涅槃界ニルヴァーナ は、秩序にも混沌にも偏らない純粋なる善の牧歌的な自然の楽園であり、ヘヴンとエリュシオンとの間の仲裁を行いつつ、心配や苦悩から解き放たれた個人の啓発の境地を目指している。しかし、この次元界は凡下を脱した覚者の地ではなく、疲れた魂の安息所、悪を悔やむ魂の贖罪の地である。この次元に辿りついた魂は、徐々に、あるいは一気に生前の記憶を失っていき、最終的にこの次元界そのものと神的な合一を果たす。
この次元界に土着の来訪者であるアガシオン agathion は、レオナルやアヴォラルのような、獣の要素を持つセレスチャルである。彼らはニルヴァーナの中でそれぞれの職務を果たしながら、この次元界の神秘を探究する。アガシオンたちは明確な組織は持たないが、不安を和らげ抑圧を去る踊りを多色のヴェイルの中で舞うアーシェイや、夢の蓮の中で心の調和を求めるコーラダ、レオナルの指導者ケルマリオンのような、リーダーシップのあるものを中心とした、人的紐帯によるグループを作る。
エンジェルたちはこの次元界の外で、善の理念を実現しようとする。多くはアストラル界の魂の川で、死者の魂をフィーンドなどの襲撃から守っている。
最期に罪多く人生を後悔した魂は、悔悟者の島 Isle of the Penitent にたどり着く。自らの後悔によってこの島に縛り付けられ、その苦悩と悲惨が霧となってこの島を包んでいるが、ここで罪を償い終えた魂はこの島を出、エンジェルとなってニルヴァーナの神聖軍に加わる。
この次元界に住む神格は、シェーリン、サーレンレイ、クージェスである。
[1] Todd Stewart(2009). The Great Beyond, . Paizo Publishing, LLC. ISBN 978-1-60125-167-1
[2] Erik Mona et al.(2008). Campaign Setting, p. 175. Paizo Publishing, LLC. ISBN 978-1-60125-112-1