2011年5月22日(火) 原文“I Drank What? An FAQ on Poison”
かなり長い間、パスファインダーRPGの毒の扱いについて少しばかりの混乱が続いている。毒を一服盛るだけであればごく単純な話であるが、ルールは毒を重ねて使用し、より強力な効果を引き出すために累積することを可能にしている。残念ながら、複数の毒を扱うこのルールはタイミングの問題を抱えており、プレイ中に裁くには少しばかりコツがいる。この問題はいつものFAQに答えるには少しばかり複雑すぎるので、デザイン・チームはこの問題をより深く考察する解決する有効な見解を考え、このブログに書くことにした。
毒は災厄のカテゴリーの下にぶら下がっている。それぞれセーヴ、頻度、効果、治療を持つ。わかりやすく言えば、キャラクターが毒に接触したときにセーヴが発生することになる。セーヴに成功したなら、毒の効果は全くなく、「治療」の項目は気にしなくて良い。セーヴに失敗してしまったら、キャラクターは毒の効果を受けた後、「頻度」に従いセーヴを続けなければならず、セーヴを失敗するごとに毒の効果を受け続ける。この時点で毒の効果から逃れる方法は、「治療」の項目の条件を満たすことだけであり、通常は1回から複数のセーヴィング・スローに成功することである(複数回の成功が必要な場合は連続して成功する必要があるのが通例である)。
キャラクターが複数の同じ毒の対象となった場合、興味深いことになる。一服ごとに難易度に+2され、頻度の持続時間に元の頻度の半分の持続時間が追加される。しかしながら、タイミングの問題で、少しばかり混沌とした状況を生み出している。どの時点で難易度の上昇を適用するのか? どの時点でセーヴィング・スローを行うのか? どの時点で持続時間が増加するのか? 処理を簡潔にするため、下記に示すガイドラインを使って貰いたい。
キャラクターが(どんな方法によっても)毒に晒されるときは常に、このキャラクターは毒を無効にするためにセーヴィング・スローを行う。
現在キャラクターに効果を及ぼしている有効な一服ごとに、セーヴィング・スローの難易度は+2ずつ上昇する。既に治療済みの毒、頻度の項に記述のある期間を終えている毒、初期セーヴィング・スローの成功により無効化された毒、以上の毒が難易度を上昇させることはない。
キャラクターのターンに毒の影響を判定するためにセーヴィング・スローを行わなければならないが、キャラクターのターン内であればどの時点でセーヴィング・スローを行っても構わない。毒に侵されたキャラクターがターンを遅らせた場合(訳注:遅延・待機アクションなどによって)は、毒のセーヴィング・スローを直ちに行う。毒のセーヴィング・スローが遅れることはない。
毒に潜伏期間の記述がなければ、追加の毒が加えられた場合であっても、キャラクターはセーヴィング・スローに失敗する度に毒の効果を受ける。
「頻度」の項に記述のある毒の持続時間の合計は、記述された持続時間の半分のみ増加し、初期セーヴィング・スローに失敗したときのみ増加する。初期セーヴィング・スローに成功した場合は、持続時間が増えることはない。
キャラクターが複数の吸入型・接触型の毒より同時に受けている場合、高くなった難易度に対し一度だけセーヴを行う。セーヴに成功した場合、キャラクターはすべての毒の対象となるが、失敗したセーヴィング・スローの効果を一度だけ受ける。セーヴに成功した場合、すべての毒の服用が無効になる。
最後に、キャラクターが同じ毒ではなく類似の毒(たとえば若干異なる頻度や難易度を持つ毒など)に晒された場合、名前や他の項目が全く同じであっても個別に処理を進める別々の毒として扱う。
この決まりを覚えたなら、毒の使い方と解決方法を示したシミュレーションを試してみよう。下記の例の全てでグリーンブラッド・オイルを使う。致傷型の毒、難易度は13、頻度は4ラウンドにわたり1回/4ラウンド、【耐】に1ダメージの効果、治療には1回のセーヴが必要になる。
シナリオA:ヴァリロスはグリーンブラッド・オイルを塗った毒矢に当たってしまった。彼は難易度13の頑健セーヴに失敗し、【耐】に1ポイントのダメージを負う。彼のターンの終了時、この毒へのセーヴィング・スローに失敗し、さらに【耐】へ1ポイントのダメージを負うことになった。彼の次のターンの前に、もう一度命中を受け、難易度15の頑健セーヴを行わなければならなくなった(既に1服の毒が効果を発揮しているため)。このセーヴにまたしても失敗したので、さらにもう1ポイントの【耐】ダメージを受け、毎ラウンド行うセーヴ難易度は15に上昇し、持続時間の合計は2ラウンド延長することになった。
シナリオB:ヴァリロスは、敵の射手1体のターンにおいて、2本のグリーンブラッド・オイルを塗った毒矢に当たってしまった。彼は最初の難易度13の頑健セーヴに失敗し、1ポイントの【耐】ダメージを負う。このため2本目の毒矢に対するセーヴ難易度は15となる。このセーヴには成功したので有害な効果は受けない。彼は、自分のターンに難易度13の頑健セーヴを行う必要がある(効果を発揮している毒は1服だけなので)。彼はこのセーヴに成功したのでダメージを受けず、毒の影響は終了した。彼が次のターンに再度命中を受けたら、セーヴ難易度は13に戻る。
シナリオC:ヴァリロスは2本のグリーンブラッド・オイルを塗った毒矢に当たってしまった。彼は難易度13の頑健セーヴに失敗し、1ポイントの【耐】ダメージを受ける。その結果2本目の毒矢に対する難易度15の頑健セーヴに成功させなくてはならない。彼はこのセーヴに失敗したので1ポイントの【耐】ダメージを受けた。彼のターンにおいて、もう一度難易度15の頑健セーヴを行う必要があったが、これに失敗したためさらにもう1ポイントの【耐】ダメージを受けた。彼の次のターンでは、敵の射手が難易度20を持つ特殊なグリーンブラッド・オイルを放った。哀れにもこの毒矢がヴァリロスを射止め、セーヴに失敗し、2つの毒を別々に処理を進めなければならなくなった(2つの毒が同一でないため)。目を覆うような事態であるが、さらにもう1発、通常のグリーンブラッド・オイルを塗った毒矢が命中し、難易度17の頑健セーヴを行う羽目になり、これまたセーヴに失敗し、持続時間の合計は8ラウンド(この内1ラウンドは経過済み)に伸びた。かわいそうなヴァリロス。
御覧のように、毒は命取りになりかねない。スパイダーやセンチピードに見られる致傷型の毒を使うモンスターを軽く見てはならない。対策として巻物を買いだめるなり、ニュートラライズ・ポイズンを2発準備するなりしておくことをお勧めするが、いっそのことワンドで用意しておくという手もあるぞ。
リード・デザイナー:ジェイソン・ブルマン(Jason Bulmahn)