五王山脈 はドルーマとアンドーランの間に位置する山脈であり、ゴラリオン最大のドワーフ居住地である。その名はかつてケルスの和約に署名した伝説的な5人の王たちにちなむ。
―4987AR、スターストーン落下 Earthfall によって大きな被害を受けたダークランドから逃れた Tar Taargadth 帝国のドワーフたちはトラグの神託に従い地表に到達する(the Quest for Sky)。彼らは先んじて地表に現れ勢力を張っていたオークと戦うため、各地に10のSky Citadel を築き、荒野に対する文明の防波堤となった。
1551AR、オークとの抗争の末、Tar Taargadth の中央政府滅亡。各 Sky Citadel は独力でオークやその他の脅威と対抗することになり、4つの Citadel を残して残りは陥落することになる。
1557AR、五王山脈のSky Citadel であるハイヘルム Highhelm にドワーフ王国 Gardadth が建国され、その後この地に矢継ぎ早に敬虔王国 Saggorak、不落王国 Doggon、勤労王国 Grakodan、永遠王国 Taggoret の5王国が立つ。
1571AR、第一次五王戦争。以後700年間抗争と内戦が繰り返される。
2332AR、ドルーマのカリストレード教徒の仲介により、ケルスの和約 the Kerse Accord が成り、五王山脈に平和がもたらされる。
2548AR、オークとの数十年に及ぶ戦争の末、五王山脈の王国群は滅亡し、ハイヘルムだけがドワーフに残される(荒廃時代 Wild Era)。
3001AR、第6の山王とも呼ばれるゴラリオン最強のレッド・ドラゴン Daralathyxl が五王山脈に到来。
3279AR、Khadon が Splitmist Pass の戦いでオーク軍を撃退し、 Tar Khadurrm 帝国を建国する。その新都 Jernashall はイズガー、シェリアックス側の都市 Raseri Kantontとの交易で大いに繁栄した。
3980AR、ドロスカー火口 Droskar's Crag 噴火(The Rending)。Jernashall、Raseri Kanton 壊滅。Tar Khadurrm は衰退を始める。
4382 AR、ドゥエルガルの守護神である労苦の神 Droskar のクレリック Ordlik Talhirk が王位を奪って圧制を行う。五王山脈から多くのドワーフが逃れ、この地は荒廃し、多くの居住地がモンスターの巣食う廃墟と化す。
4466AR、神権政治は崩壊し、帝国は滅亡する。その後現在まで250年間、ゴラリオンのドワーフは都市国家以上の共同体を作ることができず、再び帝国を築き上げる日を夢見ながら、ばらばらに散らばって生活している(衰退時代 the Collapsed Era)。
五王山脈は鉱物資源に恵まれた岩がちで峻険な山脈であり、時折存在する台地にはドワーフによって穀物栽培や山羊の飼育が行われている。麓は森林地帯で、地下のドワーフたちに材木や燃料を供給している。山頂付近は雪を冠しており、水の供給源となっている。また、いくつかの山頂付近には五王戦争の終結を記念して当時の王たちの巨大な彫刻がなされている。
地下には山脈全域にわたってドワーフたちによる広大できちんと計画されかつ整備され、ルーンが掘り込まれている洞窟網が広がっている。それらの入り口には外敵に備え巨大な鉄の門が建てられている。ハイヘルムを始めとする都市は、ドワーフの歴史、伝説、英雄、指導者を讃えるタペストリーや旗で飾り立てられており、それらの装飾や黄金の輝きを愛でるため、暗視能力のあるドワーフたちには本来必要ないにもかかわらず随所に照明が設けられている。
ハイヘルム Highhelm:最古のSky Citadel の1つであり、五王山脈のみならず全ゴラリオンのドワーフの文化的な中心。ケルスの和約に署名した五王を讃えて山肌に彫られた巨大な the Carved Kings のほど近くにある。この地域に点在する都市国家群の名目的な首都として扱われ、各都市の首長のゆるやかな連合である“Gathering Council" の開催地。周辺諸国の間の流通の中継点として繁栄する。
ラーラッド Larrad:最初に地表に現れたドワーフたちが神々を祭り、名誉ある死者を讃えるために築いた寺院から発展した都市。この地域の宗教的中心。
ロルグリムダー Rolgrimmdur:ダークランドへの通路を警備している城塞都市。他のドワーフ国家やドルーマ、アンドーランに傭兵を貸し出し、攻城兵器を輸出する。
タゴレッド Taggoret:ドワーフがこの地の洞窟網を発見した時、探索の拠点として築いた地下都市。現在は最高品質の鉄の生産地として反映する。
ター・カズムーク Tar-Kazmukh:秘術の研究が盛んなことで知られ、それに関する大図書館がある都市。
[1] David A. Eitelbach et al.(2009). Dwarves of Golarion, Paizo Publishing, LLC. ISBN 978-1-60125-204-5
[2] James Jacobs et al.(2011). The Inner Sea World Guide, p. 85. Paizo Publishing, LLC. ISBN 978-1-60125-169-2
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