ストレンジ・アイオーンズ・アドヴェンチャー・パスは、どうやってそこへ辿り着いたか、自分たちが誰であるのかの記憶がない状態で精神病棟で君たちのキャラクターが目を覚ますところから始まる。精神病棟を初めて見渡すことは、悪夢じみた混沌の即興写真のようである。諸物は確実に見える通りのものとは異なっており、療養所の厳格な石造りの玄関広間に大虐殺が満ちている。生存を望むならば、君は精神病棟と君の霧がかった記憶への挑戦に直面しなければならない。
ストレンジ・アイオーンズは、ゴラリオンの最新の英雄の一団を時空の彼方から現れた狂気に満ちた脅威に挑ませるキャンペーン全体を表現する、ラヴクラフト的ホラーの主題を無数に擁している。このアドヴェンチャー・パスで君は、遭遇は精神病棟、気味の悪い古い家、かび臭い図書館、忘れ去られた砂漠の都市、遙かに奇妙な土地といった舞台に焦点を当てていることがわかるだろう。同時に、ストレンジ・アイオーンズは根本的にパスファインダー・ゲームのままである。君のキャラクターはレベルが上昇するにつれてパワーを得続けるであろうし、彼らには生き残り、一見克服しがたいようなホラーに耐え抜くことが期待される。途中で犠牲者が出るかもしれないが、つまるところ、ストレンジ・アイオーンズでは冷酷なGMに1つおきの遭遇で一行を潰す為の白紙手形を与えることになっているわけではない。全てのアドヴェンチャー・パスと同様に、ストレンジ・アイオーンズで描かれているこの物語は最初から最後までキャラクターたちが命脈を繋げ続ける時最高の進展をする。結局のところ、彼らは(精神的にも肉体的にも)傷を負って登場するかもしれないが、全体としてこのキャンペーンの遭遇は克服できないように設計されているわけではない。
このアドヴェンチャー・パスは、精神病棟の地下で目が覚め、震えあがるほど恐ろしい光景を目撃するPCとともに開始される。彼らが感覚を取り戻すと、PCはあたかも霧や夢から出てくるように感じるが、自分が誰でどのように今の現状に至ったのかを覚えていない。残っている唯一の記憶は漠然とした仄めかしや虫の知らせでしかない――明瞭な纏まりと言えるようなものではない。あるPCは商人の家庭での幼少期をほんの少しだけ思い出すかもしれないし、別のPCはオパーラで生まれたことを思い出すかもしれないが、それ以外には何も思い出せない。君がどの程度思い出すことができるのか、ちっとも思い出せないのかを決定するのは君次第である。キャンペーンは完全な空白状態から開始するだろう。しかしこのキャンペーンでプレイヤー・キャラクターはここ数年間のことについて何も思い出すことができないと仮定している。冒険の過程でキャラクターは何が起こったについてつなぎ合わせはじめ、アドヴェンチャー・パスの途中で完全な記憶を取り戻す。
目を覚ますと君のキャラクターは、各々同じような長引く疑心を持ち、同じ独房にいる、他の記憶喪失の者の存在を感じる。君のキャラクターは未知なる理由でこれらの人たちと漠然とした親密さを感じる。君のキャラクターがおそらく最初に気が付くことは、全員が恐ろしい状況で共に窮地に陥っていること、そしてそうした他者が混沌に陥った精神病棟の中での脱出と非業の死の間の差を生じさせるかもしれないことだ。
残留する隷属の感覚は目覚めた即座に君のキャラクターの記憶を苦しめる。それは霞んでいるが、少しの思い出が、過去に恐らくは脅迫されて手に染めた暗い所業という戦慄の感覚と共に、君のキャラクターの捕らわれた精神を背中から引いている。君のキャラクターはこの白紙のシートを姿を変えた恩恵と考えるかもしれない。
このような不安定な足場の上でキャンペーンを開始することは集団にお互いを信頼することを要求する。この不確かな戦慄である物語をこのアドヴェンチャー・パス内で演じきるために、プレイヤーはキャラクターの過去の制御をある程度諦める必要がある。ストレンジ・アイオーンズのプレイヤーはGMを信用すべきであり、プレイヤーが思い描いていたかもしれないことを上回るキャラクターの過去と未来に関する更なる情報があるということを知っておくべきである。良いGMの手の中でのキャラクターの歴史のこの緩やかな開示は刺激的な要素をこのキャンペーンに加えるが、この種の物語風の趣向は排他的あるいは敵対的に感じさせる可能性もある。このアドヴェンチャー・パスのいづれかの時点で君のキャラクターへの介助が奪われたと感じたなら、この物語を修正あるいは変更して快適な私的制御水準を復元できるようにする方法についてGMと集団でよく話し合うこと。思い出して欲しい、不確実なことは楽しいことであり、合意の上で制御権を放棄することはホラーのジャンルで重要な要素の一つである。
ストレンジ・アイオーンズ・アドヴェンチャー・パスはラヴクラフトの主題、オカルトの要素、そしてこの世のものならざる神秘に染まっており、キャラクターをそのような力をよく知っているようにすることは良い発想のように思えるかもしれない。しかしながら、オカルトに染まる者の代わりに暗黒神話大系を知らない者を演ずることは楽しいかもしれない。このアドヴェンチャー・パスへの好ましい試み方の決定は君と君の集団に委ねられており、ストレンジ・アイオーンズを通じて遊ぶ誤った方法はほとんどない。キャラクターが恐ろしい未知の事物に気付いていることより重要なのは、プレイヤーが宇宙的恐怖やラヴクラフト神話に興味を持っていることだ。さらに、プレイヤーはこのキャンペーンで恐怖を与える楽しみを見つけるためのラヴクラフト神話の専門家である必要はない。
君はこれがどのように起こったのか、君が誰なのか、何が君をこうしたのか、なぜこうなったのかわからない。これは一部のプレイヤーを苦しめるかもしれないが、君がアドヴェンチャー・パスの間に答えを見つけると安心するかもしれない。アドヴェンチャー・パスが開始するとき、君は自分が誰であるかという記憶がないが、少年時代の朧気な思い出と、手中に霞がかった幼少期の記憶を有している。最も狼狽させるようなことは、君の人生の最後の数年はまるで決して何も起こらなかったかのように思い出す能力を超えたものであるということだ。時が経ち、より多くの手がかりを発見するにつれ、君は自分自身と自身の状態の原因についてより多くを学び、最終的にしまい込まれた記憶を(それがもたらすかもしれない醜い意外な事実とともに)取り戻す。
このような状態にもかかわらず、君はまだ全てのタスクを正常に果たすことができる。君は君のクラスの能力を使用する方法をまだ知っていることがわかる。君の技能や特技の使用権は少しも妨げられていることはない、そしてこの状態が君を雁字搦めにする前に知っていた世界に関する取るに足らないような情報をどういうわけか思い出すことができる。君はまず最初にこの状態の自身を癒すために、他の全てのタスクを投げ出したいと思うかもしれないが、どのような試みも無駄である。君の記憶喪失が珍しく強力なために、将来の冒険での君の行動が壊れた精神を元に戻すかもしれないが、ウィッシュやミラクルが不足する現状ではこのダメージを修復できるものは何もない。
全てのグループが自身の記憶を失ってキャンペーンを開始することを望んでいるというわけではない。キャラクターが過去に起こった特定の出来事を決めることができないことを好まないものもいるかもしれない。大丈夫だ! 君はまだストレンジ・アイオーンズ・アドヴェンチャー・パスを遊ぶことができる。君とGMは確かに変化をもたらさなければならず、キャンペーンの1つの不穏な要素を失うが、記憶の欠如はこのアドヴェンチャー・パスにおける唯一の駆動させる動因ではない。
このキャンペーンで遁走状態の要素を排除したい場合、君のキャラクターがなぜ混沌へと陥り、キャラクターが精神病棟で終わったかについての別の説明が必要である。おそらく君のキャラクターは精神病棟へと君の友人か恋人を訪問していたのだろう。多分君のキャラクターは友人や家族(あるいはもしかしたら自己判断さえ)によって精神病棟へと引き渡されていたのかもしれない。君のキャラクターが用務員として精神病棟で働いていたか、精神病棟で起こっている怪しい事件について聞きつけた学者で調査をすることに決めた可能性もある。これらのすべてが記憶喪失の設定なしでストレンジ・アイオーンズを開始するために実行可能な選択肢を提示しているが、これらのルートで進めると、このキャンペーンの最初半分の多くのプロットの出来事を変更せざるを得ないことに注意すること。
遁走状態の影響を一部のPCのみが受けながらストレンジ・アイオーンズを遊ぶことも可能である。これは、仲間の精神が回復するのを見ようとすることで――あるいは潜在的な罪をないものにしようとすることで――物語を駆動させる手助けをする事を影響を受けていないキャラクターに要求する。キャラクターがこのキャンペーンの早い段階の遭遇を生き残れず、遁走状態に影響されない新しいキャラクターが倒れたキャラクターと入れ替わりに訪れる可能性は常にある。この場合、ストレンジ・アイオーンズにおける利害関係の多くは他のアドヴェンチャー・パスよりもより個人的なものであるため、一行がキャンペーン内のいる場所に基づいて、新しいキャラクターを調和させる最良の方法を見つけるためにプレイヤーとGMは協力すべきである。
ストレンジ・アイオーンズ・アドヴェンチャー・パスを開始するが、どのような種類のキャラクターで遊ぶべきだろうか? キャラクターが過去の多くの出来事を覚えていないということを知っている状況で、君のキャラクターの背景設定をどれだけ作らなければならないか? 時間と空間の向こうから迫りくる宇宙的恐怖に対する戦いのための最適な選択はなんなのか? 君と君のパーティを待ち構えている脅威と挑戦を乗り越えるために完全に適しているキャラクターを作るのに以下のコツと提案は役立つだろう。これらのアイディアは徹底しなければならないものではない、そしてこのキャンペーンに適したコンセプトのキャラクターは数多もあるだろう。ストレンジ・アイオーンズ・アドヴェンチャー・パスでのキャラクターに関するより多くの議論のために、paizo.comの掲示板を見てみてくれ。
ストレンジ・アイオーンズ・アドヴェンチャー・パスを意図したキャラクターを作成するとき、君が他のキャンペーンのためのキャラクターを作成するときと同じ行為を単純に行うこと。君の種族、クラス、特技、技能、特徴、そして開始時の装備品を選択すること。GMは君にキャンペーンの開始時点で物理的に何を持っているのかを教えるだろうが、最終的には君の開始時点での所持品の残りは取り返せる。
このアドヴェンチャー・パスで恐怖の要素を高めるために、明らかな弱さ、あるいは脆弱性をもつキャラクターを作成することを考えること。これは君とGMの間の信用の要素を要求し、GMがこの脆弱性を悪用しないように事前に君のコンセプトについてGMとよく話し合うようにすること。
この文書の残りで見つかる提案は、ストレンジ・アイオーンズ・アドヴェンチャー・パスの味付けと調子に合わせるための良い選択として提示している。
どのようなアドヴェンチャー・パスに於いてでも偉大なキャラクターを作成できるような選択肢の多くがこのキャンペーンで上手く機能する一方で、僅かなクラスの選択肢はキャラクターが名状しがたき恐怖に抗うこのキャンペーンに特に適している。
ラヴクラフト的恐怖は未知なる不穏な局面と広大なる宇宙の定命の生命の無意味さに触れる。知ることのできない真実を見つけるために現実の層を剥いでいくという考えはPathfinder RPG Occult Adventuresで導入された心霊クラスとよく合うが、プレイヤーはそうした隠された真実を知らないキャラクターを演ずることを好むかもしれない。つまり、念術の術者はこのアドヴェンチャー・パスと主題が密接に結びつく一方で、[恐怖]効果や[感情]の補足説明を持つ効果に陥る機会がより高いため、このキャンペーンでは通常より多くの困難と遭遇する可能性もある。このキャンペーンのために念術の術者を作成するときこれは覚えておくべきである。また自身や他のキャラクターから否定的な状況を取り除くことに優れているキャラクターのクラスがこのキャンぺーンで大いに役立つことには注意すべきである。
以下の提案はストレンジ・アイオーンズ・アドヴェンチャー・パスを通じてテーマとかみ合い、かつ有用であるアーキタイプである。
Pathfinder RPG Advanced Class Guide:偽魔術師(ローグ)、解呪師(ウォープリースト)、聖なる追跡者(レンジャー)、経験論者(インヴェスティゲーター)、呪術交信者(ウィッチ)、潜入者(インヴェスティゲーター)、 変異戦士(ファイター)、霊媒(シャーマン)、念術の探索者(オラクル)、探偵(インヴェスティゲーター)、過去の代弁者(シャーマン)、悪霊からの守り手(シャーマン)、降霊者(インヴェスティゲーター)、地下化学者(ローグ)、空想家(シャーマン)。
Pathfinder RPG Advanced Player's Guide:学究(バード)、探偵(バード)、餓鬼拳士(モンク)、潜入者(レンジャー)、捜査員(ローグ)、迷信深いバーバリアン(バーバリアン)、市街ドルイド(ドルイド)、都市レンジャー(レンジャー)。
Pathfinder RPG Horror Adventures:カルト狩り(インヴェスティゲーター)、古き神話の研究者(ウィザード)、墓掘り(インヴェスティゲーター)、霊障蒐集家(オカルティスト)、呪槌(インクィジター)、生ける魔導書(インクィジター)、狂科学者(アルケミスト)、魂の番人(パラディン)、護符職人(オカルティスト)、魔女殺し(スレイヤー)。
Pathfinder RPG Occult Adventures:秘伝継承者(メイガス)、偽霊媒師(ローグ)、念術探偵(インヴェスティゲーター)。
Pathfinder RPG Ultimate Combat:呪文破壊者(インクィジター)、魔女狩り師(インクィジター)。
Pathfinder RPG Ultimate Intrigue:策謀家(インヴェスティゲーター)、妖し(メスメリスト)、魔眼持ち(メスメリスト)、信仰の狩人(インクィジター)、法医(インヴェスティゲーター)、幻覚薬使い(インヴェスティゲーター)、怪盗(ローグ)、秘密探索者(インクィジター)、偸盗(ローグ)、裏探偵(ローグ)、ウォーロック(ヴィジランテ)、苛烈なる信徒(ヴィジランテ)。
Pathfinder RPG Ultimate Magic:外科医(アルケミスト)、潜入者(インクィジター)、錬心術師(アルケミスト)、誓約の聖騎士(パラディン[異形に対する誓約])、精神感応者(アルケミスト)、生体解剖者(アルケミスト)。
Pathfinder Player Companion:Arcane Anthology:eldritch scoundrel(ローグ)。
Pathfinder Player Companion:Heroes of the Streets:urban bloodrager(ブラッドレイジャー)、urban hunter(ハンター)、urban skald(スカルド)。
Pathfinder Player Companion:Magic Tactics Toolbox:cryptid scholar(インヴェスティゲーター)。
Pathfinder Player Companion:Occult Origins:Harrowed Society student(アーケイニスト)、fate guide(スピリチュアリスト)、id rager(ブラッドレイジャー)、reliquarian(オカルティスト)、supernaturalist(ドルイド)、true silvered throne(シャーマン)。
君が上級クラスを採る計画をしているならば、以下の選択をいくらか考慮すること。君のキャラクターは危険な知識が沢山ある本を調べているので、 Core Rulebookのローアマスターの上級クラスは魅惑的なオプションを提供するかもしれない。君が宗教的なキャラクターをする計画があるならば、Pathfinder Campaign Setting:Inner Sea Godsにあるevangelist、exalted、sentinelの上級クラスを見よ。君がキャラクターとして探偵を作るつもりであるならば、Pathfinder Campaign Setting:Paths of Prestigeのsleepless detectiveの上級クラスを採り、 sleepless detectivesのランクをとることを検討しよう。riftwardenの上級クラスもPaths of Prestigeにあり、危険なポータルを封鎖し、不安定な境界線上から出てくる恐怖と戦うことに捧げるキャラクターにうまく機能する。
いくつかの他の本は君のストレンジ・アイオーンズ・アドヴェンチャー・パスの体験を補うのに役立つ。必要でなくても、このキャンペーンを通じて遊ぶ体験を大いに強化することができる源が以下に記載されている。
刺激的な新しい仕組みで探検し、このキャンペーンによく合ういくつかの選択肢のあるルールのサブ・システムを使用するにはPathfinder RPG Horror Adventuresを参考にすること。このキャンペーンで調査のルールを使用する場合、Pathfinder RPG Ultimate Intrigueを確認し、Pathfinder RPG Occult Adventuresは夢見ることに関した経験に便利である。暗黒神話大系について多くを学び、若干の追加のラヴクラフト的怪物を用いたいのであれば、Pathfinder Adventure Path #46:Wake of the Watcherを確認せよ。最後に君がウースタラヴについて学びたいならば、Pathfinder Campaign Setting:Rule of Fearを一読せよ。
君がストレンジ・アイオーンズのキャラクターに味わい深いキャラクターのオプションを見つけることに興味があるならば、Pathfinder Player Companion:Occult OriginsとPathfinder RPG Occult Adventuresを取り上げよう。
ほとんどどのような血脈であっても最良な選択である一方で、ストレンジ・アイオーンズ・アドヴェンチャー・パスのテーマにかみ合わせたいソーサラーは以下の血脈を考えるべきである:異形、忌まわしき者UM、運命の子、夢紡ぎAPG、心霊体OA、グールMC、harrowHH、皇族の血脈ARG、念術OA。
ブラッドレイジャーは選択肢がかなり少ないが、最もテーマにあった血脈は異形ACG、秘術ACG、運命の子ACG。
ストレンジ・アイオーンズ・アドヴェンチャー・パスのテーマに強く密接したオラクルの神秘はPathfinder RPG Ultimate Magicにある闇の綴れ織と時、Pathfinder RPG Advanced Player's Guideの伝承、Pathfinder Player Companion:Heroes of the Streetsのstreets mysteryである。
ストレンジ・アイオーンズのテーマに沿ったいくつかのウィッチの守護者がある。Pathfinder Player Companion:Champions of Purityにはboundariesの守護者がおり、この世のものならぬ悪と戦うキャラクターとして上手く機能する。Pathfinder RPG Occult Adventuresにはエーテルと精神の守護者が収録されており、ともにこのキャンペーンのテーマの選択とよく合う。Pathfinder RPG Ultimate Magicには狂気、オカルト、前兆、霊、星、時の守護者が収録されており、Pathfinder RPG Horror Adventuresは策謀、退廃、空間の守護者が収録されている。
Pathfinder RPG Occult Adventuresにある以下の念術修養はこのキャンペーンのテーマによく合うものである:唾棄、夢、伝承、幻覚剤。
プレイヤー・キャラクターを悩ませる遁走状態はあらゆる動物の相棒、幻獣、使い魔、守護霊、霊獣にも拡張されており、そうした随伴者たちも同様に自分たちは最近の記憶を思い出したり伝えたりできないことに気が付く。たとえ、君のキャラクターが随伴者を相棒だと思い出せないとしても、そうしたクリーチャーと君との絆は強く真なるものである!
たとえキャンペーンがウースタラヴで始まるとしても、君のキャラクターはどこからでも来ることができ、君のGMが許可するどのような動物の相棒や使い魔の選択からでも開始することができる。君のキャラクターはウースタラヴに到着するずっと前に異国のペットを拾うことができた。
ストレンジ・アイオーンズの多くが雑然とした場所、神秘的な図書館、霊障のある研究所内で起こるので、乗騎と一緒のキャラクターは提案しない。同様に、例外的に大型の動物の相棒を供にするキャラクターは、このキャンペーンの冒険の場所のいくつか(決してすべてではないが)に彼らの動物の相棒を入れるのに苦労するかもしれない。
ストレンジ・アイオーンズでの実直な得意な敵の選択は異形と人型生物(人間)である。2番目に良い選択肢は来訪者(悪)とアンデッドであり、有用な3番目の選択肢は魔獣と粘体である。これらが君のキャラクターが直面する全ての怪物と挑戦を包括しているわけではないが、キャンペーンの敵としてしばしば現れるものである。
このアドヴェンチャー・パスの正統な部分は都市の環境で起こるので、都市は得意な地形として役立つ。しかしPCは小舟での旅も多く経験し、のちには砂漠の地形も経験するので、水界や砂漠の得意な地形は役立つ第2の選択肢である。
共通語はこのキャンペーンで敵、味方両方によって話される最も一般的な言語である。キャラクターが読む大部分の言語は同様に共通語である。このキャンペーンで奇妙な敵と会話をするために、アクロ語を学ぶことは役立つかもしれないが、異形とダーク・フェイのものであるこの言語はキャラクターを開始するための通常ではない技能なのでかなりの正当性を要求される。
君のキャラクターはゴラリオンのどこからでも理論的にはやってくることができるので、Core Rulebookのすべての種族がこのキャンペーンに対してよい選択を提供する。君のキャラクターがキャンペーンが開始する場所ウースタラヴから来るならば、人間が国民の大半を占めているので、そのキャラクターは人間になるだろう。ウースタラヴの人間は一般的にヴァリシア人かケーリド人である。
Core Rulebookにあるものより珍しい種族は考えられる選択肢であるが、変わった種族が恐怖の雰囲気を霧散させてしまうかもしれないので、その選択は注意すること。チェンジリングはこのキャンペーンの味わいのある種族の選択かもしれないが、ナガジは不適当だろう。
たとえ宗教がこのアドヴェンチャー・パスの主題でないとしても、道中で負う避けられない傷に宛がう手当てのために君の集団はクレリックや類似のキャラクターを依然として必要とするだろう。君はグレート・オールド・ワンや外なる神を崇拝するキャラクターをしたくなるかもしれないが、このアドヴェンチャー・パスのための素晴らしい選択肢ではない。君はこれらの邪な存在を崇拝する信徒たちと闘うことになり、暗黒神話大系について全てを知れば未知なる恐怖の妨げになるだろう。セッティング内の他のどのような神もこのキャンペーンで問題なく働くが、ウースタラヴ(このアドヴェンチャー・パスの始まりの地)への繋がりを持つ神格を望むならば、デズナかファラズマを君の後援者として選択することを考慮すること。
君が神格を崇拝し神から力を得るならば、君はその信仰の理解に目覚め、神格とのつながりを感じることができる。善の神格を崇拝するならば、漠然とした罪悪感あるいは的確に指摘することのできない恥で目が覚めるかもしれない。この長引く疑念に関係なく、神格は君に何らかの悪行を贖罪する二度目の機会を与えたのだと君は感じる。
忌まわしい伝説を調査し、遠い見知らぬ地で生存し、言語を絶する恐怖と闘うキャラクターの助けとなれる特技は全て実直な選択であるが、君のキャラクターがこのキャンペーンを完了するのに必要のある才能として特に抜きん出ているものはない。
PCが成功を収めるのに機転を使わないければいけない遭遇と出来事をストレンジ・アイオーンズ・アドヴェンチャー・パスでは含んでいる。調査はキャンペーンの冒険の一部である。プレイヤーが調査のメカニズムで専門知識を持つ必要がない一方で、一部の〈知識〉技能への使用権はパーティで少なくとも1人は持っていることが卓見であろう。これらの中で最も役にたつものは、〈知識:神秘学〉、〈知識:ダンジョン探検〉、〈知識:歴史〉、〈知識:貴族〉、〈知識:次元界〉、〈知識:宗教〉である。
多くの社会的な交流も至る所にあるので、グループでのプレイヤー・キャラクターが〈はったり〉や〈交渉〉を持つことは良いアイデアである。一行は精神病棟から始め、後に神秘的な図書館、気味の悪い地所、忘却された場所を調べるため、〈装置無力化〉にランクを持つ一行の一員がいることは多くの挑戦で有用であろう。
キャラクター作成に関する前述の助言とPCがどのようにキャンペーンを開始するかという先述の説明に加え、ストレンジ・アイオーンズ・アドヴェンチャー・パスを通してプレイする時に考慮すべき更なる問題が僅かにある。
GMを信頼しろ/Trust Your GM:このアドヴェンチャー・パスは標準的ではない方法で開始するので、スムーズに機能させるためにGMとプレイヤーの間で高い信頼性を必要とする。君のキャラクターは過去の設定のほとんどを制御できないが依然として現在の介助を保持したままキャンペーンを開始する。このキャンペーンの開始時での君のキャラクターの最大の動機は恐らく生存すること、精神病棟から逃げ伸びること、そして失われた年月をつなぎ合わせることになるだろう。プレイヤーは過去についての新しい事実の決定ができなかったがため、時が経ち、君のキャラクターが更なる多くの手がかりを発見するにつれ、君が過去について知る新しい事実は不快でイライラさせるものと分かるかもしれない。これらの出来事を現実のことと認めること、そして何が起きたかの疑いを晴らすためにより深く君のキャラクターを調査すること。最大限に物語を楽しむために、この外部からの制御と腐敗から湧き上がる不満をGMあるいは仲間のプレイヤーに向ける代わりに、キャンペーンの敵対者への君の怒りの燃料に用いること。GMはこの信頼を軽く扱うべきではなく、君のキャラクターの動機や君の個人的な限界について君のGMと肯定的な意思疎通を維持することは恐らく意識合わせを継続させ楽しくさせ続けることだろう。
慎重になることを恐れるな/Don't Be Afraid to Be Cautious:君のキャラクターが異常に困難な敵に立ち向かうかもしれない場面がストレンジ・アイオーンズ・アドヴェンチャー・パスに数回ある。戦いを継続するより退くことが時折スマートであり、潜在的な脅威の怒りをかきたてないことが最善であることを覚えておこう。心にこれらの警告を持つことは君のキャラクターを生存させるのを助け、それがキャンペーンで恐怖の飽和した雰囲気を強化することができる。
皆で話し合え/Talk to the Group:ストレンジ・アイオーンズ・アドヴェンチャー・パスはコズミック・ホラーのキャンペーンである。コズミック・ホラーは虐殺のホラーや死体損壊のホラーのような血腥い要素を持ち運ばない一方で、君のキャラクターがこの物語中で遭遇する静かな不穏な要素はたくさんある。一部のプレイヤーはホラーの物語のあらゆる構成要素を快適に思わない。君はホラーの冒険に参加することが何を意味するのかを率直に知り、そうした不慮の事態に備えておくべきである。不穏なキャラクターやクリーチャーだけでなく動揺させるような出来事があるだろう。君が特定の過敏さを持つ場合、GMや他のプレイヤーの仲間と意思疎通することで、彼らが君に必要な物を意識できるようにすること。ホラーをテーマとした冒険への同意の重要性に関する詳細はPathfinder RPG Horror AdventuresのChapter 6を参照せよ。
これらのキャンペーン特徴は キャラクターとストレンジ・アイオーンズ・アドヴェンチャー・パスを結びつけ、このアドヴェンチャー・パスで一行は悪夢の中――精神病棟に捕らわれ、恐ろしい場面に直面しているという――で目覚める。PCには過去の記憶がないが、これらの特徴はキャラクターが誰であるか、あるいは誰であったかという感じを提供する。これらは漠然とした感情や個人的な要素に過ぎないが、キャラクターをよりストレンジ・アイオーンズのキャンペーンと融和させる役に立てる。
〔贖罪の念〕/Driven By Guilt:君は自身の道徳の普通の束縛の範囲外の何かに加わっているという残留する感覚を伴う苦しい体験の後に目が覚める。君がある地点で堕落したか、何か忘れ去られた行動を行うように強制されたかにかかわらず、この罪悪感は世界を襲い利益を略奪する勢力と闘うように誘う。君は現在の状況を、自身を救い出し、この不安な感情を払いのける機会とみなしている。
君は悪のクリーチャーが発動した呪文あるいは擬似呪文能力に対するセーヴィング・スローに+1の特徴ボーナスを得る。加えて1日1回即行アクションとして、君は1ラウンドの間悪のクリーチャーに対して、君の攻撃ロールに君の【魅力】ボーナスを、君の持つクラス・レベル毎に1ポイントの追加ダメージを加えることができる。この特徴を得るためには君は善属性でなければならない。
〔禁欲主義の継続〕/Enduring Stoicism:君が精神病棟で目が覚めると、たとえ君の鼓動が耳を打ち付けていたとしても、君は奇妙な当惑を感じる。君は自身がいるこの状況は恐ろしいと認識するかもしれないが、その恐怖に制御されることは拒否する。余り過剰に心配する価値のあるもののようには感じられない。名状しがたい力と直面するとき、冷静さを保つことが生き続けるのに必要なことを知っている。
君は[恐怖]あるいは[感情]の補足説明を持つ呪文あるいは効果に対する全てのセーヴィング・スローに+2の特徴ボーナスを得る。加えて、人々は君に何を期待すべきなのかわからないので、君は自身の威圧的な存在によって〈威圧〉判定に+1の特徴ボーナスを得る。
〔奇妙なるものの敵〕/Foe of the Strange:君は恐ろしい悪夢の後、勇気づけられるような感覚を覚えて目が覚める。悪夢で見た異様なまでのクリーチャーに怯える代わりに、これらの経験はそうした驚くべき異界の存在に対する心構えをさせた。君は自分が奇妙な状況や胸糞悪い軍勢の犠牲になったということを理解しているが、忍び寄る無力感に屈服することを拒否している。その代わり君は現在の状況の原因である誰に対してでも、あるいは何に対してでも反撃することを誓う。悪夢の産物は君の頭へと恐怖を与えない。君は戦うだろう。
君は異形の変則的能力、擬似呪文能力、超常能力(例えば、ジバリング・マウザーのうわごとや、インテレクト・ディヴァウラーのコンフュージョンなど)に対するセーヴィング・スローに+1の特徴ボーナスを得る。加えて、君が混乱状態となり、そのラウンドのふるまいを決定するためのロールを行うとき、結果から10を引くこと。
〔以前の精神交換〕/Formerly Mind-Swapped:広範な記憶喪失という恐ろしい経験を超えた、奇妙な感覚とともに君は目を覚ます。その経験の完全な集合は――他の多くの記憶と同様――君の精神から拭い去られたが、過去のある地点で、君の精神は時空を超えたところからやってくる異界の存在イシアンのものと交換された。君は、異界の者の身体でイシアンの奇妙な都市を歩き回ったという自分の経験の詳細を覚えていない――これは奇妙な幻覚なのかもしれないとさえ心配している――が、時折この経験の結果として君の洞察力は光輝く。君は現在の状況を調査する際にこれらの異界の存在のフラッシュ・バックに頼ることができることを知っている、これによって君には混乱させてきた世界へのより素晴らしい展望が与えられるのだから。
1日1回失敗した時1つの〈知識〉技能を再ロールすることができる。加えて、君は上限難易度10の代わりに難易度20までの〈知識〉判定を未修得でも試みて良い。
〔組織的な精神〕/Methodical Mind:かすんだ記憶のみで目が覚めるとき、君は慎重に自分の状態の理由と、どこにいるかを判断するために君の考えの目録を作り始める。この行為は君を慰め、そして君は、自分は常に脅威に立ち向かうために自身の秩序だった精神と実質的な試みに頼ってきたことを心の底ではわかっている。君は現在の悲惨な状況を調査する際に、この焦点と感受性を効果的に利用する。
3種の〈知識〉技能を選択すること。君はその〈知識〉技能判定と精神集中判定に+1の特徴ボーナスを得る。加えて、〈知識〉技能を1つ選択すること。調査の時、君は図書館の知識ポイント(KP)を減少させるためにどのダイスをロールするかを決定するとき、その〈知識〉技能の《技能熟練》を持っているものと考慮される。調査のルールに関する詳細な情報はPathfinder RPG Ultimate Intrigueを参照せよ。
〔好戦的〕/Pugnacious:君は最近戦闘中であったかのように、筋肉痛と血まみれの拳とともに精神病棟で目が覚める。君には戦いに勝ったという漠然とした感覚さえある。君はそれを説明することができないが、自分はいつも短気で、自分が追い詰められた時の最初の本能は反抗であることを知っている。精神病棟に拘束されたことで、君に何が起こったのかを把握したいだけでなく、自身を解放し誰かが君をこうしたことを知りたい――そしてその誰かへと借りを返したい。
2体以上の敵の機会攻撃範囲内にいる時、攻撃ロールに+1のボーナスを得る。加えて、1日1回即行アクションとして以下の効果のうち1つを得ることができる:1ラウンドの間近接攻撃の間合いを5フィート増加させることができる、1ラウンドの間ダメージを決定する目的で実際よりも武器のサイズ段階を1段階大きいものとみなすことができる。
〔儀式主義〕/Ritualistic:君は目的意識と魔法の力の疼きとともに目が覚める。君は過去を思い出すことができないことには動揺するが、君と君の仲間が全てに於いて正しい行いをするならば――正しい手順と順序に従って――答えは自ずと明らかになり、君はこの状態から解放されるという勘がする。君は、自分は過去いつも慎重な計画や長年かけて有効性が実証されている証拠へと戻ってきたという感覚を持っているが、自分を苦しめる衝撃によれば、自分はそうした技能をごく最近まで親切からかけ離れた手法に使用してきている。
0レベル呪文を1つ選択すること。君は1日1回、キャラクター・レベルと等しい術者レベルの擬似呪文能力としてこの呪文を発動することができる。この擬似呪文能力のセーヴ難易度は【魅力】に基づいている。加えて、心霊儀式を行うとき、君は全ての技能判定に+2の特徴ボーナスを得る。
〔過敏な精神〕/Sensitive Mind:近くに危険が潜んでいると酷く認識できる精神病棟で君は目覚める。君の記憶はぼんやりとし不明瞭である一方で、周囲のものは活気づき明確に見える。君は、自分は常に明敏であり、唐突な出会いの最中でさえ目の前の人物について多くを理解できると薄々感じている。この感覚は特に君の現在の状況で君を圧倒することがある。
君は〈鑑定〉、〈知覚〉、〈真意看破〉に+1の特徴ボーナスを得、これらの一つ(君が選択したもの)は君のクラス技能となる。加えて、君が念術呪文の発動能力を持たないか《念術感応》特技を持たないとしても、1週間に1回サイコメトリーの心霊技能解放を使用することができる。サイコメトリーやその他の心霊技能解放についての更なる情報はPathfinder RPG Occult Adventuresを参照せよ。
〔真の献身〕/True Devotion:あたかも君の道徳心や信任に深く背いたかのように、君は羞恥心と共に最近の苦しい体験から目覚める。しかし、まるで神が君に2回目のチャンスを与えたかのようにわずかな安堵を感じる。君は何が起こったのかを把握するだけでなく、言語を絶する悪の勢力に反撃したいという衝動を持っている。君の探索の過程で、君の信仰や属性に通常であれば相反する不都合な行動に自分が参加したことが分かった場合、君の新しい正義の信念がため、その出来事は最早神の目から見て君の立ち位置に少しも影響を与えない。
1日1回信仰呪文を発動するとき、君はその呪文スロットの呪文か、1日の呪文使用回数の一つの使用回数を失うことなく呪文を発動することを試みることができる。この試みは20%の確率で成功する。加えて、君が持つ領域あるいは審問を1つ選択すること。君はその領域の力あるいは審問を1日1回追加で使用することができる。君はこの特徴を選択するために信仰呪文の発動能力を持つクラスで善属性でなければならない。
〔神経過敏〕/Twitchy:精神病棟で目覚めた君が最初に考えたことは、君がなぜ明らかに何も覚えていないのかという混乱ではない――安全を見つけたいという突然の衝動である。君は随伴者を除いた全てのものが君を脅すかもしれないと感じ、常に反応することができようにしている。君はじっとすることに大変苦労し、周囲の環境を絶えず探っている。おそらく誇大妄想であろうし、あるいは想像力が活発になりすぎているのだろうが、それが何であれ、君はこれらの感情を磨くことが生存に役立つことを知っている。
君はイニシアチブ判定に+2の特徴ボーナスを得、反応セーヴに+1の特徴ボーナスを得る。
ストレンジ・アイオーンズ・アドヴェンチャー・パスの話の筋は――「どのような出来事がPCたちを入院へと導いたのか」を暴く試みとしていくつかの他の場所を抜けて南へと彼らを誘導する前に、そして責任者に対する復讐の機会を得る前に――最初の冒険のウースタラヴの精神病棟から次なる冒険での近隣の町へとPCたちを導く。下記の内容はウースタラヴに関する一般的な情報である。より多くのことを知りたいのであれば、Pathfinder Campaign Setting:Rule of Fearを参照せよ。
ウースタラヴの不滅の公国はエンカーサン湖の北岸にあり、この文明の厳めしい稜堡は北部のバーバリアンによって囲まれている。過酷な景観と悲劇にあふれた歴史は、注意深い人々に猜疑、宗教的献身、そして迷信を促す。権力と影響力を求めて反目する貴族たちによって統治される緩やかに連携した諸邦の寄せ集めであるウースタラヴは、囁きの暴君のアンデッドの軍勢の手によって奴隷制となっていた国々によって隷属させられるより以前の栄光の哀れな抜け殻である。囁きの暴君の敗北の後、この国の上層階級がその国そのもののために自分たちを見捨てた国と争おうと足掻いている一方で、平均的なウースタラヴの市民ははるかに恐ろしい現実に直面している。
数百年もの隷属とこの田園地方を苦しめている未だ残る化け物は、ウースタラヴの人々を魔法、宗教、異邦人、そして仲間の市民さえをも疑わせるようにしてしまった。その変わった孤立した性質を超えて、ウースタラヴの人々はしばしば陰気な世界観を持つことがある。彼らは苦しみを覚える生活に身を任せ、より良い人生に対する望みが存在することを示唆する人々の歴史を何も見ない。その民衆の身体的、心理的な負担にもかかわらず、ウースタラヴは非常に丈夫で粘り強い家柄を育てる。どんなに悪くなっても、常に悪化する可能性があると歴史が示していると男性と女性は信じている。
ウースタラヴはその地方の農民にほとんど与えていないが、多くの大都市圏の住民はいくらかうまくやっており、その地域が提供する学習と文化の施設は内海地方全域から貿易と旅行者を引き寄せている。首都カリファスはエンカーサン湖のほとりにあり、その霧に覆われた通りには国内で最も有名な貿易と学術の施設の一部がある。北部ではカーカウの街は音楽と演劇、その他の芸術の文化を誇り、その優雅な建築物は最もエキゾチックであるタルドールの宮殿にも匹敵するといわれている。一方でウースタラヴの北西部の郡は貴族的な支配が崩壊し、貴族のない地方自治の民主的な政府を作り上げ、自らを自治領と呼び、地方のウースタラヴの抑圧されている人々に微かな希望を与えている。
キャラクターは2番目の冒険までツグミ沼の町へ到着しないが、彼らが最初に見つけるだろう精神病棟は茨石島に建造された。この島はダンヴァー川に位置し、ツグミ沼からそれほど遠くない。
当初ケーリド人の放浪者によって確立された居住地1つが、7世紀近くもの間ダンヴァー川の河口で何らかの形で存在し続けている。初期の居住者の多くはこの地域は呪われていると感じたが、彼らはここにきれいな水と大量の釣りの恩恵を見いだした。人々が生き残るために必要なあらゆる資源を享受していてさえ、危険はあらゆる影の背後に潜んでおり、土地を均す努力はいつも悪い方向に向かうように感じられた。
ツグミ沼はウースタラヴの郡であるヴァーセクスの権力の座であり、地域を支配する一族であるロウルズの本拠地である。町は不吉な部分にもかかわらず、適切な見せかけを維持している。ハサートン・ロウルズIV世伯爵は大部分で不介入の統治の方法を採用し、郡の自治の多くを選出されたあるいは任命された市長に任せている。ツグミ沼の場合この官僚は行政官ティルス・パジェットである。伯爵はほとんどの時間を自らの邸宅である虹丘館に篭りながら未知なる話題に関する秘術の大冊と太古の魔道書の熟読に費やすため、この貴族の隠遁の傾向がツグミ沼の日々の活動に影響を与える事は希である。
ツグミ沼は主に漁村であり、温暖な気候とアヴァロン湾の実り豊かな海が年間を通じて釣り人に有益な活動を提供する。ボートは湖の表面が凍結する数日間だけ動かせなくなり、しかしそれでも、港の穏やかな入り江は氷上穴釣りの理想的な場所となる。