出典 Paths of Prestige 60ページ
幻術を極めようとする者の多くは、神秘、反射、ヴェイルの女神シヴァナーを崇める。彼女は、特に敬虔な崇拝者、卓越した技術を持つ者、あるいは単に彼女の目に留まった者に、幻想と欺瞞の本質に関する強力な洞察力を授ける。この希少な人々は、ヴェイルド・イリュージョニストとして知られ、第七のヴェイルの愛弟子とされている。
ヴェイルド・イリュージョニストは、あらゆる形態の幻術に精通しているが、主に幻覚の発動を得意とする――自身の真の姿を変えたり隠したりする呪文を。ほとんどのヴェイルド・イリュージョニストは1つの変装を長時間続けることに不快感を覚える。そのため彼らは自身の外見を日毎にまたは時間ごとにさえ変えることを好む。そのため社会に溶け込むことは難しく、ほとんどのヴェイルド・イリュージョニストは新しい町を訪れるたびに新しい顔を身につけ、放浪の旅に出ることとなる。
ヴェイルド・イリュージョニストになるためには、キャラクターは以下の基準すべてを満たさなければならない。
技能:〈はったり〉5ランク、〈変装〉5ランク、〈知識:神秘学〉2ランク
呪文:3つの異なる幻術呪文の発動することができ、うち1つは2レベル以上でなければならない。
ヴェイルド・イリュージョニストのクラス技能は、以下の通り:〈はったり〉【魅】、〈変装〉【魅】、〈知識:神秘学〉【知】、〈知識:宗教〉【知】、〈呪文学〉【知】、〈隠密〉【敏】。
日毎の呪文 | ||||||
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1 |
+0 |
+0 |
+0 |
+1 |
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2 |
+1 |
+1 |
+1 |
+1 |
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3 |
+1 |
+1 |
+1 |
+2 |
ヴェイル蓄積(聴覚) |
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4 |
+2 |
+1 |
+1 |
+2 |
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5 |
+2 |
+2 |
+2 |
+3 |
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6 |
+3 |
+2 |
+2 |
+3 |
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7 |
+3 |
+2 |
+2 |
+4 |
ヴェイル高速化(即行) |
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8 |
+4 |
+3 |
+3 |
+4 |
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9 |
+4 |
+3 |
+3 |
+5 |
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10 |
+5 |
+3 |
+3 |
+5 |
以下のすべてがヴェイルド・イリュージョニスト上級クラスの特徴である。
武器と防具の習熟:ヴェイルド・イリュージョニストは追加の武器や鎧の習熟を得ない。
ヴェイル蓄積(擬呪)/Veil Pool:ヴェイルド・イリュージョニストは、魔法のエネルギーの蓄積から力を引き出し、幻術を強化する。このヴェイル蓄積はクラス・レベル+【判断力】、【知力】、または【魅力】修正値に等しいポイントを持つ(キャラクタは1レベルの時点で選択し、それ以降変更することはできない)。ヴェイルド・イリュージョニストが呪文を準備するか呪文スロットを回復すると、ヴェイル蓄積は1日1回更新される。
標準アクションとして、ヴェイルド・イリュージョニストは、自身のヴェイル蓄積から1ポイントを消費して、ディスガイズ・セルフ呪文として外見を変えることができる。これはヴェイルド・イリュージョニストのクラス・レベルに等しい時間数だけ持続する(幻覚)効果である。効果を看破するための難易度は15+ヴェイルド・イリュージョニストのヴェイル蓄積に残っているポイント数に等しい。
3レベルの時点で、ヴェイルド・イリュージョニストは、変装した時に知覚される聴覚(音)の特質を変えることができる。
5レベルの時点で、ヴェイルド・イリュージョニストは知覚される触覚(接触)特質も変更することができ、使い魔の声を模倣することができる。9レベルの時点で、ヴェイルド・イリュージョニストは鋭敏嗅覚、擬似視覚、または振動感知などの変則の感覚さえも騙す。
シヴァナーのヴェイル/Sivanah’s Veils:ヴェイルド・イリュージョニストは女神シヴァナーが好む姿で身を隠すことを学ぶ――人間、ハーフリング、エルフ、ノーム、サイクロプス、ナーガ。ヴェイルド・イリュージョニストがヴェイルを会得すると、たとえそうすることが変装の限界を超えたとしても、ヴェイル蓄積から1ポイントを消費して、そのヴェイルの種族のメンバーとして変装することができる。これらの種族の1種類に変装すると、〈変装〉判定にクラス・レベルに等しい追加のボーナスを得る。各ヴェイルは、ヴェイルド・イリュージョニストに追加の能力を与える。ディスガイズ・セルフの擬似呪文能力の効果下に依然としてある間に別のヴェイルで覆うことはフリー・アクションであり、ヴェイル蓄積から追加のポイントを消費することはない。
人間:1レベルの時点で、ヴェイルド・イリュージョニストは自身が発動することができるウィザード/ソーサラーの呪文リストから幻術呪文を1つ選択し、同じレベルでクラスの呪文リストに呪文を加えることができる。呪文が既に自身の呪文リストにある場合、それを呪文書、使い魔、または修得呪文リストに加える。ヴェイルド・イリュージョニストがレベルを上げるたび、追加の幻術呪文を選択することができる。
ハーフリング:2レベルの時点で、ヴェイルド・イリュージョニストは呪文発動を変装するために幻術呪文を発動している間、フリー・アクションとしてヴェイル蓄積から1ポイントを消費することができる。呪文を発動している時にその呪文を識別しようとするクリーチャーは意志セーヴに成功するか(難易度 =15+ヴェイルド・イリュージョニストのヴェイル蓄積に残っているポイント数)、その呪文をヴェイルド・イリュージョニストが選択した呪文を誤認しなければならない。幻術呪文は真の呪文と同じレベルでなければならず、ヴェイルド・イリュージョニストが発動することができるものでなければならない。
エルフ:4レベルの時点で、ヴェイルド・イリュージョニストは呪文抵抗を迂回するための術者レベル判定を再ロールするための割り込みアクションとして、ヴェイル蓄積から1ポイントを消費することができる。最初のロールの結果が明らかになる前にこの能力を使用しなければならず、2番目の結果が悪かったとしても2番目のロールを採用しなければならない。
ノーム:6レベルの時点で、ヴェイルド・イリュージョニストは標準アクションではなく即行アクションとして、(幻覚)、または(紋様)に精神集中ためにヴェイル蓄積から1ポイントを消費することができる。
サイクロプス:8レベルの時点で、ヴェイルド・イリュージョニストは次のターン開始時までトゥルー・シーイング呪文の利益を得るためにフリー・アクションとしてヴェイル蓄積から1ポイントを消費することができる。
ナーガ:10レベルの時点で、幻術呪文を発動している間のフリー・アクションとして、ヴェイルド・イリュージョニストはヴェイル蓄積から1ポイントを消費して、幻術を自身に巻きつけることができる。幻術を看破するクリーチャーは、ヴェイルド・イリュージョニストがもう一度呪文を発動したかのように最初の半透明の輪郭の中に2つ目の幻術を見る。事実上、クリーチャーが最初の幻術を看破したあと、その場所に2つ目の幻術を見て、それを個別に看破するために試みなければならない。ヴェイルド・イリュージョニストは最初に発動する時に2つ目の幻術の特徴を決定しなければならない。2つ目の幻術が最初の幻術と特に酷似している場合、それを学ぶまたは作用しようとするクリーチャーは効果をカンパするためのセーヴに+4のボーナスを得る。
ヴェイル高速化/Quick Veil:5レベルの時点で、ヴェイルド・イリュージョニストは移動アクションとしてヴェイル蓄積能力で自身を変装させることができる。7レベルの時点で、このアクションは即行アクションとなる。
真のヴェイル/True Veil:10レベルの時点で、ヴェイルド・イリュージョニストはヴェイル蓄積から1ポイントを消費して、自身の変装に現実味を持たせることができる。ヴェイルド・イリュージョニストのディスガイズ・セルフの擬似呪文能力は、(ポリモーフ)効果として扱うが、(幻術)の系統のままで、[影]の補足説明を得る。他のクリーチャーは効果を幻術として認識するための意志セーヴをもはや得ないが、依然としてヴェイルド・イリュージョニストが変装を使用していることを認識するための〈知覚〉判定を行うことはできる。
ヴェイル蓄積で人型生物に変装した場合、オルター・セルフの利益を得る。サイクロプスまたはナーガに変装した場合、【筋力】に+4のサイズ・ボーナス、【敏捷力】に-2のペナルティ、+4の外皮ボーナス、および変装するクリーチャーが持つ以下の能力のいずれかを得る:30フィートの穴掘り移動速度、90フィートの登攀移動速度、90フィートの飛行移動速度(良好の機動性)、90フィートの水泳移動速度、90フィートの暗視、夜目、凶暴性、思考防御、毒、唾。この効果は人型生物に変装している場合は、ヴェイルド・イリュージョニストのレベルに等しい分数の間、サイクロプスまたはナーガに変装している場合はレベル毎に1ラウンドの間持続する。