この粘ついた髪のハグはオーガのように背が高い。その印象は虚ろで、ぼんやりとした表情のイボだらけの顔は仮面に過ぎないかのようだ。
出典 Bestiary 6 8ページ
経験点 2,400
真なる中立/大型サイズの人造
イニシアチブ +3; 感覚 暗視60フィート、発生源感知; 〈知覚〉+10
アーマー・クラス 20、接触12、立ちすくみ17(+8外皮、-1サイズ、+3【敏】)
ヒット・ポイント 75(7d10+37); 高速治癒1
頑健 +4、反応 +8、意志 +6
ダメージ減少 5/アダマンティンおよび殴打; 完全耐性 人造の種別特性; 呪文抵抗 17
弱点 発生源への依存
移動速度 40フィート
近接 噛みつき=+13(1d6+7)、爪(×2)=+13(1d6+7、加えて“つかみ”)、または叩きつけ=+13(1d8+7)
接敵面 10フィート、間合い 10フィート
特殊攻撃 かきむしり(爪×2、2d6+10)
擬似呪文能力 (術者レベル7; 精神集中+7)
【筋】25、【敏】16、【耐】―、【知】13、【判】13、【魅】10
基本攻撃 +7; 戦技ボーナス +15(組みつき+19); 戦技防御値 28
特技 《鋭敏感覚》、《頑健無比》、《追加HP》(B)、《無視界戦闘》、《腕力による威圧》
技能 〈威圧〉+14、〈隠密〉+6、〈交渉〉+7、〈真意看破〉+3、〈知覚〉+10、〈はったり〉+7、〈変装〉+0(+4発生源の姿に見せる際); 種族修正 +4〈変装〉発生源の姿に見せる際
言語 共通語、巨人語
その他の特殊能力 複製装備
オルター・エゴとは、クリーチャーの人格の一部が自由になり、独立した存在として接合したときに生じる。オルター・エゴはほとんどの場合、意図的ではなく偶然に生み出され、通常はトラウマや見当識障害、突然の無力化といった瞬間に発生する。多くの場合、発生源はオルター・エゴが生み出されたことに気づかない。特にこの新しいクリーチャーが発生源に即座に相対するのではなく、隠れたり逃亡したりした場合には。
オルター・エゴの体は血や肉ではなく、外見も匂いも感触も発生源の体に似た心霊体でできている。心霊帯は骨や外骨格に比べて密度が低いため、オルター・エゴは発生源よりも軽く、軽快に動ける。オルター・エゴは発生源に似ているが、話し方は平坦で感情がなく、目は無表情で顔にも表情がない。オルター・エゴの行動や表情は人形のようで不快感を与える。発生源をよく知っているクリーチャーは、〈知覚〉判定(オルター・エゴの〈変装〉との対抗判定)に成功するか、難易度20の〈真意看破〉判定に成功すれば、オルター・エゴが複製体であることに気付く。オルター・エゴはその発生源によく似ているため、混乱を引き起こしたり、発生源の評判を悪くしたりすることがある。例えば、有名なパラディンのオルター・エゴが危険から逃げるところを目撃されたりすれば、そのパラディンの勇気は疑われるかもしれない。オルター・エゴの存在を示す最初の兆候として、異常な行動の噂が挙げられる。
オルター・エゴの精神は、発生源の精神よりも限定的で、より集中している。オルター・エゴは生み出された時の発生源の記憶と能力をすべて持っている(準備していた呪文も含む)が、人格は発生源の精神の一面を中心にしていて、それがオルター・エゴの行動の基準となっている。この一面とは、オルター・エゴの創造の原因となった出来事の間に表に出てきたものだが、発生源が隠しておきたい性格の一面であることが多い。例えば、密かに髪を疑っているクレリックが無神論者のオルター・エゴを生み出したり、店の家賃を支払うために冒険者や旅行者を騙し取る事ことがあるアルケミストが貪欲なオルター・エゴを生み出してしまったり、というように。殺人を好むオルター・エゴの話はよくあるが、実際には大げさな話で、暴力のような極端な行為を誘発する麺を持ったオルター・エゴはごく少数だ。オルター・エゴは一般に冷静に行動し、属性は中立だ。ほとんどの振る舞いにおける最大の危険は、発生源の評判と精神の平穏であろう。
オルター・エゴの心は唯一の目的に固執しており、まず怠けることはない。オルター・エゴは自分を支配する一面に基づいて、短期的な目標を積極的に、執拗に追求する。例えば、発生源が恥をかかされたときに生まれたオルター・エゴは、その出来事を目撃した人を探し出して貶めるかもしれない。逃走中にできた殺人を好む一面を持つオルター・エゴは、連続虐殺を行うかもしれない。このような意図は発生源の限られた性格から生まれるものであり、オルター・エゴの計画は発生源の全体的な目標と相反することがよくある。例えば、復讐に燃えるオルター・エゴの発生源はオルター・エゴを生み出した出来事を忘れたいと思っているかもしれないし、几帳面で規律正しい暗殺者の発生源から生まれた殺人を好むオルター・エゴの場合、オルター・エゴの無謀な殺人は暗殺者の計画を妨害する可能性が高い。
オルター・エゴの性格やどのように生み出されたかに関わらず、オルター・エゴはその発生源を憎む。場合によっては、オルター・エゴは発生源を単に嫌っているだけかもしれない。ほとんどのオルター・エゴは、最初は自分の発生源を殺すつもりはないが、本能的な憎しみにかられて、発生源の前にいるときに殺意を抱くことがある。自己嫌悪や自殺未遂から生まれたオルター・エゴは、積極的に発生源の破滅や暗殺を企てることがある。このような嫌悪感にも関わらず、オルター・エゴはその発生源の位置を常に閃光のように受け取り、発生源から1マイルより離れると衰弱してしまう。発生源のすぐ近くにいると、オルター・エゴは発生源を認識し、その思考を読み取ることができる。発生源が死ねば、オルター・エゴは自由に活動できるようになり、オルター・エゴと気づかれることなく何日も、何週間も、何年も過ごす。この事実が、オルター・エゴを発生源の殺戮に駆り立てる。あるいは、発生源と入れ変わり、どこか静かで平和な生活を過ごすオリジナルを維持する計画を建てる。
特定の念術アイテムや魔法のアイテム(ミラー・オヴ・オポジションなど)はクリーチャーの複製を生み出せる。オルター・エゴ種テンプレートはそのようなクリーチャー、とりわけ念術呪文の使い手や他の念術に敏感な個人の複製を表現するのに適している。複製を作成した効果に応じて、複製は類似したものか逆転したものの何れかになる。標準的な複製を作成する効果とは異なり、複製は通常、その発生源と同じ属性を持つが、逆転した複製は全く逆の属性を持つ。
オルター・エゴは人工的なクリーチャーである。彼らは呼吸せず、食事や睡眠も不要で、積極的に生きているクリーチャーのふりをしているのでない限り、そのようなことに時間を費やすことはほとんどない。
オルター・エゴのサイズは発生源と同じだが、重量はその2/3しかない。
"オルター・エゴ"は【知力】が3以上の実体のあるクリーチャー(以後"基本クリーチャー"と表記する)に追加できる後天性テンプレートである。オルター・エゴは以下に表記した点を除き、基本クリーチャーのデータと特殊能力をすべて用いる。
種別:クリーチャー種別は人造に変化する。属性の副種別と種別に関する副種別を除き、全ての副種別は保持される。
アーマー・クラス:発生源と同じように見えるが、オルター・エゴは骨や外骨格よりも柔らかい心霊体が固まったものだ。クリーチャーの外皮ボーナスを2減少させる(最小+0)。
ヒット・ダイス:クリーチャーの全ての種族ヒット・ダイスをd8に変更する。クラス・レベルから得られたヒット・ダイスは変化しない。人造であるオルター・エゴは【耐久力】を持たないが、サイズに応じたボーナスヒット・ポイントを得る(Pathfinder RPG Bestiary 307)。
防御的能力:オルター・エゴは強迫観念的な性質を持ち、他のクリーチャーなら受けるかもしれない打撃を、比較的容易に受け流すことができる。オルター・エゴは高速治癒1(ヒット・ダイスが11以上の場合、高速治癒3)、ダメージ減少 5/アダマンティン(ヒット・ダイスが11以上の場合、ダメージ減少 10/アダマンティン)、人造が持つ標準の完全耐性と特性を得る。
攻撃:オルター・エゴは基本クリーチャーが持つ全ての肉体武器、人工的な武器攻撃、武器への習熟を保持する。加えて、オルター・エゴはそのサイズに基づいた叩きつけ攻撃を得るが、実際のサイズより1段階大きいかのようにダメージを算出する。
能力値:【敏】+4。オルター・エゴは【耐久力】を持たない。人造であり、ヒット・ポイント、セーヴ難易度、その他【耐久力】に基づくデータを決定する際、【耐久力】を10として扱う。
特技:オルター・エゴはボーナス特技として《追加HP》を得る。
技能:オルター・エゴは発生源であるかのように見るものを混乱させる。オルター・エゴは発生源であると見せかけるために行う〈変装〉判定に+4の種族ボーナスを得る。
その他の特殊能力:オルター・エゴは以下のその他の特殊能力を持つ。
発生源感知(超常)/Sense Progenitor:オルター・エゴ種クリーチャーは複製された元のクリーチャー(発生源)の方向と向きを理解する。この感知は(念視)を妨害する効果によって妨げられる。オルター・エゴは発生源に対して常にディテクト・ソウツとトゥルー・シーイングの効果を常に発動している(術者レベル20)。この能力は解呪できない。
発生源への依存(超常)/Progenitor Dependence:発生源が生きている限り、オルター・エゴは複製された元のクリーチャー(発生源)から1マイルを超えて離れると、吐き気がする状態になる。
複製装備(超常)/Replicated Gear:オルター・エゴは自分が誕生した瞬間に発生源が持っていた衣服や装備品(ワンド、巻物、ポーションのような使い捨て、あるいは回数制限のあるアイテムを除くが、魔法のアイテムを含む)を複製して持つ。これらはオルター・エゴの精神エネルギーで固定された心霊帯で作られている。オルター・エゴが憑依してから1ラウンド後(もしくはオルター・エゴが破壊されてから1ラウンド後)、これらは溶けて薄い銀色の粘液になってしまう。