カタペシュは、ガルーンド大陸東岸、オシーリオンの南、ネックスの北に位置する、巨大なバザールで知られる国である。
この地はかつて少数の隊商が、ノールなど荒野に住む襲撃者と戦いながら通行しているだけの地域だった。
2216AR、女族長と強力なジニー使い Kinroth に率いられたノールの部族がネフェシュティ Nefeshti というジニーに率いられた the Templars of the Five Winds というジャニの英雄の一団に打ち負かされる。
2217AR、オシーリオンから追放されてきたサーレンレイ信徒により サーレンレイ砦 Sarenrae's Bastion、2375ARにそこから袂を分った人々によって Golden City という居住地が建設される。the Templars of the Five Winds は出会うたびに彼らに幸運や凶運をもたらしたという。
2589AR、Golden City は砂嵐によって滅ぶが、2689AR砂漠から現れた謎の女性 Nimhar によって再建され、Sandstar と改名される。
3249AR、錬金術師が Sandstar 近辺に生えるサボテンから麻薬成分が抽出できることを発見し、犯罪者や商人が街に押し寄せる。
3250AR、山賊 Jade-Eye が Nimhar を殺害して町の支配権を奪い、カタペシュと改名する。Nimhar の死体はいつの間にか消えうせていたという。その後、彼は周囲の居住地を併合し、この名は近隣地域全体を指す名称となる。
3725AR、いずこからパクトマスターが現れ、麻薬商人の巣窟であった都市カタペシュを制圧。以後彼らは、この地域全体に勢力を広げ、商業の極めて盛んな国家カタペシュを繁栄させている。[2]
カタペシュを支配するのはパクトマスターと呼ばれる正体不明の商人の一団である。彼らは長いローブと仮面で完全に姿を隠し、身長は7フィートほどもある。声や体型は人型生物のものだが、実際のところ彼らは異星人である。奴隷の魂を使って強化したゴーレム軍団や、効率よく相手の弱点を突く戦い方で知られる治安部隊 the Zephyr Guard など、大きな力を持ってはいるが、「望むとおりに為せ、ただし商業活動を妨害してはならない」という有名な法で知られるように、住民に対してはほとんど規制をしようとしない。その結果、カタペシュは奴隷や麻薬など、他所では手に入らない様々な商品やサーヴィスを求めて世界中から商人が集まる悪名高い巨大バザール The nightstalls が繁栄している。
早春と晩秋に数週間激しい雨が降る以外は、乾燥した暑熱な気候である。
北部はサバンナ地帯であり、オシーリオンとの交易ルートにノールの山賊兼奴隷商人が巣食っている。
南部は乾燥した砂漠地帯で、ペシュというサボテンが栽培されている。この樹液からは中毒症状が緩い麻薬が取れ、この地域の重要な特産品となり、また国の名前の由来ともなっている。
カタペシュKatapesh:黄金都市と呼ばれる内海地域第2の都市。
ソルクSolku:西部に存在する、かつてサーレンレイ砦とよばれた国内第2の都市。治安のよい交易路の中継点だが、しばしば近くのthe Barrier Wall mountains のホワイト・キャニオンに住むノールの襲撃を受け、余りの苦難に女神に見捨てられたと感じて改名した。現在はアイオーメディのパラディンの一団が留まって防衛している。
オケノOkeno:沖合いのストーンスパイン島 Stonespine Island にあるカタペシュ第3の都市。内海地域最大の奴隷市場があり、しばしばアンドーラン海軍のグレイ・コルセアの襲撃を受ける。島の内陸部には奴隷たちがさまざまな義務を果たすために育てられ訓練されている残酷な城砦があるという噂だが、部外者の侵入は禁止されている。
バグ港Bug Harbor:ネックスとの国境であるエレミオン河 Elemion River のほとりにある小さな港。その周りの湿地はトンボ、アメンボ、ハエ、カな無数の昆虫が生息し、錬金術師や薬草師にとって重要なさまざまな貴重な物資の宝庫である。
エル・ファタールEl Fatar:北部の荒野にある、無数の地下墓地が存在する遺跡。多くの冒険者が探索し、アンデッドなどの怪物と信じられないほどの財宝が発見されている。
ペイル山Pale Mountain:ブレイゼン連峰 Brazen Peaks とバリアーウォール山脈 Barrier Wall Mountains との連結点近くにある、ノールの部族が数多く住む山。山の溶けた中心部から現れた火の精霊によって建てられたという伝説的な暴獣神の寺院“獣の館”があり、彼らの多くは伝統的なラマーシュトゥの教えを捨て、より破壊的なロヴァググに帰依している。近年 腐肉王 Carrion King という族長に各部族が糾合され、周辺地域への侵攻は時間の問題だと考えられている。
ホワイト・キャニオンWhite Canyon:ソルクの近くにある国内第2のノール居住地。現在はさほど組織化されていないが、the Red Sultana なる者がソルク再奪取を目指してその旗の下に戦士たちの軍勢を集めているという噂がある。
ゾルケット鉱山Zolurket Mines:かつてはドワーフのプラチナ鉱山だったが、アンデッドが出現するようになって彼らに放棄された後はゾルケット(ケレッシュ語で闇の死)という名でよばれるようになった。何人かの勇敢な探検家によると、鉱石はそのまま残っているが、種類はよく分からないがアンデッドが出るという。Tib というドワーフのゴーストが出て、何かを探しているという噂もある。
[1] Erik Mona et al.(2008). Campaign Setting, p. 86. Paizo Publishing, LLC. ISBN 978-1-60125-112-1
[2]Stephen S. Greer and Amber E. Scott .(2009). Dark Markets A Guide to Katapesh, p. 26. Paizo Publishing, LLC. ISBN 978-1-60125-166-4
[3] James Jacobs et al.(2011). The Inner Sea World Guide, p. 114. Paizo Publishing, LLC. ISBN 978-1-60125-169-2
カテゴリー:内海地域