ブレヴォイ は、3世紀前に謎めいたイオバリア人の征服者コーラル Choral によって建てられた、アヴィスタン亜大陸で最も東北に位置する国である。
ブレヴォイはかつて漁労と襲撃で生計を立てる北の国イシア Issia と、タルドール人の植民者が建てた南の農業国ロストランド Rostland に分かれていた。
4499AR、征服者コーラルが300の兵と数匹のレッド・ドラゴンと共に襲来。両国を屈服させてブレヴォイを建国した。以後コーラルの子孫である Rogarvia 家による野蛮な支配が行われていた。
4699AR、Rogarvia 家の面々とレッド・ドラゴンは謎の失踪を遂げた。短い混乱の後、現在はかつての Issia の支配者であった家系のノレスキ・サートヴァ Noleski Surtova が王位についているが、両国を結び合わせていた勢力の消失により、内戦勃発は時間の問題であろうと思われている。
現在はサートヴァ家が the Ruby Fortress と the Dragonscale Throne を保持しているが、その支配がいつまで続くかは不明瞭である。7つの大貴族の家系がブレヴォイの覇権を狙っている。
ガレス家 House Garess:ゴルシュキン山脈の東の麓を本拠とし、ドワーフ氏族と強い繋がりがある。
レベダ家 House Lebeda:レイカル湖 Lake Reykal の南西の平原を支配し、湖の通行料を握る。
ロドヴカ家 House Lodovka:“霧と帳”湖のアキュベン島と湖岸の中央部に位置し、湖の制海権と伝統的な水上輸送路を押さえる。
メドヴィド家 House Medvyed:グロンジ森 the Gronzi Forest の多くを領する最東部の家。自然を崇拝する“古き道”を未だに保っている。
オルロヴスキィ家 House Orlovsky:北東部を支配し、伝統的にケチな政治には関わらないようにしようとしている。
ロガーヴィア家 House Rogarvia:現在失踪中。
サートヴァ家 House Surtova:最も古く最も栄養力のある家系。北西部と Port Ice を支配する。
ブレヴォイは Issia の勢力範囲であった北部と、Rostland の支配していた南部ではっきりと地理的特徴が別れている。
北部は“霧と帷”湖 Lake of Mists and Veils 南岸に面する寒冷な丘陵地帯であり、農耕は不可能である。the Surtovas という湖賊と無頼の家系が1000年以上支配していた。資源も人口も乏しいこの地には強大な軍事組織などは無かったが、巧妙な策略家であり敵の裏を掻く事で生き延びてきた。
南部は肥沃な平野で、近隣の河川諸王国、ニューメリア、メンデヴの穀倉地帯となっている。植民が始まってすぐ、河川諸王国の山賊に攻め込まれ、植民者のリーダー Baron Sirian First と山賊の頭目との決闘で勝負を付けることになった。Baron は破れたが、数年の修業の後、剣豪 Sirian Aldori として帰還し、ロストランドを取り戻した。アヴィスタン無双として今も怖れられているアルドーリ流 the Aldori dueling style の誕生である。
ニュー・スティーヴン New Stetven:ブレヴォイ中央部のニードル湖沿岸に位置するRogarvia 家が治めていた都市。セレン河を通じて、ブレヴォイの穀物、魚、木材、鉱石と近隣諸国のエキゾチックな物資が取引される交易都市として繁栄している。
レストヴ Restov:最南端にあるロストランドの伝統を保った自由都市。古風なタルドール文化と北の蛮族文化が交じり合っている。比較的豊かなため、暇人の小領主や商人の子弟が多く、酒場に繰り出しては身につけたアルドーリ流やタルドールの剣術で決闘に興じたり、王への不満を吐き出したりしている。適切な指導者が見つかれば反乱の温床となるだろう。
スカイウォッチ Skywatch:ブレヴォイ東部国境の山岳地帯に存在する都市。明らかに人類よりも大きな種族によって建てられており、この地域のいかなる居住地よりも古い天文台があり、その機能は完全に生きている。かつて Rostland の Aldori 家がここに拠って最後の抵抗を行っていたが、コーラルによって徹底的に破壊され、再建された。その内情は一切秘密にされており、Rogarvia 家が失踪した今でも外部との交流は一切行われていない。
アイスライム連峰 Icerime Peaks:ブレヴォイの東の国境にある、カスマロンのイオバリアとの境界である山脈。夏ですら氷で覆われている。スカイウォッチを始めとする、イオバリアやもっと古い時代の遺跡が点在している。かつてコーラスの征服の最後にアルドーリの兵士たちが立てこもり、ドラゴンによって焼き払われた火の谷 Valley of Fire には、未だにいかなる生命も住まず、兵士たちの冷たい影がうろついているという。
[1] Erik Mona et al.(2008). Campaign Setting, p. 66. Paizo Publishing, LLC. ISBN 978-1-60125-112-1
[2] James Jacobs et al.(2011). The Inner Sea World Guide, p. 50. Paizo Publishing, LLC. ISBN 978-1-60125-169-2
カテゴリー:内海地域