このゴリラに似た4本腕のクリーチャーは、艶のない白い毛皮に覆われており、高々といっぱいまで背を伸ばしながら怒りの叫びを上げる。
経験点2,400
真なる中立/大型サイズの魔獣
イニシアチブ +7; 感覚 暗視60フィート、鋭敏嗅覚、夜目; 〈知覚〉+11
アーマー・クラス 18、接触12、立ちすくみ15(+6外皮、-1サイズ、+3【敏】)
ヒット・ポイント 73(7d10+35)
頑健 +9、反応 +8、意志 +5
移動速度 40フィート、登攀40フィート
近接 噛みつき=+10(1d6+4)、爪(×4)=+10(1d4+4、加えて“かきむしり”)
接敵面 10フィート; 間合い 10フィート
特殊攻撃 かきむしり(爪(×4)、1d4+6)
【筋】19、【敏】17、【耐】18、【知】2、【判】12、【魅】7
基本攻撃 +7; 戦技ボーナス +12; 戦技防御値 25
特技 《イニシアチブ強化》、《技能熟練:知覚》、《追加HP》、《鋼の意志》
技能 〈隠密〉+5、〈知覚〉+11、〈登攀〉+12
ギラロンはジャングルで最も危険な捕食生物のうちの1つである。ギラロンは攻撃的で、肉食で、なわばり意識が強く、しかも実に強力である。もっと悪いことに、ギラロンの筋肉質な4本腕は手の届く所にいるあらゆるものに信じがたいほどのダメージを与えることができる。その風変わりな外見により、剣闘士の戦いでの見世物として、ギラロンはある種の都市ではよく知られたクリーチャーである。飢えさせられて互いに戦わされるか、名声と悪名を高めることを熱望する剣闘士の相手をするのだ。ギラロンを殺した者はみな確実な名声を得るが、それでも、このような獰猛な獣との戦いはほとんどが、独力でこれを倒そうと試みるほどの愚か者の哀れな死をもって決着する。成獣のギラロンは体長8フィート(約2.4m)で、広い胸板を持ち、分厚い純白の毛皮で覆われている。体重はおおよそ800ポンド(約360kg)である。
ギラロンは雄のボスに率いられる群れで暮らす。単体でいるギラロンは通常、自分の群れを作ることに取りかかろうとしている若い雄と見てよい。ギラロンはなわばり意識が強く、警告なしに侵入者(これには迷い込んだ他のギラロンも含まれる)を攻撃する傾向がある。ギラロンのグループは一列に並んで攻撃し、獲物を崖などの障害の方へと誘い込もうとする。あるいは、物音を立てずに目標の周りで輪になって、突然距離をつめる。
ほとんどのギラロンは獣と大して変わらないが、一部の部族に伝わる古代の彫り物と口伝は、ギラロンが必ずしも今日あるような愚かなクリーチャーではなかったということを示唆している。こうした言い伝えによると、最初のギラロンは野蛮なるデーモンの神々を召喚して大いなる力を得た人間であったが、そのせいで人間性を失ってしまったのだという。世代を重ねるごとに、この種の最初のギラロンはよりいっそう野蛮で野性的になっていった。同じ言い伝えが主張するには、この種の知性のあるギラロンはジャングルの奥深くに今もなお生息しているという。その知性に加えて、この種のギラロンは残虐な行為をひどく欲している。“ハイ・ギラロン(貴種ギラロン)”と呼ばれるこの種のクリーチャーはほとんど常に“混沌にして悪”であり、【知力】が6以上ある。知性のあるギラロンは一般に、その地域の人間が話すどんな言語でも話すことができる。大抵、この種のギラロンは知力の劣る同族たちの並外れて大きな群れの指導者になり、ジャングルや山岳にある奇妙な廃都に住み着く。そして、食料や宝物のために村々に対する略奪行為に及ぶのだ。原始的な部族の中には、悪の神々やデーモンの手先としてこの種のギラロンを崇めるところもある。また、少数のハイ・ギラロンは部族のオークに手を貸したり、ことによると子をなしたりすることもあることが知られており、4本腕の“白いオーク”の伝説に真実味を添えている。