全てのパラディンの行動規範は自分の前に他人の幸福を優先するよう指導する。しかしパラディンの中にはこれをほとんど全てよりも優先し、世界の何より暗い苦難を自身に背負うことで、他人を助け仲間を鼓舞し、仲間の栄光を探す以上に武勇の高みに押し上げようとするものもいる。
聖痕者/Stigmata:標準アクションとして、殉難者は宗教の聖歌を歌い目に見える形で聖痕から血を流すことができる。殉難者は聖痕を7レベルの時点で移動アクションで、13レベルの時点で即行アクションとして発現できるようになる。1レベルの時点で殉難者はこの能力を1日に4+【魅力】修正値に等しいラウンドだけ使用できる。1レベルを超える各レベルで、追加で1日に1ラウンド使用できるようになる。聖痕が起動している間、殉難者は1ポイントの出血ダメージを受ける。この出血ダメージはこの能力が終了するとすぐに終了するが、例え魔法的な治癒や〈治療〉判定であっても、それ以外の方法で取り除くことはできない。聖痕は仲間を支援し、打ち消しの調べ、散逸の演技、勇気鼓舞の呪芸のバードの呪芸と同じように機能する。ただしバード・レベルとしてパラディン・レベルを用いる。また、打ち消しの調べと散逸の演技においては、〈芸能〉判定の代わりに〈治療〉判定を用いる。10レベルの時点で、殉難者は武勇鼓舞の呪芸の効果を選択できるようになる。16レベルの時点で、殉難者は英雄鼓舞の呪芸の効果を選択できるようになる。
悪を見ず、聞かず(超常)/See No Evil, Hear No Evil:2レベルの時点で、殉難者とその20フィート以内にいる全ての仲間は、バードの呪芸、[音波]効果、[言語依存]効果、凝視攻撃に対するセーヴィング・スローに+4の士気ボーナスを得る。この能力は殉難者の意識がある間のみ機能する。
オーラ体得(超常)/Aura Mastery:殉難者の勇気のオーラ、不屈のオーラ、公正なオーラは半径10フィートではなく半径20フィートに作用する。しかし、殉難者はこれらの能力から[恐怖]、(強制)、(魅惑)への完全耐性を獲得しない。
この能力は勇気のオーラ、不屈のオーラ、公正なオーラを変更する。
壮健なるオーラ(超常)/Aura of Health:3レベルの時点で、殉難者とその20フィート以内にいる全ての仲間は、病気に対するセーヴィング・スローに+4の士気ボーナスを得る。この能力は殉難者の意識がある間のみ機能する。
殉難者の慈悲(超常)/Martyr's Mercy:3レベルの時点で、殉難者はパラディン・レベルに基づく前提条件を満たす慈悲をどれでも、例え選択していなくても(そしてそれ以外の前提条件を満たしていなくても)癒しの手に適用できるようになる。しかし選択していない慈悲を使用する場合、その残っている持続時間の間、殉難者はその状態を自分に移す。この時、その状態に対する完全耐性は全て無視される。既にその状態になっているなら、この転送能力は使用できない。この方法で状態を自分に転送したなら、殉難者は自分の能力でこの状態を取り除くことはできない。殉難者は接触することなく30フィート以内にいる仲間1体に癒しの手を使用できるが、自分に癒しの手を使用するのにも即行アクションではなく標準アクションが必要となる。
ホラーの蔓延する世界では、聖戦士は悪にさらされた精神と霊魂を守るために戦う。魂の番人は押し寄せる腐敗と狂気を消散させる力を用いる。魂が悪に落ちるのを救う力があるのにそれを止められないのは、最悪の悲劇だと信じているのだ。
救済(超常)/Reprieve:魂の番人は世界のひどい悪にさらされて騒がされ傷つけられた魂を慰める。6レベルの時点で、魂の番人は癒しの手能力を使用して生きているクリーチャーを治療する際、他の慈悲の効果1つを適用する代わりに混乱効果を除去できるようになる。永続的な混乱効果を受けたクリーチャーに使用すると、1分間だけその効果を除去する。
清浄なる魂(超常)/Sacred Soul:11レベルの時点で、sacred soul(訳注:おそらく魂の番人の誤記)は呪術と[呪い]呪文あるいは[呪い]能力に対する完全耐性を得る。10フィート以内にいる仲間それぞれは呪術や[呪い]に対するセーヴィング・スローに+4の士気ボーナスを得る。この能力は魂の番人に意識がある間のみ作用し、気絶状態や死亡状態では作用しない。
上級救済(超常)/Greater Reprieve:魂の番人は治療するものの霊魂が受けている腐敗の忌みを抑止する。12レベルの時点で、魂の番人が癒しの手能力を使用して自分以外の生きているクリーチャー1体を治癒するかアンデッド・クリーチャー1体にダメージを与える際、慈悲の効果1つの代わりに腐敗したクリーチャーの最も新しい発現から受けたstainを1分間抑止する(腐敗と発現の詳細は14ページを参照)。発現の恵みには作用せず効果を示したままである。ただし、その恵みが忌みと同時に作用するものであれば、上級救済は恵みの効果も無効化する。
受難の聖戦士はその身体を、心を、魂を、打ちのめされ、打ち壊された。しかし苦痛と困難を潜り抜け、どうにか道を歩み続けている。挫折と取り除けない歪みを持つにもかかわらず、彼らは最も闇の深い時でもろうそくのように輝く。その心のどこかで、彼らは最後には勝てないのだと悟っているが、そのことは望みがないと諦めさせる代わりに、正しきことのために戦う決意を高めさせるだけだ。
受難/Torment:避けられぬ怪異と出会って受難の聖戦士が受けた大きな苦難は、その信仰心と決意を強化のものとした。そのため、彼らはほとんどのパラディンよりも内向的で愛想が良い。受難の聖戦士は呪文発動能力値として【魅力】ではなく【判断力】を用いる。この能力は呪文難易度、一日のボーナス呪文数、精神集中力判定のボーナスの算出などに用いる。また、この能力を癒しの手の効果を決定する際にも用いる。
この能力はパラディンの呪文発動能力、悪を討つ一撃、癒しの手を変更する。
自力生存/Self-Sufficient:受難の聖戦士は〈隠密〉、〈生存〉、〈知覚〉、〈知識:次元界〉〈知識:神秘学〉、〈知識:ダンジョン探検〉、〈魔法装置使用〉をクラス技能に加え、〈交渉〉と〈動物使い〉を取り除く。受難の聖戦士はレベル毎に通常の2+【知力】修正値ではなく、4+【知力】修正値に等しい技能ランクを得る。
この能力はパラディンのクラス技能とレベル毎の技能ランクを変更する。
全ては闇/All is Darkness:受難の聖戦士の周りは深い闇に囲まれており、感知する悪は全て最悪の事態を彷彿させる。受難の聖戦士はディテクト・イーヴルと信仰の恩寵のクラス特徴を獲得しない。1レベルの時点で、受難の聖戦士は悪を討つ一撃能力を得るが、対象への攻撃ロールに【魅力】ボーナスを加えることも、対象からの攻撃に対するアーマー・クラスに【魅力】ボーナスに等しい反発ボーナスを得ることもない。2レベルの時点で、受難の聖戦士は悪を討つ一撃の対象への攻撃ロールに+4のボーナスを加え、対象からの攻撃に対するアーマー・クラスに+4の反発ボーナスを加えるようになる。
この能力はディテクト・イーヴルと信仰の恩寵を置き換え、悪を討つ一撃を変更する。
闇の中に一人/Alone in the Dark:果てることなく敵と相対し続けたことで、受難の聖戦士は自分が直面したホラーに他人があったかを問いただすことができない。受難の聖戦士は癒しの手能力で他人を治療したりエネルギー放出をしたりすることができない。しかし4レベルの開始時に、癒しの手の使用回数を2回分消費することで、悪を討つ一撃を1回追加で使用できるようになる。受難の聖戦士の勇気のオーラ, 不屈のオーラ、信仰のオーラ、公正なオーラは受難の聖戦士自身にのみ作用し、仲間には作用しない。信仰の絆を選択する際は乗騎を選択できず、武器を選択しなければならない。
この能力は癒しの手、エネルギー放出、信仰の絆、勇気のオーラ、不屈のオーラ、信仰のオーラ、公正なオーラを変更する。
二度目の正直(超常)/Second Chance:2レベルの時点で、1日1回、受難の聖戦士は癒しの手を2回分消費して「自分が麻痺したら」や「自分がヒット・ポイントダメージによって気絶状態になったら」という明白な条件を選択することができる。3レベルの開始時からは、同時に慈悲1つを選択できる。この定義した条件が満たされると、受難の聖戦士はアクションなしに選択した慈悲の付与された癒しの手の利益を得る。この治癒は気絶状態や死亡状態になるのを食い止めることができる。条件が満たされなかった場合、この効果は受難の聖戦士が次に癒しの手の回数を回復した時に失われる。
背水の陣(超常)/Last Stand:11レベルの時点で、受難の聖戦士は悪を討つ一撃を宣言する際に追加で悪を討つ一撃を1回消費することで、サムライの背水の陣をとることができる。背水の陣の利益の持続時間は24時間ではなく、1分である。しかし、悪を討つ一撃によるダメージ・ボーナスは全ての攻撃において2倍になる。ただし、このダメージの増加は悪を討つ一撃の目標が悪の来訪者やアンデッド、悪の竜であった時にも変化しない。