この巨体は50の頭とその倍はある無数の腕を持つ、塔のような人型生物に見える。その手にはそれぞれ異なる武器を身につけている。
経験点1,228,800
混沌にして悪/超巨大サイズの来訪者(悪、混沌、他次元界)
イニシアチブ +6; 感覚 暗視120フィート、全周囲視覚、トゥルー・シーイング; 〈知覚〉+35
アーマー・クラス 42、接触4、立ちすくみ40(+30外皮、-8サイズ、+2【敏】、+8鎧)
ヒット・ポイント 516(24d10+384); 再生10(エピック)
頑健 +30、反応 +12、意志 +18
防御能力 スペル・ターニング; ダメージ減少 20/エピックおよび秩序; 完全耐性 [精神作用]効果、[即死]効果、病気、老化; 呪文抵抗 35
移動速度 60フィート; エア・ウォーク
近接 +3武器=+38/+33/+28/+23(6d6+22、加えて“百腕の大旋風”)または叩きつけ=+35(4d8+28、加えて“朦朧化”)
遠隔 岩=+22/+17/+12/+7(8d8+31/18~20)
接敵面 30フィート; 間合い 30フィート
特殊攻撃 岩投げ(200フィート)、朦朧化叩きつけ
擬似呪文能力 (術者レベル20; 精神集中+27)
常時:エア・ウォーク、スペル・ターニング、トゥルー・シーイング
回数無制限:センディング、チェイン・ライトニング(難易度23)、グレーター・ディスペル・マジック、ビストウ・カース(難易度21)、ファインド・ザ・パス、ブレイク・エンチャントメント
3回/日:マス・サジェスチョン(難易度23)、グレーター・スクライング(難易度24)、ヒール
1回/日:インプリズンメント(難易度26)、ストーム・オヴ・ヴェンジャンス(難易度26)、グレーター・スペル・イミュニティ、ドミネイト・モンスター(難易度26)
【筋】48、【敏】15、【耐】43、【知】22、【判】19、【魅】24
基本攻撃 +24; 戦技ボーナス +51; 戦技防御値 71
特技 《イニシアチブ強化》、《鋭敏感覚》、《強打》、《クリティカル熟練》、《攻防一体》、《渾身の一打》、《渾身の一打強化》、《上級渾身の一打》、《神速の反応》、《突き飛ばし強化》、《薙ぎ払い》、《薙ぎ払い強化》
技能 〈威圧〉+34、〈軽業〉+29(跳躍+41)、〈交渉〉+31、〈真意看破〉+35、〈製作:どれでも〉+33、〈生存〉+28、〈脱出術〉+29、〈知覚〉+35、〈知識:次元界〉+33、〈知識:歴史〉+30、〈登攀〉+46、〈はったり〉+34
言語 共通語、天上語、奈落語; テレパシー300フィート
その他の特殊能力 次元跳躍、戦場の御手
出現環境 気候問わず/地形問わず
編成 単体
宝物 ×3(50~100個のさまざまな武器、その他の宝物)
創られてすぐに神々に敬遠された恐るべき嫌悪の対象、ヘカトンケイルは存在するティタン族の中でおそらく最も力があり破壊的な種族であろう。ティタン――神々の神聖な力を妬む――が神格に対して反旗を翻した時、ヘカトンケイルは武器をとった最初の者たちの中にいた。彼らは自らに対して創造者が抱く嘲りにうんざりしていたのだ。エリュシオンのティタン族の裏切りにより、神々はヘカトンケイルを速やかに捕らえることになった。ヘカトンケイルの力は莫大なもので、その死の同胞とともにアビスに送ったとしても消滅させることはできないと神々は気づいた。その代わりに神々は、多次元宇宙で見つけられるうちで最も遠い場所にヘカトンケイルを追放した。そこにヘカトンケイルは知るもののない永劫の時を、一面の無の中で漂流した。そして孤独から産み出された狂気が彼らの記憶を破壊した。しかし彼らの狂気により、その粉々になった巨体は世代交代のために破壊の探求の中で子孫を産み、強力な子孫たちが次元界の境界をぶち壊し、多次元宇宙を自由に彷徨う方法を見つけ出したのだ。
神は最初にヘカトンケイルを3体だけ創り出した。アビスへのゲートを見張らせる究極の戦士を作ろうとしたのだ。この3体の古代のティタンは次元界の間にある誰も知らない空間を、今なお漂っている。現在世界を闊歩するヘカトンケイルは、これらの低級な落とし子に過ぎない。しかし「低級な」ティタンと言われてなお、彼らは想像を絶するほどの力をその内に保ち続けている。彼らはそもそも、何故この忘れられた先祖たちが消滅することになったのかについての知識を持っていない。そのために彼らは世界すべてを破壊しながら、その答えを探して彷徨っている。彼らは歪められた暴力機関であり、その存在は命の破壊と、神に仇なす古来の戦争を思い起こすもの(彼らの先祖の記憶を持つ悪霊のみから受け継いだもの)に基づいている。
多次元宇宙に戻ってその姿を現したヘカトンケイルは異なる領域に現れるため、落とし子同士が顔を合わせたという記録はない。2体以上のティタンが協力した場合に生じる力を推測することは学者にはできないため、いつでも1つの世界で遭遇するヘカトンケイルが1体だけだというのは幸運なことだ。彼らは次元界に1人でやってくる。はるか昔に生まれた時の目的が何だったのか思い出すまでは、いかなる同盟も考慮することもない。
ヘカトンケイルは血縁関係にある他のティタンと同程度に頭が良い。しかし彼らは一見した限りでは破壊的で、思慮のない素振りをしながら歩き回っている。彼らは他のクリーチャー、とりわけ慈悲を求める者たちとやりとりするために時間を費やすことはない。ヘカトンケイルは破壊のために創られた。そしてそれこそが彼らが望むこと全てである。その拳を振るって打ち砕き、武器の一撃で貫くことは彼ら自身との対話である。彼らは主を持つことはなく、真の名を呼ばれるまではその終わりない蹂躙をやめることはない。真の名を定命のものが知っていることはほとんど――あるいはまったく――ない。彼らの名を知るものがそれをただ囁くだけで、その単なる言葉が計り知れないほどの力をもたらす。
召喚術士がこのティタンが現在いる次元界を知っており、かつヘカトンケイルが呼ばれるのを待っている真の名を知っているのであれば、ヘカトンケイルをゲートのような強力な呪文によって喚び出すことができる。しかしながら、この特徴的な巨人の力はあまりに強力であるために操ることなどできず、例え元いた領域へと追放されるとしても、ヘカトンケイルが訪れた世界を視界に収めている時間は長くなく、すぐにその世界を破壊する欲望を満たすため、招来を敢えてするのは狂っているか堕落した者のみである。
決して寝付くことのない見張りであるため、ヘカトンケイルは50の頭と100の腕を持つ。その100の手から投げられる岩は巨礫ほどに大きく、ヘカトンケイルがそのような岩を投げるところを見て生きていたものは、空から山まるごと1つが降ってきたようだったという話を伝えている。この世のものではない膂力に加えて、ヘカトンケイルは電光と雷鳴の力を巧みに制御することでも知られている。個々のヘカトンケイルの到来は、その地域における突然の荒々しい嵐が端緒となる。全てのティタン同様、ヘカトンケイルは不死なるものであり、討伐されるまで死ぬことはない。