ブロートメイジ

ブロートメイジ Bloatmage

出典:パスファインダー・キャンペーン設定:流れ者の街/City of Strangers P60

血操術師は俗にブロートメイジと呼ばれ、「魔法は血に流れる」という古い格言に文字通りの真実があると信じる秘術使いである。ブロートメイジは体の安全装置を魔法無効にし、必要以上の血液を生成することで魔法の能を飛躍的に向上させることができるが、その代償として醜な肥大したの塊になってしまう。外観上の変化よりも重要なのは、ブロートメイジの体にかかる負荷が本人や周囲の者にとって危険なものであるということだ。ブロートメイジの脳に掛かる脳圧が高くなり過ぎると、殺人的な怒りに駆られ、その後に意識を失って直ぐに出血してしまう。このような明確な欠点があるため、多くの者はブロートメイジの道を歩むことを選ばないが、ブロートメイジたちは自分たちの足跡を辿る勇気もなく反対する者たちを退ける。彼らは自己完成の追求のためには、他のすべての問題は二の次であると指摘する。

役割:ブロートメイジは申し分ない呪文使いであり、戦闘では重砲として重宝する。しかし、緊張が高まると暴走する可能性があるため、敵だけでなく味方にとっても危険な存在とも成り得る。

属性ブロートメイジには特定の属性はないが、より大きな魔法の能を得るという目標への一途な関心(一般の人々は彼らの行う儀式的な自傷行為を嫌う)により、少なくとも部分的には中立となる傾向がある。

必要条件

ブロートメイジになるためには、キャラクターは以下の基準すべてを満たさなければならない。

特技《ブロートメイジ継承者》《呪文熟練:いずれかの系統
呪文3レベル秘術呪文を発動する能

クラス技能

ブロートメイジクラス技能は次の通り:〈飛行〉【敏】〈治療〉【判】〈知識:すべて〉【知】〈呪文学〉【知】〈魔法装置使用〉【魅】

レベル毎の技能ランク2 +【知】修正値

ヒット・ダイス種類d6

クラスの特徴

レベル

基本攻撃ボーナス

頑健セーヴ

反応セーヴ

意志セーヴ

特殊

1日あたりの呪文回数

1

+0

+0

+0

+1

蓄血、血液膨張(1回/日、1d4)、血液凝固異常

秘術呪文が発動できるクラスレベルに+1

2

+1

+1

+1

+1

秘術呪文が発動できるクラスレベルに+1

3

+1

+1

+1

+2

肥満

秘術呪文が発動できるクラスレベルに+1

4

+2

+1

+1

+2

血液膨張(2回/日、2d4)

秘術呪文が発動できるクラスレベルに+1

5

+2

+2

+2

+3

秘術呪文が発動できるクラスレベルに+1

6

+3

+2

+2

+3

秘術呪文が発動できるクラスレベルに+1

7

+3

+2

+2

+4

肥満

秘術呪文が発動できるクラスレベルに+1

8

+4

+3

+3

+4

血液膨張(3回/日、3d4)

秘術呪文が発動できるクラスレベルに+1

9

+4

+3

+3

+5

秘術呪文が発動できるクラスレベルに+1

10

+5

+3

+3

+5

血脈吸収

秘術呪文が発動できるクラスレベルに+1

ブロートメイジ上級クラス特徴は以下の通り。

武器と防具の習熟ブロートメイジ武器防具習熟を新たに得ることはない。

1日あたりの呪文回数/習得済の呪文ブロートメイジレベルを得たに、キャラクターは自分がこの上級クラスを取得する前に属していた、秘術呪文が発動できるクラスいずれか1つのレベルが上がったかのように、1日あたりの呪文回数が増加する。しかし、追加の1日あたりの呪文回数、追加の修得呪文数任意発動できる呪文使いの場合)、呪文を発動する際の有効レベルの上昇以外に、そのクラスレベルが上がっていたなら得られたはずの他の利益を得ることはない。キャラクターがブロートメイジになる前に秘術呪文が発動できるクラスを複数取得していた場合、レベル上昇毎に1日あたりの呪文回数を決定するために、その新たなレベルをどのクラスに適用するか決定する必要がある。

蓄血/Blood Pool:1レベル点で、ブロートメイジは蓄血ポイントを獲得する。このポイントにより、ブロートメイジの体内に過剰な血液を供給することで、秘術通常レベルよりも増大させることが可能となる。ブロートメイジ通常の蓄血ポイントはブロートメイジレベルに等しい。蓄血ポイントを呪文発動に消費することで、その呪文スロットを使用せずに発動させることができる。任意発動できる呪文使いの場合は呪文スロットは未使用のままとなり、呪文の準備が必要な使いの場合は発動しなかったかのように即座に思い出す。この方法で呪文呪文スロットを保持するには、その呪文レベルに等しい数の蓄血ポイントが必要であり、これらのポイントは呪文を発動する際に消費される。蓄血ポイントによって、未修得の呪文や準備していない呪文が発動可能になることはない。

また、ブロートメイジは血液膨張能で自分を追い込むことで蓄血ポイントを増やすことができるが、その行使は危険な賭けとなる。ブロートメイジの現在の蓄血ポイントがクラス・レベルより大きく、クラス・レベルの2倍以下の場合には不調状態となる。蓄血ポイントがブロートメイジレベルの2倍を超えた場合、即座に殺人的な怒りに駆られ、1d6ラウンドの間、または蓄血ポイントが0になるまで(いずれか早い方)、最もダメージの大きい攻撃や能を味方や敵に向けてランダムに繰り出す。怒りが収まると蓄血ポイントは0になり、ヒット・ポイントは-1となり瀕死状態に陥る。

日々、ブロートメイジ休息して呪文回復する際にはクラス・レベルまで蓄血ポイントが回復するが、それ以上に回復することはない(ブロートメイジレベルレベルが5で、現在8ポイントを持っている場合、余分なポイントを消費するまで8のままとなる)。

一部のブロートメイジは体の調子を整えるためにヒルを使ったり、血を抜くなどの儀式を常に行っている。これらの儀式は日々の呪文の準備中に行われなければならず、結果が判明した後に血液膨張のロール(下記参照)から1ポイントを差し引くことができる。ただし、その代償として【耐久力】への-2の累積しないペナルティが発生する。このペナルティは、ブロートメイジが1日儀式を放棄(呪文の準備も含む)した場合を除き、すぐに除去することはできない。

血液膨張/Bloat:ブロートメイジフリー・アクションとして直ちに2d4の追加蓄血ポイントを得ることができるが、そうすることで大きなリスクを負うことになる。1レベル点でブロートメイジは1日に1回、1d4ポイントを獲得する。4レベル点で回数は1日に2回となり、ダイス・ロールは1d8となる。8レベル点で回数は1日に3回となり、ダイス・ロールは1d12となる。

血液凝固異常/Hemophilia:ブロートメイジは出血効果に対して特に弱く、出血効果を止めるための〈治療〉判定難易度通常より5高くなる。また、ブロートメイジ出血性の傷を受けると、蓄血ポイントを1失う。この蓄血ポイントの損失は、複数の出血攻撃に対して累積するが、同一の攻撃ダメージを受ける毎に発生するものではない。

肥大化/Corpulence:3レベル点でブロートメイジはかなりの巨漢になり、血を含んだ脂肪の付いたによって+1の外皮ボーナスを得る。7レベル点で外皮ボーナスは+2となるが、移動速度が10フィート減少する。このペナルティ《ブロートメイジ継承者》特技ペナルティ累積する。この速度低下は5フィートが下限となり、魔法飛行効果にも響しない。

血脈吸収/Absorb Bloodline:10レベル点でブロートメイジは、ソーサラーの血脈を一的に利用することができるようになる。その血脈に関連する血を摂取することで、あたかも自分の秘術の合計術者レベルブロートメイジレベルを含む)に等しいレベルソーサラーであるかのように利用できる。血脈を持つソーサラーまたはその血脈に属するクリーチャーの新鮮な血液(1ポイントの【耐久力】ダメージを与える)を1パイント飲むことで、ブロートメイジは1時間の間、自分のレベルに等しい血脈の力ボーナス呪文習熟などは含まない)を使用する能を得る。この能は1日に1回使用可能で、血液を飲むには通常1分を要するが、《ポーション作成》特技を持つブロートメイジは血液を蒸留してポーションとして保存することで、標準アクションで飲むことができる。

吸収した血脈は、ブロートメイジソーサラーレベルの元々の血脈に加えられる。血液を飲むことで体的な栄養を得ることはないが、ブロートメイジヴァンパイアを結びつける話の多くは、この習慣によるものだろう。

ソーサラーの持つ血脈に加え、血脈に関係するクリーチャーを以下の表に示す。GMの判断で、同様に作用するものが他にも存在することもあるだろう。

異形全ての異形
奈落の者全ての混沌にして悪属性来訪者
秘術全ての秘術の術者、または3レベル以上の秘術呪文または擬似呪文能力を持つ全てのクリーチャー
天上の者全ての善属性来訪者
運命の子占術呪文を発動できる全てのクリーチャー
全てのドラゴンおよびドラゴン種別クリーチャー
元素体および血液を持ち、元素またはエネルギーの副種別冷気)を有する全てのクリーチャーサラマンダーなどを指し、ファイアー・エレメンタルは該当しない)
フェイ全てのフェイおよびノーム
地獄の者全ての秩序にして悪属性来訪者
アンデッド体および血液を持つ全てのアンデッドクリーチャーヴァンパイアグールなどを指し、スケルトンは該当しない)

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