:君は原始時代の失われた都市を夢に見たが忘却してしまった。君はそれ以来、奇妙な力に悩まされている。一晩の休息には16時間の睡眠が必要であり、睡眠の必要性に代わる効果(リング・オヴ・サステナンスなど)や、睡眠不足の効果を改善、抑制、取り除く効果から利益を得ることはできない。
冷たい海の深いところは今や君の家である。
恵み:君は〈水泳〉判定に+4の種族ボーナスを得(水泳移動速度を持つことによる+8の種族ボーナスとは累積しない)、機会攻撃の間合い内にいても〈水泳〉判定で出目10を行うことができる。発現レベル3で、君は陸上移動速度の半分に等しい水泳移動速度を得る。発現レベル5で、君は地上移動速度に等しい水泳移動速度を得る。
君がディープ・ワン・ハイブリッドである場合、代わりに水泳移動速度に+10フィートの強化ボーナスを得る。これは発現レベル3で+20フィートの強化ボーナスに、発現レベル5で+30の強化ボーナスに増加する。
忌み:君は指と爪先の間に水かきを成長させたため、陸上での生活が不便になる。君は【敏捷力】に-2のペナルティを受ける――地上にいる間、君は【筋力】に基づく判定と能力値判定に-2のペナルティを受ける。