カミとは神代の昔に神々によって作成された太古の、神秘的な、この世のものならざる精体である。本来は自衛手段のない自然の一部用の守護者を意図されていたが、カミは目を瞠るほどの適応性を見せた。自然の在り方の変化につれ、カミも変わっていった。
カミには八百万の種類がある――理論上、動物、植物、事物、あるいは場所それぞれは、その分類に対応しているカミに保護されうる。それらはまとめてカミの「宿り主」と呼ばれており、小さな子供を世話しようと考える人間のように、カミの息がかかっている。実際には、カミの数よりも宿り主の方がずっと多い。つまり、カミは例外なく自己複製して自身の影響を拡大しようとする――カミが増えれば、守護という利益を受ける宿り主も増える。従って、カミの影響は通常自然界の特定の地域に及ぼされている――カミはまだ被造物全てを守護できるほどに数があるわけではない。
カミを目録化し分類するにあたっての難事として、カミの種族と宿り主の種類の関連性が意味不明な点がある。例えばジヌシガミはあらゆる種類の土地に関連するカミの種族であり、コダマは特定の木々の守護に格別の関心を持つ。カミにとってはこれらの気まぐれな類別は全く道理に適っているが、彼らが他者にその理由を説明しようという試みは通常聞き手を混乱させ、カミ自身の鬱憤を溜まらせる。しかしながら連綿と続けられていることは、カミのサイズと彼の宿り主の重要性との関連性の維持である。短刀、フロッグ、あるいは小石とずっと結びついているカミは普通極めて小さく人目を引かず、一方で山、赤杉、あるいはエレファントと結びついたカミはそれに比例してより大きくより強力になるだろう。勿論、そこかしこに例外はあり、そして苛ついた学者たちは時に、神々自身が学者の論理と憤懣のためだけにそうした法則を変えているのではないかと冗談交じりに疑うこともある。
カミは自発的に発現した精として、あるいは特に高貴なる魂の転生として存在している。自然の要素を守護するために死んだクリーチャーの魂は特にカミとして命を取り戻すことが多い。後者において、カミの多くは故郷を守っている間に非業の死を遂げたレンジャーあるいはドルイドか、生前は自然の平穏の中で瞑想していたモンクの魂が目覚めたものである。しかしながら転生しても生前の記憶を保っているカミはほとんどおらず、そして彼らの姿形は以前の肉体とは似ても似つかぬものになる。かつての生のことを思い出す極稀なカミは、ただの宿りガミを超える可能性が極めて高い――そうしたカミは時にクラス・レベルを持ち、極めて強力に成長する。
カミは固定化した姿に囚われた魂ではなく姿を変え続ける精として存在している。その大半は1つの木、石、あるいはうねる川を見続けるために存在しており、昆虫1匹以上の影響を世界に与えることもできない。カミは存在している間の大部分において宿り主と融合している――その姿において、カミは世界と交流する能力を完全に失うが、周囲は容易に観察できる。事物、植物、動物、あるいは場所にカミが宿っているかどうかを判断する信頼できる手段はないため、カミが一般的に見られる地で暮らす、あるいはそこを旅する者は、概して万物にカミが宿っていると見做している。カミ様がいらっしゃるという信仰は、カミの宿るものの守護において時に最重要となるため、カミがその考えに口を出すことはほとんどない。
カミは全て物理的な姿を取れる。大抵はどこかその宿り主に似ているが、ここでも常にそれが当てはまりはしないことが、しつこく学者たちを当惑させ苛つかせている。カミが物理的な姿をとった時、それは必ずまず瞬間移動したかのように突然宿り主の隣に現れる。しかしながらカミにとって、姿を現すことは無作法である――多くのカミは木の裏などに隠れながら肉体を発現し、そして足を踏み出して話したい者に姿を見せる。
カミは概して平和的な種族であり、友好的なフェイや他の自然環境に棲む魔法的な生物と共に暮らしている。この高貴なる精は自発的に土地を死ぬまで守り続けるため、ドライアドやトリエントはカミと極めて良好な仲間になることが多い。より破壊的で厄介なフェイはカミに歓迎されず、カミは自然の力そのものを使ってその邪魔な侵入者を跡形もなく消す。しかしながらオニほどカミに憎悪されているクリーチャーは他にないため、カミの平和的な本性はオニと対面する時にこれ以上なく素早く消え去る。カミはオニを自然界の汚染者であり、目的と行動が自然の精のそれらと真っ向から対立するモンスターであると見做している。オニがカミに守られている地で見られた時、カミ全てはその侵入をお互いに注意し合い、その闇の存在を見つけ出すために隊を組む。道徳を失った時にカミはオニになる危険があるという事実が、この憎悪の理由の大部分を占めている――本質的に、カミはオニをカミ族の失敗と恥の臨界点の証と見做している。
カミが悪であることは稀だが、彼らは何を置いても宿り主に守護をかける。時にその守護は他のクリーチャーから宿り主を孤立させ、結果として多くの者がカミを最高の厄介者であり、明白な最悪のモンスターであると見なしている。勿論カミ以外から宿り主がどう見られているかをカミが気にすることは皆無である――カミにとって重要なことは宿り主の安全だ。
最も強力なカミガミはカミ・ロードとして知られている。これらの神秘的で唯一無二のクリーチャーたちは途轍もなく強力であり、時に半神あるいは上級神格とさえ比肩できる。
経験点1,600
真なる中立/小型サイズの来訪者(カミ、原住)
イニシアチブ +1; 感覚 暗視60フィート; 〈知覚〉+11
アーマー・クラス 18、接触14、立ちすくみ15(+2回避、+4外皮、+1サイズ、+1【敏】)
ヒット・ポイント 51(6d10+18); 高速治癒3
頑健 +10、反応 +6、意志 +4
ダメージ減少 5/冷たい鉄; 完全耐性 出血攻撃、[精神作用]効果、石化、(ポリモーフ); 抵抗 [強酸]10、[雷撃]10、[火炎]10; 呪文抵抗 16
移動速度 30フィート
近接 爪(×2)=+9(1d3+2)
特殊攻撃 急所攻撃+2d6、散漫化の凝視
擬似呪文能力 (術者レベル6; 精神集中+9)
【筋】14、【敏】13、【耐】16、【知】11、【判】14、【魅】17
基本攻撃 +6; 戦技ボーナス +7; 戦技防御値 20
特技 《頑健無比》、《強打》、《素早い移動》
技能 〈隠密〉+14、〈真意看破〉+11、〈生存〉+11、〈脱出術〉+10、〈知覚〉+11、〈登攀〉+11
言語 共通語; スピーク・ウィズ・プランツ、テレパシー100フィート
その他の特殊能力 宿り(神奈備の木)、宿り主との合一
出現環境 気候問わず/森林
編成 単体、2体、集団(3~7)、または木立(8~16)
宝物 標準
散漫化の凝視(超常)/Distracting Gaze 1d4ラウンドよろめき状態、30フィート、意志・難易度16・無効。これは[精神作用]効果であり、そしてコダマが影響を与えたいと思い、かつコダマを目視できる者たちに影響を与える。セーヴ難易度は【魅力】に基づく。
その自然との調和によってドルイドとレンジャーに崇められているコダマは木のカミとして知られており、神奈備の守護者である――彼らは植えられた、あるいは文明圏で育った木々は守護しない。(そうした木々はされるとすれば異なるカミに守護される。)コダマは1本の木を守護下に置く; 概して、コダマたちに守護されている森の木々全てはある特定の場所に密集している。
物理的な姿をとったコダマは半球型の起伏のない頭をした、裸の人型クリーチャーに似ている。木のカミは身長3フィート、体重60ポンド。木よりも大きなこのカミを想像する者がいるかもしれないが、森は無数の木々からなるという事実は、単一の木が持つ単一の「存在」を縮小させる傾向にある。しかしながらその木が特に古く巨大であるなら、コダマもそれに従い大きくなる――そうした稀なコダマのデータは、ここにあるコダマにいくつかのヒット・ダイスを与えサイズを上昇させることで生成できる――理論上、20ヒット・ダイスを超える超巨大コダマはこの世界のどこかに存在しうる。しかしながら全てのコダマが種族ヒット・ダイスを得ることで力を増していくわけではなく、代わりにクラス・レベルを得ることで進歩していく者もおり、特にドルイドのレベルが多いが、ごく少数の――通常の彼の種族よりも秩序だち洗練された精神を持つ――コダマ種はモンクの道に進む。
コダマは多くのカミよりも訪問者に対する好奇心が強く、時に物理的な肉体の姿を発現して木立への新参者を観察だけする。コダマは通常自身の木の遠くか茂みの陰で発現し、ゆっくりと進んでその気が散る虚ろな目で静かに観察する。その凝視は気力をなくさせるほど酷いものだ。その超常効果を受けた者は時にその凝視から感じた印象について異なる描写をする(恥、恐れ、好奇心、楽しみ、そして苛立ちが最も一般的な反応である)が、最終的な結果は全て同じである。好奇心旺盛なコダマの観察を受けている間に、カミの注目によって散漫になることもなく行動を続けられる者は少ない。
カミが(概して自身の木や他のカミを守る為に)戦わなければならない時、このカミは素早く動く――コダマは集団で最適の行動をし、そして単独で立ち向かう時はツリー・ストライドを使用して森の他の箇所へと飛び、故郷を守る手伝うをするよう仲間たちの小さな集団を起こす。
経験点600
秩序にして中立/超小型サイズの来訪者(カミ、原住)
イニシアチブ +1; 感覚 暗視60フィート; 〈知覚〉+11
アーマー・クラス 15、接触13、立ちすくみ14(+2外皮、+2サイズ、+1【敏】)
ヒット・ポイント 19(3d10+3); 高速治癒2
頑健 +4、反応 +2、意志 +8
ダメージ減少 5/冷たい鉄; 完全耐性 出血攻撃、[精神作用]効果、石化、(ポリモーフ); 抵抗 [強酸]10、[雷撃]10、[火炎]10
移動速度 30フィート
近接 代用武器=+4(1d4+2/×3)
遠隔 代用武器=+6(1d3+2/×3)
接敵面 2・1/2フィート; 間合い 0フィート
擬似呪文能力 (術者レベル6; 精神集中+8)
回数無制限:インヴィジビリティ(自身のみ)、スタチュー(自身のみ)
3回/日:ハイド・フロム・アニマルズ、ピュアリファイ・フード・アンド・ドリンク
1回/週:コミューン・ウィズ・ネイチャー(術者レベル12)
【筋】8、【敏】13、【耐】12、【知】11、【判】17、【魅】14
基本攻撃 +3; 戦技ボーナス +2; 戦技防御値 11
特技 《鋭敏感覚》、《代用武器の巧み》 (B) 、《鋼の意志》、《万能投擲術》 (B)
技能 〈隠密〉+15、〈真意看破〉+11、〈生存〉+9、〈知覚〉+11、〈知識:自然〉+6、〈治療〉+9
言語 共通語
その他の特殊能力 代用武器体得、宿り(ちょっとした文明の工芸)、宿り主との合一
出現環境 気候問わず/地形問わず
編成 単体、2体、または徒党(3~8)
宝物 標準
代用武器体得(変則)/Improvised Weapon Mastery シキガミは《代用武器の巧み》と《万能投擲術》をボーナス特技として得、そしてそのような武器による攻撃でダメージの一撃を与えるに際し超常的なまでに幸運になるようで、代用武器によってなされるダメージに【筋力】修正値の代わりに【魅力】修正値を加える。シキガミは超小型ではあるが、近接武器で隣接する敵を攻撃する時に機会攻撃を誘発しない。シキガミが代用武器でクリティカル・ヒットした場合、×3のダメージを与える。シキガミは代用武器に習熟している。
シキガミは最も劣ったカミであるが、その低い能力を忠義と武勇で補っている。他の知名度の高いカミの種類とは異なり、シキガミは自然の地よりも田舎や都市の土地にいることの方が多い。これらのカミはちょっとした文明の工芸――一里塚、道標、小さな塞の神、そして他の人造の比較的粗雑な芸術品――の守護者である。
このカミの種族と関わりがある宿り主は幅広くあるため、同じ外見のシキガミは2つとしてない。シキガミは全て宿り主との合一能力を持つが、これらのカミは物理的な姿をとって時を過ごすことも好み、不可視あるいは小さな石像の姿で宿り主を観察する。戦闘では、シキガミは見つけた物を手にして戦う。どちらかと言うと弱いが、これらの代用武器は本来よりも強く当てる不可思議な特性を持つ。
シキガミは他のカミと同様に友好的で好奇心旺盛だが、自然の活力を崩壊させる理想によって汚染されたと見做した地を去るのは素早い。そうする時、彼らは通常自身の宿り主を持ってゆく。彼らは環境を汚す人型生物と交戦することはないが、シキガミたちの不在はそれを見た村人たちの士気に激しい衝撃を与える。シキガミが離れると、この小さなカミの機能を知っている町の役人はシキガミと人々の関係を取り戻し、最低でもその共同体がより強力でより能動的なカミの不興を買わないよう、即座に共同体の政策をより自然主義的な考えを反映したものに変える。
シキガミは概して身長2フィート、体重30ポンドであり、石像形態では50ポンドになる。術者がシキガミの使い魔を得るには《上級使い魔》特技、秩序にして中立の属性、そして秘術の術者レベル7以上を持たなければならない。シキガミが使い魔になった時、シキガミは自身の主人を宿り主とする。
経験点307,200
真なる中立/巨大サイズの来訪者(カミ、原住、地)
イニシアチブ +11; 感覚 暗視60フィート、振動感知60フィート、トゥルー・シーイング; 〈知覚〉+38
アーマー・クラス 34、接触14、立ちすくみ26(+1回避、+20外皮、-4サイズ、+7【敏】)
ヒット・ポイント 348(24d10+216); 高速治癒20
頑健 +25、反応 +17、意志 +23
ダメージ減少 15/冷たい鉄および殴打; 完全耐性 出血攻撃、[精神作用]効果、石化、(ポリモーフ); 抵抗 [強酸]10、[雷撃]10、[火炎]10; 呪文抵抗 31
移動速度 50フィート、穴掘り40フィート; 地潜り
近接 +5クオータースタッフ=+32/+27/+22/+17(3d6+14)、+5クオータースタッフ=+32(3d6+9)または叩きつけ(×2)=+29(2d10+9)
接敵面 20フィート; 間合い 20フィート
擬似呪文能力 (術者レベル20; 精神集中+30)
常時:ストーン・テル、スピーク・ウィズ・アニマルズ、スピーク・ウィズ・プランツ、トゥルー・シーイング
回数無制限:ウッド・シェイプ、ストーン・シェイプ、ディテクト・ソウツ(難易度22)、グレーター・テレポート(自身のみ、宿り主の境界の内側のみ)
3回/日:アースクウェイク(難易度28)、コントロール・プランツ(難易度28)、サモン・ネイチャーズ・アライIX、ヒール、リペル・メタル・オア・ストーン
1回/日:トゥルー・リザレクション
【筋】28、【敏】25、【耐】28、【知】23、【判】24、【魅】31
基本攻撃 +24; 戦技ボーナス +37(蹴散らしと突き飛ばし+39); 戦技防御値 55(対突き飛ばしおよび対蹴散らし57)
特技 《イニシアチブ強化》、《鋭敏感覚》、《回避》、《頑健無比》、《強打》、《蹴散らし強化》、《神速の反応》、《戦闘発動》、《突き飛ばし強化》、《二刀流》、《鋼の意志》、《迎え討ち》
技能 〈威圧〉+34、〈隠密〉+22、〈軽業〉+31(跳躍+39)、〈交渉〉+34、〈呪文学〉+33、〈真意看破〉+38、〈生存〉+31、〈知覚〉+38、〈知識:自然〉+33、〈知識:地理〉+33、〈治療〉+34、〈はったり〉+37
言語 共通語、地界語; スピーク・ウィズ・アニマルズ、スピーク・ウィズ・プランツ、ストーン・テル、テレパシー300フィート
その他の特殊能力 横溢のクオータースタッフ、地形操作、宿り(地域)、宿り主との合一
横溢のクオータースタッフ(超常)/Infused Quarterstaff ジヌシガミの持つクオータースタッフはどれでも(そのクオータースタッフが既により大きな強化ボーナスを持っていない限り)+5クオータースタッフとして機能する。ジヌシガミがその地域の宿り主の内側にいる場合、ジヌシガミは標準アクションとして周囲の地形から巨大サイズ用のクオータースタッフを作成できる。
地形操作(超常)/Manipulate Terrain ジヌシガミは縄張り内の好きな数のクリーチャーの移動を助けられる。この方法で援護されたクリーチャーは〈生存〉判定に+10のボーナスを受け、道の有無に関わらず、そして実際に移動する地形の種類に関わらず、地形による、あるいは街道、道、踏み分け道がないことによる野外移動の減少を受けない。また、ジヌシガミは好きな数の旅するクリーチャーにとって地形をより困難にすることもでき、あらゆる〈生存〉判定に-10のペナルティを与え、野外移動を通常の速度の1/10にする。ジヌシガミはこの能力で望む数のクリーチャーに対して、ジヌシガミがそのクリーチャーに気付いていてそのクリーチャーが土地という宿り主にいる限り、援護するか邪魔するかをそれぞれ選択して影響を与えられる。ジヌシガミはこの能力を宿り主との合一をしている間使用できる。
宿り(超常)/Ward ジヌシガミはその地域全体を宿り主として扱う。半径が5マイルを超えない1つの森、沼、山、湖、あるいは他の単一の自然的要素を宿り主にできる。全ての土地が半径5マイルを満たすのに十分なほど大きいわけではないためジヌシガミの殆どはより小さな地域の宿り主を持っているが、ジヌシガミでは半径1マイルより小さな地域は手助けできない(あるいは役不足だ)。(合一していようと物理的な姿であろうと)その縄張りの内側にいる限り、自身が何処にいようとジヌシガミはその地域という宿り主の好きな地点からこの世界を観察できる。宿り主と合一している間、ジヌシガミはこの方法であらゆる場所を同時に観察できる。標準アクションで、ジヌシガミは自身の宿り主の内側にいるクリーチャーについての情報(実質的にはその外見と正確な位置)を地域という宿り主の内側にいるカミ全てに伝達できる。
山、湖、森といった大自然の驚異の守護者であるジヌシガミ(ランド・カミとしても知られる)は全てのカミの中で最も強力で最も崇められており、まさに自然そのものの力に命令することで宿り主の安全を確保する。こうした重要な精たちは他の多くのカミから最も崇拝を集めており、カミたちと他の彼らの縄張りで暮らす原住クリーチャーたちに大きな影響を与えている。ジヌシガミは土地の中に留まり隠れる傾向があるが、環境と深く結びついていることが自然を傷つけようとする者の中でジヌシガミを優先順位の高い目標にしている。
ジヌシガミに守られている土地に足を踏み入れる異邦人はこの強力な精のクリーチャーの怒りを買わないようよく忠告される。不快を感じたジヌシガミは踏み分けを消し去り、地形の輪郭を捩じ曲げ、旅人に理不尽に過酷な旅を強要する。ジヌシガミという巨人たちが自身の成果を汚そうとする者を我慢することはほとんど無く、ジヌシガミの最初の警告を聞き取れなかった攻撃者は土地そのものおよび上位のカミあるいは雲突くジヌシガミと対面することによって、すぐにこのカミがどれほどの力を持つかを知ることになる。勿論、ジヌシガミに敬意を払う者たちは、下生えを減らし川の流れを変え他の細かではあるが旅人にとっては信じられないような変更によって通行を容易にしてくれるという、このカミの他の面も知っている。
ジヌシガミは上古からいる賢者であり、領土に足を踏み入れた者は疑わしいからといって罰しない。自然の構造と繋がりに対する破壊の意図を持っていると分かった者に対してのみジヌシガミは暴力を以って対応する。勿論、オニのようなカミと真っ向から対立する勢力に連携する者が友好的な時間を得ることはなく、そしてジヌシガミは大抵の叛意を知覚でき、疑わしい訪問者がジヌシガミの地を通っているのを感知し、こっそりと追跡し近くで観察する。
ジヌシガミは体長38フィートであり、体重は30,000ポンドを超える。物理的な姿を発現した時、彼らは土と石と草でできた不恰好な人型の姿をしており、時折帽子や宝石といった人の影響を変に受けていることもある。
カミ全ての中でランド・カミは最も古く、最も強力であるが、これらの巨大な来訪者たちの間にも力の差異はある。新しく形作られたジヌシガミは上記のようなデータを持つが、ジヌシガミは伝説の増加と守る場所の知名度の高まりとともにより強力になってゆく。例えば、山脈の一部のジヌシガミは威容を誇るが、山脈の最高峰を含む土地のジヌシガミはより圧巻だ。
ジヌシガミがこの力強さを得た時、彼は神代のジヌシガミとして知られるようになる。神代のジヌシガミは通常超巨大のクリーチャーであり、そして28より少ないヒット・ダイスを持つ者は皆無である――大半は脅威度22から25の間であるが、正確な詳細は変わる。神代のジヌシガミは典型的なジヌシガミのそれよりも広い範囲を宿り主として覆えるが、通常はその半径は神代のジヌシガミの持つ脅威度につき1マイルである。神代のジヌシガミはまた世界における自身の役割をより反映した擬似呪文能力を得る。以下はそのいくつかの例である。
グレイシャー・カミ:山を削り極地の海岸を横断するような広大な氷河と結びついたこの神代のジヌシガミは、氷の塊でできた人型の姿をしている。こうしたカミは(地)の副種別の代わりに(冷気)の副種別を持ち(そして[氷雪]に対する完全耐性と[火炎]に対する脆弱性を持ち)、コーン・オヴ・コールドおよびウォール・オヴ・アイスを1日に3回擬似呪文能力として使用できる。
グレート・リーフ・カミ:歳経た大きな珊瑚の海岸を領地に持つこの神代のジヌシガミは海藻を纏った生きた珊瑚でできた人の形をしている。グレート・リーフ・カミは(地)の副種別の代わりに(水)の副種別を持ち、そして(水棲)の副種別(および水陸両生の特殊性質)と水泳移動速度60フィート、1日に1回ツナミを擬似呪文能力として使用する能力を得る。
マウンテン・カミ:神代のジヌシガミの宿り主に、ある山脈や地域の中で最も高い頂が含まれている時、彼はフレッシュ・トゥ・ストーンおよびウォール・オヴ・ストーンをそれぞれ1日に3回使用する能力を得る。
ヴォルケイノ・カミ:活火山を宿り主に含めている神代のジヌシガミは硬い石と融解した岩でできた人の形をしている。ヴォルケイノ・カミは(地)の副種別の代わりに(火)の副種別を持ち(そして[火炎]に対する完全耐性と[氷雪]に対する脆弱性を得)、1日に3回擬似呪文能力としてファイアーボールを使用でき、そして1日に1回擬似呪文能力としてウォール・オヴ・ラヴァを使用できる。
経験点9,600
秩序にして善/中型サイズの来訪者(カミ、原住)
イニシアチブ +9; 感覚 暗視60フィート、シー・インヴィジビリティ、ディテクト・イーヴル; 〈知覚〉+20
アーマー・クラス 23、接触13、立ちすくみ20(+4外皮、+3【敏】、+6鎧)
ヒット・ポイント 123(13d10+52); 高速治癒5
頑健 +8、反応 +13、意志 +14
ダメージ減少 10/冷たい鉄; 完全耐性 出血攻撃、[精神作用]効果、石化、(ポリモーフ); 抵抗 [強酸]10、[雷撃]10、[火炎]10; 呪文抵抗 21
移動速度 飛行30フィート(完璧、鎧なし・40フィート)
近接 +1ホーリィ・ハルバード=+18/+13/+8(1d10+7/×3)
遠隔 +1ホーリィ・コンポジット・ロングボウ=+20/+15/+10(1d8+5/×3)
特殊攻撃 治癒の矢、祓除の矛
擬似呪文能力 (術者レベル13; 精神集中+18)
常時:シー・インヴィジビリティ、ディテクト・イーヴル
回数無制限:キュア・ライト・ウーンズ、ディメンジョン・ドア
3回/日:アラーム、ディスペル・マジック、ニュートラライズ・ポイズン、ブレス・オヴ・ライフ、リムーヴ・カース、リムーヴ・ディジーズ、レストレーション
1回/日:ディスペル・イーヴル(難易度20)、トゥルー・シーイング、ヒール
【筋】18、【敏】21、【耐】18、【知】11、【判】18、【魅】21
基本攻撃 +13; 戦技ボーナス +17; 戦技防御値 32(足払いされない)
特技 《イニシアチブ強化》、《近距離射撃》、《精密射撃》、《精密射撃強化》、《速射》、《鋼の意志》、《武器熟練:ロングボウ》
技能 〈威圧〉+18、〈隠密〉+18、〈真意看破〉+20、〈知覚〉+20、〈知識:自然〉+16、〈治療〉+20、〈飛行〉+10
言語 共通語; テレパシー100フィート
その他の特殊能力 宿り主との合一、宿り(門、扉、あるいは神社)
出現環境 気候問わず/地形問わず
編成 単体、2体、または戦闘集団(3~8)
宝物 ×2(+1コンポジット・ロングボウ[【筋】+4]、+1ハルバード、高品質のブレストプレート、その他の宝物)
治癒の矢(超常)/Healing Arrow 即行アクションで、ズイシンは射るアローに以下の効果から好きなもの1つ以上を吹き込める:ブレス・オヴ・ライフ、キュア・ライト・ウーンズ、ヒール、ニュートラライズ・ポイズン、リムーヴ・カース、リムーヴ・ディジーズ、あるいはレストレーション。これらの効果1つの使用は、該当する擬似呪文能力を1回使用する。ズイシンはその効果をもたらすために目標に対する1回の接触攻撃を成功させなければならない――目標はこのアローによるダメージを受けない。
祓除の矛(超常)/Holy Weapons ズイシンの持つ武器はどれでもホーリィの特殊性質を持つものとして扱われる。ズイシンは手に持つボウでの攻撃の一部として虚空からアローを作成できる。
カミはオニの敵ではあるが、ズイシンほど熱意のある者はいない。シュライン・カミとしても知られるズイシンは門、扉、祭殿、あるいは鳥居を宿り主にし、そうした門扉の尊敬を確実なものにする。ズイシンは多くの武器を使用できるが、ボウを好む傾向がある。ズイシンは自身の武器に細心の注意を払って扱い、武器を自身の延長と見做す。自発的にボウを捨てることは決してない; 武器をなくしたり破壊された場合、ズイシンは新たなそれをひと月以内に作成できる。
ズイシンは他のカミに敬意を持って接し、常に自発的に助けの手を差し伸べる。カミ以外のクリーチャーはズイシンの助けを得る前にまず彼の信頼を得なければならず、そしてそれはそのカミの守る門扉を礼拝するか、あるいは木の枝や小さな自然の小物などを捧げ物として奉納することでなされる。
ズイシンは鎧兜を着て輝く武器を持った、半透明な戦士として発現する。彼らは身長5フィート、体重120ポンド。
経験点51,200
中立にして善/中型サイズの来訪者(カミ、原住)
イニシアチブ +10; 感覚 暗視60フィート、デスウォッチ、トゥルー・シーイング; 〈知覚〉+25
アーマー・クラス 30、接触20、立ちすくみ22(+10外皮、+2回避、+2洞察、+6【敏】)
ヒット・ポイント 210(20d10+100); 高速治癒10
頑健 +11、反応 +23、意志 +16
ダメージ減少 10/冷たい鉄および悪; 完全耐性 出血攻撃、[精神作用]効果、石化、(ポリモーフ); 抵抗 [強酸]10、[雷撃]10、[火炎]10; 呪文抵抗 26
移動速度 60フィート(ヘイスト未使用時30フィート)、飛行90フィート(良好、ヘイストがない場合60フィート)
近接 +2クオータースタッフ=+24/+24/+19/+14/+9(1d6+4、加えて“歳月の接触”)、+2クオータースタッフ=+24/+19/+14(1d6+3、加えて“歳月の接触”)または接触=+23(“歳月の接触”)
常時:スピーク・ウィズ・プランツ、デスウォッチ、トゥルー・シーイング、フォアサイト、フライ、ヘイスト
回数無制限:キュア・モデレット・ウーンズ、ツリー・シェイプ(桜の木のみ)、ツリー・ストライド(自身に加え50ポンドまでの物体のみ)
3回/日:スロー(難易度20)、グレーター・レストレーション
1回/日:ウェイヴズ・オヴ・イグゾースチョン、タイム・ストップ、フィンガー・オヴ・デス(難易度24)
【筋】15、【敏】22、【耐】20、【知】15、【判】14、【魅】25
基本攻撃 +20; 戦技ボーナス +26; 戦技防御値 42
特技 《イニシアチブ強化》、《回避》、《軽妙なる戦術》、《上級二刀流》、《神速の反応》、《二刀流》、《二刀流強化》、《鋼の意志》、《武器熟練:クオータースタッフ》、《迎え討ち》
技能 〈隠密〉+29、〈交渉〉+30、〈真意看破〉+25、〈生存〉+25、〈知覚〉+25、〈知識:自然〉+25、〈治療〉+25、〈はったり〉+30、〈飛行〉+20
言語 共通語; スピーク・ウィズ・プランツ、テレパシー100フィート
その他の特殊能力 宿り(桜の木)、宿り主との合一
出現環境 気候問わず/地上
編成 単体
宝物 標準(+2クオータースタッフ、その他の宝物)
歳月の接触(超常)/Touch of Ages トシガミが接触攻撃あるいは近接武器で目標に命中する時、その目標は魔法的な時間変化を避けるために難易度27の頑健セーヴに成功しなければならない。トシガミが敵を打つ時、彼は目標の年齢を肉体的に増加したいか目標の年齢を精神的に減少させたいかを決定しなければならない。目標の肉体年齢を増加させる場合、目標は1ポイントの【筋力】、【敏捷力】、および【耐久力】吸収を受ける。目標の精神年齢を減少させる場合、目標は1ポイントの【知力】、【判断力】、および【魅力】吸収を受ける。トシガミの多量の攻撃が組み合わされば素早く目標を圧倒できるが、一度でも目標が歳月の接触に対するセーヴィング・スローに成功すれば、その目標は1ラウンドの間この能力の影響を受けない。この効果は魔法的な加齢効果であり、獲物の実際の年齢を本当に変えるわけではない――単に肉体に寄る年波の影響を模倣させるか、精神状態の幼稚さを戻し増加させるだけだ。このセーヴ難易度は【魅力】に基づく。
ブロッソム・カミとしても知られるトシガミは桜の木と結びついている――特に居住地に生えるものに。時に滅んで長い時が過ぎた京にこうした守護するカミたちが残り、かつてのそのみやこの栄光を思い出させることがある。そうして、トシガミはまた昔日とも結びついている。
苦境に陥ってもおらず彼らの木が傷つけられもしていない時にトシガミが姿を見せることはほとんどない。しかし彼らは定命の者たちを惹きつけ、そして時に定命の者たちと恋愛関係を形成することでも知られている。トシガミは身長5フィート、体重100ポンド。