河川諸王国 は、アヴィスタン亜大陸の北部の“霧と帷”湖 the Lake of Mists and Veils と中央部のエンカーサン湖 Lake Encarthan の水を集めるセレン河 Sellen River とその支流によって寸断された、小国が乱立する混沌の地である。
かつてこの地はキョーニンのエルフたちが狩場としていた。
人間の勢力が伸びて来て以降の歴史は到底辿ることができないが、小国の興亡と絶え間ない戦争が続いていた。
例外的に、安定した政治権力を確立してこの地域の混沌から離脱した国が2つだけあり、ニューメリアとラズミランである。
年に1回、最大の都市ダガーマークに各国の代表が集まって話し合いで解決できることを話し合う Outlaw Council が開催される。決議にはさほどの強制力はない。また、他にも地域的な同盟関係や一時的な連合は多く存在するが、共通の外敵が存在しない限り長く続くことはない。
ダガーマーク Daggermark:地域最大の都市。大きな生産力と河川諸王国最大の軍隊を持つ。2重の城壁で囲まれており、内側のダガー砦 the Dagger Keep には都市の富裕層と権力者が住む。支配者はマルトロ・リヴォンダール Martro Livondar だが、軍隊の半分の指揮権はドワーフの the Lord Captain Jallor Clovesh が持ち、暗殺者と毒師のギルドの意向も無視することはできない。毒薬と暗殺の伝統でゴラリオン中に有名で、そのため侵略を受けることもほとんどない。暗殺者ギルドの頭目はレディ・スミロス Lady Smilos で、彼女は呪い、魔法の毒、モンスターとの不慮の遭遇を用いた暗殺を行う。毒師ギルドにおける彼女の五分の姉妹分が東方エルフのドルイドにして薬草師トラグシ Tragushi で、常に十数匹の毒蛇を引き連れている。
グラルトン Gralton:ガルトの革命で追放された貴族たちが作った国。故国の領地とそこに残した財産を取り戻すことを熱望し、しばしば冒険者たちに救出または奪回ミッションを依頼する。
ランブレス Lambreth:アンドーランから追放されてきた残忍な騎士 Arnefax が作った国。ナイトメアに騎乗し、この地域では珍しい重装騎士部隊を擁する。
ミヴォン Mivon:征服者コーラルの時代のブレヴォイから逃れてきたアルドーリ流の剣匠が作った国。沼地に囲まれており、ウナギや魚が豊富に取れる。現剣匠ラストン・セライン Raston Selline は上品ぶった外面の裏で、密偵のネットワークを使って町を支配しているが、時にチンピラや厄介者の冒険者と共に沼地に出かけ、忠実な護衛だけを連れて帰ってくることがある。「ミヴォンのウナギは人の肉を食っている」とはよく言われる。
ピタックス Pitax:誇大妄想のニューメリア人が作った国。ガラクタめいた芸術品と詩人にあふれたけばけばしい町で、支配者は自分を全てを征服する神だとみなしているが、国境を接するブレヴォイとニューメリアの蛮族と存亡をかけた闘争を行っている。
セヴンアーチズ Sevenarches:かつてエルフが建設した、かつてフェイの世界とつながっていたという石のアーチ門がある。エルフが去った後、the sect of Oakstewards が居住地を作った。エルフやその他の外来者がアーチに近づくことを厳しく禁じている。
タイモン Tymon:タルドール第五次遠征軍の英雄である剣闘士が建てた国。高名な剣闘学校と闘技場がある。ハーフオークのチャンピオン Ullorth Ungin が支配し、ラズミランの侵入に対する防波堤となっている。
[1] Erik Mona et al.(2008). Campaign Setting, p. 124. Paizo Publishing, LLC. ISBN 978-1-60125-112-1
[2] James Jacobs et al.(2011). The Inner Sea World Guide, p. 162. Paizo Publishing, LLC. ISBN 978-1-60125-169-2
カテゴリー:内海地域