あらゆるデーモンの中で最強なのはアビスのデーモン・ロードであり、影響力の強い悪と混沌の実体であり、それぞれが広大な恐怖と邪悪の領土を支配している強力な半神である。デーモンそれぞれは唯一無二のクリーチャーであり、自らの欲望を推進する為にのみ存在する罪の結晶だ。デーモン・ロードの起源は様々だ。その大多数は下位デーモンから強力な実体へと変成した者だ(パズズがデーモン・ロードになったのもこれだ)。珍しい場合では、デーモン・ロードは強力で罪深い定命の者から直接デーモン・ロードの役割へと変移した(コシチェイの場合がこれだ)か、アビスの未知なる影響によってクリフォトからデーモン・ロードへと変移している(ダゴンの場合がこれだ)。
デーモンが十分な力を集めた時、それがクラス・レベルの取得にせよ、ヒット・ダイスの上昇にせよ、多くの神話階梯やランクの獲得にせよ、不浄なる儀式の実行にせよ、単に驚くほどに大量の忠実な配下を集めたにせよ、それは初期のデーモン・ロードとして知られるようになる。初期のロードの定義は難しいままだが、通常は羽の生えそろったデーモン・ロードへの変成を完了しようと求める。そうする為に初期のロードは定命の者の間で教団を設立しなければならないが、より重要な事として初期のロードは十分に大きなアビスの領土で覇権を唱え支配し、それによって次元界そのものがその初期のロードに気付き、そしてデーモン・ロードに相応しい力の段階まで昇り詰めなければならない。数件しかないが、完全なる神格の地位にまで昇格しきったデーモン・ロードも知られている。いっときに初期のデーモン・ロードはアビスに数千いるだろうが、羽の生えそろったデーモン・ロードの数はより限定される――知られている限りではデーモン・ロードの数は数十ほどだ。
「デーモン・ロード」という語の文法性は中性だ――男性も、女性も、そして性別のないデーモン・ロードもおり、両性具有のデーモン・ロードもいる。
デーモン・ロードはコミューンで連絡でき、ゲート呪文で召喚もできるが、呼ばれた時にデーモン・ロードはそのゲートを通るよう強制されない。概して、デーモン・ロードはゲート呪文に勿体なくも応答下さるまでに大量の、そして驚くべき貢物や生贄を要求する。
デーモン・ロードの領土の面積には幅があるが、最小のものでさえ大陸ほどに大きく、最大のものであればいくつかの惑星よりも大きい。その領土の環境、主題、そして特性はデーモン・ロード本人と同様に唯一無二であり、そこを踏破しようとするクリーチャーにとって異常な挑戦かつ脅威となる。デーモン・ロードはその領土に密接な関連性があるが、デーモン・ロードは領土全土を完全に掌握しているわけではなく、強力な冒険者はそうした領土に潜入してロードの怒りを買うことなく目的を果たせるかもしれない――慎重ならの話だが。
デーモン・ロードは領土にいる間以下の追加の力を得る(以降のページに書かれた性能にはこれらの能力は含まれていない):
神話:デーモン・ロードは神話ランク10のクリーチャーとして機能し、それには神話パワー能力(10回/日、活性+1d12)も含まれる。神話パワーを消費して星印(*)の付けられた擬似呪文能力の神話版を、その能力が神話呪文であるかのように使うこともできる。
以下の擬似呪文能力を回数無制限で使用する――ディマンド、ディサーン・ロケーション、ファブリケイト、メジャー・クリエイション、ポリモーフ・エニィ・オブジェクト(彼らの領地出身の物体やクリーチャーに使う時、ポリモーフの持続時間係数は6上昇する)。
以下の擬似呪文能力を1日に1回使用できる――バインディング、ミラクル(自身の領土を操作する物理的な効果か、そのデーモン・ロードに関係がある分野に関する効果に限定される)
感知力向上(変則)/Heightened Awareness:デーモン・ロードは〈知覚〉判定とイニシアチブ判定に+10の洞察ボーナスを得る。
デーモン・ロードそれぞれは脅威度26から脅威度30の力を持つ唯一無二のクリーチャーだ。デーモン・ロードは概して定命の英雄では指先も届かないほどの存在であり、熟考もなく冒険で配置するものではない。多くの場合、彼らは長期キャンペーン――特にPCたち自体が神話キャラクターになっているようなキャンペーン――の最後の敵として使うのに最高であり、その聴衆にとってさえ記憶に残る出来事となるだろう。
デーモン・ロードは多くの英雄が直接戦闘するには余りに荷が勝ちすぎる能力を持っているとしてさえ、啓発を受けた、あるいは指示を受けたモンスター、定命の者、そして教団全体によって彼らはキャンペーンにおいてあらゆるレベルで敵として使える。教団と敵対し打倒することはキャンペーンにおいて由緒正しき筋書きであり、教団のデーモン・ロードが受肉する前にPCがポータルを閉じなければならない最高潮での遭遇というのは長期キャンペーンにおいて最高に興奮できるものとなるだろう、特に求められるデーモン・ロードが現れて1か2ラウンドPCたちと戦ってからポータルの閉鎖によってアビスへの帰還を強要される場合などは。また、PCに全力のデーモン・ロードと対面させるのではなく、君はPCがデーモン・ロードの源を制度的に蝕み、破壊することでそれへのペナルティを増大させ、強力な武器を集めることを強調することで、PCが最後の対面の時に備えるようキャンペーンを構築し、PCを強力に、そしてデーモン・ロードを通常の脅威度以下の性能まで弱体化させて良い。このやり方でデーモンを弱体化させる簡単な方法の手本としてはデーモンに負のレベルを与えることだ――通常、デーモン・ロードはレベル吸収に対する完全耐性を持つが、その場合は、力の源の減少がその完全耐性を一時的にすり抜けている……短くとも、そのデーモン・ロードが再構築し回復できるまでは。
経験点2,457,600
混沌にして悪/超大型サイズの来訪者(悪、混沌、他次元界、デーモン、冷気)
イニシアチブ +6; 感覚 暗視60フィート、ディテクト・グッド、ディテクト・ロー、トゥルー・シーイング; 〈知覚〉+52
オーラ アンホーリィ・オーラ(難易度26)、畏怖すべき存在(120フィート、難易度33)
アーマー・クラス 44、接触30、立ちすくみ38(+14外皮、-2サイズ、+4反発、+6【敏】、+12不浄)
ヒット・ポイント 604(31d10+434); 再生30(神性あるいは神話)
頑健 +35、反応 +20、意志 +31
防御能力 岩つかみ、奈落の蘇生、フリーダム・オヴ・ムーヴメント; ダメージ減少 20/冷たい鉄、エピック、および善; 完全耐性 [雷撃]、[氷雪]、(強制) 効果、生命力吸収、石化、[即死]効果、毒、能力値吸収、能力値ダメージ、および(魅惑)効果; 抵抗 [強酸]30、[火炎]30; 呪文抵抗 37
弱点 [火炎]に対する脆弱性
移動速度 60フィート、登攀60フィート
近接 +5アダマンティン製アイシー・バースト・ウォーハンマー=+53/+48/+43/+38(3d6+24/19~20/×3、加えて1d6[氷雪])、叩きつけ=+48(1d8+19、加えて“つかみ”)
遠隔 岩=+37/+32/+27/+22(2d6+19)
接敵面 15フィート; 間合い 15フィート
特殊攻撃 岩投げ(600フィート)、強力叩きつけ、強烈な一振り、敵握り、得意な敵(巨人+4、人間+4、下記参照)、報復の一撃
擬似呪文能力 (術者レベル26; 精神集中+34)
常時:アンホーリィ・オーラ(難易度26)、エア・ウォーク、ディテクト・グッド、ディテクト・ロー、トゥルー・シーイング、フリーダム・オヴ・ムーヴメント
回数無制限:アストラル・プロジェクション、アンハロウ、アンホーリィ・ブライト*(難易度22)、エンラージ・パースン*、コーン・オヴ・コールド*(難易度23)、シェイプチェンジ、グレーター・ディスペル・マジック、ディセクレイト*、テレキネシス*(難易度23)、グレーター・テレポート、ブラスフェミイ*(難易度25)
3回/日:シンボル・オヴ・スタニング(難易度25)、デーモン招来、パワー・ワード・スタン*、ポーラー・レイ*
1回/日:マス・アイシー・プリズン(難易度27)、タイム・ストップ*、ポーラー・ミッドナイト(難易度27)
* コシチェイは自身の領域でこの能力の神話版を使える。
【筋】48、【敏】23、【耐】38、【知】25、【判】30、【魅】27
基本攻撃 +31; 戦技ボーナス +52(+54突き飛ばし、+56組みつき、+56武器破壊); 戦技防御値 86(対突き飛ばし88、対武器破壊88)
特技 《強打》、《クリティカル強化:ウォーハンマー》、《クリティカル熟練》、《渾身の一打》、《渾身の一打強化》、《上級渾身の一打》、《上級武器破壊》、《人造クリーチャー作成》、《その他の魔法のアイテム作成》、《代用武器の巧み》、《突き飛ばし強化》、《早抜き》、《武器破壊強化》、《ふっとばし攻撃》、《魔法の武器防具作成》、《よろめき化クリティカル》
技能 〈威圧〉+42、〈隠密〉+32、〈呪文学〉+41、〈真意看破〉+44、〈知覚〉+52、〈知識:工学〉+38、〈知識:次元界〉+41、〈知識:宗教〉+38、〈知識:神秘学〉+41、〈知識:地域〉+41、〈登攀〉+58、〈はったり〉+42、〈魔法装置使用〉+39; 種族修正 +8〈知覚〉
言語 共通語、巨人語、天上語、奈落語、竜語; テレパシー300フィート
その他の特殊能力 デーモン・ロードの特性
出現環境 寒冷/地形問わず(奈落界アビス)
編成 単体(固有の存在)
宝物 ×3(+5アダマンティン製アイシー・バースト・ウォーハンマー、その他の宝物)
コシチェイ(kosh-TIK-ti-kaiと発音する)は捻れた脚と、小さな白眼と、そして数ダースの髑髏――彼が殺した、敵対する信仰の諸王と僧侶たちという戦勝品――を結わえた張り付いた濃い髭を持つ巨漢の醜悪なフロスト・ジャイアントだ。伝説によると髑髏それぞれには以前の所有者の幽霊が取り憑いていて、コシチェイはそうした精と意思疎通することで彼らの智慧を求めるという――しかしこの伝説が真実なら、そうした喪われた魂への嘲りや拷問以外にコシチェイが興味を持つことはありそうにないが。
コシチェイが、最強のフロスト・ジャイアントさえ正しく持つのに苦労するだろう驚異的な大きさのアダマンティン製モールである巨大なウォーハンマーを持っていないところを見られることはない。不死の霜としても知られるコシチェイは、群峰居並ぶ山々と種々様々な凍れる怪物の蔓延る壮観な氷河にある高峰の中心部を掘削した、巨大な奈落の要塞の中で暮らしている。コシチェイは直立して30フィート。
コシチェイは両親共に人間であり、母と姉妹を殺すよう父が自身に強要した時、殺人者となった。コシチェイは父の一枚上手を行って、父さえ殺した。巨人の酋長を数ダース殺したことで名を馳せる将軍となった後、彼は魔女王バーバ・ヤーガと対決し、自身に不死性を与えるよう強制しようとした――彼女は同意したが彼の姿を捻じ曲げて悍しい巨人へと変え、彼の定命の魂の最後の一片を魔法の頸環1つに隠した。コシチェイはアビスへと逃げて羞恥を隠しながら憎悪を育て、同族を憎んでいるにも関わらず最終的にフロスト・ジャイアントの守護神という目的を見つけた。コシチェイは自らの魂の欠片が入っている頸輪の回収を切望し、入手できれば不死性を除去することなく自らの醜悪さを反転できるだろうと希望を持っている。
戦闘では、コシチェイはほぼ常に《強打》を使い、全ての攻撃ロールに-8のペナルティを受けるがダメージ・ロールに+16のボーナスを得る。不死の霜は時に数人のフロスト・ジャイアントたちを引き連れていることがあり、そのうち最低でも2人はクレリックだ。そうしたクレリックは必要になる度に手当し、戦闘中に最善を尽くして彼を治癒し、そうしなければ代償として命を奪われる――あるいは不死の霜の無慈悲な両手によってそれより酷い命運を辿る。
コシチェイは巨人たちに崇拝されている――主にフロスト・ジャイアントだが、エティン、ヒル・ジャイアント、そしてオーガの多くも彼を崇めている。ホワイト・ドラゴンの一部もこの不死の霜を拝んでおり、世界の果ての極寒で暮らす特定のバーバリアン人間の部族さえ彼を敬慕していることが知られている。彼は自分の教団にいる女性に我慢がならず、女性クレリックに呪文を与えることはない。彼にはハーフフィーンド・イエティ、アイス・リノーム、ルモアハズ、そして他の寒冷地に住まう大型サイズのモンスターが仕えている。
コシチェイの邪印は厚い氷の張った、ルーンが刻まれているウォーハンマーであり、ウォーハンマーが彼の好む武器である。彼は混沌、悪、力、そして戦争の領域への干渉権と、デーモン、凶暴、氷、そして戦術の副領域への干渉権を与える(氷の副領域は通常は水の領域がないと利用不可能だが、このデーモン・ロードは冷気と密接な関連があるためこの場合は例外となる)。
経験点4,915,200
混沌にして悪/超大型サイズの来訪者(悪、混沌、他次元界、デーモン、水)
イニシアチブ +11; 感覚 暗視60フィート、ディテクト・グッド、ディテクト・ロー、トゥルー・シーイング; 〈知覚〉+55
オーラ アンホーリィ・オーラ(難易度28)、畏怖すべき存在(120フィート、難易度36)
アーマー・クラス 46、接触31、立ちすくみ39(+15外皮、-2サイズ、+4反発、+7【敏】、+12不浄)
ヒット・ポイント 676(33d10+495); 再生30(神性あるいは神話)
頑健 +37、反応 +24、意志 +33
防御能力 奈落の復活、フリーダム・オヴ・ムーヴメント; ダメージ減少 20/冷たい鉄、エピック、および善; 完全耐性 [雷撃]、[氷雪]、(強制) 効果、生命力吸収、石化、[即死]効果、毒、能力値吸収、能力値ダメージ、および(魅惑)効果; 抵抗 [強酸]30、[火炎]30; 呪文抵抗 39
移動速度 40フィート、水泳120フィート
近接 噛みつき=+48(6d6+17/19~20、加えて“つかみ”)、触手(×4)=+43(2d6+8/19~20、加えて“つかみ”)
接敵面 15フィート; 間合い 15フィート(触手は30フィート)
特殊攻撃 高速飲み込み、締めつけ(2d6+25)、水棲クリーチャーへの命令、毒、飲み込み(変成、アーマー・クラス17、67hp)、ブレス攻撃
擬似呪文能力 (術者レベル28; 精神集中+38)
常時:アンホーリィ・オーラ(難易度28)、スピーク・ウィズ・アニマルズ(水棲の動物のみ)、ディテクト・グッド、ディテクト・ロー、トゥルー・シーイング、フリーダム・オヴ・ムーヴメント
回数無制限:アストラル・プロジェクション、アンハロウ、アンホーリィ・ブライト*(難易度24)、コントロール・ウェザー*、コントロール・ウォーター、シェイプチェンジ、グレーター・ディスペル・マジック、ディセクレイト*、テレキネシス*(難易度25)、グレーター・テレポート、ブラスフェミイ*(難易度27)
3回/日:インサニティ(難易度27)、ヴォーテックス(難易度27)、シンボル・オヴ・インサニティ(難易度28)、呪文高速化グレーター・ディスペル・マジック、デーモン招来
1回/日:ストーム・オヴ・ヴェンジャンス*(難易度29)、タイム・ストップ*、ツナミ*(難易度29)
* ダゴンは自身の領土ではこの能力の神話版を使用できる。
【筋】44、【敏】25、【耐】40、【知】29、【判】32、【魅】31
基本攻撃 +33; 戦技ボーナス +52(+56突き飛ばし、+54武器落とし、+56組みつき、+54足払い); 戦技防御値 87(対突き飛ばし89、対武器落とし89、足払いされない)
特技 《足払い強化》、《イニシアチブ強化》、《擬似呪文能力高速化:グレーター・ディスペル・マジック》、《強打》、《クリティカル強化:噛みつき》、《クリティカル強化:触手》、《クリティカル熟練》、《攻防一体》、《渾身の一打》、《渾身の一打強化》、《出血化クリティカル》、《上級突き飛ばし》(戦闘)、《神速の反応》、《その他の魔法のアイテム作成》、《突き飛ばし強化》、《ふっとばし攻撃》、《迎え討ち》
技能 〈威圧〉+46、〈隠密〉+35、〈軽業〉+40(跳躍は+44)、〈呪文学〉+45、〈真意看破〉+47、〈水泳〉+61、〈知覚〉+55、〈知識:次元界〉+45、〈知識:自然〉+45、〈知識:宗教〉+42、〈知識:神秘学〉+45、〈知識:地理〉+42、〈知識:歴史〉+42、〈はったり〉+46、〈魔法装置使用〉+43; 種族修正 +8〈知覚〉
言語 共通語、水界語、天上語、奈落語、竜語; スピーク・ウィズ・アニマルズ(水棲の動物のみ)、テレパシー300フィート
その他の特殊能力 収縮、デーモン・ロードの特性
出現環境 気候問わず/海洋(奈落界アビス)
編成 単体(固有の存在)
宝物 ×3
毒(変則)/Poison ブレス攻撃・接触型; セーヴ 頑健・難易度41; 頻度 1回/ラウンド(6ラウンド間); 効果 1d6【耐】吸収および1ラウンド間の混乱状態; 治癒 3回連続のセーヴ成功。
ダゴンは醜悪、海、そして海の怪物のデーモン・ロードだ。彼は奇妙で悍しい島々が点在し無数の海溝と海底都市が散らばる大海原で構成されるアビスの領土1国を支配している。ダゴンは体長35フィートであり、下半身は鰻1匹で、深海の捕食者を想起させる悍ましき相貌をし、腕の代わりに4本の長い触手を生やしている。
ダゴンは大抵いつも戦闘で《強打》を使い、-9のペナルティを全ての攻撃ロールに受けて+18のボーナスをダメージ・ロールに得る。戦闘で駒として使う大量の水棲デーモンやモンスターを脇に随行させていない彼と出会うことは決してなく、時に無為に配下に敵を攻撃するよう命令する間に彼は影に潜んで冷徹な目で戦闘を観察する。莫大な量のシャーク、ヘズロウ、肉食性のホエール、クラーケンそしてショゴスはこのデーモン・ロードの好みの手下だ。
ダゴンはデーモン・ロードではなく強力なクリフォトとして生を受けた――デーモン・ロードへと変成した理由は定命の学者は理解していないが、ダゴンとクリフォト種族の間で失われた愛などないのは確かだ。
ダゴンは主にボガード、異端のサフアグンとスカム、マーシュ・ジャイアント、そして絶望したあるいは正気を失った沿岸の住人に崇拝されている。崇拝者の多くは不気味に歪んでいるか、近隣の奇妙な魚類クリーチャーあるいは水棲クリーチャーと交配をするという様々な忌々しい実践を行っている。彼の聖域は時に腐敗した海岸沿いの教会、灯台、海沿いの海岸、あるいは暗く美しい水中の大聖堂に配置される。時に崇拝者は様々なグレート・オールド・ワン、特にクトゥルフも崇め、そしてある共同体でダゴンとクトゥルフの僧侶たちが協力しあっているのを見るのは珍しいことではない。
ダゴンは「海の影」としても知られている。その邪印は蛸の開いた眼の周囲を邪悪なルーンが囲っている金の円盤だ。好む武器はトライデントだ。混沌、破壊、悪、そして水の領域への交信権、そして災害、デーモン、大海、激怒の副領域への交信権を与える。
経験点9,830,400
混沌にして悪/大型サイズの来訪者(悪、風、混沌、他次元界、デーモン)
イニシアチブ +13; 感覚 暗視60フィート、ディテクト・グッド、ディテクト・ロー、トゥルー・シーイング; 〈知覚〉+58
オーラ アンホーリィ・オーラ(難易度31)、蝗(10フィート、わずらわす、難易度43)、畏怖すべき存在(180フィート、難易度40、10ラウンド)
アーマー・クラス 48、接触38、立ちすくみ39(+10外皮、-1サイズ、+4反発、+9【敏】、+16不浄)
ヒット・ポイント 752(35d10+560); 再生(神性あるいは神話)
頑健 +31、反応 +32、意志 +35
防御能力 鳥類体得、奈落の蘇生、フリーダム・オヴ・ムーヴメント; ダメージ減少 20/冷たい鉄、エピック、および善; 完全耐性 [雷撃]、[氷雪]、(強制)効果、生命力吸収、石化、[即死]効果、毒、能力値吸収、能力値ダメージ、および(魅惑)効果; 抵抗 [強酸]30、[火炎]30、[氷雪]30; 呪文抵抗 41
移動速度 60フィート、飛行150フィート(完璧)
近接 +5アナーキック・キーン・アンホーリィ・ロングソード=+54/+49/+44/+39(2d6+20/17~20)、噛みつき=+49(2d6+15)、爪=+49(1d6+15)、針=+49(2d8+15、加えて“毒”)、鉤爪(×2)=+49(1d6+15)
接敵面 10フィート; 間合い 10フィート
特殊攻撃 地獄耳、スウォームの主人、毒、憑依、不浄なる叶え術
擬似呪文能力 (術者レベル30; 精神集中+43)
常時:アンホーリィ・オーラ(難易度31)、スピーク・ウィズ・アニマルズ(有翼の動物のみ)、ディテクト・グッド、ディテクト・ロー、トゥルー・シーイング、フリーダム・オヴ・ムーヴメント
回数無制限:アストラル・プロジェクション、アンハロウ、アンホーリィ・ブライト*(難易度27)、コントロール・ウィンズ、シェイプチェンジ、グレーター・ディスペル・マジック、ディセクレイト*、テレキネシス*(難易度28)、グレーター・テレポート、ドミネイト・パースン*(難易度28)、ブラスフェミイ*(難易度30)
3回/日:シンパシー(難易度31)、シンボル・オヴ・パースウェイジョン(難易度29)、デーモン招来、呪文高速化ドミネイト・パースン*(難易度28)、ワールウィンド*
1回/日:ウィッシュ*、タイム・ストップ*、ドミネイト・モンスター(難易度32)
* パズズは自身の領域でこの能力の神話版を使える。
【筋】40、【敏】28、【耐】42、【知】33、【判】34、【魅】36
基本攻撃 +35; 戦技ボーナス +51(+55武器破壊); 戦技防御値 92(対武器破壊94)
特技 《イニシアチブ強化》、《かすめ飛び攻撃》、《擬似呪文能力高速化:ドミネイト・パースン》、《強打》、《クリティカル熟練》、《攻防一体》、《渾身の一打》、《渾身の一打強化》、《出血化クリティカル》、《上級渾身の一打》、《上級武器破壊》、《人造クリーチャー作成》、《その他の魔法のアイテム作成》、《武器破壊強化》、《複数回攻撃》、《魔法の武器防具作成》、《迎え討ち》、《ロッド作成》
技能 〈威圧〉+48、〈隠密〉+43、〈軽業〉+47(跳躍は+59)、〈交渉〉+51、〈呪文学〉+49、〈真意看破〉+50、〈生存〉+47、〈知覚〉+58、〈知識:貴族〉+46、〈知識:次元界〉+49、〈知識:自然〉+46、〈知識:宗教〉+46、〈知識:神秘学〉+49、〈知識:地域〉+46、〈はったり〉+51、〈飛行〉+53、〈魔法装置使用〉+48; 種族修正 +8〈知覚〉
言語 共通語、天上語、奈落語、風界語、竜語; テレパシー300フィート
その他の特殊能力 デーモン・ロードの特性
出現環境 気候問わず/(奈落界アビス)
編成 単体(固有の存在)
宝物 ×3(セプター・オヴ・シバクセト、その他の宝物)
毒(変則)/Poison 針―致傷型; セーヴ 頑健・難易度43; 頻度 1回/ラウンド(6ラウンド間); 効果 1d6【判断力】吸収および吐き気がする状態; 治癒 3回連続のセーヴ成功。
パズズはあらゆるデーモン・ロードの中でも最古かつ最強の1体だ。彼のアビスの領土はその次元界最大の裂け目の1つに位置している。この垂直の領土には広大な都市があり、その中心部にはパズズの私的な鳥類群生地にして宮殿であるシバクセトが見られる。
パズズの姿は四枚羽の身長15フィートの魔物だ。彼は定命の者、特に純粋な精神を持つ者を堕落させることに大いに歓喜し、彼らに無垢さ以外の何も求めずにウィッシュを与える。
疾風デーモンの王パズズはハーピーや他の悪の鳥類、そしてかつては誉れ高かったが混沌と悪――時にパズズ本人――に魅せられてしまった大量のアンティパラディンに崇められている。彼の聖地と寺院は岩壁にある大聖堂、砂漠の廃墟、そして山頂の鋭鋒だ。
彼の邪印は右手を掲げた彼の姿だ。好む武器はロングソード。彼は風、混沌、悪、そして欺きの領域の使用権、そして雲、騙し、デーモン、そして疾風の副領域の使用権を与える。
装備部位 なし; 術者レベル 30; 重量 4ポンド; オーラ 圧倒的・全て
パズズの武器は大きな鈎が端に付いた黒い金属製のスタッフ、セプター・オヴ・シバクセトだ。この錫杖は1日に何度でも使えるロッド・オヴ・エネミー・ディテクションとして機能する。パズズが標準アクションでこの錫杖を見せつけた場合、見た30フィート以内のクリーチャー全員は難易度23の意志セーヴに成功しない限り1d6ラウンドの間恐慌状態になる(これは[精神作用]効果だ)。1日に1回、パズズはセプター・オヴ・シバクセトをロッド・オヴ・キャンセレイションとして使える(これは錫杖を枯渇させたり害したりしない)。標準アクションで彼はどれほど離れていようと、次元の境を跨いでさえ手元へとこの錫杖を呼べる。割り込みアクションで、パズズはこの錫杖を+5アナーキック・キーン・アンホーリィ・ロングソードへと変成でき、あるいは通常の姿へと戻せる。剣形態を使っているならこのアーティファクトの他の力は何も使えない。
シバクセトの再生塔が既に破壊されている場合、セプター・オヴ・シバクセトは贖われたデーモン・ロードによって破壊できる。