ゴーレムは魔法の力を用いて作られた自動人形であり、恐ろしい力を有する。ゴーレムは自律能力を与えている力の性質ゆえに他の人造とは一線を画している。ゴーレムはエレメンタルの霊によってその魔法的生命を得ているのだ。通常、この霊はアース・エレメンタルのものである。ゴーレムを作成する過程は、つまりこの霊を無理やり人工の体に封じ込め、作成者の意志に従わせるというものである。
精神を持たないため、作成者の命令がなければゴーレムは何もしない。明解な指示には従うが、複雑な戦術や戦略をとることはできない。ゴーレムが作成者から60フィート以内にいて作成者の言動を見聞きできる場合に限り、作成者はゴーレムに命令を下すことができる。命令されなければ、ゴーレムは普通は最後に受けた指示に最善を尽くして従う。ただし攻撃を受けたなら反撃する。作成者はゴーレムに簡単な命令を与えて、自分がいないときの行動を指示することもできる。作成者はゴーレムに対し、自分以外の特定の人物の命令に従えと命じることができる。ただし作成者は、自分の作ったゴーレムに対しては、「私だけに従え」と命じることで、いつでも制御を自分の手に取り戻すことができる。
ゴーレムの作成コストは、ゴーレムの物理的な体の費用と、作成時に用いる物質と呪文構成要素の全費用を含むものである。各ゴーレムの項目には、必要な物質と全作成コストの具体的な詳細が書かれている。
注意:各項目に記述のある典型的なゴーレムよりもヒット・ダイスの多いゴーレムの市価は、その種の標準的なヒット・ダイス数を超える追加の1HDごとに+5,000gpされる。また、ゴーレムのサイズ分類が上昇するなら、さらに+50,000gpされる。簡単なテンプレートのアドヴァンスト・テンプレートを持つゴーレムを作ると、作成コストが+15,000gpされる。
充分な才能と資産と霊感を持つ呪文の使い手は、シールド・ガーディアン(盾なる守護者)として知られる特別な種類のゴーレムを作成できる。純ゴーレムはどれもシールド・ガーディアンとして作成できるが、そうするかどうかはゴーレムの作成中に選択しなければならない。完成したゴーレムを後からシールド・ガーディアンに“アップグレード”させることはできない。
シールド・ガーディアンは護衛として仕えるようデザインされている。シールド・ガーディアンは作成時に、そのシールド・ガーディアン自体と同時に(かつ作成コストの一部で)作成された魔法のアミュレット(お守り)に同調される。それ以降、そのアミュレットの着用者を主人と見なし、(そうしないよう特に命じられない限り)その人物を守り、どこであろうと付き従う。シールド・ガーディアンのアミュレットが破壊されると、そのシールド・ガーディアンは新たなアミュレットが作成されるまで機能しなくなる。着用者は死んだがアミュレットは無傷だった場合、シールド・ガーディアンは最後に与えられた命令を遂行する。
シールド・ガーディアンは主人の口頭での命令に最善を尽くして従う。ただし、戦闘と、防御と、単純な肉体労働以上のことは不得手である。また、特定の時期や特定の条件が満たされた時に特定の作業を行うよう調整しておくこともできる。アミュレットの着用者はどれほど遠くからでもシールド・ガーディアンを呼ぶことができ、呼ばれたシールド・ガーディアンは同じ次元界にいる限りやって来る。
シールド・ガーディアンは基になったゴーレム(以下これを“基本ゴーレム”と呼ぶ)と同じデータを持つが、以下に挙げる追加のその他の特殊能力を持つ。シールド・ガーディアンの脅威度は基になったゴーレムの脅威度+2に等しい。
高速治癒(変則)/Fast Healing シールド・ガーディアンは“高速治癒5”を持つ。
護衛(変則)/Controlled そうするよう命じられれば、シールド・ガーディアンはアミュレットの着用者を守るように動く。アミュレットの着用者に対するすべての攻撃は、シールド・ガーディアンが主人と隣接している場合、-2のペナルティを被る。
シールド・アザー(擬呪)/Shield Other シールド・ガーディアンのアミュレットの着用者は、シールド・ガーディアンから100フィート以内にいれば、この防御能力を起動することができる。同名の呪文と同様、アミュレットの着用者が受けるはずだったダメージの半分をシールド・ガーディアンに移す(この能力は本来の呪文が与えてくれるアーマー・クラスとセーヴへのボーナスを与えてくれない)。このようにして移されたダメージは、ゴーレムが有する(完全耐性やダメージ減少などの)あらゆる防御能力を克服する。
主人発見(超常)/Find Master 同じ次元界にいる限り、シールド・ガーディアンは自分のアミュレットの着用者を見つけることができる(シールド・ガーディアンが呼ばれた後にアミュレットが外されたなら、そのアミュレットの方を見つける)。
呪文蓄積(擬呪)/Spell Storing シールド・ガーディアンは他のクリーチャーが自分に向けて発動した4レベル以下の呪文1つを蓄積することができる。命じられるか、あらかじめ決められた状況になったら、シールド・ガーディアンはこの呪文を“発動”する。こうして使用してしまったら、別の呪文(や再び同じ呪文)を蓄積することができる。
制御下(変則)/Controlled アミュレットの着用者が30フィート以内にいる限り、狂暴化能力を持つシールド・ガーディアンが狂暴化することはない。
作成:シールド・ガーディアンの基本材料コストは、基本ゴーレムのコストに加えて25,000gpかかる。このクリーチャーの主人は自分でシールド・ガーディアンの身体を組み立てることもできるし、人を雇ってこの仕事をさせることもできる。身体を作るのに必要な〈製作〉判定の難易度は、基本ゴーレムの種の通常の難易度に+4される。同調させるアミュレットも同時に作られ、こちらのコストはシールド・ガーディアンの合計コストに加えて20,000gpかかる。身体を造ったなら、シールド・ガーディアンは長い魔法の儀式によって自律行動能力を与えられる。これには特別に用意した実験室または作業室が必要であり、そうした部屋は錬金術師の実験室に似ており、建てるのに500gpかかる。このクリーチャーの身体を自分で作るなら、作成者は身体の組み立てと儀式を同時に行なうことができる。作成者は基本ゴーレムの作成に最低限必要な術者レベルよりも少なくとも2レベル高い術者レベルを持っていなければならない。さらに、以下に挙げる呪文が基本ゴーレムの必要条件に追加される:ディサーン・ロケーション、シールドあるいはシールド・アザー。
この重たげに動く人形は軟らかな粘土を彫り刻んで作ったもの。汚らしいぼろ切れと粗末な装身具を身にまとい、その顔立ちはおおまかに人型をしているにすぎない。
経験点9,600
真なる中立/大型サイズの人造
イニシアチブ -1; 感覚 暗視60フィート、夜目; 〈知覚〉+0
アーマー・クラス 24、接触8、立ちすくみ24(+16外皮、-1サイズ、-1【敏】)
ヒット・ポイント 101(13d10+30)
頑健 +4、反応 +3、意志 +4
ダメージ減少 10/アダマンティンおよび殴打; 完全耐性 人造の種別特性、魔法
移動速度 20フィート
近接 叩きつけ(×2)=+19(2d10+7、加えて“呪いの傷”)
接敵面 10フィート; 間合い 10フィート
特殊攻撃 狂暴化、ヘイスト
【筋】24、【敏】9、【耐】―、【知】―、【判】11、【魅】1
基本攻撃 +13; 戦技ボーナス +21; 戦技防御値 30
出現環境 気候問わず/地形問わず
編成 単体、徒党(2~4)
宝物 なし
狂暴化(変則)/Berserk クレイ・ゴーレムが戦闘に入った場合、ゴーレムの中のエレメンタルの霊が制御下から離れ、ゴーレムが狂暴化する可能性がある。最初のラウンドは1%、以後1ラウンドごとに1%ずつ増えてゆく。ゴーレムを1分間休ませれば、狂暴化の可能性を0%に戻せる。制御を失ったゴーレムは、めくらめっぽうに暴れだし、最も手近にいる生きているクリーチャーを攻撃する。間合いの範囲内にクリーチャーがいなければ、自分よりサイズ分類の小さな物品を何か破壊する。ひとたびクレイ・ゴーレムが狂暴化したなら、既知のいかなる手段によっても、制御を取り戻すことはできない。
呪いの傷(変則)/Cursed Wound クレイ・ゴーレムの与えたダメージは自然治癒しないうえ、魔法的な治癒にも抵抗する。クレイ・ゴーレムからダメージを受けたクリーチャーに対して魔法的な治癒を使用しようとするキャラクターは、難易度26の術者レベル判定を行なわなければならず、失敗するとその治癒は傷ついたキャラクターに対しては何の効果もない。
ヘイスト(超常)/Haste クレイ・ゴーレムは1日に1回、フリー・アクションで、自分を加速状態にできる。ただし戦闘に参加して1ラウンド以上経った後に限る。効果はヘイスト呪文と同じだが、持続時間は3ラウンドである。
魔法に対する完全耐性(変則)/Immunity to Magic クレイ・ゴーレムは、呪文抵抗が可能なあらゆる呪文および擬似呪文能力に完全耐性を有する。加えて一部の呪文および効果はクレイ・ゴーレムに対しては普通と違った働きをする(以下に詳述)。
ディスインテグレイトの呪文はクレイ・ゴーレムを1d6ラウンドの間(ちょうどスロー呪文のように)減速状態にし、1d12ポイントのダメージを与える。セーヴ不可。
アースクウェイクの呪文をクレイ・ゴーレムに直接かければ、クレイ・ゴーレムは次の自分のターンには移動ができず、5d10ポイントのダメージを受ける。セーヴ不可。
[強酸]ダメージを与える魔法の攻撃は、クレイ・ゴーレムに対しては、本来与えるはずのダメージ3ポイントにつき、あべこべに1ポイントのダメージを回復させる。この治癒によってゴーレムのヒット・ポイントが通常の完全なヒット・ポイントよりも高くなってしまうようなら、余り分は一時的ヒット・ポイントになる。クレイ・ゴーレムは[強酸]ダメージを及ぼす魔法の攻撃に対してはセーヴィング・スローを行なえない。
クレイ・ゴーレム(粘土のゴーレム)は金属か堅い革を腰回りに巻いている以外、服は何も着ていない。身長は8フィート(約2.4m)を超え、体重は600ポンド(約270kg)である。
クレイ・ゴーレムの体は、重さ1,000ポンド(約450kg)以上の1個の粘土の塊から彫り出して造り、これを1,500gp相当の珍しい油と粉末を用いて処理せねばならない。
必要条件 《人造クリーチャー作成》、アニメイト・オブジェクツ、コミューン、プレイヤー、ブレス、リザレクション、作成者は術者レベル11レベル以上でなければならない; 技能 〈製作:彫刻〉ないし〈製作:陶芸〉難易度16; コスト 21,500gp
体の部分部分を太いひもや鋼線や金属の留め金で縫い合わせて造ったぞっとするような怪異は、おぞましき命を得てガクガクとよろめいている。
経験点3,200
真なる中立/大型サイズの人造
イニシアチブ -1; 感覚 暗視60フィート、夜目; 〈知覚〉+0
アーマー・クラス 20、接触8、立ちすくみ20(+12外皮、-1サイズ、-1【敏】)
ヒット・ポイント 79(9d10+30)
頑健 +3、反応 +2、意志 +3
ダメージ減少 5/アダマンティン; 完全耐性 人造の種別特性、魔法
移動速度 30フィート
近接 叩きつけ(×2)=+13(2d8+5)
接敵面 10フィート; 間合い 10フィート
特殊攻撃 狂暴化
【筋】20、【敏】9、【耐】―、【知】―、【判】11、【魅】1
基本攻撃 +9; 戦技ボーナス +15; 戦技防御値 24
言語 なし
出現環境 気候問わず/地形問わず
編成 単体、徒党(2~4)
宝物 なし
狂暴化(変則)/Berserk フレッシュ・ゴーレムが戦闘に入った場合、ゴーレムの中のエレメンタルの霊が制御下から離れ、ゴーレムが狂暴化する可能性がある。最初のラウンドは1%、以後1ラウンドごとに1%ずつ増えてゆく。制御を失ったゴーレムは、めくらめっぽうに暴れだし、最も手近にいる生きているクリーチャーを攻撃する。間合いの範囲内にクリーチャーがいなければ、自分よりサイズ分類の小さな物品を何か破壊する。それからさらなる破壊を求めて移動を続けるのである。ゴーレムの作成者は、もし60フィート以内にいれば、ゴーレムにきっぱりと明瞭に語りかけ、制御を取り戻そうとすることができる。難易度19の【魅力】判定に成功すれば制御を取り戻せる。ゴーレムを1分間休ませれば、狂暴化の可能性を0%に戻せる。
魔法に対する完全耐性(変則)/Immunity to Magic フレッシュ・ゴーレムは、呪文抵抗が可能なあらゆる呪文および擬似呪文能力に完全耐性を有する。加えて一部の呪文および効果はフレッシュ・ゴーレムに対しては普通と違った働きをする(以下に詳述)。
[火炎]ダメージないし[氷雪]ダメージを与える魔法の攻撃は、フレッシュ・ゴーレムを2d6ラウンドの間(ちょうどスロー呪文のように)減速状態にする。セーヴ不可。
[雷撃]ダメージを与える魔法の攻撃は、フレッシュ・ゴーレムにかかっている減速効果を解除し、本来与えるはずのダメージ3ポイントにつき、あべこべに1ポイントのダメージを回復させる。この治癒によってゴーレムのヒット・ポイントが通常の完全なヒット・ポイントよりも高くなってしまうようなら、余り分は一時的ヒット・ポイントになる。フレッシュ・ゴーレムは[雷撃]ダメージを及ぼす魔法の攻撃に対してはセーヴィング・スローを行なえない。
グールそこのけの死体あさりをやって人型生物の体の部分部分を盗み出し、それを縫い合わせて一個の合成体に仕立てたのが、フレッシュ・ゴーレム(肉のゴーレム)である。その死体そのものの肉は病んだ緑や黄色っぽい色合いをしている。フレッシュ・ゴーレムは作成者が望む服なら何でも身に着けるが、普通はぼろぼろのズボン一丁だけである。所持品や武器は持っていない。フレッシュ・ゴーレムは身長8フィート(約2.4m)、体重は500ポンド(約230kg)である。
フレッシュ・ゴーレムは話すことはできず、かすれたうなり声のようなものを発することができるだけである。関節の固い、自分の体を完全に制御できていないような足取りで歩く。
ほとんどのフレッシュ・ゴーレムは精神を持たないが、どのようにしてか生前の記憶を保持している普通ではないゴーレムの噂は絶えることがない。そういったフレッシュ・ゴーレムの頭部(従って脳も)は肉が適正に組み合わされていなければならず、(生前は)強い意志を持っていなければならない。その上さらにゴーレムの作成中に幸運と偶然が積み重なることが、そのクリーチャーの精神を保持する上で実に重要であるように思われる。フレッシュ・ゴーレムを作成する者のほとんどは自由意志を持つ被造物よりも精神を持たない奴隷をこそ欲しており、結果として知性のあるフレッシュ・ゴーレムは実に稀である。
フレッシュ・ゴーレムを構成する人体の部品は、まだそれほど腐敗していない、通常の人間の死体から取ったものでなければならない。組み立てには最低で6人ぶんの別々の人体が必要である。四肢に4人、胴体(と頭)に1人、脳に1人、時としてそれ以上の人体が必要になることもある。また、合計500gp相当の、特別な軟膏と体をゆわえる“たが”のようなものも必要になる。フレッシュ・ゴーレムの作成にあたっては[悪]の補足説明の付いた呪文が必要とされることに注意。
必要条件 《人造クリーチャー作成》、アニメイト・デッド、ギアス/クエスト、ブルズ・ストレンクス、リミテッド・ウィッシュ、作成者は術者レベル8以上でなければならない; 技能 〈製作:革細工〉ないし〈治療〉 難易度13; コスト 10,500gp
経験点1,600
真なる中立/中型サイズの人造(冷気)
イニシアチブ -1; 感覚 暗視60フィート、夜目; 〈知覚〉+0
アーマー・クラス 17、接触9、立ちすくみ17(+8外皮、-1【敏】)
ヒット・ポイント 53(6d10+20)
頑健 +2、反応 +1、意志 +2
ダメージ減少 5/アダマンティン; 完全耐性 [氷雪]、人造の種別特性、魔法
弱点 [火炎]に対する脆弱性
移動速度 30フィート
近接 叩きつけ(×2)=+9(1d6+3、加えて1d6[氷雪])
特殊攻撃 氷の破裂、ブレス攻撃(20フィートの円錐形、3d6[氷雪]ダメージ、反応・難易度13・半減、1d4ラウンドに1回使用可能)、冷気(1d6)
【筋】16、【敏】9、【耐】―、【知】―、【判】11、【魅】1
基本攻撃 +6; 戦技ボーナス +9; 戦技防御値 18
出現環境 寒冷/地形問わず
編成 単体、徒党(2~4)
宝物 なし
冷気(変則)/Cold アイス・ゴーレムの体は強烈な冷気を発しており、アイス・ゴーレムが接触すると1d6ポイントのダメージを与える。アイス・ゴーレムに素手打撃か肉体武器で攻撃するクリーチャーは、自分の攻撃が命中するたびにこれと同じだけの[氷雪]ダメージを受ける。
氷の破裂(変則)/Icy Destruction ヒット・ポイントが0になると、アイス・ゴーレムは粉々になってぎざついた氷のかけらをまき散らす。10フィートの爆発の範囲内にいるすべてのクリーチャーは3d6ポイントの斬撃ダメージおよび2d6ポイントの[氷雪]ダメージを受ける。難易度13の反応セーヴに成功すると、このダメージは半分になる。このセーヴ難易度は【耐久力】修正値に基づいて算出されている。
魔法に対する完全耐性(変則)/Immunity to Magic アイス・ゴーレムは、呪文抵抗が可能なあらゆる呪文および擬似呪文能力に完全耐性を有する。ただし、[火炎]の補足説明を持つ呪文および擬似呪文能力は例外で、その場合は通常通りに作用を及ぼす。加えて一部の呪文および効果はアイス・ゴーレムに対しては普通と違った働きをする(以下に詳述)。
[雷撃]ダメージを与える魔法の攻撃は、アイス・ゴーレムを2d6ラウンドの間(ちょうどスロー呪文のように)減速状態にする。セーヴ不可。
[氷雪]ダメージを与える魔法の攻撃は、アイス・ゴーレムにかかっている減速効果を解除し、本来与えるはずのダメージ3ポイントにつき、あべこべに1ポイントのダメージを回復させる。この治癒によってゴーレムのヒット・ポイントが通常の完全なヒット・ポイントよりも高くなってしまうようなら、余り分は一時的ヒット・ポイントになる。アイス・ゴーレムは[氷雪]ダメージを及ぼす魔法の攻撃に対してはセーヴィング・スローを行なえない。
アイス・ゴーレム(氷のゴーレム)は彫り刻んだ氷から作られた人型の自動人形である。その外見は大ざっぱに彫られただけの氷と雪の人形から精妙巧緻な氷の彫刻や美しい結晶質の像に至るまでさまざまである。
アイス・ゴーレムは話すことはできず、氷がひび割れ爆ぜる時のような音をたてて動く。アイス・ゴーレムは身長7フィート(約2.1m)、体重500ポンド(約230kg)である。
アイス・ゴーレムの体は、重さ1,000ポンド(約450kg)以上の1個の氷の塊から造り、これを少なくとも500gpの価値がある魔法の粉末と油を用いて処理せねばならない。
必要条件 《人造クリーチャー作成》、アイス・ストーム、ギアス/クエスト、コーン・オヴ・コールド、チル・タッチ、レジスト・エナジー([氷雪])、作成者は術者レベル12レベル以上でなければならない; 技能 〈製作:彫刻〉難易度17; コスト 9,500gp
経験点25,600
真なる中立/大型サイズの人造
イニシアチブ -1; 感覚 暗視60フィート、夜目; 〈知覚〉+0
アーマー・クラス 28、接触8、立ちすくみ28(+20外皮、-1サイズ、-1【敏】)
ヒット・ポイント 129(18d10+30)
頑健 +6、反応 +5、意志 +6
ダメージ減少 15/アダマンティン; 完全耐性 人造の種別特性、魔法
移動速度 20フィート
近接 叩きつけ(×2)=+28(2d10+16/19~20)
接敵面 10フィート; 間合い 10フィート
特殊攻撃 強力打撃、ブレス攻撃
【筋】32、【敏】9、【耐】―、【知】―、【判】11、【魅】1
基本攻撃 +18; 戦技ボーナス +30; 戦技防御値 39
出現環境 気候問わず/地形問わず
編成 単体、徒党(2~4)
宝物 なし
ブレス攻撃(超常)/Breath Weapon 1d4+1ラウンドごとに1回、フリー・アクションとして、アイアン・ゴーレムは一辺10フィートの立方体の有毒のガスを吐くことができる。このガス雲は1ラウンドの間、持続する。ゴーレムがこの雲を作り出した際にこの範囲内にいたあらゆるクリーチャー(および持続時間中にこの雲を通過するあらゆるクリーチャー)は、この雲の毒の効果に曝される。この毒はゴーレムがこのパワーを使用するたびに魔法的に生成される。ブレス攻撃-吸入型; セーヴ頑健19; 頻度 1回/ラウンド(4ラウンド); 効果 1d4【耐久力】ダメージ; 治癒 2回連続成功。このセーヴ難易度は【耐久力】修正値に基づいて算出されている。
魔法に対する完全耐性(変則)/Immunity to Magic アイアン・ゴーレムは、呪文抵抗が可能なあらゆる呪文および擬似呪文能力に完全耐性を有する。加えて一部の呪文および効果はアイアン・ゴーレムに対しては普通と違った働きをする(以下に詳述)。
[雷撃]ダメージを与える魔法の攻撃は、アイアン・ゴーレムを3ラウンドの間(ちょうどスロー呪文のように)減速状態にする。セーヴ不可。
[火炎]ダメージを与える魔法の攻撃は、アイアン・ゴーレムにかかっている減速効果を解除し、本来与えるはずのダメージ3ポイントにつき、あべこべに1ポイントのダメージを回復させる。この治癒によってゴーレムのヒット・ポイントが通常の完全なヒット・ポイントよりも高くなってしまうようなら、余り分は一時的ヒット・ポイントになる。アイアン・ゴーレムは[火炎]ダメージを及ぼす魔法の攻撃に対してはセーヴィング・スローを行なえない。
アイアン・ゴーレムは、ラスト・モンスターの攻撃やラスティング・グラスプ呪文などの、錆を生じさせる攻撃による効果を通常通りに受ける。
強力打撃(変則)/Powerful Blows アイアン・ゴーレムの叩きつけ攻撃は、【筋力】修正値の1.5倍が追加ダメージとなり、かつ19~20でクリティカル・ヒットになる。
アイアン・ゴーレム(鉄のゴーレム)の体は人型をしており、鉄でできている。アイアン・ゴーレムは作成者が望むどんな姿にでも彫り刻めるが、ほとんどの場合、簡素で実用的なものから儀式用の華美なものまで、何らかの鎧のような格好をしている。アイアン・ゴーレムの外装はストーン・ゴーレムのそれよりもだいぶなめらかである。アイアン・ゴーレムは時おり片手に武器を携行しているが、それを使うことはめったになく、代わりに叩きつけ攻撃をあてにしている。
アイアン・ゴーレムは身長12フィート(約3.6m)、体重は約5,000ポンド(2.3t)である。アイアン・ゴーレムは会話することも、声のような音を出すこともできず、それとわかる匂いを発することもない。
近年では意欲が失われて実行されていないが、ある強大な古代文明ではかつて途方もない大きさと力を持つアイアン・ゴーレムの作成術を大いに誇っていた。サイズ分類が超大型を下回ることのないこの種のゴーレムは、世界でも辺鄙なところにはいまだ存在しており、愚かにも遥か昔に滅んだ帝国の命令に従っている。
アイアン・ゴーレムの体は、少なくとも10,000gpはする希少なチンキ(生薬をアルコールで浸出した液)とともに溶解して精錬した5,000ポンドの鉄を彫り刻んで造る。
必要条件 《人造クリーチャー作成》、ギアス/クエスト、クラウドキル、ポリモーフ・エニィ・オブジェクト、リミテッド・ウィッシュ、作成者は術者レベル16レベル以上でなければならない; 技能 〈製作:防具〉ないし〈製作:武器〉難易度21; コスト 80,000gp
経験点12,800
真なる中立/大型サイズの人造
イニシアチブ -1; 感覚 暗視60フィート、夜目; 〈知覚〉+0
アーマー・クラス 26、接触8、立ちすくみ26(+18外皮、-1サイズ、-1【敏】)
ヒット・ポイント 107(14d10+30)
頑健 +4、反応 +3、意志 +4
ダメージ減少 10/アダマンティン; 完全耐性 人造の種別特性、魔法
移動速度 20フィート
近接 叩きつけ(×2)=+22(2d10+9)
接敵面 10フィート; 間合い 10フィート
特殊攻撃 スロー
【筋】28、【敏】9、【耐】―、【知】―、【判】11、【魅】1
基本攻撃 +14; 戦技ボーナス +24; 戦技防御値 33
出現環境 気候問わず/地形問わず
編成 単体、徒党(2~4)
宝物 なし
魔法に対する完全耐性(変則)/Immunity to Magic ストーン・ゴーレムは、呪文抵抗が可能なあらゆる呪文および擬似呪文能力に完全耐性を有する。加えて一部の呪文および効果はストーン・ゴーレムに対しては普通と違った働きをする(以下に詳述)。
トランスミュート・ロック・トゥ・マッドの呪文は、ストーン・ゴーレムを2d6ラウンドの間(ちょうどスロー呪文のように)減速状態にする。セーヴ不可。一方、トランスミュート・マッド・トゥ・ロックの呪文は、ストーン・ゴーレムの失われたヒット・ポイントを完全に回復する。
ストーン・トゥ・フレッシュの呪文は、実際にゴーレムの体を肉に変えてしまうことはないが、丸1ラウンドの間、ゴーレムのダメージ減少と“魔法に対する完全耐性”の両方を無効化する。
スロー(超常)/Slow ストーン・ゴーレムは2ラウンドに1回、フリー・アクションで、同名の呪文と同様の減速効果を使用できる。この効果は、ゴーレムを中心とした距離10フィートの爆発で、持続時間7ラウンド、難易度17の意志セーヴに成功すれば無効化できる。このセーヴ難易度は【耐久力】修正値に基づいて算出されている。
ストーン・ゴーレム(石のゴーレム)は人型の体をしており、石でできている。細部は作成者の好みに合わせて造られることが多い。例えば、鎧を着ているように見えたり、胸板に特定の印が刻みこまれていたり、手足の石に独特の意匠がこらされていたり。ストーン・ゴーレムの頭部は兜や何らかの獣の頭部に似せて彫り込まれることが多い。石の盾や剣などの石の武器を携行しているように彫り刻んでもよいが、そうしたところでこの種の美的な選択が戦闘能力に影響することはない。
大抵のゴーレムと同様に、ストーン・ゴーレムは会話することはできず、動く際に石と石がこすれ合う音を立てる以外に音を発することもない。ストーン・ゴーレムは身長9フィート(約2.7m)、体重は2,000ポンド(約0.9t)ほどである。
ストーン・ゴーレムの体は、少なくとも3,000ポンド(約1.4t)の重さのある、1個の堅固な(花崗岩などの)石塊から彫り出して造る。石は最上のものでなければならず、5,000gpかかる。
必要条件 《人造クリーチャー作成》、アンティマジック・フィールド、ギアス/クエスト、シンボル・オヴ・スタニング、リミテッド・ウィッシュ、作成者は術者レベル14レベル以上でなければならない; 技能 〈製作:彫刻〉ないし〈製作:石工〉難易度19; コスト 55,000gp
経験点2,400
真なる中立/中型サイズの人造
イニシアチブ +3; 感覚 暗視60フィート、夜目; 〈知覚〉+0
アーマー・クラス 19、接触13、立ちすくみ16(+6外皮、+3【敏】)
ヒット・ポイント 64(8d10+20)
頑健 +2、反応 +5、意志 +5
ダメージ減少 5/アダマンティン; 完全耐性 人造の種別特性、魔法
弱点 [火炎]に対する脆弱性
移動速度 30フィート
近接 叩きつけ(×2)=+12(2d6+4)
特殊攻撃 棘の射出
【筋】18、【敏】17、【耐】25、【知】―、【判】17、【魅】1
基本攻撃 +8; 戦技ボーナス +12; 戦技防御値 25(対足払い30)
出現環境 気候問わず/地形問わず
編成 単体、徒党(24)
宝物 なし
魔法に対する完全耐性(変則)/Immunity to Magic ウッド・ゴーレムは、呪文抵抗が可能なあらゆる呪文および擬似呪文能力に完全耐性を有する。ただし[火炎]の補足説明を持つ呪文は例外で、その場合は通常通りに作用を及ぼす。加えて一部の呪文および効果はウッド・ゴーレムに対しては普通と違った働きをする(以下に詳述)。
ウォープ・ウッドやウッド・シェイプの呪文は、ウッド・ゴーレムを2d6ラウンドの間(ちょうどスロー呪文のように)減速状態にする。セーヴ不可。
[氷雪]ダメージを与える魔法の攻撃は、ウッド・ゴーレムにかかっている減速効果を解除し、本来与えるはずのダメージ3ポイントにつき、あべこべに1ポイントのダメージを回復させる。この治癒によってゴーレムのヒット・ポイントが通常の完全なヒット・ポイントよりも高くなってしまうようなら、余り分は一時的ヒット・ポイントになる。ウッド・ゴーレムは[氷雪]ダメージを及ぼす魔法の攻撃に対してはセーヴィング・スローを行なえない。
棘の射出(超常)/Splintering 1d4+1ラウンドに1回、フリー・アクションとして、ウッド・ゴーレムは半径20フィートの爆発の範囲内に自分の体からかみそりのように鋭い木の破片を雨あられと撃ち出す。この範囲内にいるすべてのクリーチャーは6d6ポイントの斬撃ダメージを受ける(反応・半減、難易度14)。このセーヴ難易度は【耐久力】修正値に基づいて算出されている。
ウッド・ゴーレムは希少な木を彫り込み、関節のある四肢を持つ大まかに人型をした体に組み上げて造る。作成者は普通、一見して明らかなように作成の一環として、材木や未加工の木でできた個々の部品と共に体をほとんど未完成のままにしておく。ウッド・ゴーレムは身長6.5フィート(約2m)、体重400ポンド(約180kg)である。
ウッド・ゴーレムの部品は、上質の木の塊を組み上げたものに、少なくとも300gpの価値のある希少な粉末と挽いて砕いた薬草を振りかけて造る。
必要条件 《人造クリーチャー作成》、アニメイト・オブジェクツ、アラーム、ギアス/クエスト、キャッツ・グレイス、リミテッド・ウィッシュ、作成者は術者レベル12レベル以上でなければならない; 技能 〈製作:大工〉難易度17; コスト 8,800gp