ニューメリア は、アヴィスタン亜大陸のセレン河流域の最も北に位置する、かつて異星人の船が墜落してきた地である。
ニューメリアはかつてケーリド人の部族が少数いるだけの地だった。
はるか昔、おそらく“暗黒の時代”よりも前に、天空から火球と共に金属の山が落ちてきた。それは小は拳大、大は都市ほどもある破片を撒き散らしながら地面に激突し、星の雨 the Rain of Stars として記録された。以後、ニューメリアはアダマンティンなど7種の希金属の合金であるスカイメタルの産地(“ニューメリア鋼”としても知られる)として内海地域全域で高い評価を受けることになる。それ以外に遊牧部族によって貨幣として知られる用途不明の銀色の円盤や、シルヴァー・マウントの破損した壁面から流れ出る奇妙な麻薬などの出土品もあるが、最も名高いのは技術同盟に突撃兵または護衛として仕えている機械人 Gearsmenとして知られる人間サイズの自動機械である。彼らは情け容赦ない機械のような効率性を持って任務を遂行する。噂によると巨大な昆虫型の、恐るべき力で炎と金属を打ち出すことができる自動機械もあるという。
今日でも“星の雨”の時の未知のエネルギーの影響で、この地には奇怪な変異体が存在している。
現在は南の諸国からメンデヴの十字軍に加わろうとする騎士たちの行路となっているが、至高王以下ニューメリア人たちは彼らが少しでもこの地に貨幣を使うように暖かく歓迎し、名誉ある死の待つ戦地へと見送る。
ニューメリアの現在の支配者は、黒き至高王 the Black Sovereign を名乗るケヴォス・クル Kevoth-Kul である。多くのケーリド人の部族を束ねるウォーロードであった彼は、ニューメリアをかつてないほど強大にしてくれるだろうと期待されていたが、空から落ちてきた破片のうち最大のものであるシルヴァー・マウントの秘密を暴こうとする秘術者集団“技術同盟” the Technic League の言葉に耳を傾けるようになってから、血腥い快楽に耽る暴君と変わってしまった。シルヴァー・マウントから漏れ出す麻薬作用のある奇妙な液体の中毒になってしまっているが、彼の支配は未だ磐石である。
スターフォール Starfall:シルヴァー・マウントの上に築かれたニューメリアの首都。シルヴァー・マウントから発掘された鋼鉄の兵士たちが支配者の気まぐれを執行すべく、不潔な街路をうろつきまわっている。マウントの周囲は厳重に警戒され、至高王の権威に挑戦しようとする者は確実な死が与えられるが、星からの知識や財宝を求める賢者・冒険者はゴラリオン中から押し寄せている。
アーラモー Aaramor:ワールドウーンドからのデーモンの侵攻を食い止めている城砦。バーバリアンたちがゴルムに礼拝する名高い礼拝堂がある。
ハジョス・ハカドス Hajoth Hakados:かつてはメンデヴに向かおうとする聖騎士たちはセレン河を北西にたどり、ストラスタに入っていた。ストラスタ失陥後は、多くの聖騎士たちは東にある交易都市ハジョス・ハカドスに流れ、そこから川沿い西へ向かって“霧と帷”湖の港湾都市チェズド Chesed を目指すようになった。武器と信仰心だけを持ってメンデヴに向かおうとする騎士たちを食い物にすべく、イカサマ商人と山賊がこのルートに集まっている。
フェル谷 Felldales:“星の雨”の傷痕である数百の広い谷が広がる地。スカイメタルを豊富に産出するが、他では見られない変異体や、宇宙からの色彩が獲物を求めてうろつきまわっている。
ウリオン城 Castle Urion:川を遡上してきた十字軍兵たちが最初に見るニューメリアの居住地。グリフィンに騎乗するアイオーメディの騎士たちが新兵たちを見守り、導く。
[1] Erik Mona et al.(2008). Campaign Setting, p. 114. Paizo Publishing, LLC. ISBN 978-1-60125-112-1
[2] James Jacobs et al.(2011). The Inner Sea World Guide, p. 85. Paizo Publishing, LLC. ISBN 978-1-60125-169-2
カテゴリー:内海地域